ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)> 平成22年度第6回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録(2010年10月8日)




2010年10月8日 平成22年度第6回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成22年10月8日(金)17:00~19:00


○場所

中央合同庁舎第5号館専用第23会議室(厚生労働省19階)


○議題

1.一般用医薬品のリスク区分について
2.ケトプロフェン外用剤の安全対策について

○議事

○事務局 それでは、定刻になりましたので、「平成22年度第6回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開催いたします。傍聴者の方は、傍聴に際しまして留意事項、例えば「静粛を旨とし、喧噪にわたる行為をしないこと」「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと」など遵守をお願いいたします。
 本日御出席の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日の安全対策調査会は第6回目となりますので、委員の先生方の紹介は省略させていただきます。
 本日の議題「一般用医薬品のリスク区分及びケトプロフェンの安全対策」につきまして、御出席いただいております参考人の先生方を50音順で紹介させていただきます。日本医科大学耳鼻咽喉科学主任教授の大久保参考人です。昭和大学薬学部教授の鳥居塚参考人は、遅れて見えるとの御連絡をいただいております。昭和大学医学部皮膚科学教室講師の中田参考人です。慶應義塾大学薬学部教授の望月参考人です。東京医科歯科大学大学院医師学総合研究科皮膚科分野教授の横関参考人です。
 続きまして、本日の委員の出欠ですが、大野委員から御欠席という御連絡をいただいております。
 それでは、議事進行を松本先生にお願いいたします。
○松本座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項について報告してください。
○事務局 まず、薬事分科会審議参加規定についてです。本日出席していただいている委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況を報告します。
 本日の議題1がアゼラスチン塩酸塩にかかるものですので、製造販売会社のエーザイ株式会社及び競合会社であるノバルティスファーマ株式会社、大正製薬株式会社、ロート製薬株式会社の計4社です。
 議題2がアデノシン三リン酸ナトリウムにかかるものですので、製造販売会社の興和株式会社及びその競合会社である武田薬品工業株式会社、第一三共ヘルスケア株式会社、エスエス製薬株式会社の計4社です。
 議題3がケトチフェンフマル酸塩にかかるものですので、製造販売会社の大正製薬とノバルティスファーマ株式会社、及びその競合会社の佐藤製薬株式会社、佐藤薬品工業株式会社、興和株式会社の3社です。
 議題4がトリアムシノロンアセトニドにかかるものですので、製造販売会社の帝人ファーマ株式会社と、その競合会社であるブリストル・マイヤーズ株式会社、帝國製薬株式会社、興和株式会社の計4社です。
 議題5がラノコナゾールにかかるものですので、製造販売会社の日本農薬株式会社及びその競合会社である久光製薬株式会社、ノバルティスファーマ株式会社、大正製薬株式会社の計4社です。
 議題6がミノキシジルにかかるものですので、製造販売会社の大正製薬、その競合会社であるニプロパッチ株式会社です。
 議題7がケトプロフェンにかかるものですので、安全対策については、医療用医薬品のケトプロフェン外用剤として販売会社の久光製薬株式会社、ニプロパッチ株式会社、株式会社大石膏盛堂、一般用医薬品のケトプロフェン外用剤の販売会社として帝國製薬株式会社、ゼリア新薬工業株式会社、高市製薬株式会社の計6社について。
 ケトプロフェンのリスク区分については、製造販売会社である帝國製薬株式会社及びその競合会社である久光製薬株式会社、興和株式会社、ニプロパッチ株式会社の計4社から、過去3年度における寄附金などの受取りについて申告をいただきました。
 (競合)品目・(競合)企業については事前に委員の先生方に資料をお送りし、確認させていただいております。各委員の先生方からの申し出の状況から、今回の審議参加の委員の先生はいらっしゃいませんでした。なお、五十嵐先生から、帝人ファーマ株式会社から50万円以下の受取りと申告がありました。また、土屋先生からエーザイ株式会社、ノバルティスファーマ株式会社、久光製薬株式会社から50万円以下の受取り、武田薬品工業株式会社から50万円超500万円以下の受取りとの申告がありました。武田薬品工業については、議題2のアデノシン三リン酸ナトリウムのリスク区分の競合会社となりますので、議題の議決には参加いただけないことになります。
 また、参考人については、大久保先生から、佐藤製薬株式会社から50万円以下の受取り、ゼリア新薬工業株式会社から50万円超500万円以下の受取り、鳥井塚先生から、エスエス製薬から50万円超500万円以下の受取り、中田先生から、佐藤製薬株式会社から50万円以下の受取り、横関先生から、帝人ファーマ株式会社、武田薬品工業株式会社から50万円以下の受取り、エーザイ株式会社、第一三共ヘルスケア株式会社から50万円超500万円以下の受取り、望月先生から、佐藤製薬株式会社から50万円以下の受取りとの申告がありましたのでお知らせいたします。
○松本座長 ただ今事務局から説明のあった審議参加に関する遵守事項については、よろしいでしょうか。特にないようですので、(競合)品目・(競合)企業の妥当性を含めて了解いただいたとものとします。どうもありがとうございました。
 続きまして、事務局から本日の配付資料の確認をお願いします。
○事務局 本日の資料の確認をいたします。1枚目に座席表がありまして、1枚おめくりいただくと本日の議事次第が入っております。その次に配付資料一覧がありますので、そちらに沿って資料の確認をします。配付資料の次に委員名簿があります。
 資料1-1「アゼラスチン塩酸塩のリスク区分について」、資料1-2「新一般用医薬品の製造販売後調査報告書」、参考資料1-1として「ハイガード添付文書」を付けています。
 資料2-1「アデノシン三リン酸ナトリウムのリスク区分について」、資料2-2「新一般用医薬品の製造販売後調査報告書」、参考資料2-1として「パニオンコーワ添付文書」を付けています。
 資料3-1「ケトチフェンフマル酸塩のリスク区分について」、資料3-2「新一般用医薬品の製造販売後調査報告書」、参考資料3-1として「ザジデンAL鼻炎カプセル添付文書」を付けています。
 資料4-1「トリアムシノロンアセトニドのリスク区分について」、資料4-2「新一般用医薬品の製造販売後調査報告書」、参考資料4-1として「アフタッチA添付文書」を付けています。
 資料5-1「ラノコナゾールのリスク区分について」、資料5-2「一般用医薬品の製造販売後調査報告書」、参考資料5-1として「ウィンダム添付文書」を付けています。
 資料6-1「ミノキシジルのリスク区分について」、資料6-2「再審査報告書」、参考資料6-1として「リアップレディ添付文書」を付けています。
 資料7-1「ケトプロフェン外用剤に関する調査報告書」、資料7-2「ケトプロフェン外用剤(一般用)の安全対策案」、参考資料7-1「ケトプロフェン外用剤(医療用)の添付文書例」、参考資料7-2「ケトプロフェン外用剤(一般用)の添付文書」、資料7-3「ケトプロフェン貼付剤のリスク区分について」、資料7-4「新一般用医薬品の製造販売後調査報告書」、参考資料7-3「オムニードケトプロフェンパッチ添付文書」、参考資料として「一般用医薬品リスク区分の変更手順について」を付けています。
 資料8「一般用漢方製剤リスク区分について」、参考資料8-1「一般用漢方製剤承認基準の改正について」、参考資料8-2「一般用漢方製剤の承認申請に関する留意事項について」
 資料9「一般用医薬品のリスク区分の検証の進め方について」、参考資料9-1「一般用医薬品のリスク区分の検証について」でございます。
 当日配付資料ですが、「一般用医薬品のリスク区分」と「参考資料」でございます。参考資料については、委員の先生のみにお配りしております。以上、足りないもの、落丁等がありましたら、お申し出ください。
○松本座長 よろしいでしょうか。それでは、「一般用医薬品のリスク区分」と「ケトプロフェン外用剤の安全対策及びリスク区分について」の議題に移ります。議事次第の1~6の一般用医薬品のリスク区分について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 各説明に入る前に、リスク区分の説明からいたします。当日配付資料の「一般用医薬品のリスク区分」を御用意ください。一般用医薬品は第1類医薬品、第2類医薬品、第3類医薬品の区分に分かれております。第1類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の副作用を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、新一般用医薬品として承認を受けてから、厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、一般用医薬品として使用経験が少ない等安全性上特に注意を要する成分を含むものとされております。
 第2類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、厚生労働大臣が指定するもので、まれに入院相当以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含むものとされております。この第2類医薬品のうち特に注意を要するものとして厚生労働大臣が指定しているものがあり、「指定第2類医薬品」と呼んでおります。こちらは、情報提供するための設備から7m以内の範囲に陳列するなどの措置をとることとされています。販売に関しては、2類と同様、薬剤師又は登録販売者が販売できることになっております。
 第3類医薬品については、第1類医薬品及び第2類医薬品以外の一般用医薬品で日常生活に支障を来す程度ではないが、身体の変調・不調が起こるおそれがあるものとされております。
 今回、アゼラスチン塩酸塩、アデノシン三リン酸、ケトチフェンフマル酸塩、トリアムシノロンアセトニド、ラノコナゾール、ミノキシジル、ケトプロフェンの7成分について、新一般用医薬品として承認を受けたもので市販後の調査期間が終了しましたので、リスク区分の見直しを行うものです。
 それでは、議事次第1~6のアゼラスチン塩酸塩、アデノシン三リン酸塩等について御説明します。また、ケトプロフェンのリスク区分については、議事次第7のケトプロフェンの安全対策と併せて御説明しますので、よろしくお願いします。
 議題1のアゼラスチン塩酸塩についてですが、資料1-1を御覧ください。薬効群はその他のアレルギー用薬、投与経路は内服、告示上の成分名はアゼラスチンになります。現在のリスク区分は第1類医薬品ですが、アゼラスチンの製造販売後調査が終了し、報告書が提出されましたので、その結果を基に本成分のリスク区分の御審議をお願いするものです。なお、同様の成分として、抗ヒスタミン作用を有するクロルフェニラミンを配合した内服薬は、第2類医薬品として流通しております。
 資料1-2を御覧ください。対象医薬品としては、ハイガード、スカイナーAL錠で、調査期間は平成18年4月14日~平成21年10月31日です。別紙(1)は副作用の発現状況、別紙(2)は副作用発現症例一覧、別紙(3)は調査の概要となっております。
 64ページの別紙(3)を御覧ください。こちらで調査の概要について簡単に御説明します。1(ローマ数字)の特別調査ですが、薬局等と契約し、モニター店でアンケートなどの調査を特別に行ったものです。モニター店舗数は878施設、調査例数が3,453例で、そのうち副作用報告があったものは183例293件でした。いずれも、副作用については非重篤と判断されております。2(ローマ数字)の一般調査については、使用者又は医療関係者の方からの自発報告です。この調査では、29例37件の副作用報告がされており、いずれも非重篤とされております。参考として、参考資料1-1にハイガードの添付文書を付けております。
 続きまして、議題2、アデノシン三リン酸の御説明をいたします。資料2-1を御覧ください。薬効群はその他の滋養強壮保健薬、投与経路は内服、告示上の成分名はアデノシン三リン酸になります。現在のリスク区分は第1類医薬品です。本製品は、承認は古いのですが、発売されたのが平成17年12月であったため、そこから製造販売業者による自主的な製造販売後調査が行われ、報告書が提出されましたので、その結果を基に本成分のリスク区分の御審議をお願いするものです。なお、同様の効能・効果を有する滋養強壮保健薬であるビタミンB1B6B12、主薬製剤は第3類医薬品として流通しておりますので、御参考にしていただければと思います。
 資料2-2を御覧ください。対象品目としてはパニオンコーワ、調査期間が平成17年12月2日~平成21年10月3日となっております。調査結果の概要が別紙(1)、調査種類別発現状況が別紙(2)、副作用の発現症例一覧が別紙(3)となっております。
 2ページの別紙(1)を御覧ください。調査結果の概要を簡単に御説明します。特別調査についてですが、モニター店が1,290軒、症例数が3,244例、副作用発現件数は16件で、すべて非重篤でした。一般調査においては、301例415件の副作用が報告されております。そのうち重篤な副作用は排尿困難の1件でしたが、こちらは消費者からの連絡で、調査拒否により詳細は不明となっております。その他副作用については、すべて非重篤でした。また、参考として、参考資料2-1にパニオンコーワの添付文書を付けております。
 次に、議題3、ケトチフェンフマル塩酸について御説明します。資料3-1を御覧ください。薬効群が鼻炎用内服薬、投与経路は内服、告示用の成分名がケトチフェン(ただし、点鼻剤を除く)。現在のリスク区分は第1類医薬品ですが、製造販売後調査が終了し、報告書が提出されましたので、その結果を基に本成分のリスク区分の御審議をお願いするものです。。なお、同様の成分として、抗ヒスタミン薬であるクロルフェニラミンは第2類医薬品として流通しておりますので、御参考にしていただければと思います。
 資料3-2を御覧ください。対象品目については、パブロン鼻炎カプセルZ、パブロンアレスト鼻炎カプセル、ザジデンAL鼻炎カプセル、アレスト鼻炎Zカプセルです。調査期間については、2006年12月1日~2009年11月30日となっております。こちらも同様に、調査結果の概要、副作用の種類別発現状況、副作用の発現症例一覧が付いております。
 2ページの別紙(1)を御覧ください。特別調査については、モニター店が1,237軒、症例数は3,761例で、副作用発現件数が686例1,317件で、重篤と判断されたものは1例3件でした。一般調査では314例567件の副作用が報告されております。そのうち重篤な副作用は11例20件ですが、詳細については1ページ、2ページを御覧いただければと思います。参考として、ザジデンAL鼻炎カプセルの添付文書を付けております。
 次に、議題4、トリアムシノロンアセトニドについて御説明します。資料4-1を御覧ください。薬効群が口腔内用薬、投与経路は外用、告示用の成分名はトリアムシノロンアセトニドになります。現在のリスク区分は第1類医薬品ですが、製造販売後調査が終了し、報告書が提出されましたので、その結果を基に本成分のリスク区分の御審議をお願いするものです。なお、同様の成分として、プレドニゾロンを配合した口内炎用薬は指定第2類医薬品として流通しておりますので、御参考にしていただければと思います。
 資料4-2を御覧ください。対象品目として、アフタッチA、アフタカバー、アフタロン、アフタコートTです。調査期間は平成18年10月20日~平成21年12月17日です。こちらにも調査概要表、副作用種類別発現状況、副作用の発現症例一覧表が付いております。
 2ページの別紙(1)を御覧ください。調査結果の概要が付いておりますが、特別調査についてモニター店舗が173軒、症例数は1,020例で、副作用の発現はなかったとあります。また、一般調査についても、医療関係者、使用者からの副作用報告はなかったということです。参考としてアフタッチAの添付文書を付けておりますので、御参考にしていただければと思います。
 次に、議題5、ラノコナゾールについて御説明します。資料5-1を御覧ください。薬効群はみずむし・たむし用薬、投与経路は外用です。告示用の成分名はラノコナゾールで、現在のリスク区分は第1類医薬品です。こちらも製造販売後調査が終了し、報告書が提出されましたので、その結果を基に本成分のリスク区分の御審議をお願いするものです。なお、同様の成分として、みずむし・たむしに対して効能・効果を有するアモロルフィン、テルビナフィン、ネチコナゾール、ブテナフィンに関しては、指定第2類医薬品として流通しておりますので、御参考にしていただければと思います。
 次に、資料5-2、製造販売後調査報告書を御覧ください。対象医薬品の販売名としてはウィンダムクリーム、ウィンダム液、ウィンダム軟膏です。調査期間としては、2006年4月21日~2010年1月31日となっております。こちらも同様に副作用別発現状況、副作用結果の概要等が付いております。
 3ページの別紙1-2を御覧ください。調査の概要を御説明します。特別調査については、モニター店が364軒、症例数が1,113件、副作用発現数は10例24件で、すべて非重篤でした。一般調査では、129例253件の副作用が報告されておりますが、こちらもすべて非重篤ということでした。詳細については、こちらのページを御覧いただければと思います。こちらも参考としてウィンダム軟膏、クリーム、液剤の3種類の添付文書を付けておりますので、御参考にしていただければと思います。
 次に、議題6、ミノキシジルについて御説明します。資料6-1を御覧ください。薬効群が毛髪用薬、投与経路が外用、告示用の成分名がミノキシジルです。今回再審査が終了しましたので、再審査報告書を基に本成分のリスク区分の御審議をお願いするものです。なお、本製品は販売名がリアップレディで、成人女性に対するミノキシジル1%を含む製剤です。御参考までに、ミノキシジル1%の男性用リアップの再審査結果についてですが、平成18年4月に、安全対策部会で再審査結果報告書の総合評価の欄に本剤の使用について、「循環器系の副作用は最も注意すべき事項であり、引き続き、薬剤師による副作用情報の提供の徹底など現在の安全対策を継続することが適当である」と記載されている旨が報告され、指定薬の解除が行われず、現在、第1類医薬品として流通しております。
 資料6-2を御覧ください。各調査結果については、報告書の2ページ以降を御覧ください。特別調査ですが、安全性解析対象症例として1,070例、副作用の発現率は6.1%でした。こちらも重篤例は見られませんでした。また、男性用のリアップと比較して、副作用の発現率や種類に大きな違いは見られておりません。
 報告書の6ページ、総合評価を御覧ください。リアップレディについても、男性のリアップと同様に「循環器系の副作用は最も注意すべき事項であり、引き続き、薬剤師による副作用情報の提供の徹底など現在の安全対策を継続することが適当」である旨が記載されております。参考として、資料6-1にリアップレディの添付文書を付けております。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○松本座長 ありがとうございました。ただ今の事務局からの説明に対して、どなたか御質問、御意見等はございますか。六つの製剤のリスク区分についての説明がありましたが、一つずつ御意見を伺いたいと思います。最初に、アゼラスチン塩酸塩のリスク区分についてですが、大久保先生、何かコメントをいただけますか。
○大久保参考人 副作用は大きくいくつかに分かれていますが、中枢抑制作用、抗コリン作用、神経症状ということになると思います。排尿障害、口渇、便秘等が抗コリン作用で、中枢抑制が傾眠、倦怠感、その他浮動感に関連するものだと思います。アゼラスチン塩酸塩自身が非常に苦みが強いので、このあとに出てくるケトチフェンも同じ抗ヒ剤ですが、副作用の発現頻度は、味覚障害はこちらが多くなっております。それは、原材料に起因しているものだと思います。抗ヒスタミン薬として、特に特異な副作用の発現頻度ということではないと思いますが、ケトチフェンフマル酸塩が第2類であることを考えると、第2類としてもいいかなという内容だと思います。
○松本座長 ありがとうございました。中田先生、何かコメントをいただけますか。
○中田参考人 今、大久保先生がおっしゃったとおりだと思います。特に私も第2類にして問題ないと思っております。
○松本座長 委員の先生方、この点に関して御意見はございますか。それでは、アゼラスチン塩酸塩のリスク区分については、第1類を第2類にするということで御異論ないようですので、そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、アデノシン三リン酸ナトリウムのリスク区分について、望月先生、何かコメントをいただけますか。
○望月参考人 先ほどの時点で御質問をすべきであったと思うのですが、これ自体副作用的に見ても大きな問題になるようなものはないと判断されますので、他のビタミン製剤と同じ扱いでいいかどうかは置いておいても、今の1類の分類から区分を下げていくことに問題はないと思います。
 ただ、気になりましたのは、資料2-2で、先ほど1例だけ非常に重篤な症例があったということで、副作用発現症例の一覧表の5/18の上から2例目がそれに該当すると思います。排尿困難で程度が重篤であったということでしたが、詳細な情報が得られなかったので、という御説明がありました。ここの記述ですと、「以前糖尿病で入院し、その後自宅療養となる。インスリンを使いたくないので宣伝を見て41錠服用。排尿も困難となり入院。調査拒否により詳細不明」という書き方でした。気になったのが、「インスリンを使いたくないので宣伝を見て41錠服用」というところで、追跡ができていないので不明ということですが、この宣伝がどういう内容のものであったのか、多少情報がありましたらお聞きしたいと思いました。
○事務局 本日、参考資料ということで添付文書は御用意しております。ただ、これ以外、宣伝資材がどういうものかは追って確認させていただければと思います。
○望月参考人 区分を変えていった場合に、その宣伝がそのまま残っているとすると問題になるので、そこに注意が必要かなと思います。
 もう一つ、参考資料2-1で添付文書を御提示いただいておりますので、添付文書の「パニオンコーワ錠」と書いてある次の5行目、この製品の特徴を書き表している所ですが、たしかここは以前の厚労省の方の説明ですと審査の対象になっていないというか、審議会審査の対象にはなっていないということでした。ここを読んだだけでも、少し言いすぎかと思うような記述も見られるかなと、あまりEBMではないなという感じがして、41錠飲んでしまうような方がいることも踏まえて、こういうところを改めていただく必要があるのかもしれないと思います。
○松本座長 添付文書のその点を少し変えることによって、リスク区分を1類から2類に変更することはかまわないということでよろしいでしょうか。ほかに御意見はございませんか。委員の先生方は特に御異論ございませんか。それでは、そのような処置をした上で、1類から2類への変更ということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、ケトチフェンフマル酸塩のリスク区分について御意見を伺います。大久保先生、この点について何かコメントをいただけますか。
○大久保参考人 ケトチフェンの経口薬についてですが、先ほどお話したアゼラスチン塩酸塩と同じように、抗ヒスタミン作用における副作用として中枢抑制作用、抗コリン作用が出ています。味覚障害は、先ほどのアゼラスチンより減っています。
 ただ、最後の別紙(4)の174ページにありますように、抗ヒスタミン薬はもともとてんかんを持っている人の痙攣を誘発するということで、1症例だけ記載されています。これはほかの薬剤でも同じなので、これを取り上げることがいいかどうかは別にしても、そういうことがあるということだけ注意をしていただければいいかなという気がします。2類にして問題はないと思います。
○松本座長 特に痙攣のところを注意するようにということでよろしいですか。
○大久保参考人 はい。
○松本座長 ほかに、この点について御意見はございますか。望月先生、この点についていかがでしょうか。
○望月参考人 私も今の御意見と同様で、特に区分を下げることについては大きな問題はないと思います。また、旧来型の第2類にすでに存在しているクロルフェニラミン等々と比べても、安全性はより高い可能性があることを考えると、これを第2類とすることに問題はないと思います。
○松本座長 委員の先生方、特に御意見はございませんか。そのようなことで、ケトチフェンフマル酸塩のリスク区分を第1類から第2類に変更することをお認めいただけますか。どうもありがとうございます。そのようにさせていただきます。
 続きまして、トリアムシノロンアセトニドのリスク区分について御意見を伺います。大久保先生、この点についてコメントをいただけますか。
○大久保参考人 我々の所では、アフタッチは医療用でも使われていますが、このステロイドに関しては強力であることが知られています。ただ、これをパップ剤にしていますので、限定的に局所に使用できるということで、ステロイドの副作用は非常に軽減されていますので、使い方さえ間違えなければ非常に安全に使用できると。これも添付文書で見える所に正しく貼るということをしっかり記載していれば、2類にして問題ないと思います。
○松本座長 この点に関して、委員の先生方から特に御意見はございませんか。よろしいでしょうか。添付文書を十分に整理することにして、この薬も第1類から第2類へ変更すると。
○事務局 こちらですが、先ほども御説明した同様の口内炎の薬で、プレドニゾロン、ステロイドを使ったものが指定2類となっておりまして、そちらも勘案して、指定2類ということでよろしいでしょうか。
○松本座長 分かりました。指定2類ということで、よろしいですか。
○大久保参考人 はい。
○松本座長 類薬がそのような処置になっておりますので、指定2類ということで変更させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 続きまして、ラノコナゾールのリスク区分について御意見を伺います。横関先生、何かコメントをいただけますか。
○横関参考人 ラノコナゾールですが、我々も皮膚科ではよく使っている薬の一つです。実際、今回の副作用調査を見ても重篤な副作用はないということですし、薬剤としてほかのブテナフィンなども指定第二医薬品として流通しているということですので、同様の指定で、ラノコナゾールの指定を下げることは問題ないと思います。
○松本座長 ほかに、このことに関して御意見はございませんか。これに関しても、類薬との関係で指定第2類ということでよろしいかと思いますが、よろしいですか。それでは、そのようにさせていただきます。
 続きまして、ミノキシジルのリスク区分について御意見を伺います。中田先生、これに関して何かコメントをいただけますか。
○中田参考人 女性用のミノキシジルなのですが、男性用も初めからOTCとして売られていて、第1類なのですが、私は女性用も第1類医薬品として販売するのに特に問題はないかと思いました。
○松本座長 横関先生もそのような御意見でよろしいですか。先生方も、そういうことで特に御異論はございませんか。
 それでは、これまでの御意見を伺うと、アゼラスチン塩酸塩、アデノシン三リン酸、ケトチフェンフマル酸塩に関しては第1類を第2類に、トリアムシノロン、ラノコナゾールについては第1類から指定第2類へ、ミノキシジルは第1類のままにするという御意見になろうかと思いますが、それでよろしいでしょうか。特に御異論はございませんか。事務局はよろしいですか。
○事務局 ありがとうございます。それでは、現在第1類で指定しているアゼラスチン塩酸塩、アデノシン三リン酸、ケトチフェンフマル酸塩のリスク区分については第2類、トリアムシノロン、ラノコナゾールについては指定第2類ということで、告示の改正に向けてのパブリックコメントと、併せて指定薬解除のパブリックコメントを開始したいと思います。また、ミノキシジルについては、このまま第1類医薬品とさせていただきます。どうもありがとうございます。
○松本座長 それでは、次に議題2「ケトプロフェン外用剤の安全対策及びリスク区分について」に入ります。初めに、議事次第7の「ケトプロフェン外用剤の安全対策及びリスク区分について」を事務局から説明をお願いします。
○事務局 資料7-1、資料7-2、参考資料7-1、参考資料7-2を御覧ください。まず、資料7-1について御説明します。本日は、ケトプロフェンの医療用外用剤、ケトプロフェンを含有する一般用医薬品ということで御審議をお願いしたいと考えております。それぞれの販売品目の概要ですが、11ページからが品目の一覧となっております。最初に医療用の外用剤がありますが、ゲル、クリーム、ローション、パップがあります。次のページに、そのほか、それぞれの製剤の効能・効果等があります。14ページからが一般用医薬品で、現在ゲル、クリーム、ローション、パップ剤が市販されているという状況です。
 1ページにお戻りください。これまでの経緯について御説明します。欧州における状況ですが、ケトプロフェンの外用剤については、昭和53年より広く欧州で販売されており、主に鎮痛・消炎の効能・効果で使用されてきたところです。昨年の12月、フランスにおいてケトプロフェンの外用剤で、フランスはゲルのみということですが、光線過敏症の重篤症例が多数報告され、過去に安全対策が実施されているにもかかわらず減少が認められないということで回収措置が発表されました。
 この決定を受けて、欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)が、欧州全域におけるケトプロフェン外用剤の有効性・安全性の評価を行いました。のちほどこの結果について御紹介しますが、結論としてはベネフィットはリスクを上回るとする結論で、本年7月22日に発表しております。併せて、このケトプロフェン外用剤の安全性に関して、UVの吸収剤であるオクトクリレンが共感作を起こすことが分かりましたので、そういった点も合わせて安全対策の内容が決定されたところです。
 国内における状況は1ページの下からありますが、一方、外用剤については、医療用医薬品として昭和61年から販売が開始されたところです。販売を継続する中で、平成13年12月に、光線過敏症については紫外線の暴露によって全身の光線過敏症に関する注意喚起のため使用上の注意の改訂を実施しております。さらに、平成15年1月には、本剤と交叉感作性を示すような成分に関する研究報告が出て、フランスで措置がとられたことを受けて、同様の注意喚起を実施しております。
 一般用医薬品ですが、平成9年度より販売されており、現在ゲル、クリーム、ローションについては、第2類医薬品で販売しております。また、平成18年から、パップ剤は1類で販売しております。
 続きまして、医薬品医療機器総合機構において、欧州の安全性・有効性の評価の内容、措置について調査を行いましたので、その結果について御紹介します。CHMPの安全性の検討に際して、欧州各国で製造販売をしている企業から、ケトプロフェン外用剤の副作用の報告について提出されたものを集計しております。この中では、副作用としては2,248件、そのうち77%が「皮膚および皮下組織障害」という分類の副作用でした。さらに、そのうち光線過敏症は29%、例数としては506例でした。また、フランスが別途集計した欧州各国の主要な製造販売企業の製品の状況が表1に出ております。それぞれ各社の剤形と光線過敏症の症例数・重篤な症例数・重篤な症例数の割合を算出しております。各社重篤な症例数の割合が異なっておりますが、報告制度の違いや用法・用量の違い等いろいろな理由が考えられるものの、明確ではないと結論されております。
 3ページです。続きまして、CHMPの検討において、欧州の製販企業より日本における安全対策措置と光線過敏症の報告数の推移ということで、図1にありますように、それぞれの措置の中身、光線過敏症の推移ということで時系列の資料が提出されております。フランスの評価においては、日本でとられた安全対策措置についても欧州諸国の状況と同様で、必ずしも効果的であったとは結論しにくいというコメントをいただいております。こちらを御覧いただくと、2番目のDEC-2001という所が添付文書の光線過敏症に関する全面的な記載の改訂の時期となっております。
 4ページを御覧ください。先ほども御紹介したオクトクリレンとの共感作による光線過敏症の検討ですが、オクトクリレンはUV吸収作用を有する化合物ということで、サンスクリーンのほか光による変質を防ぐ目的で化粧品に広く含有されている成分です。提出された文献からは、オクトクリレンそのものが光線過敏症の原因となることに加えて、ケトプロフェンに対して光アレルギーを示す症例では、オクトクリレンに対しても光アレルギーを示す傾向が示されたということが示されております。
 また、次の段落ですが、有効性について、ケトプロフェンとほかのNSAIDsを比較した公表文献を基に評価されております。4報紹介がありますが、いずれもほかのNSAIDsに比べて一部についてはその有効性が有意に高かった、また、ほかのものについても特に有効性に何か劣るということはなく、同様又はそれ以上の効果が認められたという結果になっております。これらの検討の結果、CHMPでは、ケトプロフェン外用剤に関して重篤な光線過敏症のリスクは存在するものの、発現率は低く、適正な使用下においてはベネフィットはリスクを上回るという結論をされており、医療用医薬品についての承認は取り消すべきではないという結論になっております。
 しかし、光線過敏症の発現が認められており、重篤なおそれがあるということもありますので、いくつかの安全対策措置がなされることになっており、5ページの上から措置の概要が記載されています。一つ目ですが、SPC、Package Leafletに共通して記載する注意事項ということで「Contraindications」、禁忌に当たるものですが、ここで光線過敏症の既往歴のある方、ケトプロフェン、フェノフィブラートほかNSAIDに対して喘息、アレルギー性鼻炎の症状等の過敏症がある方、ケトプロフェン、チアプロフェン酸など皮膚アレルギーの既往のある方、治療中及び中止してから2週間後には日光暴露を避けるといったリスクを管理するための注意喚起がなされております。
 さらに「Special warnings and special precautions for use」ということで、日本の重要な基本的注意に相当するところかと思いますが、製品を扱ったあとに手を洗うこと、オクトクリレンを併用時の皮膚症状を含めて、何か症状が出た場合には注意すること、先ほどと同様に光線過敏症のリスクを避けるために、適用中と中止後2週間は適用部位を覆うこと。
 また、改めて副作用に光線過敏症を含めた注意喚起をいくつかしております。それに加えて、外箱や薬袋にピクトグラムと、治療中及び中止後2週間は日光に当てないといった文言を記載すること、医療機関の関係者、患者に対する情報提供、一般用医薬品についてはこういったリスク管理の取扱いを勘案し、販売の中止が勧告されておりますが、今後これらの安全対策について3年後にレビューを行う予定となっております。
 6ページを御覧ください。日本における有効性・安全性の評価ですが、先ほども御紹介しましたように、平成13年に「効能・効果に関連する使用上の注意」「重要な基本的注意」「重大な副作用」に症状が全身に及ぶ重篤な光線過敏症に関する注意喚起をしております。また、平成15年には、交叉感作性を有する成分に関して、既往歴のある患者に対する注意喚起も実施しております。
 こういった中で、これまでの副作用報告については、昭和61年の販売以降平成22年5月までに皮膚障害については4,252例4,352件の報告があり、このうち光線過敏症については2,028例2,028件となっており、うち重篤なものは47例ということでした。皮膚障害、光線過敏症とも、重篤症例の比率を先ほどの欧州と同じような格好で出しておりますが、日本については欧州における重篤症例の比率に対して低いという結果になっております。こういった理由については人種差、生活習慣の違い等も考えられますが、研究結果もなく、必ずしも理由は明確ではありませんでした。
 6ページの下の方ですが、併せて健康保険組合のレセプトデータを用いて、こういった副作用に関してケトプロフェン又は類薬の発現状況の比較をしました。期間としては平成17年1月から平成20年12月となりますが、ケトプロフェン又はその類薬として、フルルビプロフェン、インドメタシン、フェルビナク外用剤が処方された症例を対象として、光線過敏症の発現状況を比較しております。これは、それぞれの外用剤の処方から2カ月以内に光線過敏症の病名が付与された割合を見ており、ケトプロフェンは0.05%、フルルビプロフェンは0.03%、インドメタシンは0.05%、フェルビナク外用剤は0.02%で、類薬と比較して同程度かやや高かったものの、大きな差は認められませんでした。
 有効性に関しては、モーラスパップ30mgの再審査の成績を表にしておりますが、承認時と同等の有効性が示されており、こちらについては他の剤形、ゲル・ローション・クリームについても同様な成績でした。
 7ページの下からの一般用医薬品に関して御紹介します。副作用の発現状況ですが、平成9年の発売以降平成22年6月まで、皮膚障害の副作用については538例786件となっております。このうち光線過敏症は28例28件、皮膚障害のうち重篤な2例については、いずれも光線過敏症であったという状況です。いろいろな剤形がありますが、パップ剤については第1類医薬品に分類されており、平成18年から平成21年3月まで市販直後調査が実施されておりますが、期間中に光線過敏症の報告が3例、いずれも非重篤ではありますが、報告があったということです。
 これらの結果を踏まえて、8ページから安全対策についての考察をしております。国内においては医療用ケトプロフェン外用剤の光線過敏症の発現率は、類薬と比べて高いものの、大きな差異はありませんでした。欧州の検討結果と比較しても、重篤症例の割合は少ないという状況でした。しかし、この重篤症例の異なる理由が明確でなく、国内においても一定数の報告は認められていることから、光線過敏症については欧州と同様の内容で注意喚起を行う必要がある、となっております。また、オクトクリレンとの共感作については、副作用報告も認められておりませんが、国内の製品に用いられていることもありますので、予防的な対策として欧州と同様の注意喚起をする必要があると考えております。
 一般用医薬品ですが、国内における光線過敏症の副作用報告は少ないという状況もあり、現時点で販売を中止するような状況にはないと考えております。しかし医療用医薬品の状況も踏まえて、医療用と同様の注意喚起を添付文書に追記することと、もう一つの対策として、使用上の注意の改訂については、販売店等への情報提供を行う、製品の個別の表示におけるピクトグラムのサイズ、位置などの変更、光線過敏症に関する注意喚起について消費者への情報提供を行うということで、一般用の製造販売企業の方から意見がきております。こちらについては資料7-2を御覧ください。
 今申し上げた対応について一般用医薬品の製造販売企業から、安全対策の強化策に関する提案が来ております。対応案の1番目としては、先ほど申し上げた使用上の注意の改訂です。2番目として、販売店等への情報提供による注意喚起ということで、これは関係団体に対しても同様の情報提供を行い、販売店における使う方への注意喚起を促すようにしたいと。3番目のピクトグラムについては最後のページにありますように、それぞれの外箱の表示について、ピクトグラムのサイズを従来より大きくし、文字の配置や色、ピクトグラムの配置を見直して視認性、つまり見やすくするような工夫をします。これはゲル・クリーム・ローションの表示です。最後のページがパップ剤の表示です。こういったことで、従来に比べて外箱における表示を目立たせる工夫をしようということです。消費者への情報提供ということでは現在、リーフレットの作成中で、こういったものを配るという対応の提案がありました。
 もう一度資料7-1に戻り、調査報告の続きを御紹介いたします。医薬品医療機器総合機構で専門家に御意見を伺ったところ、こういった安全対策の方針については、適切であるとの御意見がありました。添付文書の内容については、改訂案が報告書の後ろの15ページ以降にあります。最初がゲル・クリーム・ローション剤の改訂案です。左が現行、右が改訂案となっております。まず「禁忌」の項については、チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラートなどの過敏症の患者の所に、オクトクリレンを加えるという対応をします。それから新たに項を起こして、光線過敏症の既往歴のある患者を追記しております。
 「重要な基本的注意」については16ページの2)光線過敏症の発現については「異常が認められた場合は直ちに本剤の使用を中止し、患部を遮光し、適切な処置を行うこと。また使用後は手をよく洗うこと」という注意をしております。また、次のページの「適用上の注意」では「使用後、よく手を洗うこと」としております。これはゲル・ローション・クリームと、少し記載部位が異なっておりますが、このような注意をしたいと考えております。18ページ以降のパップ剤・テープ剤もほぼ同様の注意喚起の内容となっております。21ページからは一般用医薬品です。一般用医薬品についても、医療用と同様の格好での注意喚起です。これは「してはいけないこと」ということで、「次の人は使用しないでください」という所に、先ほどのオクトクリレン、光線過敏症の注意喚起をするという改訂を予定しております。
 このような改訂を考えておりますが、欧州では喘息・アレルギー性鼻炎の症状のある患者が禁忌となっております。しかし国内ではアスピリン喘息以外の過敏症、皮膚や鼻の症状を含むものについて禁忌に加えた場合、使用患者が制限されるという問題もありますので、こちらについては専門委員からも意見をお伺いしました。重度な副作用が起こる可能性は否定できないとする御意見と、アスピリン喘息以外のNSAIDs過敏症の機序は不明な点が多く、重篤な副作用の発現についても知られていないことから、禁忌とするべきでないという御意見とがありました。この部分ではそれぞれの御意見をいただいており、結論としては今のところ、これは反映しないということで考えております。このような形でケトプロフェンについては医療用医薬品の添付文書の改訂、一般用医薬品については資料7-2で御覧いただいたような安全対策をとってまいりたいと思います。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松本座長 これはどちらかというと、光線過敏症に対する対応をどうするかということが中心になろうかと思いますので、皮膚科の横関先生、何かコメントをいただけますか。
○横関参考人 ケトプロフェンというのは光線過敏症を起こす鎮痛剤として、皮膚科では非常に有名です。今回、このように光線過敏症に関して、非常に喚起するという内容の添付文書、ならびに薬にもそういう旨を書いておくということは、対応としては非常にいいのではないでしょうか。しかも欧米では重篤症例がかなり出ているということで、これはある程度調査をした結果、注意をしながら使える薬剤ですので、今後も光線過敏にはよく気を付けて使用していくということで、その対応はよろしいかと思います。
○松本座長 中田先生、何かコメントをいただけませんか。
○中田参考人 あくまでもこの薬剤そのものを否定するわけではないのですが、日本の副作用の例は、頻度としてこんなものではないのです。これは我々現場の皮膚科医の怠慢でもあるのですが、ほぼ当たり前になってきているので、いちいち報告しないのです。また、そういう副作用情報を収集する製薬会社の熱意等の問題もありますが。これを証明するためには光パッチテストという試験をしなければいけません。それはケトプロフェンなり何なりを貼って、翌日患者さんに来てもらって紫外線を当て、その翌日に仮判定をして、その翌々日にもう1回判定するわけです。つまり患者さんは、4日連続で病院に来なければいけない。そういう大変なことをしないと、光パッチテストで、何が光接触皮膚炎を起こしたかが証明できないのです。その二つがあります。もちろん、この薬が非常に広く多く出回っている薬だからでしょうけれども、実際に光接触皮膚炎を起こした患者さんの数は、ここに挙げられている数のレベルではないと、私個人は思っています。
 それから一つ気になったのは、OTCのパッケージで、「光線過敏」という言葉がどこまで一般の人に通用するかということです。例えば、後のパップ剤の問題でもあるのですが、痛い所は一つとは限りません。手首と腰にこれを貼っていて、手首だけは紫外線を浴びますから、手首だけに発疹が出ますので、あせもだと誤解してしまう人が結構いらっしゃいます。ですから「光線過敏」という言葉がどこまで通用するかということだけが気になりました。全体的にはこの流れでよろしいかと思います。
○松本座長 思う以上に頻度としては高いみたいですね。ただ医療用に関しては、このたび事務局から説明があったような、使用上の注意を改訂することによって、欧州での措置と同様にこういう改訂をした上で販売を継続することは、お二人とも差し支えないと、こちらでは理解してよろしいでしょうか。委員の先生方、この点に関してはいかがでしょうか。それでよろしいですか。
                 (異議なし)
○松本座長 もう一つ、OTCに関しての御意見を伺いたいと思うのです。欧州においては医療用のみとするという措置案が出されているようです。先ほど中田先生から、日本における光線過敏症の発現状況は多いというお話を伺ったわけです。参考資料7-2に示してある、医療用におけるものと同じように、使用上の注意を改訂する、外箱に従来より記載した光線過敏症に関するピクトグラムを大きくすること、販売時に消費者に光線過敏症に関する説明書を配付する措置をすることによって。これは、対応に関しては入っていませんでしたか。
○事務局 これまでは光線過敏が起こることがあるということは書いてあったのですが、既往がある方に使ってはいけないということについては、今回改めて注意することになります。
○松本座長 加えたということですね。
○事務局 はい、加えることになります。それから買い求められた方に、それぞれの患者さんにリーフレットをお渡しするということにも取り組むことになります。
○松本座長 そういうことを行うことによって、この販売を継続することはいかがでしょうか。土屋先生どうぞ。
○土屋委員 販売することについて異議はないです。ただ、ピクトグラムを大きくして、いくら視認性をしたからといって、これで分かるのでしょうか。それからちょっと気になるのは、これが右上から左下へ行っていますね。通常は左上から右下に行くのです。これは「No」を形状化したものです。もちろん右から下ろしているものもあるのですが、通常はNoという意味で左から右下へ下ろすのです。いわゆる駐車禁止などのように作られるものです。あと、晴れていて曇っていて、紫外線はあれかもしれませんが、これで果たして気を付けろという話が通じるのかというのが、この作りと同時にあります。今まであって気が付かなかったのなら申し訳ないのですが、ちょっと違うのではないかという気がいたします。
○松本座長 これについては先生、もうちょっと気が付かれるような、何かいいアイデアはありますか。
○土屋委員 もし可能であれば、一応Noの意味だよということで逆にして、もうちょっと。何せデザイン心があまりないのですが、これではちょっと気になります。さもなければ、このマークはこういうことですよというのは、もっと知らせる措置をどこかでとっておくかですね。そんなに認識されているとは思えないのです。皆さんこれを見ると、そうだと分かるのですか。
○事務局 マークについては考えさせていただきます。確かに「N」の向きから言うと逆だというのはおっしゃるとおりですので、この向きを変えるという部分はあります。対応を検討させていただきます。お日様と雲ですが、紫外線というのは、別に太陽が出ているときだけではなく、曇ったときでも紫外線のB波などは地上に到達する部分もあって、そこから注意深く雲を付けてというのが、もともとの図案の発想と聞いております。確かにこの絵が何を意味するのか分かりにくいところもあります。折角、今回消費者向け、購入者向けのリーフレットを作るので、その中でもきちんとそういった意味を説明できるような形で、是非対応させていただければと思っております。
○松本座長 先ほど中田先生が言われたように、光線過敏症自体、一般の人が理解できるかという辺りについてはどうでしょうね。
○大久保参考人 パップ剤ですから、どんなものでも大体かぶれとして判断されるのが通常だと思うのです。ですから、それをやめればいいかという話になる。どれがかぶれで、どれが光線過敏か分かっていないですよね、横関先生。
○松本座長 そうですね。光線過敏症だと分かってもらうようにしなければいけない。
○横関参考人 光線過敏症というのは、ほとんど認識されていないところがあります。しかも光に対しては太陽光線だけでなくて、普通の光線でも起こし得るということは、結構理解できていないところがあるのです。これはかなりきっちりとした注意をしておかなければ。ちょっと雨が降っているから外に出てもいいというものとは違うわけです。ですから、その点はかなり注意していただかないと。光線過敏というのが一般的に皆さん本当に理解できていないというのは、中田先生のおっしゃるとおりだと思います。
○松本座長 光線過敏症に関する説明書を配付するということですから、そういうところでよく分かるように、専門の先生方の意見を聞いて書くというのも、一つの手かと思います。
○事務局 また先生方にも御相談しながら、光線過敏症とは何ぞやというところも含めて、消費者向けの資料を作成するように、添付文書にも分かるように、そういった注を付けることで対応させていただこうと思います。
○望月参考人 これだけのデータで光線過敏症について、特にケトプロフェンだけを注意すればいいかというところが、私はよく把握し切れなかったのですが、先ほど中田参考人から、印象としてはこの外用剤ではもっと起こっているというお話をお聞きしました。今現在、パップ剤は1類の分類で、それ以外のゲル、その他は2類という分類ですよね。企業が提出した資料7-2の文章の最初の2段落目の2行目に、日本では重篤なものはないという後に、「それら製剤の取り扱いが薬局・薬店における薬剤師・登録販売者等の専門家が関与する対面販売によっていること、等を踏まえ」云々というのがあります。企業が販売店に対面販売をきちんとやってもらうとなると、今の2類では難しく、本当にきちんとやろうとすると1類なのです。
 しかし、そこまで上げるのは難しいとなると、ケトプロフェン製剤を日本でもきちんと対応していくということを考えると、分類を指定2類にする必要があるかと思いました。先ほど資料7-1で整理していただいた8ページの「国内における今後の安全対策」として、機構から御提案いただいている1、2、3をきちんと実行していただくことがとても大切です。薬剤師もしくは登録販売者が関与できる環境が整えられる指定2類であれば、かなりきちんとやっていただけるし、ここで光線過敏症の既往歴、その他の禁忌に該当するもののセレクトをきちんとしてもらえるようにしておくことが大切かと思います。
 それからもう一点。これも私は、このデータからだけでは判断できなかったのですが、私は、オクトクリレンとの相乗的な作用で過敏症がより発現しやすい可能性があると理解したのですが、そうしたときに医療用はかなり注意が行き届くのでよいと思うのですが、一般用の場合は患者様御自身が判断していくことになります。例えば一般用医薬品の場合においては、ただ単に過去にこうしたもので過敏症を発症した方だけを禁忌の対象に書けばよいのではなく、むしろ何にオクトクリレンが入っているかという情報が必要で、それは一般の方には分かりづらいところがあると思います。もちろん指定2類で専門家がかかわれば、そこも判断できるかもしれませんが。一般用医薬品としては「日焼け止め等との併用は避けてください」ということですね。パップ剤の場合は覆ってしまうのでいいかもしれませんが、ゲル剤の場合は重ねて塗り合わせる可能性もあるかもしれないと思いました。そのことを一般用医薬品の場合は注意喚起しておいた方が、「しないように」と言ってしまっておいた方が、一般の方も判断しやすいのではないかと思います。この2点の御提案です。
○松本座長 次のリスク区分の方に少し入っていて、ちょっと複雑になってきますし、先生からの御提案にも安全対策が入っておりましたので、ここではまず安全対策についての御確認を取りたいと思います。医療用のケトプロフェンについては、欧州の措置と同様に使用上の注意改訂。先ほどその改訂案を示されたわけですが、禁忌や基本的な注意に必要な注意事項を追加するということで、このまま販売を継続することに御異論はありませんか。
 また、一般用医薬品のケトプロフェンについては、欧州においては医療用のみとする措置案が出されたわけですが、本邦における過敏症は比較的多いというお話で、先ほどの医療用に対応した使用上の注意を改訂することは当然だと思います。これにまたいくつか加えることがあるかもしれません。外箱の表示も従来より大きくするのですが、これも土屋先生からの御提案で、もう少し分かりやすく変えると。もう一つは光線過敏症に対する説明文を配付するということです。これに関しては光線過敏症について、分かりやすいように説明を加えます。それからもう一つに関して、望月先生がおっしゃっていたのは。
○望月参考人 「しないこと」の中に、「サンスクリーンとの重塗りはしないように」というような文言になるかと思います。
○松本座長 そうですね。そういうことを加えた上で、この外用薬に関しても販売を継続することは可能だと、皆様お認めいただけますか。
                 (異議なし)
○松本座長 では、こちらの方はそうさせていただきます。ということで、先ほどから先生は次の話に入られたので、ケトプロフェンの貼付剤のリスク区分について、事務局から説明していただけますか。それで望月先生から、また御意見を伺おうと思います。
○事務局 資料は7-3、7-4、参考資料7-3です。まず資料7-3の「ケトプロフェン貼付剤のリスク区分について」です。薬効群は鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬(パップ剤を含む)、投与経路は外用(貼付剤)です。成分はケトプロフェン、ただし貼付剤に限る。現在のリスク区分は第1類医薬品ですが、ケトプロフェン貼付剤の製造販売後調査が終了いたしましたので、そちらの報告書を基に御審議いただければと思います。参考として、貼付剤を除いたケトプロフェンの外用剤(クリーム剤・ローション剤)などは第2類医薬品として流通しております。
 次に資料7-4「新一般用医薬品市販後調査報告書」を御覧ください。販売名オムニードケトプロフェンパップとテイマックスケトプロフェンパップが対象になります。調査期間は平成17年8月1日~平成21年3月31日までです。こちらも調査結果の概要、副作用の種類別発現状況、副作用の発現症例一覧という形で添付しております。
 2ページを御覧ください。まず特別調査と一般調査ですが、特別調査についてはモニター店が122店、1,035症例中34例54件で、いずれも貼付部位における皮膚症状であり、重篤な副作用等はありませんでした。副作用の詳細については5ページから載っておりますので、御参照いただければと思います。一般調査については副作用例は4例中4件で、いずれも貼付部位における皮膚症状であり、未知あるいは重篤な副作用はありませんでした。こちらの4例の詳細は別紙(3)の11ページに載っております。適用部位の疼痛や光線過敏反応となっております。以上、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松本座長 先ほど望月先生から、これに関する一部御意見をいただきましたが、このことに関してどなたか、ほかに御意見はありますか。
○土屋委員 私も貼付剤以外のクリーム剤・ローション剤等について、2類のままでいいかどうかということについては、できれば指定2類にしてもいいのではないかという気がいたします。より注意喚起をしていくということもあって、そういう対応をしてもいいのではないかと思います。
○松本座長 ゲル剤については、指定2類にするという御意見をいただきましたが、いかがでしょうか。
○事務局 事務局から補足いたします。先生方には是非、御自由に御議論いただければというところですが、実は先ほど御紹介した資料7-2というのは、現在の企業提案のケトプロフェン外用薬の安全対策案です。先ほど御審議いただいたピクトグラムの絵が、後ろの別図1.と別図2.にあります。なぜこの絵がゲル・クリーム・ローションの別図1.と、パップ剤の別図2.に分かれているかというのには理由があります。中のピクトグラムの横の赤い文字をよくよく御覧いただくとお分かりいただけますように、別図1.のゲル・クリーム・ローションの方は、「使用中および使用後少なくとも2週間は塗付部を紫外線にあてないでください」となっています。別図2.のパップ剤の方については、4週間となっております。
 これは、もともと医療用医薬品の市販後調査のデータの中で、パップ剤やテープ剤にはやはり皮膚への残留があるということで、使用後4週間ぐらいまで、光線過敏の副作用が見られました。ゲル剤のように流れてしまうものについては、使用後1週間ぐらいの範囲で光線過敏の副作用が見られました。医療用ではありますが、市販後データの中で、リスクの部分ではだいぶ差があろうかということに基づいて、こういう2週間、4週間という対応の差があります。
 また、先ほどの調査報告書、資料7-1の6ページに、これも医療用で大変恐縮ですが、国内の光線過敏症の報告例の数があります。やはりパップとテープ、ゲル・ローション・クリームという所で見ると、パップとテープでかなり件数が多いという状況があります。こういった情報も考慮いただきながら、パップやテープについては指定2類というところはあるとしても、ゲル・クリーム・ローションについても併せて指定とするのか、2類というところで現状どおりとするのか、少し御議論をいただければと思っております。
○松本座長 現在、ゲル・クリーム・ローション類は2類ですが、それと少し差を付けると。しかし土屋先生の意見は、指定ということで少し段差を付けるということです。先ほど望月先生は、下の方を上に上げるという意見をおっしゃっていたわけです。この辺との兼合いがあろうかと思うのですが、この辺について御意見はありませんか。皮膚科の方から横関先生、何かありますか。
○横関参考人 副作用の所を見ていただいても分かりますように、クリームや軟膏基剤でも、重篤な副作用というのが12.6%あるということです。そういうことを鑑みれば、現在パップは1類で、クリーム・ローションが2類で流通しているというのは、ちょっと厳しいものがあるのではないか。むしろ、こちらの方が結構重篤になる可能性のある現状がある現在は、やはり望月先生がおっしゃるように、クリーム・ローション基剤もある程度は指定を付けて、厳重に監督する必要があるのではないか。我々皮膚科医としてはケトプロフェンの光線過敏症というのは、非常に重篤な方を大学病院でもよく経験いたします。そういう面ではちょうどいい時期でもありますので、全体的にきちんと注意していった方がいいのではないかというのが、たぶん皮膚科全体の考えだろうと思います。
○松本座長 中田先生も大体同じような御意見ですか。
○中田参考人 おっしゃるとおりだと思います。横関先生がおっしゃった重篤な症例というのは、例えばつい先日、販売中止になったブフェキサマクというのがあります。あれと同じように、塗っていたのは1カ所にもかかわらず、広い範囲にかぶれのような症状が出てしまって、高度のそう痒感で入院治療などという患者さんの報告が最近出ています。決してそれで生命予後を脅かす重症さではないのですが、患者さんの社会生活に与える影響は大きい例も散見されるので、より厳重な方が私も望ましいかと思います。
○松本座長 ゲル・ローションに関しては現在、2類になっているわけですが、今日の議論の中身はパップ剤です。パップ剤に関して2類とおっしゃる方は、どうもおいでにならないみたいなので、パップ剤を指定2類にすることに関して、特に問題はないですね。それはそのようにさせていただきますが、現在の2類を上に上げるというのは、今日の議論で上げるということでよろしいですか。皮膚科のお二人の先生も、上げた方がいいということですし、望月先生もそういう意見ですし、土屋先生もそういう意見みたいなので、全体を指定2類にする方が安全ではないかと思いますが、それでよろしいですか。事務局もそういうことでよろしいですか。
○事務局 そういう結論に従います。
○松本座長 今日はパップ剤の予定だったのですが、ケトプロフェン外用剤全体を指定2類にするというような御意見になりました。事務局もよろしいですか。
○事務局 現在、第1類として指定されているケトプロフェンの貼付剤は、指定2類ということで告示の改正に向けてパブリックコメントと、指定薬解除にかかるパブリックコメントを開始したいと思います。また、現在第2類に指定されているクリーム剤等については、指定2類ということで、こちらも告示の改正に向けてパブリックコメントを進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
○五十嵐委員 直接関係ないことですが、一般薬に共通した使用上の注意というのがあります。その「してはいけないこと」の中の「次の人は使用しないでください」の(3)と(4)に医薬品名が書いてあるわけですが、これだけ書いてあっても一般の方に分かるのでしょうか。「チアプロフェン酸」などと書いてあっても、一般の方には分からないのではないかと思うのです。これが分かるような方策も考えて、検討していただきたいと思います。
○松本座長 ちょっと難しいかもしれませんが、その点も御考慮ください。
○土屋委員 また先ほどのピクトグラムの件ですが、同じマークで中身が違うことを注意するというのは、原則が違いますから、もし片方が2週間で片方が4週間だったら、それを同じマークで使うということは、逆にピクトグラムなどを使うことが、かえってマイナスになると思うのです。2週間がノーだというのだったら、それはそれで考えられた方が。同じマークは同じ意味を持たせないと一般的には普及しないと思いますので、そこは気を付けていただいた方がいいと思います。
○松本座長 ゲル・ローションとパップ剤とでは、洗った後の注意の期間が2週と4週というように差がありますね。このまま残すということであれば、この辺もよく分かるようにしていただければと思います。
○事務局 今の御指摘は、マークの部分についても2週間と4週間の違いが分かるようなマークに識別するべきということですので、併せて検討させていただきます。
○松本座長 これはやはり差を付けた方がいいのでしょ。横関先生、中田先生、何かコメントはありますか。
○横関参考人 今話していたのですが、我々としては場合によっては外用でも、やはり4週間近く残る可能性があると思います。むしろ長めにする必要があるのではないかと思います。
○松本座長 両方とも4週ですか。
○横関参考人 内用しても、実際に4週間ぐらい残っている可能性も実験データとしてありますし、そこら辺は気を付けられた方がいいのではないかと、今二人で話していたのです。
○松本座長 そうですね。その方が安全かもしれませんので、その辺は検討してください。それでは、よろしいですか。
 次はその他の事項として、「一般用漢方製剤のリスク区分について」「一般用医薬品のリスク区分の検証の今後の進め方について」に入ります。まず「一般用漢方製剤のリスク区分について」ということで、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは資料8、参考資料8-1、8-2を御覧ください。まず参考資料8-1です。一般用漢方製剤のリスク区分については、制度制定時、平成17年12月の厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会の報告書において、「漢方処方製剤は、服用の時点での症状・体質などに応じて処方を選択することが必要である。また、複数種類の生薬が用いられ、その有効成分は天然由来の混合物であることから、他の薬剤との併用による相互作用への注意喚起が必要」との御指摘、また、「症状・体質に合っていない処方を選択した場合や、不適切な薬剤との併用により、日常生活に支障を来す健康被害を生じるおそれがある」ということで、なべて「第2類に相当する」という御判断をいただいたところです。
 現在、一般用漢方製剤としては平成20年9月に審査管理課長通知として、「一般用漢方製剤の承認基準について」という基準が定められており、213の処方があります。この厚生科学審議会の報告書に基づいて、すべて第2類医薬品に指定されています。
 今般、平成22年4月に、同じく審査管理課長通知ということで、この一般用漢方製剤の承認基準についての改正がありました。こちらが参考資料8-1です。加減方を追加した基準などを、新たに23処方追加するということで、4月1日に処方の追加が行われております。参考資料8-2ですが、こういった基準の追加に伴い、新規申請の取扱い、また、すでに販売している製品の取扱いということで、今後、この4月1日に追加された新たな基準に基づいて、製品が承認されていくことが予測されます。
 資料8の最後になりますが、これら23の処方についても、このような製品の承認が見込まれることから、一般用漢方製剤としてリスク区分を指定する必要があります。これは制定当時の報告書に基づき、それぞれ第2類医薬品として指定することが適切と考えております。今後、パブリックコメントや部会での審議という手続を経て指定することとしたいと考えております。
○松本座長 委員の先生方、何か御意見はありませんか。鳥居塚先生、何かコメントをいただけませんか。
○鳥居塚参考人 新しく追加された23処方に関しても、当面はこの御提案にありますように、2類というのがコンセプトに沿った形ではないかと思っております。ただ、将来的にはいろいろなことで副作用の報告とか、処方ごとにはいくつか出る可能性もありますので、その辺は少し考えていく必要があるかと思います。当面は2類での分類ということで、妥当な線かと思っております。
○松本座長 今般追加された23処方の漢方製剤は、第2類の医薬品として指定することに御異議はありませんか。よろしいですかね。これまでのこともありますので、そのようにさせていただきます。事務局もそういうことでよろしいですか。
○事務局 ありがとうございました。今後、手続を進めさせていただきます。
○松本座長 次に、「一般用医薬品のリスク区分の検証の今後の進め方について」に進みます。まず事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは資料9と参考資料9-1を御用意ください。まず、参考資料9-1を御覧ください。こちらは8月4日に開催された、安全対策部会でお見せした資料です。一般用医薬品のリスク区分については、平成21年6月から販売制度を実施しております。先ほども御紹介したように、厚生科学審議会の報告書に基づいて、各医薬品のリスク区分を制定しております。その後、今後の区分の制定及び変更については、医薬品等安全対策部会で行うこととされております。また、平成21年5月8日付で、この手順を定めております。調査審議事項の事前整理については、当安全対策調査会にお願いすることとなっております。
 2番目ですが、昨今の行政刷新会議等の議論を踏まえて販売制度が施行され、ほぼ1年以上経過しましたので、副作用の報告状況やその内容なども評価して、各リスク区分に振り分けられている一般用医薬品について、今回、安全性の検証を行うこととしたいと考えております。
 3番ですが、副作用等の精査を行うために、事前の情報整理が必要であることから、作業ワーキンググループ(WG)を設けたいということで、先回の安全対策部会でお諮りしたところです。
 続いて資料9を御覧ください。部会で御了解いただいた作業ワーキンググループ(WG)について、その委員の構成を御紹介させていただきます。この作業ワーキンググループ(WG)は、安全性の検証を行うために、副作用の精査などの作業を行っていただくこととし、安全対策調査会の下に設けることとされております。構成員としては別添にありますとおり、委員の先生方にお願いしたいと考えております。専門分野として薬剤、生薬、漢方医学、皮膚、アレルギー、呼吸器、肝臓、腎臓ということで、それぞれ一般用医薬品が主に対象疾患になっているような分野と、副作用が発現したときに関係するような分野を想定して、先生方にお願いしようと考えております。
 資料9の本文に戻ってください。このワーキンググループは、非常にたくさんの先生に御参加いただくことになりますが、精査を行う医薬品が非常に多岐にわたっておりますので、それぞれの開催時期ごとに精査を行う医薬品の種類、又は副作用の特性などに応じて構成員リストの中から、いずれか適切な専門家の出席を得るという格好で開催したいと思います。また、このワーキンググループの当面の作業ですが、見直しの方向性については、一般用医薬品の配合剤から着手してはどうかと考えております。
 この根拠というか背景は、1番としては、当初、制度を制定したときの区分の考え方は成分単位で行っており、結果として、一般用医薬品には配合製剤が非常に多いですが、各成分の量や副作用の発現状況にかかわりなく、最も高いリスク区分の成分に応じて区分が決定されることになっておりましたので、これまでは製剤単位のリスク評価というのが、必ずしも十分になされておりませんでした。ですから、こういった視点での検証を行います。漢方製剤については、制定時は一律に2類といたしましたが、これも同様に処方成分、副作用の発現状況などを踏まえて、リスクの評価を検証していくこととしたいと考えております。
 見直しの手順ですが、配合剤にはいろいろありますので、そのパターンが比較的単純で、検討が容易な生薬製剤から、平成22年度から見直しに着手して、その後漢方製剤、化学薬品の配合剤ということで、順次検討してはどうかと考えております。このワーキンググループは、まず検討内容にかかる副作用等の情報を収集・整理した上で、来年の年明けを目途に第1回を開催したいと考えております。実際に御検討いただく内容は、実際の製品リスクに基づく区分の検証と見直しを行うために、医療機関、製造販売業者からの副作用に加えて、添付文書の内容、成分の組合せの特徴、購入方法、適正使用に関する情報なども御審議いただくようにしております。
 2ページは、当面実施する生薬成分のリスク区分に関する考え方です。それぞれの成分ごとにリスク区分を定めております。各製剤については配合されている中で、いちばん区分の高いものに引っ張られる格好で、製剤そのものの区分が指定されるという格好になりますが、今後は配合されている量や副作用を勘案しながら、再度リスクを見直していければと考えております。
○松本座長 ただ今、先生方のお手元にあるワーキンググループの構成員に関して、どなたか御意見はありますか。これで御異論はありませんか。よろしいですね。これはお認めいただいたものとさせていただきます。見直し手順について、御意見はありませんか。製剤単位のリスク評価を検証する方法として進めることに関して、望月先生、何かコメントをいただけますか。
○望月参考人 いずれかの時期に、製剤単位で配合した状態のものを評価しなければいけないだろうということは、以前の段階でも議論がありました。それを進めるということで、比較的単純なものから手をつけるというのは、リーズナブルな方法だと思います。
○松本座長 鳥居塚先生はよろしいでしょうか。
○鳥居塚参考人 私も今の望月先生のお考えと同じように、そういうところから手をつけていくと。生薬製剤あるいは漢方製剤についても評価をしていくというのは、非常に大事なところではないかと思っております。
○松本座長 この点に関して御意見はありませんか。
○土屋委員 意見ではなくて、資料が読めないので教えてほしいのです。再区分後の「3類の製剤」の二つ目に赤で小さく書いてあるものが読めないのです。何と書いてあるのですか。
○事務局 上から「3類の製剤」、例として「Hが一定量以下の場合」です。2類のものが3類に変わるものの例示が製剤2.です。2類の成分が入っており、これが一定量以下の場合です。例えば非常に微量であれば、製剤全体としては2類とか3類になるのではないかということです。そして製剤3.の例としては、「Hが一定量以上の場合」です。これも同じくHが入っておりますが、量が多ければやはりその影響を受けて、製剤全体としても2類になります。製剤4.が指定2類の製剤です。この例としては、リスク成分があるものとなっております。
○松本座長 土屋先生、よろしいですか。
○土屋委員 はい。
○松本座長 ほかに御意見はありますか。
○鳥居塚参考人 確認します。今のHのところは、甘草みたいなもので、例えば低カリウム血症とかアルドステロンとか、量が多いとなりますよね。一般の漢方製剤は甘草が1gや2gのものもあれば、芍薬甘草湯のように非常に量が多くなる場合がありますが、そのようなときは実際のいろいろな報告も当然併せて考えていくということにはなると思うのです。量的なもので言えば、Hの量の多いものは2類あるいは指定2類という考え方というのが、この図ということで理解してよろしいのですか。Iの方は、例えば附子とか大黄というところで、とりあえず形から分けられるという見方で理解したのですが、よろしいでしょうか。
○松本座長 事務局、よろしいでしょうか。
○事務局 今の鳥居塚先生の解説のとおりかと思っております。ただ、この絵自体はイメージを表したもので、実際にこれから具体的に評価をいただいて、3類なのか2類なのか、はたまた1類になるものがあるのかも含めて、御議論をいただきたいと思っておりますので、ワーキンググループの先生方にはよろしくお願いしたいと思っております。
○松本座長 それでは、ワーキンググループの構成員をお認めいただいたこと、見直しは製剤単位のリスクの評価を検証する方法で進めることとし、まずは一般用医薬品配合剤として生薬製剤、漢方製剤、化学薬品の配合剤の順で行うことをお認めいただいたこととさせていただきます。どうもありがとうございました。事務局もそれでよろしいですか。
○事務局 はい、ありがとうございました。
○鳥居塚参考人 全く直接的なことではないのですが、参考資料9-1のいちばん下のパラグラフの3で、「作業ワーキンググループ(WT)」になっています。これは単なるミスプリでしょうか。
○事務局 申し訳ございません。これは「T」ではなくて「G」の誤りでした。訂正させていただきます。
○松本座長 それでは本日の議題は終了いたしましたが、全体を通じて御意見はありませんか。よろしいですね。事務局はありますか。
○事務局 特にありません。本日、本会議において先生方には貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。なお、今回の調査会の配付資料については、厚生労働省のホームページに掲載させていただきます。ありがとうございました。
○松本座長 これで本日の会議を終了といたします。長い時間、活発な御議論をありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局安全対策課
(代表電話)03-5253-1111

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)> 平成22年度第6回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録(2010年10月8日)

ページの先頭へ戻る