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2014年6月18日 第100回労働政策審議会職業安定分科会

職業安定局

○日時

平成26年6月18日(水) 10:00~


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省職業安定局第1・2会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議事

○阿部分科会長 定刻になりましたので、ただいまから第100回労働政策審議会職業安定分科会を開催いたします。本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の宮本委員、労働者代表の澤田委員、住野委員、中村委員、林委員、使用者代表の河本委員、高橋委員、田沼委員、深澤委員が御欠席です。なお、高橋委員の代理として日本経済団体連合会の遠藤様が、田沼委員の代理として日本商工会議所の福田様が御出席されています。また、坂倉委員と太田委員は所用のため遅れて参加いただく予定です。

 議事に入ります。本日の議題は「ハローワークの求職情報の提供について」です。本件については鎌田委員が座長を務められた「ハローワークの求職情報の提供に関する検討会」が5月から開催され、昨日取りまとめが行われたと伺っております。最初に鎌田委員から検討会について一言、御紹介を頂ければと思います。どうぞよろしくお願いします。

○鎌田委員 今、分科会長が御紹介のとおり、5月から4回の検討会にてハローワークの求職情報の提供を行うこととした際の方向性について議論を重ねてまいりました。また、その間ハローワークの視察も行うことで実態を把握しつつ、実のある意見交換ができたかと思っております。民間等と連携したオールジャパンとしてのマッチング強化のために、ハローワークの求職情報を提供していくことについては共通理解を得られた中で、個々のテーマについては意見の相違が見られた部分もありました。

 その点を含め、検討会での具体的な取りまとめの内容と、これを受けて厚労省としてどう受け止めるかについて、事務局から御説明を頂きたいと思います。以上です。

○阿部分科会長 ありがとうございました。資料について事務局から説明をお願いします。

○首席職業指導官 ハローワークの求職情報の提供について、去る328日の職業安定分科会で、検討会を立ち上げて検討することで了解を頂いておりました。それに基づいて、一番最後の参考資料の別添を御覧ください。求職情報の提供の仕組み、それにまつわる論点について、様々な視点から検討を行うということで、別添の裏側の参集者の皆さまにお集まりいただきまして、御検討を頂きました。

 経過については、先ほど鎌田委員からお話がありましたが、参考資料の最初の1ページを御覧いただきますと、4回やっていて、そのうち2回目は関係者からのヒアリングで、全国民営職業紹介事業協会からの御推薦が2人、人材サービス産業協議会からの御推薦が2人、個人情報関係の弁護士の有識者の方、情報システムについては厚労省のCIO補佐官から御意見を伺いました。合わせて、ハローワークで求職者情報の処理、取扱いがどのようになっているのか視察を頂き、昨日第4回目を開催して、検討会の取りまとめが行われました。資料No.1-1は取りまとめ内容についてです。「ハローワークの求職情報の提供に関する検討会とりまとめ」ということで、厚生労働省としては、この取りまとめに沿って準備を進めていきたいと考えております。

1ページは、この取組の趣旨・目的を示しております。求人・求職のマッチングに係るインフラとして、一種の公共財的な性格のあるハローワークの求職情報を提供することによって、「外部労働市場全体のマッチング機能の最大化」を図り、求職者が容易に利用できるマッチングのチャンネルを拡大して、より早期に良質な雇用機会を確保していくことを趣旨・目的としています。

2ページは、情報提供の仕組みのイメージです。この絵にありますように、ハローワークに左の求職者Aが求職申込みに来られるというところで、求職申込書に書かれた情報がハローワークシステムに蓄積されます。そのときに御本人に民間事業者に情報を提供していいかどうか確認をして、希望があれば自動的にハローワークシステムに畜積された求職情報の一部が求職情報サイト()に反映されます。この情報については、氏名や連絡先などの個人を特定できる情報は含まない匿名情報です。

 右の提供先が職業紹介事業者で、一定の要件をクリアした方についてID・パスワードを付与して、求職情報サイトを閲覧できるという仕組みにします。閲覧をして希望職種等が合致する求職者があれば、サイト上でチェックを入れるとサイトからメールで自動的に求職者Aに提供先Bの利用案内等が届きます。その後、求職者Aから匿名でいろいろと事業者に問い合わせる場合は、サイトを介して行うことができます。直接、求職者Aと提供先Bが連絡を取り合って、最終的には求職受理に移行することも可能としております。一番下、スタートしてからの利用状況を踏まえながら、更に、いろいろ必要な対応については検討を行います。

3ページは、求職情報の提供先の職業紹介事業者の範囲です。新しく利用する方の参入基準ですが、1番目は職業安定法の許可、届出を受けている職業紹介事業者で、有料、無料の許可事業者。それから届出で行える特別の法人で、これは農業協同組合や商工会議所等が届出をすれば無料職業紹介事業を行うことができるということで、入ります。安定法上、第33条の2には学校の無料職業紹介事業が規定されていますが、学生の職業紹介ですので、求職情報を提供するとしても利用、用途がないということで除外しております。なお、安定法違反で事業停止命令等、行政指導や処分を受けている場合は、ここに参加できません。

2番目は、職業紹介事業として一定の実績を有していることを要件としていて、利用申請前3か月以内に紹介して常用就職となった実績が1件以上あること、これは職業紹介事業が休眠状態でないことを確認するということで設定しております。なお、この場合の常用就職の定義については、紹介事業者の事業報告と合わせて、4か月以上の雇用期間の定めがある場合と期間の定めがない場合です。3番目は詳細な利用規約を作成して、それに同意をして、確かに遵守可能と認められるということを基準としています。

4番目はその他ですが、先行して行われる求人情報のオンライン提供に参加していて、利用停止等の対象になっていないことを要件としています。下の●は、地方公共団体が職業安定法上に基づく無料紹介事業を行っている場合及び国又は地方公共団体から法令に基づく指定等を受けた団体等が運営する機関が職業紹介事業を行っている場合も同様に情報提供の対象に入れていいのではないかということです。指定等を受けた団体等といいますと、ナースセンターや福祉人材センター等があります。

 ※は、地方公共団体が職業紹介事業者に委託をして職業紹介をやっている場合がありますので、その場合は委託先に上の要件をクリアしていただく必要があります。上記の条件を満たす場合に初回は1年有効期間として、2回目からは3年有効期間として更新申請をしていただきます。基本的に上の要件を更新の際に再度確認して、それに加えまして、ハローワークの求職情報を利用した職業紹介の実績が1件以上あるという要件を加えるべきという御意見を頂いております。提供先の基準については、更新時も含めて、当面14でスタートして運用状況により、今後、見直しを行うことを検討することが適当ではないかと、事務局としては今考えております。

4ページは、情報を提供する求職者の範囲と情報内容の範囲です。求職者の範囲については、ハローワークに求職登録を行っている方で、その中で情報提供を希望しない方は当然提供しないことと、新規中卒・高卒者にも提供しません。障害者については、特別の求職登録をしておりまして、非常に秘匿性の高い個人情報が含まれておりますので、当面対象からは除外をして、取組の実施状況を踏まえて改めて対象に加えるか検討することが適当ではないかとされております。ただ、一般求職者として求職登録を行っている方がありますので、その範囲は当初から対象にいたします。

 新規大卒者等については、求職活動の経験が非常に乏しいので、場合によっては非常に高いサービス料でサービスを受けてしまうというようなトラブルに巻き込まれる可能性があるということで、マル1番で新規大卒者等については、職業紹介以外の有料サービスの提供を原則認めないことで対応すべきとしております。ただ、上記マル1の有料サービスを提供することが紹介上効果があるので、どうしても必要ということであれば、サービスの種類や金額について労働局に届出をしていただくということですが、これに伴って苦情等がハローワークにあれば、事業者に対して是正要請を行い、規約違反等があれば契約の解除等の措置を講じることになるかと思います。

 下の囲みは、個々の求職者の方のどこまでの情報範囲を提供するかということです。次のものを除く求職申込みの内容です。公開しない情報としては、氏名、住所等の個人が特定されるものと求職申込書情報には含まれているが、初期段階に必ずしも提供する必要がないのではということで、「性別」、「年齢」、「配偶者の有無」、「扶養家族の人数」等がありますので、提供をしないと明記されております。参考が主な提供情報です。一番下、求職者の就業可能場所が全く分からないと、事業者からのアプローチが難しいので、個々の求職者の方に希望する勤務地を△△県△市程度までお聞きして、それを表示するという御指摘を頂いております。

5ページは、この仕組みの利用に当たって主なポイントとなることです。1つは一番上の○ですが、特定の求職者の方にいろいろな所から利用案内が殺到すると大変迷惑が掛かるので、防止する方法の1つとして、特定の提供先が一定期間に案内を送ることができる求職者数に上限を設けて規約に定めます。更に、システム上でも上限を超えた場合にブロックが掛かる仕組みを導入してはどうかということです。それから、提供先が最初に利用案内を求職者に送信しますが、それを見て求職者が一定利用するか判断できるのに十分な情報が必要ですので、保有している求人に関する情報や職業紹介に関する手数料、個人情報管理の責任者等の情報について、規約上で必須情報として定めておきます。最初の案内の内容については、利用申請の際に合わせて届け出ていただき、労働局で内容を確認するという手段を講じるべきとしております。

4番目の○は、個別の提供先から案内を送るのを求職者が拒否したい場合には、サイト上でチェックを入れることにより、自動的にそこからの受信は、それ以降拒否される仕組みを導入すべきということです。その下の○は、受信拒否がされている状況をシステム上で事業者ごとに把握できるようにして、非常に受信拒否が多い場合については、事業者に対して利用状況の確認等を労働局から行うとしております。

 その下の○は、実績報告についてです。このサイトを利用して求職を受理した求職者の就職状況等実績については、定期的に御報告を頂く必要があるのではないかということで、報告頻度は本事業が開始した翌年度、基本的に1年間は、四半期ごとで御報告を頂き、それ以降は半年に1回の頻度で御報告を頂きます。上の枠の一番下の○は利用の中止です。求職者が自らの情報提供を中止したいということであれば、サイト上でチェックを入れることにより即座に提供を中止できるようにいたします。提供先事業者については、労働局で動向を把握しておく必要がありますので、利用を中止する場合には労働局に申出を頂き、労働局で処理いたします。

 下の囲みは、情報サイトの機能です。希望職種や保有資格等で、ある程度検索ができる仕組みにします。求職情報の更新は1日に1回程度です。個々の求職者の掲載期間はハローワークの求職登録の有効期間と同一ですので、ハローワークで紹介就職をして無効処理をすれば、自動的にサイト上の求職も削除されるとということで考えております。

6ページは、求職情報の利用に係る手続です。受付に必要な期間や審査期間、あるいはスタートまでの求職者の希望確認等含めますと、事業開始の4か月前ぐらいから申請受付を開始するということが必要です。その後は、利用申請は四半期ごとに一定期間を設けて利用申請を受け付けます。申請は法人単位で必要書類と利用規約の同意書を提出していただき、労働局で審査をして、使用承諾書とID・パスワード交付をいたします。

 真ん中の囲みですが、審査を通過した提供先については一覧を作成して、それを求職サイトに公開すると同時に、求職者の希望をお聞きするときにも、その一覧表を提示しながら説明します。さらに、個人情報の管理について、プライバシーマーク等の第三者機関の認証を受けている提供先もありますので、そういう所は一覧表の中で分かるようにします。下の求職者については、4か月程度前から周知を行って、1か月前からは個々に新規求職を希望される方については、提供の希望を確認して個別に処理します。

 確認開始の時点で既に求職申込みをしておられて、有効になっている求職者の方々については、まず、こういうサービスを開始するということを十分周知したことを前提にして、御本人が申し出て来られた場合に希望ありと処理をします。希望を確認するときには、料金発生の可能性等、利用する場合のメリットやデメリット等を分かりやすく書いた説明資料を配付しながら説明をいたします。希望については4種類コード化してシステム上で区別できるようにします。提供希望を把握して民間事業者に提供希望ありの場合でも、ハローワークはそれによって、直接ハローワークの支援と必要性を判断するのではなく、飽くまで個々の求職者の状況を見てハローワークの就職支援を行うことを確認的に明記をしております。

7ページは、苦情処理、違反行為等の防止です。概念的には上の左にマル1、マル2、マル3という□があります。マル1、マル2は職業安定法違反の疑いがある事案で、そのうちマル1は禁止されている職業への紹介等の職業安定法違反です。マル2は個人情報の取扱いに係って、この取組によって発生の可能性が高まりかねない職業安定法違反です。マル3は規約違反等です。このように概念的に整理をして、どのような対応、態勢を組むのかが右の絵です。提供先の事業者に個人情報管理と苦情処理責任者の設置を義務付けて、ハローワークにおいては、各求職者が求職申込みをしている職業相談窓口が苦情申出の受付けを行います。苦情内容について一定ハローワークで情報収集をして、マル1、マル2にあてはまり明らかに職業安定法違反に該当するのであれば、これまでのルートと同様に労働局につないで、労働局で事実確認、指導を行います。マル2で微妙なところやマル3の規約違反等については、ハローワークで事実確認、改善要請等を行います。

 ペナルティと書いてありますが、マル1、マル2で職業安定法に抵触して行政指導、行政処分等を受けているのであれば、利用契約の解除等を行います。規約に違反するのであれば、不適切行為を類型化して、それによって()()()()の対応をします。併せまして、ペナルティを科された事業者が求職者から見えるように、何らかの方法で周知を行うということで御指摘を頂いております。

8ページは、利用料金の徴収です。冒頭の取組の趣旨・目的から、多くの提供先の利用を得ることが必要であって、ハローワークの求職情報提供の仕組みについては、利用料金を徴収せずに行うことが適当です。ただ、公費を用いて運営するものですので、この仕組みを通じて紹介手数料等の収入で利益を得ることがあれば、そうした所からは一定の利用料金を徴収すべきとの意見も頂いています。事務局としては当面、利用料金を徴収せずに求職情報の提供を行いながら、ただ、その後の運用状況によって料金徴収を含めた運用の在り方について再検討を行うこともあり得るということで、進めることが適当なのではないかと考えております。

 併せまして、資料No.1-2は検討会とりまとめの別紙です。規約の主な内容のイメージを御指摘を頂いております。1ページはハローワークの求職情報の取得・利用についてのルールです。1番、当然のことながら、自ら行う職業紹介の案内をすることのみを目的として、求職情報の取得をしてくださいということで、2番、求職者の意に反した営業活動を一切行わない。3番、不正の手段で求職情報を取得しない。4番、求職者の同意を得ずに第三者に情報提供をしない。5番、求職者から求めがあれば、直ちに求職者の情報を削除・廃棄していただいて、処理した旨を本人に通知していただくことが必要としております。

6番のマル1は、求職者がシステム上で特定の提供先のアプローチをブロックしたことが、その提供先で分かったときには、遅滞なくその求職者の情報を廃棄していただくということです。6番のマル2は、一般的に求職情報をいつまで保有できるのかについてで、基本的にはその求職情報を取得した翌々月の末日、これは求職受理の場合の有効期間と同一ですが、そこまでは保有できるが、その後は削除していただくということです。ただ、およそ3か月弱の期間内に、その方の求職受理に至った場合については、翌年の1年間はその情報を保有できます。それ以後は削除となっております。

7番は、提供先事業者が求職情報提供の仕組みの利用を停止した場合です。これは自発的に停止する場合と先ほどのペナルティ等で停止になった場合がありますが、遅滞なく提供を受けた全ての求職情報を廃棄するとしております。8番は、ID・パスワードの管理を厳重にすることです。9番は、基本的なセキュリティの確保です。脆弱性対策を行っていないOSや閲覧ソフトでサイトにアクセスすることがないように、お約束いただきます。

2ページは、職業紹介を行う場合の原則です。1番目、提供先事業者が職業紹介を行おうとする場合には、改めて求職者の方に求職受理を行っていただきます。その場合には求職受理の事前に、有料のサービスがあれば、求職者に対してその内容等を十分説明をしていただきます。2番目、求職者に対して職業紹介と関連しないサービスの提供は行わないことと、職業紹介以外ですが、関連する就職支援サービスを提供する場合も、有料の場合は求職者の希望がある場合に限り提供をしていただきます。3番目、提供先事業者が求人者に紹介をするときには、提供先で受理した求職者であることを、きちんと明示をして紹介をしていただき、4番目、そうした紹介については提供先の責任において実施していただきます。ハローワークは、それについては一切の責任は負いませんが、この仕組みを利用した求職者から苦情等を把握した場合には、労働局又はハローワークで必要な対応を行います。

3ページは、提供先事業者から行政に報告を頂く内容です。3種類あり、1番目は、定期的な実績報告を頂くということで、16番が示されております。2番目は、個々の求職者が紹介就職した場合には、その事実をハローワークに個々に教えていただきます。3番目は、苦情処理対応等によりハローワークから求めがあれば実績の状況などの報告をしていただきます。場合によってはハローワークが実態調査に伺います。

4ページ以降が、苦情処理の対応です。1番目は先ほどの個人情報の取扱い以外の職業安定法違反で、例えば、求職申込みの不受理や禁止職種への職業紹介など、あるいは取扱職種の範囲、手数料等について明示をしていないということであれば、ハローワークで情報収集をした上で、労働局で基本的な事実確認を行って行政指導、処分を行います。処分が行われれば、この取組の利用についても利用停止や利用規約の解除で対応するというものです。2番目は、安定法違反で個人情報に関するものです。第三者に個人情報を譲渡することや求職申込みを受けていないのに当該求職者の個人情報を求人事業所に開示してしまうなどや、紛失、漏洩等についてです。これも同じように労働局で対処をして、その指導・処分に応じて利用制限等を掛けます。

5ページの3番は、職業安定法違反に該当しないものです。いろいろ想定するモデルケースを考える必要がありますが、ここでは例示的に示されております。(1)は、提供先の宣伝等の問題です。そもそもの求職申込みに向けて求職者にアプローチしているのではなくて、面接会やセミナーなど、別のサービスの宣伝を一方的に行っている、単に求人広告を提供する目的で情報を取得している、全く職業紹介とは無関係な営業を掛けている。これらのようなことへの対応として、1つは求職者自身が提供先からの連絡をサイト上でブロックする仕組みを導入する、また、ハローワークで苦情申出等によって事実を把握すれば、規約違反であれば是正要請を行うとともに、例えば一定期間利用を停止するなどの対応を行います。

(2)は、例えば、非常に大量の求職者に働き掛けを行って求職申込みをしてもらうが、ただ、重点的に絞り込んだ求職者にしか職業紹介を行っていないという場合でして、選定をどのようにするのかで、例えば国籍や信条などで選定を行えば、職業安定法の第3条違反になりますので、そうではない場合です。求職者の就職活動に支障を来す恐れも多分にあり、一定制限する必要がありますので、マル2番で、イメージとしては、例えば1週間に1,000件を上限として、それ以上その期間にはアプローチできないようにシステム上設定をするとしています。また、ハローワークで苦情申出等によって把握すれば、是正要請と利用について停止をする等の対応をします。

6ページの(3)は、実績報告等についてです。実績報告を怠るとか虚偽の報告内容になっている場合、あるいは、まだ個人情報が特定されていない求職情報であるが、それを第三者に勝手に提供している場合等についても規約違反になれば、利用契約の解除など悪質性等に応じて対処します。(4)は、その他です。例えば本人が希望しないにもかかわらず、在職中の会社に事業者から頻繁に電話連絡などがあり大変迷惑を掛けている場合。これについても、苦情申出等でハローワークが把握をすれば是正要請を行いながら、事案の深刻度に応じて利用契約解除等の対応を行います。一番下の※ですが、上記の13のことにより、利用契約の解除を受けた提供先については、利用契約の解除を受けた日から3年間、これは更新期間と同一ですが、3年間は再度利用申請をすることができないとするとともに、不適切行為の防止のため、利用契約の解除を受けた提供先等については、求職者に何らかの方法で周知をいたします。以上です。

○阿部分科会長 本件について、御質問、御意見がありましたら御発言ください。

○中島委員 資料1-12ページに、求職情報の提供イメージ図が示されています。この仕組みの対象となる求職者については、当然ながらハローワークに求職登録をした方であり、職業紹介事業者に求職情報が提供された後であっても、ハローワークが求職者の支援に積極的に関与する必要があるということは、言うまでもないところだと思います。

 そういった意味においては、求職者が仮称の求職情報サイトに情報を掲載するかどうかを判断する際にハローワークが相談に乗ったり、キャリア・コンサルティングを行ったりすることが重要であろうと考えております。

 イメージ図の中では、情報提供の仕組みに限ったフローチャートでして、ハローワークの関わり方が読み取れないところがありますが、ハローワークの求職者支援の関わり方についてお聞かせ願いたいと思っております。

○阿部分科会長 事務局、いかがですか。

○首席職業指導官 先ほど申しましたように、まず情報提供について意思を確認するときには、いろいろな資料も用意をして、どういうシチュエイションになるかを説明、相談をしながら、御意向を確認するということです。

 併せて、先ほど申しました6ページの一番下にあえて明記していますが、※の所に、民間事業者への提供希望という方についても、その事実によってハローワークの支援の必要性を判断するということではなく、飽くまでもハローワークとして、個々の求職者の置かれている状況、希望を見て、ハローワークの必要な就職支援を行うということで進めていきたいということです。

○中島委員 ハローワークの求人情報に関しては、以前の分科会の中で労働側から、求人票に記載された労働条件と実際の労働条件が異なる問題について指摘させていただき、厚生労働省においても「ハローワーク求人ホットライン」の設置等の取組を行っていただいていることと認識しております。

 今回示された求職情報の提供の仕組みにおいても、提供先が扱う求人情報についても同様の問題が生じる懸念があると考えております。ハローワークで受理する求人票と同様に十分な対策を講じていただき、また、求職者から相違があったとの申出があった際にも、必要な調査を行うとともに適切な処置を講じていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○阿部分科会長 ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。

○新谷委員 この事業の趣旨や目的については、私ども労働側としても共感し、是非これを前に進めていただきたいという思いがございます。また、今日御報告いただいた検討会の取りまとめに当たって座長を務められた鎌田委員をはじめ、検討に当たった皆さまの御努力には敬意を表したいと思っております。

 ただし、私ども労働側としては、これがよりよい仕組みとして機能していくために若干気になるところもございますので、意見を申し上げたいと思います。もちろん、これは初めての取組でありますから、御説明の中にもありましたように、運用しながら改善していくというやり方もあろうかと思いますが、こういう社会的実験はできるだけ穴を塞いだほうがいいと思いますので、そういった観点から、まず1点申し上げたいと思っています。

 頂いた資料1-13ページに「求職情報の提供先の範囲」ということで、参入のための要件が4つ記載されています。この参入要件について、この検討会での当初の論議では特に個人情報の保護に関して、プライバシーマークが付与されている事業者であるとか、ISO27001を取得している事業者等、個人情報の管理や情報セキュリティにおいて、第三者機関の認証を受けていることを認定要件に入れてはどうかという論議もあったと聞いております。ただ、これは検討の途中で、職業安定法に個人情報管理に関する義務付けがなされているということから、別途情報管理に関する要件を設けることは不要ではないかという意見があったということから、論点から落ちたということも聞いております。

 しかし、今回扱う情報が求職者の個人情報に係る内容ですし、また、ハローワークという、これ以上信用できる機関はない所に申込みをして、更にそこを窓口として提供先に情報が流れていくということですので、個人情報管理については、より管理を徹底したほうが望ましい仕組みになるのではないかと思っています。

 論議の中にあった職業安定法における個人情報の取扱いについては、第5条の4に、確かに記載はされておりますし、これに基づいて平成11年に労働省の告示が出されていることも承知しております。しかし、これらはいずれも職業紹介事業者に対して義務付けをするということを法として記載しているわけですが、その義務付けを受けて、具体的に職業紹介事業者がどのような内部の取扱いをしているのかということについては、何ら規制を掛けていないということです。

 実は、昨年度から厚生労働省で、民間職業紹介事業者協会(民紹協)への委託事業が始まっておりまして、優良職業紹介事業者の推奨事業というものが始まっています。これは昨年度末で、優良職業紹介事業者であることの認定要件が既に定められておりまして、その中に個人情報の管理についても項目が入っております。具体的には、職業安定法の個人情報管理の義務規定を受けて、具体的に会社の中に個人情報の管理規定を設けているということが、優良かどうかの判断基準になっているということです。

 申し上げたいのは、もちろん職業安定法上の義務は課されているというものの、それを具体的に職業安定事業者として、社内制度をどのように整えているかについても、これから考えられる規約案も示されていますが、個人情報の保護に関する部分についても、検討が進められている優良職業紹介事業者推奨事業における評価項目と連携を取る形で、盛り込まれたらどうかということです。以上です。

○阿部分科会長 事務局から何かございますか。

○首席職業指導官 職業紹介の優良事業者認定制度については、本年度の前半からトライアルが開始され、本年度中には本格実施に移る予定と担当のところに聞いております。そうした実施状況を踏まえながら、求職情報の提供の仕組みとどういう連携が取れるかは検討していきたいと考えております。

○新谷委員 是非前向きな検討をお願いしたいと思います。

○阿部分科会長 ほかに御意見、御質問はございますか。

○中島委員 同じく3ページの下の囲みにある「求職情報を提供する事業者認定の更新基準について」です。検討会の当初の議論では、更新基準には直近の参加期間において、ハローワークの求職情報を利用した職業紹介による常用就職の実績が1件以上あることとされておりましたが、使用者側の反対意見があり、削除されたと認識しています。更新基準を、囲みにある最初の認定基準と同じとしてしまうと、例えば2回目の更新は1回目の更新の3年後になるわけですが、直近の3年間、ハローワークの求職情報を利用した職業紹介実績が全くない事業者でも更新できるということになってしまうわけです。

 本事業の目的に合致しない事業者を引き続き登録だけしておいて、この仕組みを活用した成果が全く出ないということであれば、マッチング機能を高め、早期の雇用機会を提供するという本事業の目的を達成していないということだけではなく、本仕組みの運営コストがかかるだけで、社会的な損失であると考えます。

 本日の資料では、更新基準について、一番下に反対意見のみが付された形になっておりますが、昨日の検討会においては、最終的に検討会としての方向性がまとまらなかったとしており、当分科会に議論がゆだねられたと理解しているところです。

 更新基準には、当然ハローワークの求職情報を利用した、職業紹介を行った実績があるということを加えるべきであると考えておりますので、意見とさせていただきたいと思います。

○阿部分科会長 御意見ですが、これに関してどなたか御意見があればお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋委員代理遠藤様 高橋委員の代理の遠藤です。この大変限られた期間の中で、視察も加えながら、またいろいろな異なる意見がある中で、まとめという形で御尽力いただいた鎌田先生には御礼を申し上げたく思います。その上で、使側として、まず1点目の意見を申し上げさせていただきます。

 今般、異なる意見がある中で、検討会は私どもとしては、まとめを行ったと理解しております。そのまとめの中に方向性が出ておりますので、その方向性を最大限に尊重する形で、是非厚生労働省の事務方の皆さんには準備を進めていただきたいと思っております。これが使側全体の意見です。したがいまして、先ほど追加という形で更新の基準に、参入条件にプラスαするような形のものを加える必要性はないと考えているところです。検討会での議論の詳細については、事務局から御紹介いただければ幸いです。以上です。

○阿部分科会長 事務局から、検討会での状況をということですので、御紹介いただければと思います。いかがですか。

○首席職業指導官 更新基準については、当初は更新の際に、この情報提供を利用した求職情報について、紹介就職が1件以上あるという利用実績を見るということで提案していましたが、民営職業紹介事業等の話をお聞きしますと、なかなか事業者の扱っている層とハローワークの求職者の就職の状況がマッチしていない部分もあって、ただ、そういう方にもそういう機会を提供するように努力をしていきたいというお話もございまして、そうした中でいろいろ努力をしても、御本人が望まないと紹介に至らないというようなこともあり、やや厳しい面があるかなということがありまして、今の状態になっているということです。

○阿部分科会長 先ほどの事務局からの説明によれば、この更新の条件については、14を中心に行っていき、運用しながら見直しを検討していくという御発言もあったと思います。現状では、中島委員から、最後の○の、求職情報を利用した職業紹介の実績が1件以上あることが大事だと。高橋委員代理の遠藤氏からは、このままでいいのではないかということで、双方意見が異なっていると私自身は理解しているところです。

 これについて、検討会でも両論でずっときているとお聞きしています。ここでまとめられるかどうかということは、私は自信がありません。個人的な意見としては、新谷委員が先ほど、「社会的実験をするなら、できる限り穴を塞いでから」という御意見がありまして、よく理解するわけですが、今回、初回1年で更新時期を迎えるということですので、1年間の運用を見てから、実際に職業紹介の実績がどれぐらい出るかを見て、その段階で職業紹介の実績を付け加えるかどうかを検討したらどうかと考えています。

 余りにも職業紹介の実績がないということであれば、付け加えると誰も参加しないということになりますし、大部分が実績があるということになれば、何で実績がなかったのかをヒアリングするなりできると思うのです。

 こういうことで、皆さんのお話を聞くと、この仕組み自体には御賛成していただいていると思いますが、個々の論点で、特に、今の更新のところで双方歩み寄りが難しそうですので、私としては、1年間、どれぐらい求職情報を利用した職業紹介が出るのかを見た上で、再度検討するということでいかがかと思っておりますが、皆様いかがでしょうか。

○新谷委員 ただいま阿部分科会長のほうでまとめをしていただきましたので、その方向で検討いただきたいと思いますが、中身の問題でもう少し確認させていただきます。3ページの一番下に書いてある、ハローワークの今回のこのシステムの求職情報を使った職業紹介の実績というものの定義です。

1ページにポンチ絵があって、流れ図が描いてあって、マル1から始まっていって、やり取りがあって、マル5の職業紹介を利用する者の求職の申込みがあった。ここで初めて求職者側から職業紹介会社に行く、それを受理しました。ここで言っている職業紹介の実績というのは、マル6の受理後に、提供先から求職者に対して、いわゆる求職情報を提供するというのが実績なのか、最終的なマッチングまでを実績と呼ぶのか、そこはどういう論議があったのかを紹介していただきたいと思います。

○阿部分科会長 事務局どうぞ。

○首席職業指導官 ここで書いているのは、就職まで至らなくても、求人で適合するものをあっせんするというところです。就職までを求めると、ノルマ的な対応をされてしまうので、無理やりというような弊害が生じる可能性があるのではないかということで、就職をさせたというところまではいかず、あっせん行為が行われて、あとは御本人の判断もありますので、あっせん行為が行われたというところで実績を見るとしています。

○新谷委員 分かりました。それでは、ただいま阿部分科会長にまとめていただいた方向で是非検討していただきたいのですが、その際に、1年後に検討状況を把握するに当たっては、このマル6まで到達したデータがどれぐらいあって、それが100件も200件もあるのに、提供先から求人情報が全然行っていないとか、要するに情報を集めるだけということになってもいけませんから、1年後に判断する際のデータの把握方法は、運営の中で報告書のフォーマットをこれからお考えになると思うのですが、是非検討に際して、有益な情報が頂けるように、データの収集をしていただきたいということをお願いしたいと思います。

○阿部分科会長 そのように私からもお願いします。これ以外に、この件で御意見等はございますでしょうか。

○新谷委員 8ページの「料金の徴収」の所です。料金徴収については、検討会での検討にゆだねるという際の、この分科会でも私ども労働側として、料金徴収の在り方について、特に有料職業紹介における料金徴収について意見を申し上げてきましたし、また検討会でも労働側として意見を申し上げてきたところです。ここでは一番下に、料金の扱いについて記載されております。確かに、8ページの上の○2つにあるように、多くの提供先の利用を得ることをオールジャパンでやっていくことは、本当に趣旨がそのとおりです。様々な情報のやり取りができるシステムとして、これが使われることは、非常に有益なことだと思っております。

 そこで事務局にお聞きしたいのは、今、有料職業紹介において、手数料の1件当たりの金額というのは、一体どのぐらいの水準なのでしょうか。分かる範囲で教えていただきたいと思います。

○首席職業指導官 すみません、今、手元にデータがございませんで。

○新谷委員 有料職業紹介を国が認可をして、あるいは届出制ということで、昔は上限が年収の50%であったのがなくなってしまって、私ども労働側も、鎌田先生を部会長とする労働力需給制度部会で、毎月許可申請を審議しております。今でも、年収の150%というのが届出で出てくる状況で、事務局からも御報告があったように、1件当たりの手数料の実際の金額がよく分からないというのが実態なのです。手元にデータがないというか、もともとデータを取っていないからないのです。それは事業報告書の中に入っていないからで、フォーマットを今年から変えて、取り始めたところだと思いますので、データがないと思います。

 ただ、事業報告書は厚生労働省に報告義務がありますから、それを全部集計するとどういう状況になっているかというと、全国の平均の金額が出てくるわけです。ただいまの民間有料職業紹介事業における手数料収入の総額が、平成24年度で2,341億円です。その母数になった有料職業紹介の就職件数が、おおよそ45万件なのです。割りますと、1件当たりの手数料単価が52万円と出てきます。有料職業紹介というのは、実は非常に金額の大きなお金が動いていると思われます。もともと職業紹介というのは、在来型のマネキンとか家政婦という、在来型の業界に、新たに経営系の職業紹介とかエンジニア系の職業紹介とか、人材派遣会社と兼業でやっている大手が参入してきているということで、単価が随分と上がってきているのが実態ではないかと思われます。

 そういった、平均すると52万円という成功報酬、お金が動くわけでして、申し上げたいのは、有料職業紹介について、公費を使ってこのシステムが整備をされるということです。これは検討会の中でも出てきていた資料を見ますと、システムの初期費用で12億円を投入するということですし、ランニングコストで毎年3億円が投入されるということです。こういった社会インフラを公共財として整備していくというのは、高速道路なども同じなのですが、高速道路のように、メリットのある人に対しては利用料金を徴収するというシステムになっているわけでして、ただいま申し上げたように、マッチングの収益を平均で52万円上げているという事業者に対して、そこまで国が全部無料でインフラの整備をして、ビジネスチャンスを広げていくのか。

 書いてあるように、マッチングを抑制するような、あるいは参入を抑制するような価格設定はいけないと思うのですが、全く無料でいいのかというのは、非常に違和感があるところでして、例えば1件当たり、成約したときの手数料として、数千円ぐらいのものであれば、平均すると52万円というような手数料収入から言えば微々たるものです。我々は公費を投入するというところから言えば、国民に理解を求めていくということであれば、何らかの費用負担を、収益を上げている事業者からは国は徴収しているのだという仕組みは必要ではないかと思います。

 この事業の目的は十分に理解をしておりますし、求職者に良質な雇用機会を確保していくということは本当に理解をするのですが、それと有料職業紹介の事業者に無料でこのシステムを利用させることは別の話だと私どもは理解しておりますので、是非そういった面での検討を引き続きやっていただきたいと思っています。

○阿部分科会長 この件に関して御意見のある方はいらっしゃいますか。

○高橋委員代理遠藤様 料金徴収するかしないかについて、違う角度から1つのアイディアというか、そういう視点も必要ではないかということで申し上げたく思います。

 御説明するまでもなく、労働力人口は趨勢的に減少していきます。そういった中で労働者として働き続けたい、あるいは働きたいと言われる方々のマッチングをどう図るか、これはもう喫緊の課題として数年来取り組んできているわけです。就職困難を抱える方も多々いらっしゃいます。そういった方々が、このシステムを使ってマッチングがなされ、それで労働市場の中で労働者として働いていく、これはある意味で社会還元として、それぞれの活力をいかして、社会還元として、また労働市場に人を戻していったという成果も、やはり見ていく必要があるのではないかと思っているところです。

 見方や立場によって御意見はいろいろあるかと思いますが、今後の対応の方向性としては、決して違う方向を見ているわけではございませんので、是非このマッチング機能強化ということはぶれることなく、突き進めていただきたく思っているところです。

○阿部分科会長 これに関しても先ほどと同じで、両論それぞれ歩み寄るのが難しいと私自身は感じているところです。

 先ほど新谷委員からも「今後検討すべし」というような御発言もありましたし、事務局からも、「運用しながら再検討していくものでもある」ということもお聞きしていますので、実際にこの仕組みを使って、紹介料はどのぐらいなのかとか、それに応じてどのように料金設定をするにしても、どの程度にすべきかとか、今の段階では見えない部分が相当多いと。さらに、遠藤さんがお話しになられたように、マッチングの成果を社会的にどのように考慮して、料金設定をしていくか、していかないかというのも、検討するべきだろうということですので、全て先送りをしようという思いではないのですが、これもまた、1年間この仕組みの運用実績を見つつ、運用の仕組み自身も再検討しながらやっていくということで、いっていただければなと。皆さんに御了解いただければと思っております。

 それで、ほかにこの件に関して、その他に御意見がありますでしょうか。

○玄田委員 今の点について意見を申し上げます。資料1-12ページのポンチ絵に戻ります。確かに有料、無料の問題は大変重要な問題ですので、引き続き情報収集すべきだという分科会長の御提案には賛成するところではありますが、少しだけ追加、補足の意見を申し上げます。

 この図にある意味で欠けているのは、提供先Bの先にある求人者Cとでも言うべき存在です。もし、この新しいハローワークの求職情報提供サービスについて、求人者Cが提供先Bのサービスを特に必要としない場合であれば、もともとの情報はハローワークの情報であるわけですから、直接的にハローワークの情報を利用すると考えられるわけです。ですので、この方法がうまくいって、求職受理の次の就職に結び付くとするならば、論理的には提供先Bが、ハローワークの情報にプラスアルファで、何らかの一定の付価価値を付けない限り、求人者Cはこの状況を利用しないであろうと。そうすると、そこには当然コストが発生すると、提供先Bはコストをかけて、新たな情報を付加しなければならないと。

 それに見合った分の職業紹介手数料は必要になってくるわけですが、このときにどのような付加価値が足されるのかということ、そのためにどのようなコストがかかるかということを、今回の提案にあるような情報収集と合わせて、具体的な運用の中でどのようなコストが発生しているかを、きめ細かく、ヒアリングを含めて、この1年間で検討していただきたいと要望いたします。

○阿部分科会長 私も玄田委員がおっしゃったことに賛成です。この件に関しては、求職情報の提供の仕組みそのものについては、皆様から異論はないと理解しましたが、大枠は本日事務局から説明があったとおりで進めていくということで、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○阿部分科会長 ただ、その上で本日御議論になった提供先の更新条件、あるいは料金の徴収の問題等については、事務局においては、今後情報収集に当たって、今後の運用の改善に当たるような情報を収集いただいて、この議論に出てきたような点については、更に詰めていただければと思っております。また、規約の案などをまとめて、然るべき時期に当分科会で御報告いただければということですが、皆様、これでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただければと思います。予定されている議題は以上で終了いたしました。ほかに御発言はございますでしょうか。特にないようでしたら、本日の第100回労働政策審議会職業安定分科会を終了いたします。本日の議事録については、労働政策審議会運営規定第6条により、分科会長のほか、2人の委員に署名を頂くことになっております。つきましては、労働者代表の中島委員、使用者代表の坂倉委員にお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。


(了)

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