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2010年11月9日 第45回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事録

労働基準局勤労者生活課

○日時

平成22年11月9日(火)


○場所

中央合同庁舎第5号館 専用第15、16会議室


○議題

(1)中小企業退職金共済制度の現況及び平成21事業年度決算について
(2)中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)

○議事

出  席:(委員)
      公益委員
       勝部会長、鹿住委員、山川委員
      労働者代表
       久保委員、鈴木委員、高橋委員、林委員、宮本委員
      使用者代表
       市瀬委員、清水委員、瀬戸委員、布山委員、室川委員
     (事務局)
       渡延大臣官房審議官(労働条件政策担当)、三浦勤労者生活課長、
       瀧原勤労者生活課調査官、廣瀬勤労者生活課長補佐


○部会長
  時間になりましたので、第45回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会を始めます。本日は、臼杵委員と西村委員が御欠席です。
  本日の議題ですが、「中小企業退職金共済制度の現況及び平成21事業年度決算について」と「中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案要綱について」です。本日の議題に入る前に、委員の異動及び事務局の組織再編がありましたので、事務局から説明をいただきます。どうぞよろしくお願いします。
○勤労者生活課長
  8月5日付で勤労者生活課長に拝命しました三浦です。よろしくお願いします。
  早速ですが、前回の部会以降、新しく委員に就任された皆さまをご紹介させていただきます。なお、お手元に委員名簿をお配りしていますので、ご参照いただければと思います。
  公益代表委員として、専修大学商学部教授の鹿住倫世委員です。労働者代表委員として、日本労働組合総連合会総合労働局中小労働対策局局長の久保直幸委員です。使用者代表として、日本中小企業団体連盟常任理事の清水侃治委員です。使用者代表として、全国中小企業団体中央会理事兼事務局長の瀬戸実委員です。
  次に、厚生労働省内部組織の改編と人事異動についてご紹介させていただきます。お配りしています参考資料1「厚生労働省組織令の一部を改正する政令の概要」をご覧いただきたいと思います。8月5日付で厚生労働省の内部局の一部改正がありまして、職業安定局に非正規雇用対策を扱います派遣・有期労働対策部が新設されまして、労働基準局に従来ありました勤労者生活部が廃止されました。また、これまで財形制度を所掌していました勤労者生活部企画課が廃止されまして、財形制度については、勤労者生活課で所掌することとなりました。従いまして、勤労者生活課においては、中小企業退職金共済制度に加えて、財形制度、労働金庫などを取り扱うこととなっています。この組織再編に伴いまして、労働政策審議会令及び勤労者生活分科会運営規定の庶務に関する規定が改正されています。勤労者生活課においては、本部会に加えまして、勤労者生活分科会の庶務も行うこととなりましたのでご報告申し上げます。
  続きまして、新しい事務局のご紹介をさせていただきます。中退制度を担当します労働条件政策担当審議官の渡延です。勤労者生活課調査官の瀧原です。勤労者生活課長補佐の廣瀬です。どうぞよろしくお願い申し上げます。ここで、審議官の渡延よりご挨拶を申し上げます。
○大臣官房審議官(労働条件政策担当)
  本日は、委員の皆様方には大変お忙しい中ご参集いただきまして誠にありがとうございます。ただいま、課長からご説明申し上げたところですが、8月5日付で省の組織改正が行われまして、従来勤労者生活部企画課と勤労者生活課と2つの課で行っていました財形制度、中退制度、労金制度等の業務について、新たに労働基準局に部を経ずに直接置かれました勤労者生活課において、この制度を推進することとなりました。今後は、財形制度、中退制度で連携を取って、この2つの制度を中核とする勤労者福祉の諸制度がより一層働く方々の福祉の向上に役立つものとなりますよう、適切な制度運営に皆様方のご指導をいただきながら努めてまいりたいと考えています。
  中退制度は、既に委員の皆様方がご承知のところですが、昭和34年に創設されて以来、時々の社会・経済情勢を踏まえながら制度改正を経て、中小企業の従業員の福祉の増進と雇用の安定を図り、もってその振興と発展に寄与してきたものと考えています。現在、社会、経済情勢を見た場合、失業率が高水準であるなど、大変厳しい状況にあります。そういった中においても、この制度が働く方のための退職金制度として重要な役割を果しています。長期的に安定して運用することにより、中小企業で働く方々の一層の安心に繋がるよう私ども事務局一同努めてまいりたいと考えています。
  今後の制度運営に当たって、引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますがご挨拶といたします。よろしくお願いします。
○勝部会長
  ありがとうございました。早速、議題に入ります。議題1「中小企業退職金共済制度の現況及び平成21事業年度決算について」です。これについて、まず事務局から説明をお願いします。
○勤労者生活課長
  まず、資料1-1「中小企業退職金共済制度の現況」をご覧ください。1枚めくっていただきまして、2頁の中小企業退職金共済制度の現況の1の新規加入状況です。一番下の平成21年度の数値を見て下さい。左側の共済契約者数は加入している事業主の数です。新規加入は合計で2万1,997件となっています。そのうち、一般の中小企業退職金共済制度の件数が1万4,825件、建設業の退職金共済制度の新規契約者が7,108件で増加に転じています。清酒製造業の退職金共済制度は0件、林業の退職金共済制度は64件となっています。
  表の右側が被共済者数です。平成21年度の新規加入が合計で55万2,463人になっています。厳しい経済状況の影響もありまして、一般中退と清酒製造業では昨年度より減少していますが、建設業と林業では増加傾向になっています。下の段の在籍状況ですが、平成21年度末の状況で左側の共済契約者数は、合計で56万2,269件です。内訳を見ると、いずれも平成20年度末から減少しています。右側の被共済者数で見ると、全体で591万3,306人となっていますが、一般中退は302万559人で在籍者数が増加しています。建設業も282万8,198人で若干増えています。
  一般中退については、在籍共済契約者数が減少しましたが、在籍の被共済者数が増加していまして、これは現在企業で実施している適格退職年金制度から一般中退制度への移行が進んでおり、こうした移行企業では1企業当たりの被共済者数が多い傾向がありますので、在籍の被共済者数の増加につながっているものと考えられます。清酒製造業、林業については、在籍被共済者数が若干減少している状況です。
  1枚めくっていただきまして、3頁の退職金等支給状況です。平成21年度の支給件数は、合計で38万1,089件です。一般の中退、建退及び林退では支給件数が減少していますが、一方で、清退においては平成20年度に比べまして、支給件数が大幅に増加するとともに1件当たりの支給金額が大幅に減少する状況になっています。これは、長期未更新者対策の結果として、平成21年度に1,890人の退職金支給があったためです。こうした事案では、1件当たりの支給金額が少ない傾向にありますので、平均の支給金額も減少したものと思います。
  4頁をご覧ください。左上が一般中退の平均の掛金の状況です。短時間労働者の掛金を含めた掛金月額の平均が9,198円となっています。特定業種の退職金共済制度の掛金日額の状況ですが、それぞれ表のように決まっており、変化はありません。
  次に資産運用高状況です。資産の運用状況については、いちばん下の平成21年度の資産運用残高合計で4兆3,764億となっていまして、そのうち一般中退が3兆4,899億円を占めています。次の頁以降に詳しい内訳を載せています。
  5頁は、一般中退における資産運用状況です。主に債権や金銭信託などで資産の運用を行っていますが、資料のいちばん右下をご覧いただきますと、平成21年度の平均運用利回りは5.67%となっています。
  次の頁をめくっていただきまして、6頁は建設業退職金共済事業におきます資産運用状況です。建退においては、中小企業に対する事業と附帯的に行っています大手企業に対する事業で、経理を給付経理と特別給付経理に区分していますが、こちらは給付経理、特別給付経理それぞれ4.08%、4.18%となっています。
  7頁は、清酒製造業退職金共済制度の資産運用状況です。経理はこちらも同様に給付経理と特別給付経理に区分しておりまして、平成21年度の運用利回りは給付経理で3.15%、特別給付経理で1.14%となっています。
  8頁は、林業退職金共済制度における資産運用状況ですが、平成21年度の運用利回りが2.21%となっています。ここまでが現状です。
  続きまして、資料1-2です。「独立行政法人勤労者退職金共済機構の平成21事業年度決算の概要」です。10頁については、機構全体の貸借対照表及び損益計算書です。今年度新たに計上された項目として、損益計算書の下から5つ目のところに過年度退職給付費用があります。これは、勤労者退職金共済機構の職員の退職給付金にかかわります退職給付債務に引き当てる費用でして、これまでは退職給付金に当てるべき財源措置は運営費交付金により行われてきたところですが、平成21年11月の行政刷新会議の事業仕分けにおけます指摘を踏まえまして、勤労者退職金共済機構への運営費交付金は平成21年度をもって廃止されることとなりましたので、平成21年度決算においては過年度に発生した退職金給付債務の引当金を56億円計上させていただいています。個々の事業については次頁以降をご覧いただければと思います。
  11頁は一般中退です。平成21年度は運用状況が好転したこともありまして、その頁のいちばん右下にありますとおり、1,521億円の当期利益が生じています。また、累積欠損金については、平成20年度末で3,486億円となっていましたが、平成21年度末現在で1,970億円まで解消しています。12頁は、建退です。こちらも平成21年度の当期利益が181億円となっています。13頁は、清酒製造業です。こちらも、事業全体が3億700万円のプラスになりました。14頁は、林業の退職金です。平成21年度は3,000万の当期利益になっていまして、貸借対照表の純資産で見ていただきますと、14億6,300万円の繰越欠損金となっています。
  15頁は、行政サービス実施コスト計算書です。これは、独立行政法人について国民が負担するコストを表示するものでして、独立行政法人の会計基準で作ることとなっているものですが、今年度の勤労者退職金共済機構については、運用収益がプラスだったということで費用よりも収益が大きくなっており、表のいちばん下のところで利益として1,656億円が計上されています。
  16頁は、決算の流れです。平成21年度決算については、6月30日に機構から厚生労働大臣に財務諸表が提出され、その後独立行政法人評価委員会で意見を聞き、厚生労働大臣が承認しています。資料1の説明は以上です。
○勝部会長
  大変ありがとうございました。ただいまの説明につきましてご意見、ご質問はありますか。
○鈴木委員
  まず1点目は、前回の部会が3月2日ですよね。昨年は決算報告がおそらく9月中旬だったと思います。今回は11月まで延びて、私たちも平成21年末に行われた付加退職金についての議論の記憶を呼び起こすのに大変苦労するのです。そういった面では、3月31日に決算は出ているわけですから、もっと早い段階で平成21年度の決算報告はできたはずではないかと思うのです。それがなぜここまで延びたのか。
  もう1つは、前回の部会では320何億の利益の見込みであり、今回の決算報告では1,520何億の利益ですよね。平成17年度の意見書では180億返して、360億利益がでれば付加退職金に180億を充てようというものでしたが、利益の見込みは320何億であり、20年度末の大きな累積欠損金額があるという状況では、平成17年度の意見書のルールでは累積欠損金を解消できないねということで、利益の全額を累積欠損金の解消に当てましょうということで了承したわけです。ところが蓋を開けてみると1,520何億もある。これは360億の利益よりもまださらにプラスがあるわけですね。360億円を超える利益については、その半分が付加退職金に充てられるわけです。前回の部会では、平成17年度に決めたルールの見直しをしようではないかという話もたしか出ていました。しかし、20年度末では19年度、20年度と運用環境が厳しかったことで累積欠損金が大きくなった一方、今年度は大きな収益が得られたわけです。毎年度の運用状況をみて、そのたびに累積欠損金の解消をどうするのか議論するのではなく、やはり、平成17年度に決めたもので、ある程度いくべきではなかったかと反省するわけです。平成21年度についてはトータル的には累積欠損金を解消できたわけですよね。
  1つ確認したいのは、平成21年度の累積欠損金の解消目標額はどのぐらいでしたか。その目標額も踏まえて、もう少し煮詰まった段階で、今年の付加退職金をどうするのかということを議論すべきではないかという感じをしています。
○勝部会長
  わかりました。いまの点につきまして、今回新しく委員になられた方もいらっしゃいますので、付加退職金の解消ルールも含めて、3点あったと思いますのでよろしくお願いします。
○勤労者生活課長
  1つ目が部会の開催時期が少し延びたということで、今年度は11月になって大変申し訳ございません。8月5日に組織改編があったものですから、言い訳にはならないのですが大変申し訳ございませんでした。
  累積欠損金の目標については、おっしゃられていた平成17年度の意見書を頂戴しまして、それをベースに、機構のほうで累積債務の解消計画を作らせていただいたところです。したがいまして、毎年度180億を積み上げて、平成21年度末までには900億の累積欠損金の解消が目標としてはあるということです。
  たしかにおっしゃったとおり、前回3月に議論したときは、平成21年度の利益の見込み額は300億円台という話をさせていただいております。そのときの議論の中では、安全率を見込まない場合の利益としては900億円という数字も若干出ていたわけです。そのときなぜ326億といういちばん低い数字を採用したかというお話になるのかなと思います。そのときの考え方としては、平成20年度末時点の累積欠損金が3,493億ということで、目標解消額から比べますと、1,929億円下回っていたというのが非常に大きかったものですから、安全なラインで考えましょうということでした。3月の議論では、平成22年度の付加退職金の率を考えるに当たっては、今回はゼロにしますが、平成17年度の意見書については尊重するという経緯だったと理解しております。
○勝部会長
  鈴木委員から質問が3つあったと思いますが、2番目の付加退職金は3月では出さないと決めたわけですが、平成17年度の意見書による累積欠損金の解消と付加退職金の算定のルールについて、整理をもう一度お願いします。
○勤労者生活課長
  平成17年度の意見書というのは部会から頂戴しているものですが、その内容としましては、一般の中退制度における現行の予定運用利回りはやむを得ず設定するものであって、その引き上げを図るための不断の努力を行う必要がある。付加退職金の支給率の決定については、欠損金を計画的に早期に解消することが重要な課題と位置づけた上で、機構による加入促進とか、退職金原資となる資産の効率的な運用、経費削減に更なる努力を行う必要があることとか、あるいは厚生労働大臣と機構がいま申し上げたようなことの必要性を踏まえつつ、いまの法律の体系を前提に、次のような制度運営を行う必要はあるということです。具体的には、資産の運用については、各年度ごとに累積欠損金の解消と付加退職金の支給が可能となるような利回りを設定し、その利回りが達成できるようさらに効率的に行うこと。それを前提として、各年度で生ずる利益については、利益の見込額が年度ごとに解消すべき累積欠損額の2倍に相当する額以上のときは、当該利益の見込額の2分の1に相当する額を累積欠損金の解消に、残り2分の1に該当する額を付加退職金に充てるということ。利益の見込額が年度ごとに解消すべき累積欠損金の額の2倍に相当する額を下回るときは、当該利益の見込額を年度ごとに解消すべき累積欠損金の額に相当する額を累積欠損金の解消に充て、残額を付加退職金に充てるというものです。
  いずれにしましても、平成17年度にいただきました付加退職金の支給率の決定方法においては、年度ごとに解消すべき累積欠損金の目安額は180億とするということでしたので、それを踏まえました累積欠損金解消計画としては、予定運用利回り年1%を前提として利益の累積欠損金解消額、付加退職金への配分は、180億を境に行うということ、そしてその倍である360億を境にして累積欠損金の解消に充てる額の配分割合を変更することが決まったということです。
○大臣官房審議官(労働条件政策担当)
  いま鈴木委員からご指摘がありました開催のスケジュールの関係で、若干弁解めいて恐縮ですが、資料の16頁をご覧ください。勤労者退職金共済機構の決算を確定するまでには法律で定められたプロセスがあるわけです。決算を結了してから3カ月以内に機構から主務大臣に提出がある。そのあと独法通則法で定める独立行政法人評価委員会の部会に諮る等々のプロセスがあり、今年の場合は厚労省全体に諸々のプロセスがやや遅れ気味だということもございまして、最終的に8月27日に評価委員長から大臣宛の意見書の提出がありました。大臣から機構に対して財務諸表を承認する旨の通知を差し上げたのが9月10日でございました。先ほどご指摘がありましたとおり、昨年度の9月14日の4日前のことで、これがずれ込んでしまったということがあり、それに事務局の交替等もあり、結果的にこういう時期になりました。ご指摘の趣旨は重々ごもっともでございますので、今後につきましては、こういった遅れが生ずることもあること、すべてが事務方だけでは済まないことを念頭に入れまして、しかるべき時期の開催に努めてまいりたいと思っております。
○勝部会長
  ありがとうございました。参考資料1の4頁にベンチマークの収益率がありますが、昨年度の場合は3月末に急激に株価が回復したということで、3月の議論と今回の決算では大きな開きが出てしまったということです。
○鈴木委員
  もう1度確認したいのですが、平成21年度末の累積欠損金の回収目標額は。
○勤労者生活課調査官
  累積欠損金解消の目標額については、もともとは平成16年度末の金額から始まって、そのときの累積欠損金額が2,284億円という形でスタートしております。機構のほうで累積欠損金解消計画を立てまして、毎年約180億ずつの解消を目指すという形になっております。平成16年度から平成21年度までの5年間ですので、900億解消というのが目標になり、それを引くと1,384億が目標値です。
  実際、平成21年度末の金額がいくらかというと、給付経理の累積欠損金額は1,956億ということで、今年度は1,500億余の額を回すことができたのですが、その前の平成20年度と平成19年度に非常に大きな赤字が出たということもありまして、残高は現時点においても目標の額までは到達していないということです。
○勝部会長
  よろしいですか。ほかに何か質問、あるいはご意見はございますか。
○久保委員
  ここでいきなりの結論は出せないのだとは思うのですが、やはり、付加退職金をどうするかという議論をするに当たっての前提としての利益の見積りが、こんなに大きく動くということについて、今後議論のベースが、見込みはこうですと言っても、それは当てになりませんねというものをベースにして議論をしたと、結果からするとそう言わざるを得ないわけですから、今後の議論の仕方として、どんなものを基にしてやるのがいいのか。やはり、私どもとしては問題意識を持って考えていかないといけないのではないかと思います。取りあえず発言だけさせていただきます。
○鈴木委員
  それと3月に新聞等で、今年の利益は全額累積欠損金の解消に充てる、とでました。蓋を開けてみると1,500億余も出ていたと言ったら、組合員は、これでは何をやっているのだという話になりかねない。この制度の信用性という部分は、欠損金をなくすということも1つの信用性かもしれませんが、17年度に作ったルールをちゃんと履行されていることも信用性の1つだと思うのです。21年度は累積欠損金の額の大きさを考慮して全額累積欠損金の解消に充てたのですが、実際蓋を開けてみれば大きく利益がでていたということで、何だという話になりかねないのかなという感じがするのです。ですから、もう少し精度を上げた中で、付加退職金をどうするかということをやらないと難しい感じがします。
○勝部会長
  結果としては、瀧原調査官が先ほどご説明されたように、昨年度の累積欠損金解消の目標額についてはまだ下回っていると。その意味から言うと、かなり大幅に見込みと現実との数字は変わりましたが、付加退職金を出す状況ではないという理解でよろしいですか。
  ただ久保委員、あるいは鈴木委員が言われたように、説明という意味からすればわかりやすくということと、これだけ見込額と実際の額が変わることについては、何か考えなければいけないということかもしれません。このことにつきまして、事務局はどのような対応をされるかお伺いしたいと思います。
○勤労者生活課長
  最初の予測からすると、かなり上のほうにぶれたというのはおっしゃるとおりでございます。前回の部会の議論で、平成17年度の意見書は相当議論を重ねて作っていただいたということも、事務局としては過去の経緯も調べましたが、すぐにそこをどうするのかというのは、正直に申し上げて答えはなかなか出しづらいと思います。今回も数字を出すときに、326億と最初の数字を出したときも、平均的なところは900億ぐらいではないかという計算をして、その前後でぶれを2倍ぐらい取って、326億から1,560億ぐらいまでというのはぶれとして考えられるわけです。今回の結果は、その範囲内には入っているのかなということは1つ言えるのですが、あとは資産運用の安全度をどこまでとるのかという問題なのかなと事務局は思っているのですが、意見は意見として重く受け止めたいと思います。
○勝部会長
  ほかに何かありますか。
○勤労者生活課調査官
  これも数字的なお話になるのですが、今回非常に大きくずれた数値の結果が出ておりますが、これは先ほど部会長からお話がありましたように、参考資料の4頁にあるベンチマークの収益率の推移のところで、3月に外国株式なり、国内株式が非常に大きく跳ね上がったのが主たる要因です。これぐらい跳ね上がるのは、確率的には40年に1度ぐらいの可能性しかないものが、たまたま今回起きてしまったということです。もちろん、こういう金融動向の動きというのは全く読めないのが正直なところですので、この精度を上げるのはほぼ不可能に近いのですが、確率的には小さいながらもあり得る範囲でぶれてしまったということです。前回、安全率を高く見たというのは、平成20年度末時点で累積欠損金解消計画の目標よりも2,000億ぐらい下回る状況で、これ以上赤字を拡大することはできないという非常に厳しい状況であったという下で、3月にご議論をいただいたと考えております。できるだけぶれがないようにというのはもちろんあるのですが、数値としてはどうしてもそういうジレンマが付きまとうということで、その上でその時点での累積欠損金額が今いくらになっているかという部分も含めて、次の付加退職金のご検討のときにご議論をいただければと思います。
○久保委員
  平成17年度の意見書というのは、私どもも無視するつもりではなくて、やはり累損は計画的に解消していくべきだということは十分承知しているわけです。ただ時々の運用状況に応じて付加退職金を付けましょうか、付けるのはやめましょうかということは、加入者に対する問題かと思います。例えば、平成17年度ルールがあって、こういう場合についてはこういうふうに分配しましょうというルールが一方にはあるわけです。累損を解消していきましょうということと、両方一緒にある前提で、このことは議論していかなければいけないのではないかと思います。ある意味では、事務局サイドとしては、最大1,500億ぐらいまではあるかもしれないと思っていたというご発言ですが、議事録を読み返す限りは、見込みとしては300少ししか出そうにありませんという前提での議論を重ねてきたわけですから、腹の中でそういう思いがあったとしても、いまいる加入者の人たちに収益をどう反映させるかというのは、それはそれで大事に扱っていかなければいけないのではないかと思います。先ほど申し上げましたように、この場で何らかの結論を得ようとは思ってはおりませんが、そういう意識も一方には置きつつ、累損は累損でどうするか。たぶん合わせて議論をする。そのためには前提となる見込みがどうなるのかというものを、もう少し上手な工夫ができないかということを申し上げたかったのです。よろしくお願いします。
○勝部会長
  ありがとうございました。いま久保委員が言われたように、累損の解消と加入者への配分というのは、どういうバランスを取って考えるかというときに、平成17年度のルールというのは非常に活きてくるわけです。そうは言っても、短期の変動と長期での累損解消を念頭に置きながら、我々としては考えていかなければならないということかと思います。
○高橋委員
  1点だけ確認をさせていただきます。前回は3月2日にやったのですが、これは年度が変わって4月の頭ということは、法律上は駄目なのですか。
○勤労者生活課長
  できないこととなっております。
○高橋委員
  これはギリギリ3月31日に近いところでやったほうが、精度ははっきりするということですね。
○勤労者生活課長
  遅くなればなるほど、新しいデータで対応はできるということですが、どうしても調整ということも一方で考えながらやっておりますので。
○勝部会長
  よろしいでしょうか。ありがとうございました。ほかに質問等がないようですので、次の議題に移ります。議題の2番目の「中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」に入りたいと思います。厚生労働大臣から労働政策審議会宛に諮問がなされておりますので、事務局から説明をお願いいたします。
○勤労者生活課長
  議題の2つ目の「中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案の要綱について(諮問)」のご説明させていただきます。資料は19頁、議題2についての諮問文です。別紙として、20頁以降に省令案の要綱を添付しております。これにつきましては、参考資料の5頁からの参考資料4と参考資料5、特に7頁から最初にご覧いただきたいと思います。これは昨年の41回の部会でご報告した資料です。中小企業退職金共済制度の加入範囲につきましては、本部会とは別に検討会を設けてご議論をいただいたところです。検討結果をまとめたものが、参考5です。中小企業退職金共済制度におきましては、同居の親族のみを使用する事業は加入対象から外しておりましたが、本報告書において、「今後の取扱いの方向性」にもありますように、同居の親族のみを使用する事業に使用される者であっても、使用従属関係が認められる者については、中退法の従業員として取り扱うことが適当という結論が出ました。またその上にあるとおり、取扱い変更に当たっての課題については、加入時等における使用従属関係の把握や、退職の事実の確認方法を具体的にどうするか検討するようにとのご指摘があったところです。
  同じ資料の上の方ですが、背景をご覧ください。これまで中退制度につきましては、対象者は従業員に限られるものとされてきたところ、中退法におきましては従業員の定義はなく、事業主との間に使用従属関係にある者として取り扱われてきたところです。使用従属関係が、事業主の指揮の下に労務を提供し、提供した労務の対価として事業主から賃金の支払を受けているものとしております。
  2つ目は労働基準法におきましては、同居の親族のみを使用する場合には、適用されないこととされており、中退制度においても同様に適用されないものとして取り扱われてきたところです。中小企業を含む雇用・経済情勢が特に悪化し、退職後の従業員の生活保障の重要性が改めて認識される中で、現在加入対象とされていない者の中に中退法における従業員と同様の働き方をする者が少なくないとの指摘があったというのが背景です。
  機構でアンケート調査を行いまして、同居の親族のみを使用する事業においても、多くの同居の親族が、仕事の内容、方法につきまして、事業主に具体的な指揮命令を受けているという者が約8割。事業主の指揮監督の下で行う労働に対して報酬が支払われている者が9割弱。事業主自身と同程度か、それ以上の労働時間にわたり就労している者が6割以上ということが明らかになったわけです。従いまして、取扱いの変更に当たっての課題については、いま申し上げましたような加入時における使用従属関係の把握とか、退職の事実の確認方法を具体的にどうするのかという検討を踏まえて、5頁の「加入対象者の範囲について」ということで、省令の概要をつけております。改正内容につきましては、同居の親族のみの事業に使用される者であっても、使用従属関係が認められる者については、中退制度の「従業員」として取り扱うことができるようにするものであり、そのために必要な手続等を定めております。
  改正の概要については、1、退職金共済契約の申込みの際に、申込者が同居の親族のみを雇用する者である場合には、その旨。被共済者となる者が申込者の同居の親族である場合には、その旨を、退職金共済契約申込書に記載することとしております。
  2、被共済者となる者が申込者の同居の親族である場合には、被共済者となる者が、申込者に使用される者で、賃金を支払われる者であることを証する書類。被共済者となる者が、小規模企業共済法上の共済契約者でないことをその者が誓約する書類を退職金共済契約申込書に添付することとしております。イの書類の具体的なイメージとしては、使用従属性を確認できるチェックシートを機構から共済契約者に送付して、個々の同居の親族ごとに就業実態を確認いただくとともに、労働条件通知書など労働条件がわかるものと、賃金を毎月支払っていることを確認できる賃金台帳の写し等を添付いただくイメージでおります。
  3、退職時の手続については、被共済者が同居の親族であるときは、被共済者が共済契約者に使用される者で、賃金を支払われる者であったことを証する書類として加入の際と同様の書類と、退職の事由を証する書類を退職時の届出に添付することとしております。特に被共済者が同居の親族のみを雇用する共済契約者に雇用される者であるときは、退職なのか休職なのかがわかりにくい状況にありますので、退職金を支給する退職事由を限定しております。転職し、又は傷病、高齢その他これに準ずる事由により、退職し、その後当該共済契約者に雇用されることが見込まれないことを証する退職事由証明書を提出いただくこととしております。退職事由のその他これらに準ずる事由は、ご本人の都合によらない事由ということで、勤め先の倒産やご本人の死亡といったものを想定しております。また、こうした事由に該当しない場合、例えば、育児・介護による離職等については休職の取扱いとする予定でおります。
  4、掛金負担軽減措置については、この対象には同居の親族のみを雇用する共済契約者は含まれないこととしております。これにつきましては、掛金負担軽減措置の財源措置が労働保険特別会計ですので、労働保険の適用対象とされていない同居の親族のみを雇用する共済契約者については、保険料を納付していないために受益と負担の均衡の観点から助成対象としないこととしております。
  5、当該企業における雇用状況が、同居の親族のみから一般の労働者も雇用するようになった等の変更があった際は、遅滞なくその旨を独立行政法人勤労者退職金共済機構に届け出るように規定しているところです。
  6、小規模企業共済法上の共済契約者を中退制度の包括加入の原則の適用除外とするとともに、共済契約を締結できない者として規定しているところです。以上が主な改正内容です。
  次の頁、「今後の予定」については、ご答申をいただいたあと、速やかに省令の改正作業を行いまして、公布、施行をしたいと考えております。なお、行政手続法に基づきまして、9月18日から10月17日までパブリックコメントを実施して、ご意見を募集しましたところ、2件のご意見が寄せられております。内容は、同居の親族のみを雇用する共済契約者についても、掛金助成の対象とすべきであり、今回の省令改正にあるような様々な同居の親族に関わる規制は不要というものと、個人事業主と同居の親族の関係が使用従属関係にあるのかどうか、どのように判断するのかといったご意見です。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○勝部会長
  どうもありがとうございました。ただいまの説明につきましてご意見、ご質問はありますか。
○宮本委員
  いまの課長の説明のところで、2のイ、賃金を支払われる者であることを証する書類ということで、賃金台帳と労働条件がわかる書類とありました。通常は単純に就業規則等になるのでしょうが、就業規則の作成というのは、従業員10人以上を雇用する者とありますから、同居の親族のみを雇用する事業所というのは、おそらくそこまで雇用者がいないと想定されますので、労働条件がわかる書類というのは、一体どういうものを想定しているのか、参考に聞かせてください。
○勤労者生活課長補佐
  労働条件がわかる資料については、ご指摘のようになかなか就業規則というのは難しいと思います。労働条件通知書があればそれでよいと思うのですが、そういったものがない場合は、労働条件確認書という書類の様式を作成することを検討しておりまして、そちらに現に働いていらっしゃる条件を書き込むということです。
○宮本委員
  それはフォーマットですか。
○勤労者生活課長補佐
  はい。
○鹿住委員
  3のロの退職の事由を証する書類ということで、退職の事由として、再度その会社に雇用されないことを見込んでいらっしゃるのですが、例えば、実際の中小企業の経営において、後継者育成を考えたときに、息子さんなり、娘さんなり、後継者として予定している方を、大体学卒後5、6年はほかの会社で修業したりするのですが、30歳前後になると自分の会社に呼び戻すのです。いきなり役員で戻るという場合もありますが、平社員というか、社員から親の会社に入って、親からいろいろ指導を受けるということはあります。
  これは中小企業の後継者の育成に関する中小企業政策金融公庫総合研究所の調査結果です。大体10年から12年くらい親の会社で働いたあと、親から経営を引き継ぐというケースが多いのです。そうしますと、仮に社員として10年間、親の会社に雇用されて、そのあと役員になるということになると、一旦退職して取締役に就任するわけです。その場合は3のロの退職の事由に含まれるのかどうかということです。雇用ではないのですが、継続して役員になるということで、普通の会社でも株式会社でしたら、社員の方が取締役になるときは、一旦退職して退職金をもらうわけです。そういった場合もこの事由に含まれるのかどうか確認したいのです。
○勤労者生活課長補佐
  ご指摘のような場合も対象になると考えております。要は、自己都合でお辞めになる場合に退職金の支払いを認める事由は、「転職」のみを考えておりますが、ロの、「又は傷病、高齢、その他これらに準ずる事由」というのは、ご自身のご都合によらない事由を考えております。いわゆる役員におなりになるというのは昇進ということだと思いますので、これはご自身の都合ではないということで、その他、これらに準ずる事由に含むものと考えております。
○勝部会長
  そのほかに何かご意見、ご質問はございますか。
○山川委員
  要綱八(一)、(二)の、同居の親族のみを雇用することとなったり、あるいは同居の親族以外の者を雇用することとなったとしたときの届け出については、もしこの届け出が出された場合にはどのような処理をするご予定ですか。
○勤労者生活課長補佐
  この届け出が出されましたら、勤退機構のほうでシステムを持っておりまして、その中で事業所が同居の親族のみを雇用するのか、それ以外の方がいらっしゃるのかということを明らかになる形で管理していくということです。いろいろ手続上同居のみか、そうでないかによって異なるところはありますので、そこを明らかにするためと考えております。
○山川委員
  そうしますと、八の(一)の場合は同居の親族のみを雇用することとなったときは、これまで仮に共済契約者として適用を受けていた方がいた場合には、新たに同居の親族のみを雇用する事業主に該当するということで、手続をやり直す必要が出てくるということですか。
○勤労者生活課長補佐
  それはございません。単に共済契約者が同居のみという形になったかどうかを確認しておきまして、具体的には掛金助成のときに対象になりませんので、その際に活用することを考えております。
○山川委員
  その場合の手続をやり直す必要は別にないということですか。
○勤労者生活課長補佐
  はい。
○勝部会長
  ありがとうございました。ほかに何かご質問、ご意見はありますか。これは見込みとしてはどれぐらい増えるとお考えになっているのか。その辺のざっくりとした数字を教えていただければと思います。
○勤労者生活課長
  見通しとしては、報告書を出させていただいたときにアンケート調査を実施して、その集計をもとにして算出しております。10人未満の個人事業所数というのは、平成18年事業所・企業統計調査から265万6,000事業所あります。それを母数として、同居の親族のみからなる事業所の割合とか、1事業者当たりの同居の親族者数とか、そういったものを掛け合わせますと、加入対象の見込みとしては5万8,000人を見込んでいるということです。
○勝部会長
  ほかに何かご意見、ご質問はありますか。よろしいでしょうか。それでは結論といたしましては、厚生労働大臣からの諮問を適当と認め、労働政策審議会会長宛に報告をしたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは諮問どおり適当と認めるということで、労働政策審議会会長宛に報告をすることにしたいと思います。事務局のほうで報告案を用意していただきまして、読み上げていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○勤労者生活課長補佐
  それでは読み上げさせていただきます。
  中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案要綱について。平成22年11月9日付、厚生労働省発基1109第1号をもって、労働政策審議会に諮問のあった標記については、本部会は、下記のとおり報告する。
  記。中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案要綱について、厚生労働省案は、妥当と認める。
○勝部会長
  ありがとうございました。ただいま朗読していただきました文案によりまして、労働政策審議会会長宛に報告をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
      (異議なし)
○勝部会長
  ありがとうございました。異議なしと認めます。なお、労働政策審議会令第7条第9項により、部会の議決をもって分科会の議決とすることができ、同令第6条第9項により、分科会の議決をもって審議会の議決とすることができると定められておりますので、いまご承認をいただきました報告により、労働政策審議会から厚生労働大臣宛に答申をすることにしたいと思います。ありがとうございました。我々が用意した議題は2つですが、何かほかにございますか。
○宮本委員
  この部会で発言することが適当なのかどうなのかは定かではありませんが、あえて発言をさせていただいてよろしいでしょうか。事務局がちょっとお困りになるかもしれませんが。
  民主党政権になりまして、いま事業仕分けが進められております。労働行政に係る分野も、その対象に今なっております。先ほど議題1の退職金の関係で触れられておりましたが、ほかの例を挙げれば、雇用保険を財源とした未払い賃金などの立替払制度の廃止とか、あるいは労使で取り組んでいる労災防止指導員制度もなくなると。そういうふうに考えてみますと、こういう政策、あるいは制度というのは、公労使三者合意でこれまで作り上げてきたものだと理解しています。今後もこういうような労働行政に係る政策制度というのは、私は公労使三者の合意があって、初めてそれが作り上げられたものだと思っています。そういう意味で言うと、事業仕分けでも少し再考をしてもらいたいという要望を持っています。一方で、今後も対象になる可能性があるとすれば、是非、事務局の方はしっかりと対応をお願いしたいと意見として申し上げたいと思います。
○勝部会長
  いまの特会の事業仕分けにつきまして、審議官からお願いします。
○大臣官房審議官(労働条件政策担当)
  ただいま宮本委員からお尋ねがありました点については、直近では大きく報道されたのは10月27日の事業仕分けで、労働保険特別会計が特会仕分けの一環として対象になりまして、労災保険の社会復帰促進等事業については原則廃止とされたところです。同時に雇用保険の二事業については、雇用調整助成金以外の必要性の低い事業は特別会計の事業としては行わないと。必要性があるならば、一般会計に会計区分を移して、要求を実施せよというご趣旨かと思いますが、そういった評価が出たところです。
  社会復帰促進等事業につきましては、ご提起がありました立替払事業は、数百億円をお払いしているものですが、そのほかにも職場におけるメンタルヘルス対策、安全衛生確保の事業等を行っているところです。また雇用保険特会の事業としては雇用の安定、あるいは能力開発のために、現下の厳しい雇用失業情勢に対応するためにこちらでも様々な事業を行ってきているところです。当面、この10月27日の結果につきましては、政務三役と十分にご相談しながら、労働者の安全衛生や労働条件の保護、その他、セーフティネットに支障が生じないよう、特別会計の目的を十分に踏まえて取り組んでまいりたいと思っているところです。1例としては、中退制度につきましても、掛金助成は両勘定から行っておりますし、また勤労者退職金共済機構に対する基幹的業務に係る事務費用の補助も、社会復帰促進等事業の中で行っているところです。こういったものを含めて、労働者の保護、労働者の福祉に後退がないように努めてまいりたいと思います。
  何よりも、この審議会もそうですし、社会復帰促進等事業であれば勘定元のところで労使に入っていただきまして部会を持ち、また、社会復帰促進等事業についての懇談会をやっているところです。その中では費用負担者であり、同時にユーザーである労使のご意見を十分に伺って、事業展開に努めているところです。その点につきましては、ただいまのご指摘も踏まえ、今後もその方針を堅持して臨んでまいりたいと思います。また引き続きよろしくご指導を賜りたくお願い申し上げます。
○勝部会長
  いまの件で何かご意見がもしあればお願いします。それでは引き続き事務局に頑張っていただくということで、よろしくお願いいたします。本日の議題は終わりましたので、少し予定よりも早くなりましたが、これで終了としたいと思います。最後に本日の議事録の署名委員は高橋委員、室川委員にお願いしたいと思います。本日はこれにて散会としたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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