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2011年3月31日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録

医薬食品局

○日時

平成23年3月31日(木)16:00~


○場所

厚生労働省 専用第22会議室


○出席者

出席委員(16名):五十音順 敬省略

◎五十嵐   隆、 猪 熊 茂 子、   遠 藤 一 司、  金 澤   實、

 倉 田 雅 子、  高 杉 敬 久、   新 見 伸 吾、  林   邦 彦、

 日 野 治 子、 平 原 史 樹、  槇 田 浩 史、 ○松 本 和 則、

 三 谷 絹 子、 三 宅 良 彦、  村 島 温 子、  渡 邉 治 雄 

(注) ◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(6名)五十音順 敬省略

 石 井 則 久、 生 出 泉太郎、  大 野 泰 雄、 加 藤 進 昌、

 國 頭 英 夫、 倉 山 英 昭

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 佐 藤 大 作 (安全使用推進室長)

 森   和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、「平成22年度第3回医薬品等安全対策部会」を開催いたします。本日の部会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただいていますので御理解・御協力のほどをお願いいたします。また、傍聴の方々におかれましては、静粛を旨とし喧噪にわたる行為はしないこと、座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うことなど、留意事項の厳守をお願いいたします。
 本日御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。本日の会議は、石井委員、生出委員、大野委員、加藤委員、國頭委員、倉山委員より御欠席の御連絡がありまして、日野委員から少し遅れる旨御連絡があり、高杉委員と渡邉委員が若干遅れているようです。現在13名の委員に御出席いただいています。本部会の定員は22名ですので定足数に達しています。
 最初に、薬事・食品衛生審議会の委員の改選が1月に行われまして、この部会につきましても新しく委員の任命が行われたところです。つきましては、お手元にございます委員名簿に即しまして、御出席委員の先生方を事務局から御紹介申し上げたいと思います。
 東京大学の五十嵐委員です。日本赤十字社の猪熊委員です。御新任であります、明治薬科大学の遠藤委員です。御新任であります、埼玉医科大学の金澤委員です。納得して医療を選ぶ会の倉田委員です。国立医薬品食品衛生研究所の新見委員です。群馬大学の林委員です。御新任であります、横浜市立大学の平原委員です。東京医科歯科大学の槇田委員です。独協医科大学の松本委員です。御新任であります、独協医科大学の三谷委員です。聖マリアンナ医科大学の三宅委員です。御新任であります、国立成育医療研究センターの村島委員です。
 また、この部会の部会長ですが、1月24日に開催された薬事分科会において選出が行われていまして、医薬品等安全対策部会は五十嵐委員に部会長をお願いすることとされていますので、事務局から御報告申し上げます。さらに、部会長代理ですが、規定により、部会長から御指名いただくこととなっています。五十嵐先生、よろしくお願いいたします。
○五十嵐部会長 それでは、松本先生にお願いいたしたく存じますが、いかがでしょうか。
○事務局 部会長代理は松本委員にお願いしたいと思います。松本先生は部会長代理席に御移動をお願いいたします。それでは、議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
 本日の部会におきましては、個別の医薬品等の安全対策に係る審議はないため、すべての委員が審議及び議決に加わることができることを御報告させていただきます。
 以降の議事進行を五十嵐部会長にお願いします。
○五十嵐部会長 ありがとうございます。先生方におかれましては、お忙しいところをお集まりいただきまして本当にありがとうございます。初めに、事務局から今日の配付資料の確認をしていただきますので、よろしくお願いします。
○事務局 各委員の先生方には事前に資料を送付しておりますが、お手元の資料で御確認をお願いします。
 まず、資料1のシリーズは、医薬品等の市販後安全対策関連です。資料1-1「医薬品等の使用上の注意の改訂について」、資料1-2「新型インフルエンザワクチン及び子宮頸がん等ワクチンの安全対策について」、資料1-3「血漿分画製剤の核酸増幅検査結果等について」、資料1-4「小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの安全性について」です。
 資料2のシリーズが、医薬品等の副作用等報告の状況の関連です。資料2-1「薬事法第77条の4の4の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用・感染症等報告について」、資料2-2「国内副作用報告の状況(医療用医薬品)」、参考資料2-2「薬効分類表」、資料2-3「国内副作用報告の状況(一般用医薬品)」、資料2-4「国内感染症報告の状況」、資料2-5「外国における新たな措置の報告状況」、資料2-6「研究報告の報告状況」です。
 資料3のシリーズが、医薬品の感染症定期報告の状況の関連です。資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧」、資料3-2「感染症定期報告の報告状況」です。
 資料4のシリーズが、その他です。資料4-1「市販直後安全性情報収集事業の結果」、資料4-2「一般用医薬品のかぜ薬(内用)、鎮咳去痰薬(内用)及び鼻炎用内服薬のうち、小児の用法を有する製剤の販売に係る留意点について(周知依頼)」、資料4-3「ゲムツズマブオゾガマイシン(遺伝子組換え)に係る適正使用の推進について」、資料4-4「輸血による肝炎ウイルス等への感染が疑われた場合の対応についてのお願いについて」、資料4-5は、当日配付しているものですが、「抗がん剤投与例での転帰死亡症例の公表状況」です。以上です。
○五十嵐部会長 続いて御説明いただけますでしょうか。
○事務局 議題1の「医薬品等の市販後安全対策について」、御説明します。まず、資料1-1を御覧ください。今回の部会においては、昨年11月26日に開催された今年度第2回医薬品等安全対策部会以降に改訂したものについて御報告します。この使用上の注意の改訂については、本部会の先生方に事前に改訂について御意見をいただいているものです。いつも御協力いただき、ありがとうございます。
 資料の一番左の行は、2010年度に改訂した案件の通し番号です。まず、10ページにある、平成23年3月22日に改訂指示を発出したオキシペルチンについて御説明します。これについては、定型・非定型を含めた抗精神病薬全般について、「妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に離脱症状や錐体外路症状があらわれとの報告がある。」を、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項に追記したものです。
 次に17ページです。今月29日に改訂指示を発出しているもので、後で資料1-4にて詳しく御説明がありますが、3月8日及び24日に行われた安全対策調査会及び子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の検討結果に基づき、沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン及び乾燥ヘモフィルスb型ワクチンについて、「本剤と他のワクチンを同時に同一の被接種者に対して接種する場合は、それぞれ単独接種することができる旨の説明を行うこと。特に、被接種者が重篤な基礎疾患に罹患している場合は、単独接種も考慮しつつ、被接種者の状態を確認して慎重に接種すること」を、「重要な基本的注意」に追記を行ったものです。簡単ですが、御説明は以上です。
○事務局 続きまして、資料1-2、報告事項の(2)「インフルエンザワクチン及び子宮頸がん等ワクチンの安全対策について」の資料について、御説明します。
 このワクチンに関しては、新型インフルエンザワクチンについては、昨シーズンから接種事業を実施しておりますが、今シーズンも昨年10月から厚生労働省として接種事業を実施しております。また、子宮頸がん等ワクチンについては、子宮頸がんワクチン以外に、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンが含まれていますが、いずれも昨年11月から厚生労働省として接種事業を開始したワクチンであり、健康局の委員会と本部会の下部組織である安全対策調査会を合同で開催して、適宜安全性の情報の収集評価をしています。この関係では、2月28日に実施しました今年度第3回の合同会議の資料を御用意していますが、12月6日にも第2回の合同会議を開催して、検討を行っております。
 2月の資料が新しいものになっているので、資料の1ページを御覧ください。まず、インフルエンザワクチンの副反応の関係についてです。医療機関からの今シーズンの報告状況が1枚目の表にあります。約5,000万回分の接種回数が医療機関に納入されています。副反応報告は661件あり、重篤が123、死亡が16です。昨シーズンの新型インフルエンザワクチンの接種事業に比べると、報告頻度として、副反応の重篤報告は1桁程度低い数字になっています。死亡も昨年は100を超える報告がありましたが、今シーズンでは1月末までで16件となっています。
 資料の4ページです。医療機関からの報告以外に製造販売業者からの副反応報告も同時に求めていますが、こちらも、5,000万回接種に対して重篤なものが81件で、頻度にしまして0.002%で、先ほどの医療機関からの報告と同じ程度の報告が企業からも寄せられている状況です。
 5ページは、医療機関からの接種者数の報告です。インフルエンザワクチンの接種事業においては基礎疾患を有する方や年齢別に、接種者数の集計を事業として行っています。その各背景別に副反応報告の頻度を集計分析したものです。昨シーズンも実施していますが、際立って今シーズン改めて異なった傾向、問題となる点などは見られなかったものと承知しています。インフルエンザワクチンの重篤な副反応の報告について、医療機関からのものが12ページから、製造販売業者からの報告が18ページから、一覧として添付しています。
 また、20ページからは、今シーズンに報告のあった死亡症例の一覧について取りまとめています。22ページには、年齢別の分布を集計していますが、やはり高齢者の方に多く、基礎疾患を有しているという背景は昨シーズンとも共通したものです。以上が、新型インフルエンザワクチンの関係の資料です。
 23ページ以降は、子宮頸がん等ワクチン接種事業の関係の、3つのワクチンに関して、順に資料をまとめているものです。23ページは、「子宮頸がん予防ワクチンの副反応報告状況について」です。1の副反応報告数は、今年の1月末までの分を集計しております。発売開始から平成23年1月末までで約100万回接種分が供給されています。製造販売業者、即ち企業から99、医療機関から29の報告があり、医療機関29のうち重篤が11件でした。
 24、25ページは、今回11月から開始した接種事業における接種者数の状況に基づいて、報告頻度を出したものです。まだ事業が始まって間もないことから開始している市町村数も少なく、特別の傾向などはまだ見られる段階にはありません。
 26ページ以降は、先ほどのインフルエンザワクチンと同じように、重篤な報告の一覧を医療機関と製造販売業者からのものを添付しています。
 29ページには、重篤な副反応報告の件数別に多いものを、製造販売業者・企業からのものを集計しています。子宮頸がんワクチンでは、ほかのワクチンと比べて接種される年齢層も違いますが、特徴的なものは失神あるいは失神寸前の状態の報告が比較的多く見られている状況であります。
 そのほか、31ページに、一部に後遺症で、味覚・嗅覚低下などがありました症例に関する概要を添付しています。非重篤な症例の一覧を33ページに添付しています。
 34ページ以降は、GBS、ギラン・バレー症候群やADEMの可能性のある症例についての評価を行っていますが、39ページにあるように、これまでにこのワクチンで確認された報告はありません。
 40ページ以降に、アナフィラキシーが疑われる副反応についてのリストを添付しています。集計として59ページを御覧ください。アナフィラキシーとして報告されているもの9件あります。表の上が消えておりまして申し訳ありませんが、「アナフィラキシーの可能性のある症例」の隣に9として症例数が記載されています。2は、アナフィラキシー症例を確かめるブライトン分類という評価基準がありますが、この評価基準で専門家の評価により、一定水準以上にある症例はこのうちの2例です。頻度的には大きな問題となるものではないと考えています。また、迷走神経反射が失神などにも繋がるわけですが、この症例にもアナフィラキシー反応が紛れ込んで報告されることがあるので34例を確認しましたが、ブライトン分類が3以上になるようなアナフィラキシーの症例はこの中には含まれていませんでした。
 60ページ以降は、資料2-2として、ヒブワクチンの副反応の報告状況です。構成は同じようになっていまして、こちらは発売が平成20年12月です。およそ300万回分の接種がありまして、企業から55、医療機関から19、医療機関19のうち重篤が2例という報告状況です。
 資料の構成は同じで65ページに、件数別の集計があります。こちらのワクチンは乳児を中心として打たれるワクチンですので、多く見られる副反応は発熱が多くなっています。
 66ページには、このワクチンで昨年10月に1回目を接種しまして11月に2回目の接種をした症例で、死亡の報告が1例ありました。この症例に関して専門家の評価もいただきまして、SIDSの可能性が高いというものでしたが、症例の評価・検討を行った資料を添付しています。
 そのほか、72ページにGBS、ADEMの症例があります。こちらも、GBSやADEMとして確認されているものはまだ0例です。
 アナフィラキシーに関しては、78ページになりますが、9例報告中6例がアナフィラキシーの可能性が高いものであるという評価がされています。
 79ページは、小児用肺炎球菌ワクチンの副反応の報告状況です。こちらは、昨年2月から発売開始されているもので約200万回程度接種されているのではないかということです。製造販売業者から58、医療機関からは22件の報告、うち重篤が3例となっております。84ページに、副反応について件数別の集計をしています。こちらも、やはり乳児を中心として接種されるワクチンですので、発熱が多く見られている傾向にあります。
 こちらに関するGBS、ADEMやアナフィラキシーの症例に関しては、87ページにGBS、ADEMがありますが、疑われる報告も含めてまだ0例です。アナフィラキシーに関しても、90ページにあるように、これまで確認されているものはブライトン分類で3以上のものは見られていない状況になっております。
 資料2-4は、子宮頸がん予防ワクチンに関して、先ほど件数別の御紹介の中で失神の症例が多いと申し上げましたが、今回このワクチンに関しては、昨年12月6日にも合同会議で検討しており、その際にも、失神に関する注意喚起、小児科学会などでも10代の方へのワクチン接種に関して注意喚起を行うべきであるとしていましたので、92ページにあるような、接種する際に御注意いただきたい点の3.として、転倒による事故などを防ぐ意味での注意喚起を実施しているとともに、93ページにあるような添付文書に関しても失神の注意喚起の内容をより具体的に、座らせるなどした上で観察することが望ましいと改訂したものです。以上が資料1-2の関係の御報告になります。
 このうちのワクチンのヒブワクチンと小児用肺炎球菌のワクチンの関係は次の資料1-4になるので、資料1-3として、先に、血漿分画製剤の核酸増幅検査結果に関する御報告をします。
 血漿分画製剤とウイルス肝炎の安全性評価に関して、厚生労働省は平成19年から作業を実施しています。この関係については、昨年6月23日に同じように当部会の下にある安全対策調査会と、同じく薬事・食品衛生審議会にある血液事業部会の安全技術調査会と合同で開催して、安全性の精査をしていただき、昨年8月4日に開催した本部会にその結果を御報告しています。
 その際に、昨年6月時点の評価では、各製剤の製造方法などからウイルス安全性の評価を主に実施しましたが、過去の製剤に関して製剤の保管状況などをもう一度確認し、実際の製品で核酸増幅検査(NAT)を実施して確認できるものがあれば実施することが望ましいという御意見を頂戴しました。それ以降、保管状況などを確認して、NAT検査を実施することができたものについて、改めて3月8日に合同会議を開催し、御報告したものを本部会に御報告するものです。
 まず、資料1-1は、過去の血漿分画製剤に対する核酸増幅法によるHCV遺伝子の検査に関する研究です。こちらの対象とした製剤は、製品を製造する際に、現在では原料血漿に核酸増幅検査を実施していまして、1990年代の後半に順次NAT検査が導入されていますが、それらのNAT検査が導入される以前の原料血漿から製造された製品で現在保存されているもの、また、安全性の高いとされるアルブミンやグロブリンを除いた製剤に関して保存があったものに関し、NAT検査を改めて現在の技術水準で実施したものです。
 3ページに結果の一覧があります。フィブリン糊や血液凝固第8因子、第9因子製剤、トロンビンがあります。いずれも、製造当時NAT検査は実施されていませんが、原料血漿にHCVの抗体検査は実施されていること、また、いずれも加熱やSD処理など、HCVに対する有効な不活化処理が行われていることもあり、今回改めて試験を行いましたが、製剤からはいずれもHCVの検出はなかったものです。
 資料1-2が12ページ以降にあります。こちらは、比較的最近、製造が2006年ですが、2008年にHCVの感染症例報告のあったものについて併せて今回NAT検査を実施したものです。15ページに結果があります。こちらもやはり、製剤からのウイルスの検出はなかったものです。
 それから、別紙2として19ページ以降に資料2-1があります。昨年6月に合同会議を実施して、本部会にも報告した資料が21ページ以降にあります。こちらに御用意した資料に関して、一部、製造方法の記載の不備があったもの、そのほかの修正として、20ページの2として、一部事実関係の記載を誤っているものがありましたので修正をしています。
 20ページの修正の1「エタノール分画以外の製造方法の記載不備について」については、株式会社ベネシスから、一部の製剤の原料について記載が不十分であったということがありましたので、今回、44ページ以降の資料2-2を改めて提出いただいて、合同会議での御検討をお願いしたものです。この結果、特に深刻な懸念のあるものではないという評価を改めていただいております。
 また、この関連では資料2-1の最後、43ページに、今年1月の新聞記事で「グロブリンに感染力」という、過去の製剤に関するこのような記事が出ておりましたので、改めて今回の合同会議にも御報告させていただきました。本件に関して、報道以外での学会誌、学術誌での情報などはありませんので、私どもで実験を行ったとされる先生にも安全技術調査会の先生にも御同席をしていただき、ヒアリングを行いました。HCVの培養ヒト幹細胞への感染実験自体が非常に難しい実験であることから詳細をお尋ねしましたが、学会発表や学術誌への投稿などが行われる予定はなく、詳細も十分に明らかにしていただけなかったこともありまして、合同会議の先生方にもお伺いさせていただきましたが、現時点では科学的な判断材料としては十分なものではないという御評価をいただいていることを併せて御報告申し上げます。資料1-3は以上です。
 最後に、資料1-4です。こちらは先ほど本会議に先立ちまして、14時半から15時半まで行いました合同会議の結果も含めた資料になっています。先ほど御説明した接種事業の中の、小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンに関する接種の一時的見合わせと再開に関する資料の一連のものを添付しています。
 1ページを御覧ください。3月4日に公表しましたプレスリリースを添付しています。3月2日~4日までの間に4例の接種後の死亡例が報告されましたことから、接種を一時的に見合わせることとしたものです。この症例に関して因果関係の評価など、安全対策部会の安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会を早急に合同で開催し詳細な検討を実施する予定であるという状況でした。
 2ページにあるように、3月8日に1回目の合同会議を開催して、1のとおり、報告した5例に関して、この時点で症例評価を実施し、現段階の情報においては、直接的な明確な因果関係は認められないと考えるが、さらに、入手可能な情報を次回までに収集する、という御意見を頂戴しています。今回の症例の中には、1例目と2例目で小児用肺炎球菌ワクチンが同じロットであったことが当時状況としてありましたので、ワクチンの検定結果なども詳細に確認させていただきました。検定結果に問題はなかったということですが、製造工程の詳細な逸脱等についての確認もこの時点で御指摘いただいています。そのほか、諸外国の状況、同時接種の安全性、接種者数等の情報について早急な情報収集をし、次回検討することを、3月8日に御指摘いただいたものです。
 3月24日に、御指摘を受けた資料のできる限りのものを整えて再度会議を開催し検討した結果が、3ページからの資料です。1が報告された7例の評価です。これは、3月以降ではなく、過去のものに遡った報告もありまして、この時点でトータル7例になったものです。詳細な情報入手に努めて、改めて評価を実施しています。
 (4)にあるように、現段階の情報において、直接的な明確な因果関係は認められないという結論は前回と同様でした。ただし、例えば、重い先天性の心疾患などの重篤な基礎疾患を有する患者には、状態によって十分な注意が必要である、という評価もいただいています。
 それから、2として諸外国の状況について、3月8日に御指摘をいただいた点をいろいろ資料を集めて評価しましたが、海外でも接種後に一定頻度の死亡例の報告がやはり行われています。3.としまして、国内で今回見られている死亡報告の頻度では、海外と比較して特段大きな違いは見られないものであったことから、報告状況自体に特段の問題があるとは考えにくいという御評価をいただいたものです。
 今回相次いだ報告に関しては、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンを対象とする事業が開始されたこともありますが、いずれも同時接種であったことから、3として同時接種についての御評価もいただいています。1.として、平成23年2月の1か月、事業もかなりの自治体で開始されている状況で、これらワクチンは75%以上同時接種で行われていました。2.として、副反応の同時接種での発現率に関しては、単独に比べて高い傾向があるとする報告と有意差はないとする報告とがありますが、重篤な副反応の増加は見られないということでした。また、基礎疾患を有する患者への国内での接種実績等から安全性上の懸念は報告されていないこと。また、4.の海外の状況は、欧米においても同時接種は問題ないとされ、推奨されている状況から、同時接種そのものに重篤な副反応の増加は認められておらず、特に安全性上の懸念は認められないという結論でありました。
 4「検定結果と品質管理」については詳細を御検討いただきましたが、検定結果・品質管理に問題となる点は認められませんでした。また、この際、ヒブワクチンの異物の混入による自主回収が並行して行われましたが、この事案に関しては、混入異物の同定結果などを御報告させていただきまして、死亡症例との関連性はないとの御評価をいただいています。
 5「今後の対応」としまして、関連性が直接的な明確なものは認められないことから、(2)にあるような、下記の事項に留意することが適当であるとした上で、安全性上の懸念はないことから、接種の再開をして差し支えないのではないかと御結論をいただいています。(2)の1.に関しては、同時接種により、短期間に効率的に予防効果を獲得できるメリットが期待されると同時に、それぞれ単独接種が可能であることを示した上で、同時接種を行う場合には、その必要性を医師が判断し、保護者の同意を得て実施するとしたものです。
 2.は、重篤な基礎疾患、例えば重篤な心疾患のある乳幼児については、髄膜炎等の重症感染症予防のためにワクチン接種が望まれるものであり、状態を確認して慎重に接種する。その際、単独接種も考慮しつつ、同時接種が必要な場合には、医師の判断により実施する。という御意見を頂戴しています。(3)、(4)、(5)は今後の対応などについていただいた御意見を取りまとめたものです。
 7ページ以降は、いただいた結論に基づきまして、明日4月1日からワクチン接種を再開するということで、3月29日に関係自治体などに厚生労働省から提供した情報提供の資材です。
 9ページからは、一般向けの再開に関するQ&Aです。一時的に見合わせた理由や再開の判断の理由などの、一般の方から多く寄せられるQ&Aを作成し、こちらも既に厚生労働省から情報提供をしています。また、13ページには自治体向けのQ&Aを用意しています。ほか、先ほどお話のあった「使用上の注意」の改訂なども33ページなどに添付しています。
 35ページ以降は、先ほど申し上げました、合同会議で検討いただく際に使用しました主要な資料を添付していますので御参考にしてください。御説明が長くなりましたが、以上です。
○五十嵐部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見、ございませんでしょうか。よろしいですか。
○事務局 申し訳ありませんが、少し遅れて御到着された先生の紹介をさせていただきます。日本医師会の高杉委員、関東中央病院の日野委員、国立感染症研究所の渡邉委員です。以上です。
○五十嵐部会長 よろしいですか。それでは、議題2について御説明をお願いします。
○事務局 報告事項2の「医薬品等の副作用等報告の状況」について、御説明します。資料2-1を御覧ください。「薬事法第77条の4の4の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用・感染症等の報告」について、御説明します。本報告は、前回の部会での報告以降の平成22年8月1日~平成22年11月30日までに受け付けた副作用報告等に関する状況となります。
 報告事項は大きく二つです。一つ目として、1に示すように製造販売業者からの報告、二つ目として、2に示すように医薬関係者からの報告についてです。
 1、(1)国内症例の報告状況です。表の左側、副作用報告について、医療用医薬品について1万1,624件、一般用医薬品について88件、合わせて副作用報告としては1万1,712件の報告を受け付けています。また表の右側、感染症報告として、医療用医薬品について41件の報告を受け付けています。前回の部会において平成22年4月1日~平成22年7月31日の期間内に副作用報告として1万1,300余りの報告、感染症として20件余りの報告を受け付けていますので、報告件数としては大きな変更はないものと考えています。
 (2)として外国症例の報告状況です。この4か月間において副作用報告が5万7,784件、感染症報告が13件でした。なお、前回の部会の4か月間の報告期間においては、副作用報告が5万1,000件余り、感染症報告が10件でした。
 (3)外国での新たな措置の報告状況ですが、この4か月間で323件の報告を受け付けています。前回の報告期間で297件と報告を受け付けています。
 (4)研究報告の報告状況です。この4か月間で292件の報告を受け付けています。前回の報告期間で378件でしたので、それほど大きな変動はないものと考えています。
 2として医薬関係者からの報告です。この4か月間において、合計1,634件の報告を受け付けています。前回の報告期間においておよそ1,300件もの報告を受け付けており、こちらも副作用報告件数には大きな変動はないものと考えています。
 これらの報告数に関しては、元の資料として資料2-2~2-6を参考として付けています。こちらについては資料が多くありますので、概略のみを御説明したいと思います。
 資料2-2を御覧ください。こちらでは医療用医薬品における国内の副作用報告状況を示しています。当該期間に報告がありました医薬品について、すべて掲載しています。医療用医薬品については薬効分類別に並べていますが、資料が多く分かりにくいということもあるので、参考資料2-2として薬効分類表を付けています。こちらを参照して御確認いただければと思います。
 資料2-3を御覧ください。一般用医薬品の国内における副作用報告です。一般用医薬品については、一番左の行に薬効群の名前を示していますので、こちらを参考に状況を御確認いただければと思います。また、昨年の7月29日より医療機関報告及び企業からの副作用報告において、販売経路の情報についても併せて御報告いただくようにお願いしていることから、今回の部会の報告より販売経路の情報についても記載しています。
 資料2-4が感染症報告の状況です。この資料において1点だけ御説明します。8ページの32を御覧ください。輸血によるC型肝炎ウイルスへの感染が疑われる症例が確認されています。なお、この症例に関連して同一の献血血液による別の製剤での感染も報告されており、備考欄にその旨を記載しています。また、この関係では、資料4-4に示しているように、関連する通知を発出しているので、後ほど事務局より御説明します。また、資料2-5、資料2-6がそれぞれ海外での新たな措置、研究報告の報告状況となっています。非常に簡単ではございますが、以上です。
○五十嵐部会長 これに関して、何か御質問、御意見はありますか。御意見がないようでしたら、議題3に進みたいと思います。事務局、御説明をお願いします。
○事務局 報告事項3の「医薬品の感染症定期報告の状況について」です。資料3-1と資料3-2をお手元に御用意ください。こちらでは薬事法第68条の8に基づいて医薬品の感染症定期報告、生物由来製品の生物由来原料等に関しての感染症に関する報告を求めているものです。
 今回も先ほどの資料と同じように平成22年8月~平成22年11月末までに報告された感染症定期報告を取りまとめています。合計で資料3-2の方が報告状況の全体版になりますが、395件の報告がありました。二つあるうちの資料3-2が医薬品医療機器総合機構からの感染症定期報告の整理調査結果になりますが、医薬品並びに原材料ごとになっていることから、感染症単位で各文献の概要を改めて資料3-1として取りまとめているので、報告されている内容についてはこちらで御説明をします。
 資料3-1では全体16ページの資料ですが、今回の調査期間中147件の報告で新たな文献や報道記事などがありました。前回の部会までの報告の傾向では、インフルエンザの関係が新型インフルエンザを中心としてかなり多かったわけですが、今回、その関係がかなり減りまして、感染症別の件数では口蹄疫が一連の報告の連報ですが27件ほどありました。次いでBSEやCJD、異型クロイツフェルト・ヤコブ病という関係のものが合わせて13件、その他炭疽あるいは結核という感染症に関して、内容が主に海外でのアウトブレイクの報告などで、医薬品等への新たな安全性上の問題との関連性、直接の関連性の低いものですが、それぞれ12件というところが比較的多いものになります。
 なお、インフルエンザの関係は、前回の報告では全部で40件ありましたが、今回はそれぞれ合わせても6件とかなり激減しています。報告されている文献の内容については、それぞれ事前に本部会の委員であります渡邉先生、石井先生、新見先生など、あるいは感染研の各担当部の先生方にも御確認いただいていますが、安全対策措置を新たに講ずる必要性のあるものはないということで、個別に御紹介いただく案件は特にないと承っています。
 併せて資料の3ページに12~14ということで、レトロウイルス(XMRV)というウイルスの報告が今回も3報ありました。このウイルスに関しては慢性疲労症候群との関係などが指摘をされ、現在、調査が行われているウイルスということになっています。主に安全対策という観点からは、輸血、献血時の献血制限などが一部の国で対応されている所ではありますが、こちらのウイルスの安全性に関しては、本部会ではございませんが血液事業部会が同じ薬事・食品衛生審議会にあり、血液事業部会並びに血液事業部会運営委員会で、随時、最新の報告をいただいて検討されていますので、その状況だけ御報告します。
 血液事業部会運営委員会は、直近では今年の2月18日、血液事業部会は3月8日に行われていますが、そちらの部会においては4点取りまとめられています。1点目としては、このウイルス、XMRVと慢性疲労症候群の関連について、肯定論文、否定論文それぞれのものが現在混在して報告されており、関連性は未だ不明であるということです。2点目としては、我が国での慢性疲労症候群の患者100名の血液を検査した結果では、いずれからもウイルスは検出されていない状況であります。3点目としては、献血はもちろん健康な方でなければできないものであるので、現在、慢性疲労症候群の症状を呈している方は、もちろん実質的に献血制限をされている状況にあります。4点目としては、既往歴まで含めた献血制限の実施などについては、患者、家族などへの社会的影響が及ぶ可能性があるために、慎重な対応が求められているということがあります。血液事業部会においては以上4点を基に現時点では献血者一人一人の既往歴まで遡っての献血制限は行わず、今後の研究の動向を注視すべきというのが現時点での結論として得られているところです。感染症定期報告の関係の御報告は以上です。よろしくお願いします。
○五十嵐部会長 ただ今の御説明については、何か御質問、御意見はありますか。よろしいですか。意見がないようですので、議題4に進みたいと思います。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 市販直後安全性情報収集事業結果について報告します。本事業は、新たに承認された新医薬品のうち新規性が高いもの、国内外において使用経験が少ないものなど、特に市販直後の安全性確保が必要と判断されるものについて、原則として6か月間、当該医薬品の使用状況や副作用の発現状況、また臨床現場への製造販売業者による安全性情報の提供状況などの情報を、毎月、医療機関より提供していただき、必要な対策を図ることを目的とした事業です。
 資料4-1を御用意ください。今回、ロゼレム錠、一般名ラメルテオンについて調査が終了しましたので、御報告します。製造販売元は武田薬品工業株式会社、効能・効果は不眠症における入眠困難の改善です。調査に御協力いただいたのは、旭川リハビリテージョン病院等の資料の中ほどに記載している5施設の医療機関で、当該医薬品の使用状況や重篤な副作用、また製造販売業者による安全性情報の提供状況などについて、平成22年7月6日~6か月間、毎月1回御報告をいただきました。
 使用状況については、すべての医療機関で採用され、約100名の患者に使用されました。
 副作用の発現状況ですが、調査実施機関からは重篤な副作用の発現及び報告はありませんでした。非重篤な副作用として残眠感2件の報告がありました。また、調査実施期間中は、定期的な訪問により安全性情報の提供が行われていたとの報告がありましたが、2施設から、調査期間におけるMRの訪問のうち、一部が本剤以外の製品の情報提供等を目的としたものであった旨の報告がありました。
 調査期間終了後、製造販売業者へ当該施設への訪問状況等について聞き取り調査を行った結果、当該施設における活動記録はあるものの、活動内容について一部詳細が不明であったことから、今後、市販直後調査に係る情報提供活動の適切な実施のために、MR活動記録の管理方法を改善するなどの対策を徹底するとの回答がありました。医療機関においては、製造販売業者から安全性情報について院内に周知するなど、適切に活動した旨の報告がありました。以上です。
 「一般用医薬品のかぜ薬、鎮咳去痰薬及び鼻炎用内服薬のうち、小児の用法を有する製剤の販売に係る留意点について」、御説明します。資料4-2を御用意ください。
 一般用医薬品のかぜ薬、鎮咳去痰薬及び鼻炎用内服薬のうち、小児の用法を有する製剤については、「通知及び事務連絡」により、添付文書の使用上の注意の「用法及び用量に関する注意」の項に、「小児に服用される場合には、保護者の指導監督の下に服用させること」。「2歳未満の乳幼児には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合のみ服用させること」を記載するよう製造販売業者を指導し、使用者に対する注意喚起を行ってきたところです。
 風邪シーズンを迎えるに当たり、これらの適正使用の注意喚起が使用者に対して適切に提供されることを徹底するために、小児用のかぜ薬などの販売、又は授与に当たっては、購入者又は配置先に対して使用者の年齢を確認し、2歳未満の乳幼児に使用する場合には、医師の診療を受けさせることを優先し、やむを得ない場合にのみ服用させること。15歳未満の小児に服用させる場合には、保護者の指導監督の下に服用させること。といったように使用者の年齢に応じた適正使用のための情報提供を行い、注意喚起を行うよう求めています。
 なお、適正使用の注意喚起においては、補助的な情報資料を用いるなど、分かりやすい説明に努めることとしています。以上です。
○事務局 資料4-3「ゲムツズマブオゾガマイシンに係る適正使用の推進について」、御説明します。急性骨髄性発血病の治療薬でありますゲムツズマブオゾガマイシン、販売名はマイロターグですが、米国で実施された市販後の臨床試験において、標準的な初回寛解導入療法への本剤の上乗せに係る臨床的な有用性が認められなかったことから、昨年10月15日付で米国における承認が取り下げられ、その後は試験薬としての提供となりました。
 この措置を受け、昨年11月2日に安全対策調査会を開催し、本邦における本剤の取扱いについて調査審議をした結果、本剤のリスクベネフィットバランスは承認時と変わるものではないと判断されたことから、本邦における製造販売を継続することとされ、本剤の使用に際して他の抗悪性腫瘍剤と併用しないことを徹底するといった承認時の効能・効果、用法・用量を遵守するための適正使用確保措置を講じることが製造販売継続の条件とされました。以上については、昨年11月29日に開催された前回の安全対策部会で御報告したところです。
 マイロターグの製造販売業者に対しては、今回の臨床試験結果などを含む情報提供資材の速やかな配布、適切な投与対象、投与方法を確認するための本剤投与前の患者チェックリスト及び同意書の作成・配布を指示したところでしたが、その後関係学会である日本血液学会及び日本臨床腫瘍学会の御協力をいただき、本剤の適正使用の確保策について検討を継続してまいりました。
 その結果、両学会に御理解いただき、本年3月1日、資料2ページにお示ししたとおり、添付文書に記載された各事項の事前チェックや患者へのインフォームドコンセントの徹底といった本剤の適正使用推進のための取組みや適正使用ガイダンスの作成、さらには適正使用の取組みが適切に行われていることを確認するための第三者登録制度の創設を行うこととし、これらの実施について両学会の御協力をいただくこととなり、このような文書を発出したので、御報告します。
 また、第三者登録制度が円滑に機能するよう、資料の5ページにお示ししたとおり、企業、製造販売業者に対して、両学会に協力をするよう併せて要請をしました。
 現在、登録先の機関を選定しており、これらの措置が速やかに講じられ、医療現場において本剤の安全対策の一層の確保が図られるよう、引き続き対応を進めてまいります。以上です。
○事務局 資料4-4について御説明します。こちらは「輸血による肝炎ウイルス等への感染が疑われた場合の対応についてのお願い」というものです。先ほど資料2-4で国内の感染症報告の状況について御説明した際に、同じ献血由来の献血用血液製剤から2例のHCV感染の報告があり、現在、HCVの輸血を介したウイルス感染リスクは、高感度検査の導入により、実際には数百万分の1程度までリスクが低減化されており、何年かに1件報告があるかどうかという状況ですが、今年の秋、11月、12月にかけて2例報告があったものです。
 同一献血血液から、下の方にあります※、全血献血血液からは、赤血球製剤と新鮮凍結血漿が製造され、赤血球製剤が早期に使用されるのに対して、新鮮凍結血漿は6か月間貯留保管後に出荷され、採血後1年間の有効期限があるものです。
 今回、赤血球製剤使用例でのHCV感染の報告が速やかにあった場合には、遡及調査が、現在、献血者の情報まで遡ってその献血由来のほかの製剤があれば使用中止、回収などの措置が取られることになっています。速やかになされていれば2例目の感染は防ぎ得た可能性があったという状況から、改めて今般、輸血による肝炎ウイルス等の病源体への感染が疑われた場合の日赤等への速やかな情報提供を関係医療機関などに対して改めて周知のお願いしたものです。以上です。
○事務局 資料4-5「抗がん剤投与例での転帰死亡症例の公表状況」について、御説明します。製造販売業者や医薬関係者から報告を受けた副作用症例については、医薬品医療機器総合機構の情報提供ホームページにおいて、医薬品ごとに副作用の内容ごとの件数、各症例のラインリストを示しているところです。これについて先般、報告全体の総計、このうちの死亡症例の公表数について、過去5年間の状況をまとめたものを、昨年8月に開催した平成22年度第1回医薬品等安全対策部会でお示ししました。
 今般、それをフォローする形で情報提供ホームページで公表されている死亡症例のうち、抗がん剤投与例での転帰死亡症例について、抗がん剤が承認された1年後、2年後の件数の集計したものをお示ししてあります。2ページの表1は被疑薬と死亡との因果関係が否定できないもの、3ページの表2は被疑薬と死亡との因果関係が認められないもの、4ページの表3は情報不足等により被疑薬と死亡との因果関係が評価できないもの、5ページの表4は因果関係にかかわらずすべての転帰死亡症例数を示したものです。
 これらの集計については、同一症例が複数の報告者からそれぞれ報告されることがあり、症例情報には重複して症例が掲載され、報告副作用一覧には重複してカウントされた件数となること、その医薬品が投与された患者数、それぞれの医薬品の特性等により報告される件数は異なるため、症例情報の報告症例数又は件数をもって単純に医薬品の安全性を評価又は比較することはできないことに注意する必要があることを申し添えます。以上です。
○五十嵐部会長 議題4は五つありますが、何か御意見、御質問はありますか。よろしいですか。渡邉先生、どうぞ。
○渡邉委員 先ほどの輸血の肝炎の情報を提供いただければと思うのですが、これはエンドピレレで、最初の「高感度検査の導入等により」というのは、使われた赤血球製剤はこの試験を行っていたのですか。もし行っていたとすると、ウイルス量が感度以下であったということになるのでしょうか。
○事務局 この点に関しては、2006年に投与された製品になりますので、20か50か即答できませんが、プールでのNAT検査が行われていると。今回の感染症報告があったために、個別に献血者の献血血液を、NAT検査したところウイルスが検出されたということで、プールと個別の検出感度の隙間に入ってしまい、非常にごく希な事例として輸血由来での感染の可能性が高いと判断されるものです。
○五十嵐部会長 よろしいですか。ほかにありますか。特にないようですので、事務局からほかにお話することはありますか。
○事務局 特にありません。
○五十嵐部会長 今日用意した議題はこれですべて終了しましたが、これで今日の部会を閉会とします。お忙しいところ、どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 安全対策課 課長補佐 日田(内線2748)

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