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2010年10月8日 化学物質による労働者の健康障害防止に関する意見交換会(リスクコミュニケーション)の概要

○日時

平成22年10月8日(金曜日)13時30分~16時30分


○場所

福岡サンパレス(福岡県福岡市博多区)


○出席者

参加者:約70名


○議題

(1)基調講演
講演者
保利 一(産業医科大学産業保健学部長教授)
大前和幸(慶應義塾大学医学部教授)

(2)意見交換
コーディネーター
堀口逸子(順天堂大学医学部公衆衛生学教室)

パネリスト
講演者2名
田中昭代(九州大学大学院医学研究院環境医学分野講師)
棗田衆一郎(中央労働災害防止協会化学物質管理支援センター課長補佐)
島田和彦(厚生労働省化学物質評価室長)
長山隆志(厚生労働省化学物質評価室室長補佐)

○議事

【リスク評価結果に基づく酸化プロピレン等4物質】
・ 作業環境測定が必要ないと評価された2物質について、指針や通達等で作業環境測定の実施を指導することは、今のところ予定していない。
・ 酸化プロピレンについて、今回は一般的な化学物質の取扱いとしてのリスク評価を行っている。酸化プロピレンを「燻蒸剤」として使っている作業については、リスク評価を行っていない。燻蒸作業については、改めて使用実態を調査し、必要であれば対応する。
・  化学物質には多くの種類があり、また年々増えている。その中で法令の対象となっているものはわずかであり、化学物質の評価は広げていく必要がある。許容濃度、管理濃度のない物質についてリスク評価を進める上でデータ収集が必要である。情報がない物質も、まだたくさんある。
・  マスクを使わないと管理できない物質が出てくれば、積極的にマスクを使用することが必要になってくる可能性はある。保護具は、きちんと付ければ効果が高い。名目の捕集効率だけではなく、マスクフィッティングが重要になる。

【インジウム技術指針】
(作業環境測定及び作業管理)
・ 「目標濃度」の0.01mg/m3は、そのまま管理濃度になるものではない。インジウムについては、0.01mg/m3の値を使って管理区分のように計算して第1管理区分であったとしても、マスク不要の環境とは言えない濃度である。
・  気中インジウム濃度測定の定量下限は、指針案に別紙2の標準分析測定法として示している。ICP-MSで検出すれば、感度は十分ある。
・  作業環境測定は、A測定、B測定と同じように行えば良い。
・  インジウムについては、吸入性の粉じんを取るので、分粒特性として4μmを50%カットするサンプラーで取る。
・ 「使い捨てマスク」については、小検討会の議論の中でも想定していなかった。
・  電動ファン付きマスクは、通常のフィルタマスクより価格が高く、対応するのが大変である。
・  会話のできるマイク・イヤホン付きマスクの充実をしてほしい。また、マスクを安価に揃えられる取り組みを考えて欲しい。
・  マスクのフィルターについては、できるだけ粒子捕集効率の高いもので対応しようという考え。
・  一番良いのは、環境が良くなってマスクが要らなくなること。しかし、インジウムは実験において低濃度で症状が出ている。環境管理だけでなく、作業管理も含めて考えていかなくてはならない。
・  管理をしたところには負担の少ないマスクが使えるようにするが、そのような環境が実現できていないところには、それなりに厳しい作業のやり方をしていただくしかない。
・  マスクフィッティングが重要になる。また、マスク装着についての教育も重要。

(健康診断)
・  インジウムの健康診断は、現在、九州大学と中災防が対応可能。
・  九州大学においては、今まで全血と血清の両方のインジウム濃度を測定し、2倍の作業を行っていた。今後は血清インジウム濃度のみを測定することとなるので、年2回の健康診断となっても、十分対応可能。
・  中災防においては、年2回の健康診断となって検体が倍になっても、すぐには対応できない。現状より2/3増えるくらいまでの対応となる。
・  既に一定のインジウムのばく露があって血液中にインジウムがある労働者に対して、蓄積されたインジウムを積極的に出す方法はない。自然に徐々に排出されるのを待つしかないのが現状。
・  インジウムとたばこを比べると、肺がんでは圧倒的にたばこの方がリスクが大きい。肺気腫も同様。ただし、間質性の変化は、たばこではあまり起きない。これはインジウムの影響があるだろう。
・  血清インジウム濃度の測定精度については、ICP-MSの感度が上がっているので、3μg/Lの測定は難しくはない。普通の分析精度である5%以内は可能。
・  前処理なしの直接希釈で血清インジウム濃度が正確に測定できるかについては明らかではない。九州大学も中災防も前処理をしている。
・  今後、インジウムの健康診断が可能な測定機関が新たに参入してくることが期待できる。その際に問題となるのが精度管理。九州大学が標準血清を作っていて、新しい測定機関は精度管理を行う必要がある。
・  指針案では、離職後の健診は入っていない。慶應大学と九州大学のグループで健診を行っている皆様には退職後も検査をお願いしている。
・  肺以外の臓器について、動物実験では臓器中のインジウム濃度を測ると、蓄積していくという変化が見られる。将来的に他の臓器に何らかの変化が出てもおかしくない。他の臓器も注意深く見て欲しい。

(指針全体)
・  環境は目標濃度であり、0.01mg/m3はがんを考えた濃度。健診は血液濃度であり、3μg/Lは、がんではないものの指標。混乱があるが、現在は、それしか情報がない。
・  用語集、解説集のようなものがあると、統一した理解で混乱しない。
・  注釈については、技術指針発出の際に工夫したい。
・  急に血中インジウム濃度が高くなる人がいるが、マスクをしないで作業をしていたり、新規採用の人が2~3年経って徐々に上昇しているケースがある。教育が重要であり、しっかり取り組んで欲しい。

【全体的な事項】
・  法律で規制されたからといって、その物質だけをやれば良いということではない。法律を守っていても、リスクアセスメントを行って、どの程度リスクが残っているかを含め調査することは、法律上の努力義務になっている。

【その他】
・ 「化学物質の健康障害防止措置に係る検討会」の中に、「インジウムの健康障害防止に係る小検討会」が位置づけられている。
・  本日配布されたパワーポイント資料は公開しても差し支えない。
・  会場で配布される資料は、カラーの方が職場に持ち帰ったときに活用しやすい。
・  厚生労働省HPの資料公開を、もっと早くして欲しい。
・  10月~11月にかけて、パブリックコメントで意見募集を行うこととしている。

(以上)


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