ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(血液事業部会運営委員会)> 平成25年度第6回血液事業部会運営委員会(2014年3月19日)




2014年3月19日 平成25年度第6回血液事業部会運営委員会

医薬食品局血液対策課

○日時

平成26年3月19日(水) 17:00~19:00


○場所

弘済会館 蘭
(千代田区麹町5-1)


○出席者

委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長

大平 勝美 岡田 義昭 田崎 哲典 花井 十伍
◎牧野 茂義 山口 照英

日本赤十字社:

田所 憲治 碓井 達夫 日野 学 竹ノ内 康司

事務局:

浅沼 一成 (血液対策課長) 野村 由美子 (血液対策企画官) 上田 恵子 (血液対策課長補佐)

○議題

・議事要旨の確認
・感染症定期報告について
・血液製剤に関する報告事項について
・今般のHIV陽性者献血の事案を受けた検討項目(進捗報告)
・日本赤十字社からの報告事項について
・「献血血液の研究開発等での使用に関する指針」に基づく公募に係る 事前評価について(非公開)
・その他

○議事

○血液対策課課長補佐 「平成25年度第6回血液事業部会運営委員会」を開催いたします。なお、本日は、議題第15及び議題7が公開で、その後、議題6を非公開で行うこととなっておりますので、よろしくお願いいたします。本日の出欠状況を報告いたします。本日は、委員全員が御出席いただいていることを報告いたします。また、日本赤十字社血液事業本部より4名の皆様にお越しいただいております。血液事業経営会議委員の田所様、総括副本部長の碓井様、副本部長の日野様、主幹の竹ノ内様、以上4名にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。カメラ撮りですが、恐縮ですがここまでにしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。以後の進行を牧野委員長にお願いいたします。

○牧野委員長 初めに、事務局より資料の御説明をお願いします。

○血液対策課課長補佐 1枚目に議事次第、2枚目に座席表、それから委員名簿と続きまして、委員会規程、その後資料が続きます。

 資料1-1が議事録案、資料2-1が感染症定期報告、その後に続きますのが2-2、かなり分量がありまして、これが定期報告の詳細版、資料3-1が供血者からの遡及調査の進捗状況について、資料3-2が血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について、これは題名はありませんが資料3-3、資料4HIV輸血感染の事案と対応について、資料5-1は日本赤十字社からの資料、資料5-2も同様の日本赤十字社からの資料で、血液事業情報システムの導入について、資料6の冊子になりまして、献血血液の研究開発等での使用に関する指針に基づく事前評価結果があります。最後にその他の資料になりまして、資料71枚の紙が付いています。資料は以上です。分量が多いので、過不足等がありましたら、事務局にお申し付けください。

○牧野委員長 議題に沿って進めていきます。議題1、議事要旨の確認ということで、お手元の資料1-1に前回の議事要旨がありますので、その内容に関して御意見があれば事務局まで御連絡いただきたいと思います。議題2、感染症定期報告について、事務局から資料の御説明をお願いします。資料が多うございますので、今回は1から11までを最初にお願いします。

○血液対策課課長補佐 資料2-1を用いて説明いたします。資料2-2は詳細版となりますので、適宜、御確認ください。前半、1から11までで、血液製剤輸血の安全性に関する報告という文献について、紹介いたします。文献1ですが、造血幹細胞移植の患者に関する輸血製剤とサイトメガロウイルスの検査の報告です。

 これはカナダで199910月から20126月までに同種造血幹細胞移植でドナー及びレシピエントともに輸血前の血清学的サイトメガロ検査が陰性であった166ペアを調査したものです。

 対象は、2007年以前の移植患者と以後の移植患者に分けられまして、以前の患者に関しては白血球除去と陰性血液、以後の患者に関しては白血球除去のみという対策をとっているということですが、これらの患者のうちでサイトメガロ血漿が認められたのは、白血球除去と陰性血液を用いていた安全対策のときは89例中3例、すなわち3.4%、白血球除去のみの期間では77例中1例の1.3%でした。両群に差がなかったということで、陰性血液の確認は必要ないのではないかという考察が書かれておりました。

 次に文献2ですが、こちらもサイトメガロウイルスの報告ですが、日赤からの論文ですので、補足等がありましたら後ほどお願いいたします。内容は、日本の献血者におけるサイトメガロウイルスの抗体陽性率に関する報告です。献血からの全血検体2,400検体中抗サイトメガロウイルス抗体陽性率は、20代で58.3%、30代で73.3%でした。また、血球分画中のDNAは、60歳未満の献血者の1%、60歳以上であれば4.3%に認めたということです。血球分画中DNA陽性検体の約14%は、血漿中にもDNAが認められたと。また、保管全白血球除去した3つの血漿製剤からDNAも検出されたことが書かれておりまして、血漿中のDNA陽性製剤とサイトメガロウイルスの関係は、今後の課題ということが考察されております。

 文献3ですが、ドイツからサイトメガロウイルスの輸血感染のリスク低減に関する報告で、こちらもサイトメガロウイルス関連です。内容ですが、献血から得られた全血検体約2万検体中21検体、これは0.09%に当たりますが、これがDNA陽性であったとのことです。このうち抗体が陰性のもの、新規抗体陽性となったもの、長期抗体陽性ドナー、これらがそれぞれ5例、6例、及び10例とのことでした。新規抗体陽性ドナーのDNAレベルが高く、全血で1,000IU/mL以上、血漿中で100IU/mL以上となることもあったとのことです。一方、抗体陰性ドナーや長期抗体陽性ドナーでは、DNA量は同程度に低く、感染ハイリスク者の血液製剤にはこれらを用いるのが良いのではないかという考察がなされております。

 文献45、これは両方ともパルボウイルスの報告です。文献4も日赤からの報告ですので、補足等がありましたら、後ほどお願いいたします。内容は、国内献血血のCLEIA法によるパルボウイルススクリーニングの評価です。20082月から20119月までに、北海道の約100万検体についてCLEIA法による抗原の検討を行ったということです。

 そうしましたところ、417検体、約0.04%に当たりますが、これが陽性となりました。また、この内101検体、これは0.01%相当に当たりますが、これがDNAも陽性であったとのことです。また、検体の遺伝子型は、全て1型であったということです。CLEIA法の感度は6.4logIU/mLとされているところですが、スクリーニングとして導入した2008年以降、全国の献血者からの772のプール血漿では、4logを超えていないことが確認されていて、分画製剤の安全性は欧米の基準に4logがありますが、合致するものであったのではないかと書かれております。

 文献5ですが、パルボウイルス4の不活化に関する報告です。これはウイルスゲノム外在化を指標として、液状加熱及び低PH処理によるウイルス不活化を検討したものですが、ヒトパルボウイルスB19よりもやや抵抗性を示したということです。しかしながら、マウス微小ウイルスほどの抵抗性は示さなかったということでした。また、2価陽イオンの非存在下では、中性PHでも不活化されたために、陽イオンはウイルスの安定化効果があるのではという考察もなされております。

 裏をめくっていただきまして、文献6から10、こちらは変異型クロイツフェルト・ヤコブ病ですので、関連ということでまとめて説明いたします。文献6ですが、フランスからの総説です。1990年から2010年までに、フランス当局が実施したリスク分析評価について述べられています。フランスでは、これまで27例の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が報告されているということですが、最新では60年間に100例ほどいるのではないかという予測もあります。輸血感染のリスクも知られておりますが、輸血のベネフィットのほうが大きいと考えており、分画製剤に関しては国内で用いている製法ではこれまで報告がなく、リスクが低いのではないかという考察も書かれております。

 文献7に移ります。異常プリオンタンパクの増幅検査に関する報告です。プラスミノーゲンをコーティングした磁気ナノビーズを用いた異常プリオンタンパクの分離、タンパク質ミスフォールディング循環増幅法による増幅、ウエスタンブロット法による検出と、この3段階からなる高感度、高特異度の異常プリオンタンパクの増幅検査法を開発したとのことです。無症候性キャリアの検出に有望かとコメントされております。

 文献89ですが、こちらは異常プリオンに関する総説と文献です。8では、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病がイギリスでこれまでに177例の報告があるそうですが、ここ2年では1例の報告のみと、比較的まれに報告されていると書かれておりまして、しかしながら、手術で切除した虫垂を対象にこのプリオンの蓄積を検査した結果、陽性検体の割合が20004000分の1であったということです。すなわち、予想よりもやや多いのではないかということが書かれております。ただし、虫垂の異常プリオンは非特異的である可能性もあり、現在、BSEの流行以前の虫垂についても検査中ということです。

 文献9は、文献8の総説の引用文献となっておりまして、同様内容が書かれております。より詳しく書かれておりますのは、先ほどの虫垂の病理の検体ですが、32,444検体を調べたと。その中で16検体が異常プリオン陽性であり、これは人口100万人当たり439例に相当するということで、先ほどの2,000から4000分の1という割合に相当します。

 また、プリオンタンパク遺伝子のコドン129ですが、陽性16検体のうち8はメチオニンのホモ接合体、4検体はバリン-メチオニンのヘテロ接合体、4検体がバリンのホモ接合体でしたということも書かれております。

 文献10ですが、これはTSEに関しての文献になります。EMAの尿由来医薬品における外来性物質の安全性に関するガイドラインが発出されたということで、ヒト尿由来医薬品のウイルス及びTSEに関わる安全性評価において考慮すべき事項、ドナーの選択とか、製造プロセスにおけるウイルスバリデーションなど、全般的な議論を説明しているところです。

 前半最後、文献11です。これはリーシュマニア症の報告です。ブラジルから内臓リーシュマニア症の無症候性感染が報告されています。これは既往歴のない約計430例の供血者の血清検体で、免疫蛍光抗体検査を実施したところ、67例、15.6%に相当いたしますが、これらにリーシュマニア抗体が検出されたということです。供血者の出身地や家の周囲に公園や広場がある、四肢まひを呈するイヌが近所に居るとか、そういったことが関連因子ではないかということが書かれております。輸血の更なる安全性のための検査のことについても、言及されているところです。前半は以上です。

○牧野委員長 ここまでで1回切ります。サイトメガロとパルボとクロイツフェルト・ヤコブ病とリーシュマニアということで、ここまでで委員の先生から何か御意見、御質問がありましたら、どうぞ。

○山口委員 クロイツフェルト・ヤコブのことで、文献89でヒト虫垂や扁桃とかを解析して、どれだけ潜在的な感染者がいるかという推定をしているのですが、この8はイギリス人で計算すると4,000人に1人になるので、イギリスの人口6,300万人か6,400万人ですが、それで計算すると16,000人ぐらい、9だと31,000人ぐらいの計算になってしまうのです。

 ただ、実際に論文の9では、発症者とのプレバランスの違いがあるということで、多分、これは種の壁があるのではないかというもので、実際の検出の所も本当にそれは発症に結び付くのかということについては、必ずしも明確ではないのだろうなと。一昨年、FDAが赤血球のイギリス滞在歴のある人のリスクについて評価をしていたのですが、こういう割とハイリスクというモデルでやると、実際の発症率に差が出てくるので、現実はむしろ非常にリスクの低いほうに合っているのではないかということを言っていたので、必ずしもこういう検査で得られている結果そのものがBSEの発症というか人への伝播に必ずしも結び付くわけではないだろうと思います。

○岡田委員 同じ9の論文のvCJDのことですが、実際、これは発症した患者は、1人を除いてメチオニンのホモの方なのです。ですから、非常にメチオニンのホモの方が発症しやすいことはよく知られています。それで、あとは、コドン129番目に多型性があるということで、この論文に書かれていますが、3つのパターンがあって、バリンのホモの人とバリン-メチオニンのヘテロの人が実際に感染するのか、又は感染しても、抵抗性があってなかなか発症しづらいのかどうかということで、動物実験等で実験が行われています。それで、実際、メチオニンのホモの方は非常に感受性が高いということで、バリンのホモの方とか、ヘテロの方は抵抗性があるということで、感染していても、なかなか病気が進行しないのではないかということが言われていたわけです。

 過去に切除された虫垂の検体で何件か陽性例があったということで、今回、それを更に大規模にやったらこういう結果になったということで、もちろん非特異的に引っかけている場合もありますが、それ以外にメチオニンホモの方以外で感染している人が潜伏的に存在していることを一応考えて、安全性の対策は立てないといけないかと思います。抵抗性のある人が、本当に血液中に感染性の異常プリオンが存在しているかどうかは、なかなか難しいのですが、感染していても、なかなか発症していない人がいることは考えていたほうがいいと思います。

 イギリス政府は、vCJDの発症例をずっとフォローしているのです。例えば、バリンのホモの方が発症するようになれば、恐らく先は感染している人はほぼみんな発症してしまうのではないかと言われていますが、まだそういう患者は出ていませんので、当分の間は警戒する必要があるのではないかと思うのです。

 ニューギニアのクールの例が50年以上フォローされていて、50年ぐらいたって、人の脳を食べることを法律で禁止されてから、50年ぐらいたっても散発的に発症例がありますので、そういうことを考えると今後も数は非常に少ないかもしれませんが、患者は感染例が報告されると思います。イギリス政府は白血球除去で一応対応していますが、これからもその対策は続けざるを得ないのかと、そういうことを裏付ける論文です。

 あと、サイトメガロの論文は3つありますが、サイトメガロの取扱いはなかなか難しいのですが、当初は白血球除去をすれば感染性はないのではないかと言われていますが、論文3に書いてありますが、なかなかそうは単純な問題ではないということです。今の科学レベルを考えると、抗体陰性、陽転して早期のもの、感染して長期間たった人、その3群を考えると、抗体陰性群や感染して長期間たった人のほうが、輸血による感染のリスクは低いのではないかを示していて、今できるとすれば、そういう抗体陰性のものを供給するのも、リスクがある患者には必要かと思います。最近、サイトメガロに関連して未熟児が感染すると、非常に予後が悪いのも報告されていますので、特に1,000g前後の未熟児に輸血するときには、何らかの抗体陰性のものを使わざるを得ないのかと考えられます。

○山口委員 4のパルボウイルスの感染ですが、これは北海道の献血の調査データなので、もし後で日赤から何か追加でコメントがありましたら教えてほしいのですが、1つは、この評価の中でEPFDAのシーバーがパルボウイルスに関して遺伝子型が123とあって、その3つのものを検出しなければならないというガイダンスを出しているのですが、それに対応するために国際的なパルボのパネルについてもCLEIA法で解析をされたことになっていて、その3つとも解析が、検出が十分できるということですが、今、ちょうどこの前に安全技術調査会で国内の参照パネルも作らせていただきましたので、こういう評価もしていただけるといいと思ったことです。

 ここから後は質問ですが、パルボVの抗原が陽性よりも、DNA陰性が4分の1に減ってしまっているのですが、これは感度の問題なのか、もし、その辺が分かりましたら教えていただきたいのですが。

○牧野委員長 日赤から何か、どうでしょうか。

○日本赤十字社田所経営会議委員 すみません、この場では不明です。調べておきます。

○山口委員 文献2ですが、サイトメガロの陽性者、逆に若い人たちの陰性者は、最近は増えてきているのでしょうか。何かデータはありますか。

○日本赤十字社日野副本部長 経時的な変化については、肝炎関係は日赤でもデータは持っているのですが、サイトメガロに関しては経時的な変化は取ってないのです。今回の文献においても、中に記載されておりますが、20代、30代では、3040%ぐらいの献血者は陰性なのだけれども、40代、50代になると、それが20%程度になるので、上がってくるというのがあります。

 今回、先ほどのサイトメガロの3の文献にも関連するのですが、60代の献血者由来でDNAが見つかった例は、割合的に少し多いと。その理由についても、なかなか難しいとは思いますが、一様に考えられる点とすると、Bと同じように再活性化があると思いますので、そういったものも関係するかと思います。今回、使用したDNAの解析系については、日赤はインハウス系と販売されている系があるのですが、いずれにしても検出感度といいますのは、3040mLぐらいの感度のもので検査しているということになります。

○岡田委員 献血者のは分かりませんが、妊婦のデータを見ると、毎年低下しているのは産婦人科学会か何かのに出ているかと思うのです。陽性者が減ってきているということです。

○日本赤十字社田所経営会議委員 去年あたり、感染者がどうも増えているのではないかという情報がありました。日本赤十字社への輸血感染を疑われた症例報告も増えています。

○岡田委員 報告は先天性ではなくて、輸血による感染という報告です。

○日本赤十字社田所経営会議委員 それも増えているし、実際の民間、一般国民レベルの感染も増えているという話はあります。主に未熟児ではあろうかと思います。輸血をしなくても。

○大平委員 文献の23に関係するのですが、後で未熟児へのサイトメガロの感染でのリスクの報告はされていて、出てくるのですが、取りあえず、献血におけるサイトメガロ輸血感染リスクの研究が必要であるという論文の1つの提言があるというところで、先ほどサイトメガロの陰性血液の把握とか、そういうのが、黄疸があったときとか、そういうときには対応が必要ではないかという指摘も出ているのですが、それについて日赤側と、また、多分、輸血学会とか、そういう所で、何かそういうきちっとした調査をしていくとか、それに対しての対応はこれから取っていくのかどうかは、もしお分かりでしたら教えていただきたいのですが。

○牧野委員長 日赤のほうは、いかがでしょうか。

○日本赤十字社日野副本部長 2004年から徐々に未熟児の輸血後の感染症の報告がありまして、昨年3月までですと19例報告されておりました。その中で全て保管検体で先ほどの感度の持っているDNA検査をやりましたが、今のところ保管検体の中からCMVDNAが検出された、確認されたといのは、日赤の中ではありません。

 その後も、昨年8月にそういった報告を、未熟児周産期医療を実施している医療機関向けに媒体を作りまして、ターゲットを絞って、先ほど私が説明した状況を周知するとともに、白除されている製剤を100%供給しておりますが、場合によっては、そういった陰性血のオーダーも考えてほしいということの周知を昨年8月にしておりまして、その後報告例はかなり増えてはいるのですが、今のところまだ保管検体の中からDNAが見つかっている症例は確認されていない状況です。

 日赤においても白除血を供給してはいるのですが、陰性血とどちらが有効かに関しましては、まだまだエビデンスも引き続き調査していく必要があるかと思っています。大平委員がおっしゃった、どこかと共同でやるということは、今のところ考えておりません。

○花井委員 今の話は、例えば輸血したけれども陰性だという場合に、お母さんはみんな調べているのですか。

○日本赤十字社日野副本部長 実際は母乳を調べるパターンとか、いろいろなパターンがあるのですが、できる限り陽転、お母さんも含めて検査するようにはしています。何分、非常に小さなベビーですので、採血すること自体が厳しい状況があります。

○田崎委員 我々はよくCMV陰性血と言っているわけですが、結局、CMV陰性血は抗体陰性でいいのですか、それともDNAを調べた上での陰性血と言っているのですか。

○日本赤十字社日野副本部長 抗体陰性血、抗体のほうです。

○田崎委員 の場合には、IgMIgGと両者が陰性のものでしょうか、それともIgMが陰性であれば、IgGが陽性でも提供されるのでしょうか。

○日本赤十字社田所経営会議委員 両方測定しているかどうかということですか。

○日本赤十字社日野副本部長 Gは測られているのは当然だと思いますが、Mも含めて測れているかどうかは。

○田崎委員 Mが大事ですよね。感染初期のマーカーとしては

○日本赤十字社日野副本部長 IgMIgG両方検出できる系でしたか。

○田崎委員 先ほどの文献3では、結局、感染して長期にわたった抗体陽性のドナーの方の血液は、どうも輸血をしても安全らしいということですが、それを日赤ではドナーの方の血液を用いて把握できるのですか。

○日本赤十字社日野副本部長 今回の症例については、輸血された血液のドナー側の調査、年齢についても、少し調査していきたいと思っています。現段階では、まだそこまでいっていません。

○牧野委員長 残りの報告1219をお願いします。

○血液対策課課長補佐 その他の報告として、文献が12から19まであります。文献12です。米国での報告ですが、注射薬物使用者におけるE型肝炎ウイルス感染に関する報告です。20093月から20106月までに、カリフォルニアのサンディエゴで6か月以内に注射薬物を使用したと考えられる1840歳を対象に、E型肝炎ウイルスIgGを調べました。

 そうしましたところ、対象者508名のうち14例、すなわち2.7%がIgG陽性だったということです。受刑歴とか注射歴の有無、路上生活、ハイリスクの性行為、HIV感染の有無等は、IgG陽性者との間に関連はなかったとのことです。

 次に、文献13から15までまとめまして、これらは鳥インフルエンザに関する報告ですので、まとめて説明いたします。文献1314とありますが、これは同じものですので、1つの内容としてお話いたします。1314は、中国における鳥様インフルエンザ、H10N8の報告になります。201312月に江西省でH10N8感染による死亡事例が報告されたとのことです。

 この症例は、基礎疾患を有する73歳の女性で、免疫抑制状態にあったと。11月末、30日に重症肺炎で入院したところ、126日、1週間後に死亡したということです。なお、発症前に生きた家畜へのばく露歴があったことも知られています。接触者からは、これまで当該物質の検出はなかったということです。

 文献15、これは台湾からの報告です。同じく鳥インフルエンザですが、こちらはH6N1です。これの人への感染が初めて報告されました。これは20135月、10歳の女性がインフルエンザ様症状で入院されまして、咽頭検体からこのウイルスが管理されたとのことです。遺伝子解析の結果、血球凝集素タンパク質のアミノ酸配列の置換が認められまして、これにより人α2,6シアル酸受容体の親和性が増大したと、その可能性があるという報告がなされております。

 文献16は、マレーシアで発見された新型のデングウイルスに関する報告です。2007年にマレーシアのサラワク州で発生しましたデング熱の集団感染の際に、既知の血清型とは異なるデングウイルスが検出されたとのことです。新規ウイルスの遺伝子配列を解析した結果、他の血清型とは系統発生学的にも異なることが判明したということでした。

 文献17は、インドからキャサヌール森林病の報告です。これはダニやサル等が感染しますフラボウイルスですが、インドのカルナータカ州特有のものですが、毎年100500人の感染が報告される中、201211月、同州の国立公園内でブレークがあったとのことです。この内容は、サルが12匹死亡、死亡したサルに接触した職員6例が症状を呈し、検査でもサル7頭のうちの3頭、人6例のうちの4例でPCRが陽性だったというものです。これらを機に隣接するケーララ州、タミル・ナードゥ州などからでもサル、ダニなどの調査で陽性が確認されたということです。流行地が拡大しているのではないかということが書かれております。

 文献18は、中国から新種リケッチャの人感染の報告です。20125月から8月までにダニにかまれたという251例の患者ですが、中国東北部の病院を受診し、検査の結果、5例が新種リケッチャであったことが確認されました。5例の年齢は、1256歳で、発熱、無力感、食欲不振、悪心、頭痛、痂皮及びリンパ腫脹等を呈していたということです。1例は髄膜炎症状があり、重篤であったと。それで4日後に死亡されたということです。いずれの患者も発疹がなかったために、診断が難しかったことも記載されております。

 最後、文献19ですが、国内で初の回帰熱の輸入症例の報告になります。201010月、20歳の女性が周期的な発熱と下腿痛のために受診され、検査の結果、ここに書かれておりますBorreliaの感染が確認されました。患者は、発症の1か月前にウズベキスタンに滞在していたということで、その際にダニにかまれた覚えがあるということでした。ミノサイクリン等を用いまして発熱等の症状は消失したとのことです。

○牧野委員長 ただいまの御報告について、委員の先生から御質問、御意見がありましたら、どうぞ。今年に入ってデング熱の報告が1つありましたが、その後報告が増えているとかはないですか。

○血液対策課課長補佐 報告数増加は把握していません。国内感染の報告はないと思います。

○牧野委員長 特にありませんか。事務局は、ただいまの御意見を十分念頭に置きつつ、引き続き感染症の定期報告の収集等をお願いします。

 次の議題に移ります。議題3ですが、「血液製剤に関する報告事項」ということで、3つあります。「供血者から遡及調査の進捗状況について」「血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について」「HIVの陽性率について」ということで、3つ続けてお願いします。

○血液対策課課長補佐 まず、資料3-14ページです。「供血者から始まる遡及調査の実施状況」ということで、今回は一番右の欄の平成254月から12月が最新の状況になっております。(1)の遡及調査実施内容ですが、遡及調査の対象とした件数、個別NAT実施件数、B型ウイルスが7,193件、C型ウイルスが36件、HIV20件であったということです。個別NAT関連情報のうち、患者の陽転が確認されたものがあります。これはマルマル3の1)陽転事例になりますが、これがHBB型肝炎ウイルスが2例、HCHIVにそれぞれ1例とありますが、これは既に報告しておりますC型肝炎のすり抜け事例と、前回報告させていただいたHIVの事例が数字として挙がってきているものです。必要がありましたら、日赤から後ほどコメント等をよろしくお願いいたします。

 資料3-2、「血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について」ということで、今回1例、死亡例がありましたので、まずこれを報告いたします。

1ページです。症例ですが、輸血によるサイトメガロウイルス感染が疑われた1例ということで、妊娠24週で出生された生後、約1か月の超低出生体重児ということで、536gの出生の方でした。生まれた直後から合併症がありまして、脳室内出血などを来しておりました。また、心臓の手術をされた際に胸水などを来して、低タンパク症、凝固能異常なども呈しておりましたために輸血を繰り返したということです。輸血の内容については、こちらに記載があります赤血球濃厚液20単位、新鮮凍結血漿35単位ということでした。

 この方は輸血後、約1か月で換気不全で亡くなったということなのですが、解剖を受けて多臓器のサイトメガロウイルス感染症が病理所見で認められたとのことです。保管検体というのは、御本人から採った血液を保管してあったもので、これがサイトメガロウイルスのDNAがプラスであったとのことでした。一方、母親の情報がありまして、こちらはIgGは陽性であったものの、出産2週間後のNAT検査では陰性でした。出産は帝王切開であり、産道感染は考えにくく、低出生体重児であったために母乳感染もほぼ否定的であるというコメントが主治医の見解、担当医の見解(3)に書かれておりまして、「輸血感染が否定できないのではないか」というコメントを得ています。

 しかしながら、状況の(2)検体検査の状況にありますが、CMV-DNAが各6本、8本、3本と分類されて記載されている部分でをみると、全て陰性ということで、先ほども日赤から説明がありましたが、陽性は確認できなかったということです。死亡例の説明は以上となります。御意見等ありましたら、後ほどお願いいたします。

 次ページは「輸血用血液製剤で感染が疑われる事例のフォロー」ということで、毎回付いておりますが、今回特に大きな新規報告はありませんので、説明は省略いたします。

5ページの「感染症報告事例のまとめについて」です。これは今期、医療機関から報告された感染症の事例をまとめております。1がまとめで、2から5まではそれを細かくしたものですので、併せて御覧ください。1(1)B型肝炎ウイルス感染報告事例は10例とありますが、2B型肝炎感染報告事例の中で、個別NATの陽性例は1例のみでした。C型肝炎ウイルスの感染報告事例が5件ありますが、3HCV感染報告事例の中で個別NAT症例はなかったということです。HIVに関しては、先ほども申し上げたとおり昨年の輸血感染の事例が数えられておりますので、4HIV感染報告事例に個別NAT陽性が1件、書いてあります。

 その他の感染症報告が12(細菌6)とあります。これについては一番下、その他の感染症報告事例に書いてありますが、(2)細菌等感染報告事例において、当該輸血用血液の使用済みバッグを用いた無菌試験の陽性事例が1件あったことが今回、報告されました。

 また、その他の感染症報告の中の残りですが、12件のうち6件が細菌と申し上げましたが、ほかの5件はサイトメガロウイルス、もう1件がE型肝炎ウイルスということで、これもその他の肝炎、5「その他の感染症報告事例」の(1)B型肝炎及びC型肝炎以外の肝障害報告事例」の1件にカウントされております。

 次から個別症例表があります。これについては詳細な説明は省略しますが、気になる症例等は後ほど御意見等をいただければと思います。主立ったものとしては、最初のページにB型肝炎ウイルスのNATが陽性であったという1例が書いてありますし、11ページに前回のHIVの感染報告について、こちらに上がってきております。13ページの一番上の欄に、先ほど申し上げましたサイトメガロウイルスの死亡例があります。14ページの一番上が細菌感染で、使用済みバッグからも細菌が確認されたという1例になります。個別症例の説明としては以上です。

 次に19ページ、これは毎回報告しておりますE型肝炎ウイルスの20プールNATの実施状況、北海道において試行的に行われているものの報告になります。一番下の平成25年度が最新の数字になっておりますが、これまでと比較した大きな変動はないかと思います。資料3-2は以上になります。

 資料3-3は、献血とHIV抗体及び核酸増幅検査陽性件数の関連を表した資料です。1枚目は、1月から12月までの献血のHIV抗体陽性の件数が出ておりますが、一番下は63件ということで、昨年度、2年前に比べると減少傾向が見られております。10万人当たりにすると1.210と、こちらも昨年の1.290から比べて減少傾向にあるといったところです。その後、性別や年齢区分、国別、都道府県別、ブロック別といったデータが続きますが、こちらもこれまでと大きな差違のある傾向は認めてはおりません。

 最後のページのグラフは、1月から9月までのまとめとなっております。今までのデータは12月ですので、やや混乱を招くところです。真ん中の男女の合計の値になりますが、10万人当たり1.4と、9月までにはありますが、その後の報告数が非常に少なく押さえられておりましたので、現段階では冒頭に申し上げたとおり、10万人当たりの比で申しますと1.2という値になっております。資料3の説明は以上です。

○牧野委員長 かなりボリュームがありましたが、ただいまの御報告に対しまして、委員の先生から御意見、御質問、あるいは日赤のほうから何か追加がありましたらお願いします。

○岡田委員 去年、輸血によるHIVの感染事例があったのですが、それ以後、日本赤十字社で献血者から抗体でもNATでも、陽性となる例が減少して、一方、保健所での検査件数が増えたという話を聞いたことがあるのですが、日赤においては、あの事例があって以後、抗体というか、HIV感染者の数は何か変化はあったのでしょうか。

○日本赤十字社日野副本部長 動向委員会でも話があったかと思いますが、それまで複数の陽性者があったのですが12月はゼロということで、今年1月は月的にはかなり増えていまして、10件ありました。ただし、その後、半分以下になっておりますので、月単位で見ると、多い月、少ない月というのは、その年によってばらつきがあるのですが、もう少し注視していく必要があるかと思います。とにかく12月はゼロだというのは、例年そんなにないと思います。

○牧野委員長 HBVの陽転例は2例ということで、これは明らかに減ってきているなという実感はどうでしょうか。

○日本赤十字社日野副本部長 もう一度お願いします。

○牧野委員長 HBVの陽性例が、最近の動きからすると2例ということで、大分減ってきているなというのは、やはり日赤としても実感がありますでしょうか。

○日本赤十字社日野副本部長 一昨年の8月から、コア抗体のカットオフインデックスをこれまで12で切っていたのですが、それを1まで上げまして、より強化したというのがあります。その後、まだ1年半ぐらいのデータしかないのですが、いわゆるHBの感染既往の血液による輸血後の感染症の確認例は今のところありません。もう少し様子を見ていく必要があるかと思いますけれども。

○牧野委員長 ありがとうございます。

○岡田委員 10ページの一番上のB型肝炎の症例で、ちょっと気になる症例があります。日赤の番号だと3-1300124という番号が付いているのですが、この症例は投与前の検査は陰性で、投与後はDNA2回陽性になっているのですが、日本赤十字社で検査をやると陰性だと。これは日本赤十字社としてはどう考えていますか。つまり、恐らく投与後の検査は医療機関でやったと思うのですが、2回、複数にわたって陽性となっている一方で、日赤がやると陰性と、この差が出たのはどうしてかなというのが非常に。

○日本赤十字社田所経営会議委員 300110C型肝炎ですか。

○岡田委員 いや、B型肝炎で。

○牧野委員長 10ページの一番上です。

○岡田委員 日本赤十字社としては、これは陰性というように判断されたのですよね。

○日本赤十字社田所経営会議委員 はい。

○岡田委員 それは、医療機関のほうには感染していませんという報告を返していますね。

○日本赤十字社田所経営会議委員 もちろん。

○岡田委員 医療機関から、それに対して何か反応があったとかは。

○日本赤十字社田所経営会議委員 そういう報告はないと思います。

○日本赤十字社日野副本部長 いずれにしても、これはカットオフぎりぎりの値のデータなので。

○岡田委員 医療機関のほうのデータ。

○日本赤十字社日野副本部長 はい。

○岡田委員 あっ、そうなのですか。

○日本赤十字社日野副本部長 2回ともかなりぎりぎりの値なので、既往の可能性もあるのかなと思っています。

○岡田委員 いや、DNA陽性になっています。つまり、医療機関で測るとDNA陽性だけれども、日本赤十字社が測ると陰性だったという。

○牧野委員長 真ん中の投与後検査というので施設の検査を見ると、平成1311月に測った分では施設ではHBVDNAがプラスとなっているものが、日赤では平成1311月にHBVDNAがマイナスということですね。HBS抗体はマイナスからプラスになっているのですね。非常に微量なということでしょうか。

○岡田委員 時間もないので後で調べて。というのは患者にとっては、病院のほうからは感染していますよと言われているのに、一方、日本赤十字社からは感染していないと言われると、どっちを信じていいかとか、実際に混乱があると思いますので、調査をして後で報告をお願いします。

○牧野委員長 よろしくお願いします。

○岡田委員 今回、運営委員会としてサイトメガロの死亡例を検討しておかないと、この委員会の存在意義も問われると思います。日本赤十字社がサイトメガロのDNAは陰性という結果を上げてきているのですが、これは保存検体の細胞のDNAを使って検査をやったのか、それとも血漿を使ってやった検査なのか、このDNA陰性という判定をしたものはどちらなのでしょうか。

○日本赤十字社日野副本部長 両方です。血漿のほうと血餅の部分を使って、両方をやっています。

○岡田委員 そうすると、細胞のDNAを調べたときに、細胞数に換算すると、1チューブ当たり細胞数としては105 ぐらいに相当する。

○日本赤十字社日野副本部長 そうです。105 です。

○岡田委員 それでも一応引っかかってこなかったということですね。分かりました。超低出生児の場合に病院からリクエストが来れば、ほぼ供給はできる。そういう体制はもうできているのですか。

○日本赤十字社日野副本部長 赤血球製剤については余裕はあると思いますが、血小板製剤についてはかなり期限が短いということもありますので、取っておくことができないですね。そういうこともありますので、あらかじめオーダーができればいいかなと思います。ただ、それがなければできないという問題ではないですし、各検査センターについては、それなりの体制は整備しております。

○大平委員 今の関連なのですが、ここでは医療機関からの要請に応じて陰性血液の供給を行っているということが書いてあるのですが、病院に対しての問題としては陰性血の要請はなかったということで、今回はそこが明記されていて、こういった問題について産婦人科学会とかそういう所への周知は、常にされているという話でよろしいのでしょうか。

○日本赤十字社日野副本部長 それは昨年の8月からターゲットを絞ってやっていますということが1つです。もう1つは、今年4月になりますが、今までCMV感染については添付文書への表記が血小板製剤に限られていたのですが、それ以外の赤血球製剤についてもCMVに関しての感染の可能性を記載することになりました。これは平成234月に指針の中で赤血球製剤についてそれが表記されたということもありますので、それで対応したことになります。

○大平委員 これについてのオーダーがあって、そしてそれを供給すると、そういうシステムの図式みたいになっているのが、例えば主治医の先生にちゃんと分かるようなこういうものが、医療機関に伝わっているのでしょうか。もしそういうところがあったら、また教えていただきたいのですが。

○田崎委員 今回CMV陰性血の要請はなかったということなのですが、ちょっと気になったのは、動脈管開存症で小さい赤ちゃんに赤血球、FFPがかなり輸血されているのです。赤血球は20単位、2単位製剤10本、FFP35単位だから7本、確かにこれを合計すると17本なのですが、血小板は輸血しなかったのでしょうか。先ほど御説明がありましたが、血小板は期限が短いので急な依頼ではスクリーニングできないということですから、このぐらい赤血球FFPを使っていれば、この子供さんに血小板が使われたと考えます。もし使っているとすれば、その血小板が原因だったのかなと、思ったのですけれども。要するにスクリーニングしていないわけですから。

○日本赤十字社日野副本部長 血小板は使用していません。

○田崎委員 使用していないのですか。

○日本赤十字社日野副本部長 はい。

○田崎委員 赤血球とFFPだけ。そうですか。分かりました。

○牧野委員長 結局、使用された血液製剤の中で、IgGが陽性のものはトータル11本はあったけれども、DNAは全てマイナスだったということですね。

○花井委員 素人だから分からないのですが、B型肝炎でIgMはみんな陰性が出た。IgGが陽性で、1回ばく露はしているけれども抗体ができてウイルスが排除されているという状態だからないのですが、それが隠れていて、測定限界ちょっと下ぐらいに立ち上がるということは、現象としてあり得るのですか。

○牧野委員長 あり得るのですかね。

○田崎委員 1つ保留があるでしょう。

○花井委員 1つ保留がありますね。

○田崎委員 3本はIgMが保留ということですので。

○牧野委員長 検査限界ぐらいの陽性であり、少しそういうDNAが状況によって出てくるというのは、どうなのですかね。

○花井委員 何か体調。

○牧野委員長 IgGが陽性で、DNAが感度以下だったりポジティブになったりというのが、症例によってあるのかなということですか。

○花井委員 Bも通常は最初はセロコンバージョンが起これば、もうそれは大丈夫と言われていたのが最近そうではないのだと。

○牧野委員長 そこからの感染というのがやはりあって、それをなくしたら減ったという事実もありますし、サイトメガロもそういうのがあるのかもしれませんね。

○山口委員 Bの話とサイトメガロは違うので、やはり余り混同しないほうがいいのではないかという気がするのです。もう1つは、臍帯血の移植のときも、IgGIgMを両方測っていますよね。IgMがポジティブのときは、場合によってはDNA検査をするということだったのかと思うので、IgGポジティブだけであれば、臍帯血としてはCMVの存在を一応、否定はしているというように考えているのかと思うのです。投与される方も、特に造血幹細胞移植ですので、かなり免疫がコンプロマイズされている方が対象になるかと思うのです。

○血液対策課課長補佐 私の説明が不足しておりましたので補足します。先ほどの田崎委員の質問「動脈管開存の手術でこんなにたくさん輸血をしている、血小板はなかったのか」についてですが、この方はほかにかなり合併症があって、今、詳細な副作用報告を確認しましたところ、例えば壊死性腸炎で腸穿孔していますとか、胸水がかなり貯留していますとか、そういった輸血を必要とされるような合併症も認められます。また、輸血をおこなった日から考えましても胸部手術に対して、一度に大量を輸血されたという形ではなさそうです。

○岡田委員 今、日本赤十字社に副作用として上がってくるサイトメガロ感染症というのは、ほとんどがこのような低出生体重児の症例で、大人とか成熟児からの報告はないのですか。

○日本赤十字社日野副本部長 ないと思います。

○岡田委員 そう考えると、低出生体重児に特異的な問題、つまり今までのサイトメガロの感染症の常識みたいなものが通じない可能性もあると思うのですね。特に超未熟児であって、普通の赤ちゃん、成熟児であれば、みんな産道を通るときに感染するけれども、特に症状がなくて、抗体陽性になるということで、一方、低出生体重児に関しては、もちろん全てが重篤になるとは限りませんが、重篤になって症例として上がってくるということなので、今までの臓器移植などと同じように考えると、なかなか難しいのかと。未熟性が全然違う可能性もあると思うのですね。

 これでは原因というのはちょっと、例えば本当に輸血が原因かと言われても、ポジティブな所見はないわけですね。そういうことを考えると、エビデンスがそろうまでは、こういう低出生体重児に関してはサイトメガロの抗体陰性のものを供給してもらうというのが、輸血の原因ということを否定してもらうためにも必要かと思います。それで、その間に科学的な解析をやって、本当に抗体陽性であればOKなのか、そういうところを検討してもらえばいいかなと思うのです。そういうことだと思います。

○牧野委員長 そうですね。やはりこういう報告があるように、超低出生体重児などにおける輸血に関しては、サイトメガロの陰性血を投与するというのは、アナウンスとしては合っているとは思うのですが、そういうのを周知していくということですね。事務局、日赤におきましてはただいまいろいろ御意見が出ましたので、念頭に置きつつ、血液製剤の安全性に関する情報を引き続き収集していっていただければと思います。

 議題4に移ります。HIV陽性血液が輸血された去年の事例ですが、その事例に関わる対応についてということでお願いします。

○血液対策課課長補佐 第4回、第5回の運営委員会で11月に報告されたHIV輸血感染例を受け、今後取るべき対応について御意見を頂きました。まだ前回の委員会で日数がたっておりませんので、いまだ検討中のものもありますが、今回は検討の報告になります。事例の詳細については何度も報告させていただきましたので、資料の1枚目の下、「(参考)事案の概要」で適宜、御確認ください。前回12月の運営委員会の際に、我々の今取っている対応について、1から5のこのような形で報告させていただきました。今回は経過として、進行状況について報告申し上げます。1の「問診等の見直し」に関しては、後ろのほうに日本赤十字社から提出していただいた資料を付けております。資材、パンフレット、このあたりを見直しておりまして、検査目的をより強く抑制する記載を試みたこと、事実と異なる申告等が輸血患者に深刻な結果をもたらす可能性についても明記したところが、メッセージとして含まれております。もし補足等がありましたら、後ほど日赤よりよろしくお願いいたします。

2は海外調査の検討ということで、前回、我々は海外の視察を行いたいというとことをお話しました。第1回目の視察の計画ができましたので報告いたします。第1回目は資料4の別添2に「献血によるHIV感染症に関わる対策についての海外視察」という1枚紙が付いております。1回目は3月末、来週になりますが、オーストラリアの視察を予定しております。血液対策課をはじめとして、視察団として幾人か、つまり専門の先生、そして法律の専門の方を加えて視察を考えております。オーストラリアの保健省及び血液センターを訪れる予定です。オーストラリアを選択した理由は、前回も申し上げたとおり、日本と医療水準が類似しており、かつ献血制度に刑罰の導入がある国ということで、視察の対象として選択させていただきました。

 質問項目の概要があります。これは皆様方にも意見を募集して、詳しい質問集を作成しておりますが、こちらは項目だけになります。紹介しますと、(1)は献血におけるHIVスクリーニング方法です。これには問診項目とか、問診者の資格や教育、それからオーストラリアは最近、問診表変更をしたということで、この理由。刑罰等を反映するための問診表の工夫といったものを考えております。

(2)の「献血における年間HIV陽性者数とその特徴」。これについては、各導入している検査の感度等を踏まえた上で、年間どのぐらいの陽性数が出てくるのかと。刑罰を導入した後に、どういう推移があったのか。陽性率の比較として、一般集団と献血集団、複数回の献血者と初回の献血者、そういった視点で質問してみようかと思っております。

(3)「献血におけるHIV検査の検査告知」の件です。これについては、どういった方法で検査の結果をお伝えしているのか、あるいはしていないのか、それはどういう方法で誰がしているのか、医療機関との連携、どういった情報共有をしているのか、データ管理をしているのか、あるいはHIVとほかの疾患で、例えば肝炎ウイルス等で告知の状況を違えているのか、こういったことに注目して視察してこようと思っております。

4)「検査目的献血への対策」。これはここにあるとおりですが、マグネット効果とか、啓蒙活動とその主体はどういったものか。政府なのか、赤十字社なのか。献血を推進することと検査目的を抑制する。このバランスはどのように取っているのかといったことに注目して見てこようと思っています。

 誤記がありますが、5)献血に対する刑罰等について。これは文字どおり刑罰導入と献血の行動の萎縮など。適応疾患によって、刑罰適応の違いがあるのか、あるいは実際の判例はあるのか。刑罰を構成するに当たっての問診表はどのように対応しているのか、こういうことを聞いてくる予定です。

HIV感染の有無、輸血感染の有無、これは今までに輸血感染がオーストラリアで経験されたか。医療現場ではどのように捉えているのか。インフォームド・コンセントや検査システムはどうなのかといったことについても質問してくる予定です。その他、有病率を含めた疫学とか治療の状況とか検査体制、専門機関の在り方、あるいは救済制度、不活化技術の導入の有無、検体の保管期間、あるいは貯溜保管期間といったものについても質問ができればと思っております。海外視察の概要の説明は以上です。

 戻って、34は技術的な検討についてです。前回も申し上げましたが、個別NATの導入の予定、不活化技術については継続的に検討を行っているところです。これに関連する話題は後ほどありますので、議題5にまとめたいと思います。

 最後に「遡及調査のリマインド」ということで、前回、医療機関に対してリマインド通知を発出いたしました。別添3のマル1、マル2に参考資料として付けております。

 その他、事務局からの検討状況ということで、報告は以上になるのですが、前回、様々な御意見を頂いております。例えば問診の専門家の養成はどうであろうかとか、献血リピーターをどのように増やしていくのかとか、アクティブ・クアランチンの話もありましたし、クォリファイド・ドナーといったものもありました。また、ハイリスク者を中心とした献血者の教育などについても、いろいろな意見を頂いておりまして、現在検討中のものも多くあります。まとまり次第、こちらも適宜、進行を報告させていただきたいと思いますが、本日の報告は以上です。

○牧野委員長 1の「問診等の見直しの検討」の中で、日赤のパンフレットが紹介されていましたが、何か追加は特にありませんでしょうか。

○日本赤十字社日野副本部長 今日、資料としてお出ししているのは、「お願い」というパンフレットですが、これ以外にHIVの輸血の感染症があった後すぐなのですが、各採血サイトの献血ルームの入口に、「検査目的の献血は御遠慮願いたい」というような、見やすい看板を出しているということがあります。

○牧野委員長 今の項目に関して、委員の先生方から何かコメント、御質問はありますでしょうか。

○大平委員 1の問題、問診表なのですが、教えていただきたいのは1の「お願い」には1か月以内にピアスの穴を開けた方などは出ているのですが、入れ墨などは入っていなくていいのでしょうか。確か厚生労働省の発行している学校に配る中の教師用のページには、入れ墨が入っていたのです。入れ墨のリスクというのは、B型肝炎などの問題でも結構いろいろ話題にはなっているので、そこのところはいいのかなというのは、ちょっと教えていただきたい。

○日本赤十字社日野副本部長 「お願い」の中には入っておりませんが、問診票の中には明記させて問うことになっています。

○牧野委員長 「お願い」の中には、あえて入っていないのですね。問診表には入っているわけですね。

○大平委員 2の海外調査の検討なのですが、行かれるメンバーの中で、疾病対策課からは健康局の人が入っていないのですが、告知の問題とか、啓発の問題は血液事業の問題でも大きいのですが、本来、所管は疾病対策課で、告知の問題はここでは結構重要な問題になっているのです。疾病対策課が責任を持ってそこに関与していないと、血液事業だけ頑張って、厚生労働省全体としてはどういう姿勢で臨むのかなというところで、日赤への負担ばかりかかるという感じになるので、献血の調査をするにしても、本当はもっと健康局のほうで加わっていただかないと、何か不釣合いだなと思うのですが、いかがでしょうか。

○血液対策課長 今の御指摘について、もっともだと思っています。私どもも狭義の意味では、献血において虚偽の報告をされたドナーの方々に対する対応をどうするかというのがテーマなのですが、大きなお話でいけば、今の大平委員のおっしゃるとおりで、HIVの対策とのコラボレーション、連携が不可欠な話です。ただ、私どもも厚生労働省として、行くのは血液対策課を中心とする医薬食品局のメンバー及び関係の先生方などなどなのですが、得た成果はもちろん健康局と共有しながら、今後のHIV対策にも当然いかしていただくような形にしたいと思っております。今の御指摘の点は、また健康局のほうにも伝えておきますので、大平委員におかれましてはそういった場面でも是非、健康局にアピールいただければと思います。よろしくお願いします。

○血液対策課課長補佐 この視察の件に関しては、もちろん情報共有しておりますし、同行いただくというところは難しかったのですが、質問の内容は疾病対策課の意見も参考にした内容も含まれております。視察の後には情報共有もしたいと思います。

○牧野委員長 よろしいでしょうか。それでは、この議題4は終わらせていただきます。今後もまた追って報告をお願いします。

 議題5に移ります。「日本赤十字社からの報告事項について」、よろしくお願いします。

○日本赤十字社日野副本部長 資料NO.5-1をお願いします。血小板製剤の感染性因子の低減化技術として、ミラソルの導入に向むけて準備をしておりましたが、その中で幾つか課題がありました。その1つが照射した後の血小板製剤の中に大きな凝集塊が見られていたということがあります。それを何とかしないと製品にならないという大きな課題がありました。それで、その原因といいますのは、現行が左のバッグですが、ピンが出ております。照射後の血小板数を測定するのに、そのピンを折るのですが、そのピンがバッグの中に残ったままの状態で、撹拌されることがあります。そういったところで、血小板が活成化される可能性がありました。それで、バッグメーカーに検討していただいて、そのスパイクポートの中に、ピンを埋め込むという形で新しいバッグを作ってもらいました。そういったバッグで血小板を採取して、照射した結果が次のページになります。

4つグラフがありますが、上の2つを見ていただくと、左側の上が現行バッグの凝集塊の発生率です。右側が改良されたバッグの凝集塊の発生率です。いずれにしても、コントロールと照射のミラソルの処理についても、かなり凝集塊の発生率は抑えられたということが分かりました。その下の2つのグラフになりますが、こちらは血小板の単位数別で検討したものです。こちらも20単位、高単位についてはかなり凝集が減ったというのがあります。全体的には現行バッグと比べると、改良バッグが凝集塊の発生頻度が少なくなったということが分かりました。

 そうは言いましても、凝集は少し見られるわけです。凝集塊の数と大きさをスコア化しまして、現行バッグと改良バッグを見てみました。そのグラフが次ページです。そのスコア化したものについても、改良バッグが可視凝集塊のスコアが非常に少なくなったので、若干の凝集は見られますが、数的にもかなり少なくなったということが分かりました。

 それで、次のページからpHGlucoseLactateCD62Pのそれぞれ血小板製剤としての品質を見てみました。全体的にはこの4つの指標については、ミラソル処理、非処理群と改良バッグと現行バッグと同じような動向を見せています。

 次のページ図7になります。保存中のスワーリングの変化として、血小板の品質が悪くなってきますと、円盤上から球状になって、スワーリングという現象が見られなくなってきます。現行のバッグですと、ミラソル処理群においては、スワーリングのスコアがかなり小さくなったというのがあります。改良バッグでは若干5日目で少し下になっていますが、ある程度良好な状態になったということが見て取れました。

 戻って、3ページは品質関連の血小板の品質への影響です。1つはpHGlucoseの濃度の低下、Lactateの濃度とCD62Pの発現の経時的な変化といいますのは、現行バッグと同様の動きをしたということです。もう1つは前回の試験で見られた浸透中のスワーリングの低下がありましたが、改良バッグでは認められなかったということです。改良型バッグの使用によって、現行の有効期間であれば、十分使用が可能な血小板が製造できるということが確認できました。

6ページになります。幾つかのウイルスと課題になっております細菌の低減化能について追加的に検討しました。ウイルスについてはヒトパルボB19Try panosoma cruziについて、低減化能度合いを見ました。ヒトパルボB19については3log程度、Try panosoma cruziについては2回やりました。1回が3log1回が4log以上の低減化能を示したという結果が出ました。3番目の細菌に関しての低減化能ですが、今までに日赤の血小板製剤で確認された菌で確認しました。そういったものについて、採血時に混入し得る程度の量、大体ml当たり40から140CFu程度だと思いますが、その程度の細菌を添加しました。PC採血日をDay0として、翌日に菌を接種し、更にその翌日Day2UV照射をして、低減化能を見たというようなことです。

 それ以降の表1から表6までのデータになります。いずれもTと書いてある所が不活化処理製剤のものです。Day3Day4の間の太い線が有効期限になっておりますが、Day3の所が現行の有効期限で見ていただくと、いずれも菌については有効期限以内のものについては、菌の検出は見られません。スワーリングも良好な状態であったということが分かりました。

 一番最後の表613ページになります。こちらは細菌の菌種としてブドウ球菌を接種して、接種当日にUV照射したパターンと接種翌日にUV照射をしたパターンとで見てみました。開発メーカーによると、22時間以内に照射するという規制がありますので、こういった実験形を組んでみました。これを見ますと、接種翌日に照射したものについては、やはりDay4Day5に菌が増殖してくるということが見られます。UV照射については採血後なるべく早い段階で照射すべきだろうということがこの実験から分かったということがあります。

 まとめになります。7ページですが、改良バッグで保存したミラソルPCにおいては、可視凝集の発生というのはかなり顕著に抑制されました。スワーリングについても、良い状態で保持されたということがあります。ミラソルPCの品質については改良バッグで改善が見られました。ミラソルについては一部のウイルスに対する低減化効果は限定されますが、他のNAT等の安全対策と併用するということで、十分使用できるものであろう。また、献血時に原料血液に混入し得る細菌量であれば、現在の採血から4日間の有効期限の中であれば、十分低減化効果を示すことが分かりました。

5番目になります。今回、10単位製剤について追加試験しました。今後は15単位、20単位の容量についても、検討を重ねていく必要がある。最終的には今回の検討で、ミラソルPCについては日本で製造される血小板製剤の規格に照らしても、実製造が可能な品質の血小板であるのが確認されました。今後、日赤の中ではCRO等の薬事申請体制の整備に踏まえて、最終的にPMDAに戦略相談するステップにたどり着きたいと思っています。いずれにしても、血液対策課と相談しながら進めていきたいと思っています。以上です。

○牧野委員長 ただいまの不活化の報告に対して、どなたかコメント、御質問がありましたらどうぞお願いします。

○岡田委員 一応、この血小板の評価が採血後5日までの結果ですが、日本赤十字社としては、このミナソルの不活化をした場合に有効期間としてはどうでしょうか。

○日本赤十字社日野副本部長 現在と同じであればいいかと思います。

○岡田委員 そうですか。延長で、このDay5ということは、今でいうと6日に当たりますよね。そこまでは延ばすと。

○日本赤十字社日野副本部長 延ばせないかと思っております。

○岡田委員 分かりました。

○日本赤十字社日野副本部長 先ほどの細菌の関連を見ても、少し厳しいかとなと思います。

○岡田委員 分かりました。

○山口委員 今、もう大体の懸念がクリアーされたという考えだと思います。PMDAに相談されるということで、その辺はよろしいかと思うのです。多分、治験相談をされることになるかと思うのですが、今までの開発経緯を見ていると、やはり懸念点が幾つか出てくるような気がするのです。そうすると、対象疾患を全てに広げるような治験をやるのか。それとも、特別なケースのみに使うというような、その辺の縛りをするというか、同等以上になり得ない部分があるわけです。安定性の部分は確かにこのようにウイルスクリアランスがあり、幾つかのウイルスには十分担保できるのですが、品質の面でちょっと懸念点があります。対象を絞り込むような考え方というか、その辺が必要になってくるのかと。要するに、前にも議論していましたが、あるいは緊急時に使うなど、そういうような絞り込みが必要なのかという気がしました。

○日本赤十字社日野副本部長 この件については、血液対策課とも少し相談しながら、整理していきたいと思っています。

○血液対策課課長補佐 先生の御意見非常に重要なこととであると思います。不活化技術の使い方という面では、御存じのように安全衛生調査会でも、運営委員会の中でもいろいろ議論が

ありました。おおまかな方向性は、大体の議論はこれまでにもなされているかと思いますが、日赤の仕事も進んできたことのを受けまして、再度どう導入していくか、どういう対象疾患にしていくか、議論を最終的にまとめる機会は近くあるかと思います。そちらでよろしくお願いいたします。

○山口委員 はい。

○牧野委員長 よろしいでしょうか。それでは、日赤は今後も不活化の技術についての御報告をよろしくお願いします。それでは、日赤からもう1つの報告をお願いします。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 それでは、血液事業情報システム、受付から病院への供給までの管理システムに当たるわけですが、これを現行のシステムから次のシステムに変えるというお話です。2ページ目ですが、現行システムは、平成16年に導入しております。平成18年からそのシステムの総括を開始して、平成19年には仕様変更しつつ使っていくのか、それとも、新しく考え方を変えて作り直すのかという議論をしていきまして、結果的に作り直すという結果になりました。ここに書いてありますように、平成22年から設計を開始して、一部平成24年より、先行稼動をいたしております。

3ページ目です。このシステムは4ページ目、下段にあります、献血・採血管理機能、製造管理機能、販売管理機能、情報統計機能、経理機能、用度管理機能などから構成したものを血液事業情報システムと呼んでおります。経理機能と用度機能は広域事業運営体制に合わせまして、平成24年度より先行稼動をいたしております。残りのシステムについては、今年の5月から6月にかけて、段階的に、地域的にですが、導入していく予定としております。

5ページ目です。今回のシステムは現在使っているシステムと2点ほど異なります。献血・採血管理機能、ここの部分の診療録を紙の運用から電子化にいたします。ですから、電子化されたものが正という形になります。それから、販売管理機能は、今受発注、つまり医療機関から注文を頂く場合のやり取りについては、ファクスと電話を使わせていただいていますが、オンライン化による方法を追加いたします。

6ページ目です。販売管理機能の全国一斉稼動をまず考えております。機能ごとに分けていきたいと思っております。販売管理機能は、医療機関との対応のシステムですが、そのシステムについては本年の511日に全国で一斉稼動をいたします。販売管理機能以外につきましては、ここにありますように、北海道に514日、2週間おきまして九州全体が528日、ブロックとしては近畿、東海北陸、中四国の西日本は611日から、東日本の関東甲信越、東北ブロックは625日からこの機能が働き始めるということとしています。先ほど申しましたWebによる発注、受注については、セキュリティの問題等、いろいろな説明が必要です。開始時期は改めて御連絡する予定としております。システムとしては以上です。

○牧野委員長 今年5月からスタートということですね。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 はい。

○牧野委員長 どなたか御質問、御意見ありますか。

○花井委員 今までどういうシステムかはよく知りませんので、なかなか難しいのですが、これを見る限りは恐らく言ってみれば、日本最大の広域電子カルテシステムですよね。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 はい。

○花井委員 そうなりますね。血液事業というものは2つあると思います。先ほど、サイトメガロウイルスの陰性を供給するというときに、今どうなっているか分かりませんが、例えば近隣のセンターでそれがあるかと言えば、そこから急遽搬送をする。今もやっているとは思うのですが、そういうロジスティックス面の改善がこれによって更に見込まれるという話なのでしょうかという質問が1つです。

 それからもう1つ、前に献血推進のところで、複数回献血がありました。そのときに、センター一箇所ではなくて、何箇所かでというときに、これを一元化してしまえば、もう全国どこで献血しても、この診療録を持ったドナーの人がどこで何をしているかが分かる。今までも分かってるかと思うのですが、そういう献血推進という観点から何か改善が見込まれるのか。この2つについて、何かそういうものなのでしょうか。漠とした質問で申し訳ありません。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 まず、システム側の話ですと、この新しいシステムは基本的に今と余り変わらないのです。ただ、一部の運用が電子化になったり、利便性が高くなるということです。先ほどのCNVの話ですが、これは印を付けておけば見られますので、それは見ることは可能だと思います。内側の人の話ですが。

○花井委員 だから、近隣センターでここにあるというのは、前より分かりやすくなるということですか。そういうことになりますか。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 印を付ける欄は用意してあります。見ることは可能だと思います。

○花井委員 だから、そういうときに、もともと融通し合っているところがあるのではないですか。それがより効果的、効率的にできるようになるというシステムですか。もともとそれは十分できているという理解なのか。それで改善されるのかというところです。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 今もできていると思っております。それから、複数回のほうはちょっと見ていただきたいのですが、右側の絵の連携先という所があります。一応、右側の箱があります。そこの一番上が複数回献血クラブシステムになっております。これは全国同じものですが、連携します。

○花井委員 そうなのですか。今までそのこと自体は、複数回献血クラブシステム自体は、今までそういうことなのですか。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 連携していない。

○花井委員 対応できると。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 今度は連携させますと、そういうことなのです。

○花井委員 分かりました。ありがとうございました。

○牧野委員長 ほかにございませんでしょうか。

○大平委員 これというのは、連携先は日赤以外のものも入っている。JBも入っていると書いてありますが、これはどういう形でここになるのですか。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 はい、これはNAT検査です。もともと日赤でやっていた施設がJB側に移ったということで、そこで委託して、検査してもらうという形になりますので、システム上はやはり連携しておかないとというところです。

○花井委員 時間がないので、今大平委員が指摘された話は、恐らくもちろんシステムをつないでしまうと、いわゆる診療録は電子化するので、端末と併せてできるわけですね。アクセスにはアクセス権限というので、管理すると思うのですが、例えばJBとつないでしまうと、ドナーのリストに直接出入りがアクセスできてしまうという懸念が当然出てくると思うのです。もちろん、それは手続上しているとは思うのですが、その辺はもうシステムとしては当然レイヤーでアクセス権限を設定しているという理解なのですか。

○日本赤十字社竹ノ内主幹 使える機能一覧がありまして、Aさんは1から10番までの機能は使えます。その中にJBの人は例えば入っていない。その人がいくらアクセスしても、ほかの機能のところには到達できないようにいしてあります。ですから、献血者に直接というのは、特別な権限を持っている方しか見れません。例えば、検査の人でも検査の画面しか通常は見えません。名前まで付いています。権限を持った人だけが名前と全ての情報を見ることが可能です。

○花井委員 これでまた細かいことだと思うのですが、そういったシステムはどこでも導入しているのです。問題になるのはパスワードの管理と、それから端末の場所の管理で抜けるのです。だから、そういうことも含めてちゃんとしていただきたいと思います。

○日本赤十字社日野副本部長 個別NATを導入するという話がありました。個別NATが導入されるときには、JBにお願いするのではなくて、今4箇所やっていますが、全て日赤血液センターの中で実施するということになります。

○牧野委員長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。不活化それから情報システムの導入の話がありました。そういう情報に関しては今後も引き続きお願いいたします。それでは、議題を進めていきたいと思います。議題6は非公開になっております。議題7その他についてお願いします。

○血液対策課課長補佐 議題7については、フィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査の報告ということで、今回も前回同様変化はないと報告させていただきます。また、現在平成25年度の初年調査を実施し、それを集計中ですので、結果が出次第ホームページに更新していこうと思います。報告を御紹介できるかと思います。以上です。

○牧野委員長 それでは、最後に議題6に移りますが、これは非公開になっています。事務局からお知らせをお願いします。

○血液対策課課長補佐 非公開の議題については、傍聴の皆様は恐縮ですが、ここで退席をお願いいたします。また、日本赤十字社からの出席者にも交替があります。ここで委員の皆様には5分間の休憩ということですが、時間が押していますので、少し短めによろしくお願いいたします。以上です。

(議題6は、非公開にて開催された。)


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(血液事業部会運営委員会)> 平成25年度第6回血液事業部会運営委員会(2014年3月19日)

ページの先頭へ戻る