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2014年4月11日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会議事録

食品安全部基準審査課

○日時

平成26年4月11日(金)
15:00~17:00


○場所

専用第23会議室
(中央合同庁舎第5号館6階)


○出席者

委員

山本委員(部会長)、石田委員、甲斐委員、木村委員、河野委員、鈴木委員、寺嶋委員、西渕委員、野田委員、林谷委員、堀江委員、松田委員、丸山委員、山下委員

事務局

新村食品安全部長、國分企画情報課長、長谷部基準審査課長、滝本監視安全課長、加地食品監視分析官、三木輸入食品安全対策室長、西村食中毒被害情報管理室長、横田補佐、黒羽補佐、仲川専門官、井河係員

○議題

(1)食品中のリステリア・モノサイトゲネスの取扱いについて
(2)その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会」を開催させていただきます。

 本日は、御多忙のところ御参集いただき、まことにありがとうございます。

本日は、石川委員、小西委員より御欠席との御連絡をいただいております。現時点で、乳肉水産食品部会委員16名中14名の委員の先生方に御出席をいただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを報告いたします。

 また、本日の議事に関連いたしまして、国立医薬品・食品衛生研究所食品衛生管理部の五十君靜信部長に御出席いただいております。

 それでは、山本部会長に議事の進行をお願いいたします。

○山本部会長 最初に、配付資料の確認を事務局よりお願いします。

○事務局 配付資料の確認をさせていただきます。

 最初に議事次第、その裏に配付資料一覧がついております。その次に委員名簿、続いて座席表、その後ろから資料1、参考資料1の食品健康影響評価の結果通知について、参考資料2としまして「これからママになるあなたへ」という資料を配付させていただいております。

 本日お手元にお配りしております資料としましてはこの3点でございますけれども、不足や落丁等ございましたら、お気付きの際に事務局にお申し出いただきますようお願いいたします。

○山本部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

 審議に入る前に、事務局から本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について報告をお願いします。

○事務局 本日の部会においては、利益相反の対象となる議題はありません。

○山本部会長 ありがとうございました。それでは、審議に入りたいと思います。

 議題1の「食品中のリステリア・モノサイトゲネスの取扱いについて」審議を行いたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料1を御覧ください。「食品中のリステリア・モノサイトゲネスの取扱いについて」です。

 リステリア・モノサイトゲネス(以下、リステリアと呼ばせていただきます。)は、河川水や動物の腸管内など広く環境中に分布する微生物であります。本菌は加熱により死滅しますが、4℃以下の低温や12%の食塩濃度下でも増殖が可能なことから、加熱せずに喫食する調理済みの食品については注意が必要となっております。特に乳製品、食肉加工品などの調理済みで長期間低温保存する食品が食中毒の主な原因となり得ると報告されております。

 ヒトのリステリア感染症は、宿主側の要因などにより症状の重篤度に差が出ることがわかっております。主に非侵襲性と侵襲性という2つに分けられます。非侵襲性疾病の症状は、下痢や筋肉痛などで、他の感染症との鑑別が容易ではないため、リステリア感染症と診断されることはほとんどありません。

 一方、侵襲性疾病では菌血症、髄膜炎、中枢神経系症状等を呈し、リステリア症と診断されるような重篤な感染症です。特に妊婦が感染すると、子宮に菌が侵襲し、流産や垂直感染による胎児の重篤なリステリア感染症を起こすことがあると報告されております。感受性集団とされる高齢者、基礎疾患の保有や免疫機能が低下している方については、疾患に罹る可能性が高いですが、一般に健康な成人では非常に高い菌数(1,000,000 cfu/g)の菌を摂取しなければ発症しない、もしくは軽症で自然治癒するとされております。

 経緯ですが、リステリアについては、平成19年にコーデックスにおいてガイドライン及び基準値が採択されました。それを踏まえ、我が国においてはコーデックス基準が策定されたこと、また、日EU規制改革対話において、日本の規制をコーデックス基準に従ったものとすることの要望を受けたことから、平成23年に当部会において検討を行ったところです。昨年の5月に食品安全委員会から食品健康影響評価結果が通知されたことを受けて、これに基づく規格基準の設定について検討するものでございます。

3番ですが、リステリアに係る我が国の規制状況についてです。輸入される非加熱食肉製品(加熱せずに食すものに限る。)及びナチュラルチーズ(ソフト及びセミソフトタイプに限る。)については、食品衛生法第26条第3項に基づく検査命令の対象としております。検査の結果、リステリアが検出された場合は、法第6条に基づいて輸入等が禁止される措置をとっております。

また、海外でのナチュラルチーズを原因とするリステリア症の発生などを受けて、国内の事業者に対しては管理強化、自主検査、原料乳の殺菌など指導するよう、自治体における必要な監視・指導を強化しているところです。

また、参考2で示しておりますが、妊婦が感染すると胎児に重大な影響を及ぼすことから、妊娠中に注意が必要な食べ物等、注意喚起を行っております。

4番として、我が国における汚染実態についてです。我が国の食中毒統計ではリステリアによる食中毒の報告はありませんが、厚生労働科学研究班によって非侵襲性リステリア感染症の集団事例に関する論文が1例報告されております。厚生労働省院内感染対策サーベイランス(JANIS)による年間のリステリア感染症罹患率について推計が行われております。

下の表を御覧ください。JANIS事業に医療機関は任意に参加しておりまして、JANIS事業に参加している医療機関において細菌検査でリステリアが分離された医療機関の病床規模によって、日本全体としての人口に当てはめた時の患者数というものが推定されております。

2011年、JANIS事業で実際に報告されたリステリア感染症の患者数というのは109人です。この109人に基づいて日本全国でどの程度の患者数がいるかというと、その上の欄になりますが、2011年では200人ということで推定されております。

 次に、国内に流通している食品のリステリアの汚染実態についてですが、平成21年度にReady-to-eat食品について汚染実態調査を行っておりますが、分離率は極めて低く、1.4%で、菌数については、1検体のみ、490個検出されておりますが、ほとんどが10未満であったと報告されております。

 次の3ページ目、国内の流通食品の汚染実態の調査結果ですが、特に乳製品、非加熱喫食食肉製品、魚介類などにおいて、多くの検体でリステリアが検出されているという結果はありますが、表の括弧内で示しておりますように、定量的な試験では汚染菌量というものは総じて低いという結果が出ております。

5番目に、国際的なリスク評価機関であるJEMRAにおけるリステリアの評価についてです。リステリア症のケースは、微生物基準に適合しないような多量の病原体の摂取によるものです。高いレベルの汚染を防止する管理措置がリステリア発症率を下げる最も効果的な手段であるということと、増殖が起こり得る食品について温度管理や保存期間を限定するといった管理措置がリスクを低減するということで評価されております。

 コーデックスガイドラインと基準についてです。コーデックスのガイドラインでは、リステリアに対する衛生管理として、製造・輸送に当たり6℃を超えないような温度管理が重要です。また、食品の保存期限というのはリステリアの増殖を踏まえた設定が重要としています。

食品のpH4.4未満、水分活性が0.92未満、冷凍保存の条件については、リステリアの増殖を抑えることができるとしています。それを踏まえて、コーデックス基準では、リステリアの増殖が起きる食品と起きない食品で別々の基準を設定しています。増殖が起きる食品については25g中不検出で、増殖が起きない食品については1g当たり100という基準値を設定しています。

 次に4ページの7番、欧米における規制状況についてです。EUにおいて、乳幼児及び特殊医療目的について基準を設定していますが、それ以外はコーデックスと同じような基準となっております。ただし、※2で示しておりますが、増殖が起きる食品は2つ、100、もしくは不検出とありますが、保存可能期間内に1g当たり100を超えないことを事業者が示すことができれば、100の基準を適用するということとされています。

 アメリカの規制についてですが、食品からリステリアが検出された場合は違反品として取り扱われています。ただ、2008年にコーデックス基準と同様の内容を示した文書というものが公表されております。

8番のリステリアの増殖の制御についてです。コーデックス基準や諸外国の基準にあるように、食品のリステリアが増殖するかしないかによって基準値が設定されております。コーデックスでは、リステリアが増殖しない要因として、pH4.4未満、水分活性が0.92未満、そのpHと水分活性の組み合わせ、また冷凍保存というものを挙げております。その他、論文等では、添加される保存料、例えば安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムなどの保存料の使用や濃度、pHによっても異なってくるということが言われております。

 上記のとおり、リステリアの増殖というのはさまざまな手法によって抑えることができるので、リステリアの増殖を抑えるような個々の食品にあわせた管理を行うことが可能となっております。例えば乳酸などの抑制要因の有無と保管温度によってリステリアの誘導期及び世代時間を比較した研究が行われております。

下に結果の表を示しております。試験したものは、流通販売されている商品がKからOまでありますが、その隣の抑制要因、「有」とついているNの商品については乳酸がその製品について使用されているという意味でございます。

横に移っていただいて、世代時間のところで、これは菌が倍になる時間ですが、その時間が長ければ長いほど菌の増殖が抑制されているという意味になります。4℃のところを御覧いただければと思いますが、乳酸を使っていないKの食品は1.05日で、一方でNの乳酸を使用している食品については1.43日ということで、4℃で保管した時に抑制要因がある製品についてはより時間がかかっているということがわかります。

一方で、7℃のところを見ていただくと、抑制要因がないKの食品は0.42日かかるところが、Nの商品では1.23日かかるということになっております。これの4℃と7℃のKNの商品を比較していただくと、抑制要因がないKの商品を4℃で保存したところ、1.05日かかるところ、Nの商品を7℃で保管した場合、1.23日で世代時間は長くなっており、温度だけではなく、抑制要因の組み合わせによっても十分リステリアの増殖が抑えられるというような報告となっています。

 次の食品健康影響評価についてです。食品健康影響評価の結果の概要ですけれども、1として、喫食時のリステリアの汚染菌数が10,000以下であれば、現在の推定患者数を下回ることができる。発症リスクというのは、特に健常者に限定すれば極めて低いレベルである。保管期間を設定することなどのリスク管理ということが有効であるということと、食品のリステリア検査のみに依存することなく、環境由来のリステリアの汚染や増殖の防止に向けた一般衛生管理や環境モニタリングというものを行うことがリステリアの汚染率を下げることに効果的である。また、最後に、免疫機能が低下しているような感受性集団に的を絞った管理措置の検討というものがリステリア感染症の低減に効果的であるとされています。

 食品健康影響評価では、特定のどの食品が原因となってリステリア感染症が多く発生しているかということは特定できなかったとされております。

その結果を踏まえた対応方針(案)ですが、対象食品として、1番目ですが、リスク評価結果では、喫食時の菌数が10,000以下であればリスクは低いとされていることと、汚染実態調査から極めてリステリアの汚染率は低いということを踏まえると、現時点においては、Ready-to-eat食品のリステリアの規格基準というのは全体として設定しなくてもいいのではないかと考えております。

 ただ、一方で、現在規制の対象となっております非加熱食肉製品及びナチュラルチーズについては検査命令の対象となっておりますので、引き続きこれをゼロ、不検出として規制していいのかどうかということは、国際的な基準や科学的知見を踏まえて検討する必要があるので、これら品目について規格基準を設定するとしたいと考えております。

 対象となるナチュラルチーズの種類については、今後はコーデックスの分類で使用されているエキストラハード、ハード、ファーム/セミハード及びソフトを参考にしたいと思っております。従来対象としてきたセミソフトという言葉はコーデックスでは既に使用されていないので、今後は対象を「ソフト及びセミハード」として、コーデックスのチーズの一般規格で示されている定義を満たすものを対象としたいと考えております。

 チーズについては、容器包装に入れた後加熱殺菌したものやピザ用のチーズなど、飲食の際に加熱を要するものがありますので、それらについてはリステリアのリスクは低いと考えられ、除外することとしたいと考えております。

2番の成分規格についてですが、現行不検出としている非加熱食肉製品及びナチュラルチーズについては製品や製造方法ごとに多種多様でありまして、リステリアの増殖を抑制する要因の組み合わせによって製造されております。また、食品健康影響評価結果では、リステリアの検査に依存するのではなく、環境対策や保管期間の設定などのリスク管理が必要とされております。

上記を踏まえまして、成分規格については、国際的に設定されている1g当たり100を設定したいと考えております。

 保存基準についてですが、コーデックスガイドラインでは、食品の製造・輸送には6℃を超えないような温度管理が重要としています。一方で、増殖を抑える方法は温度管理だけではなく、pH、水分活性、食品添加物の使用等、いろいろな方法が考えられます。また、原料乳を殺菌してからチーズを製造するなど、リステリアのリスクを低減する対策を既に実施している場合があります。

上記を踏まえ、非加熱食肉製品やナチュラルチーズに新たな保存基準は設定しないこととします。ただし、これら食品のうちpHなどでリステリアの増殖を抑えられないような食品や、製造工程中の殺菌がないとか、リステリアの危険性が残るような食品については6℃以下の保存を管理目標として通知で指導することとしたいと考えております。

また、成分規格の適用は、販売時でありますが、リステリアの増殖が起きるような非加熱食肉製品やナチュラルチーズについては、保存可能期間内は1g当たり100を下回ることを食品等事業者は科学的な根拠により示す必要があることを通知で指導したいと考えております。

その他の措置ですが、今回規格基準を設定しないその他のRTE食品についても、喫食時における高い菌数に汚染された食品の発生率を抑える必要があることから、製造工程におけるHACCPの導入、環境由来のリステリアの汚染や増殖を防止するための環境対策などの徹底を行うよう指導したいと思っております。

また、保管期間の適切な設定はリステリアのリスク管理には重要であることから、食品期限表示の設定について、既に消費者庁でガイドラインとして示されておりますが、一般的指標として示されている低温細菌残存の有無の評価について徹底が図られるよう消費者庁にも要請したいと考えております。

食品健康影響評価の結果では、リステリア感染症に罹患する原因として、冷蔵状態で比較的長い時間保管された食品を摂取するなど、リステリアが著しく増殖した汚染食品を喫食している可能性が考えられることから、特に感受性集団に対してRTE食品全体に対する注意喚起を行いたいと考えております。

最後に今後の対応についてですが、上記の対応方針案について了承が得られれば、規格基準改正のための手続を進めたいと考えております。

説明は以上です。

○山本部会長 ありがとうございました。かなり長い説明だったのですけれども、リステリアの成分規格を、Ready-to-eat食品の中でもチーズ、ナチュラルチーズの中のソフトとセミハードタイプに設定するということと、非加熱食肉製品に設定すると。数としては増えないということが保存期間中わかっているものについては100個、それ以外については数という設定ではないということ。特段のリステリアの基準をつくらなくても、他のReady-to-eat食品については今までと同じでも大丈夫ということでよろしいですかね。ですから、不検出というところから数が少し出てきたということで、そこが大きな違いになっているかと思います。

 この全体を通して御質問、御意見等ございましたらお願いしたいと思いますが。

○木村委員 最後の対応方針のところで、対象食品として、1つ目の○で、一般的なRTE食品、つまり、非加熱食品、食肉製品とナチュラルチーズ以外については、販売されている食品の汚染菌数が全体的に高くないために規格基準を設定しないとしており、一方で、その次の○で、非加熱食肉製品とナチュラルチーズについては、過去の検出事例を踏まえた上でと記載され、以下の文章が書かれています。この文章だけで考えると、もう少し説明をいただきたいのですけれども、どういう違いがあって規格基準のこの設定の違いが出たのかというのが、特に2つ目の○の「過去の検出事例を踏まえ」というところが、前の段落の一般的なRTEと違うというふうに表面上は文章を読めるのですが、これについてちょっと御説明いただければと思います。

○山本部会長 事務局、お願いします。

○事務局 輸入食品で特に非加熱食肉製品とナチュラルチーズについて、港での検査をするとリステリア菌が過去に多く検出されたということで、現在では、リステリア菌が不検出でないと輸入してはいけないという措置をとっております。ですので、それが本当に科学的なのかどうか検討が必要ということが1点と、海外ではナチュラルチーズの食中毒というものが起きておりますので、そういったことを踏まえて、国内でそういった事件が起きないように、日本国内においてはナチュラルチーズについては既に未殺菌乳を使わないようにとか、通知等で監視・指導を強化してきたということも踏まえると、国内の汚染実態としては極めて低い状態が保たれているという状況です。

○木村委員 一応説明としてはわかりました。表現として少しわかりにくい部分があるのかなと思います。というのも、私も内閣府のこの報告を読ませていただいたのですけれども、あるいは23年前のこの委員会でも、趣旨としては、リステリアの日常検査における検出レベルが、例えばNDであるか、あるいは100cfuかというところよりも、実際食中毒が起きるのは非常にヘビーに菌数が突出的に上がってしまっているところで起きているというのが実態だと理解するのですけれども、そうすると、本来一番危ないかどうかというところは、その検査の段階で100いるかとか10いるかというよりも、増殖するかしないか、ここが論点だろうと思うのですね。

多分、コーデックスなんかの議論も、NDにするのか、100cfuにするのかは、増殖をする食品に関してはやはりNDにして、増殖しない食品に関しては100cfuというような流れからすると、この文章だけ読ませていただくと、検出数が少ないので規格基準設定しないことにするという、理解の仕方ですけれども、わかりにくいかなとちょっと思っているので、もし説明があればいただきたいと思います。

○山本部会長 文章的には、対象食品の最初の○ですが、大量の菌がいれば、健常者も発症する。逆に言うと、10,000個以下であれば余り発症しないという書きぶりと、調査では検出検体が少ない。それで、実際に流通販売されている食品のリステリアの汚染菌数そのものが全体的には高くないという表現なので、一般的には、この汚染があったとしてもそんなに高くないだろうというところから来ているという考え方ではないかと思うのです。そうでなくて、汚染検出率はちょっと言ってないように思うので。

○木村委員 大体わかります。ただ、そうすると、非加熱の食肉、ナチュラルチーズはその他のRTEに比べると菌数が高いという理屈に落ちてしまうのですけれども、そういう説明でよろしいのかという話になってしまいますが。

○食品監視分析官 済みません。ちょっと補足説明をさせていただきますと、ここの書き方、確かに、先生おっしゃるように、誤解を誘うような表現になっているかもしれません。我々は、前提として、まず、非加熱食肉製品とナチュラルチーズ、特にソフトとセミソフトについてのみ輸入時の検査強化をしているという前提があるのですね。現状で。それ以外のRTE食品とかそれ以外の食品については基本的にモニタリングのような形で、検査強化はしておりません。ですから、そこの部分の色分けが、この対応方針をつくったときに、我々の側からすれば非常に重要な部分だったわけですね。そういう点で、ちょっとここを強調し過ぎたような表現になっているだろうと思います。

 ただ、根本にあるのは、やはり増殖しやすい食品なのか、しにくい食品なのか。それから、増殖を抑えることができるのかどうかというところで今後の規制はやっていこうという考え方でございます。

○山本部会長 ありがとうございました。木村委員、よろしいですか。

○木村委員 はい。

○山本部会長 他に今回の説明で。

 丸山委員どうぞ。

○丸山委員 ちょっと教えていただきたいのですが今の質問に関連するのですけれども、3ページのところで表があります。これを見ますと、魚介類の加工品の分離率というのが7.19%で、これは裏を返すと汚染率が高いということになります。そうすると、この魚介類の加工品というのは、今、御説明あったようなReady-to-eatでもそんなに長い間保存しないから増殖する可能性がないということで、その規制の対象からは外れているということでよろしいでしょうか。

○山本部会長 このデータについては、五十君参考人から少し説明を受けたほうがよろしいかと思うのですけれども、お願いできますか。

○五十君参考人 今の御質問について、少し解説をさせていただきたいと思います。リステリアの場合は、原材料から直接的に来る汚染というよりも、作業行程上のクロスコンタミネーションによる汚染の影響を受けている傾向にあります。それがありますので、汚染率は高くなるという傾向が出てまいります。実際の菌数がどのレベルかということを検討しましたところ、水産加工品に関しましては、菌数は非常に低くて、定性法でようやくつかまる、一方定量法ではつかまらないレベルのものがほとんどでした。まさにクロスコンタミネーションによると思われる汚染率は高く菌数は低い状況でした。

それから、食品をどのように喫食するかという喫食パターンを見た場合に、生鮮魚介類に近い加工品を含めても、低温で長い間保存して喫食するという形態をほとんどとっていないということがございまして、恐らくそういった面で魚介類の加工品は影響が少ないだろうと報告させていただいております。

 もう一点は、国内では集団事例をほとんど経験しておりませんが、海外の集団事例の報告を見ますと、やはりナチュラルチーズ、ソフトチーズタイプの集団事例と食肉加工品の集団事例の件数が非常に多く見られる。それは、そのような2つの食品に関して言いますと、低温で保存する期間が比較的長いという特性もあるというところが影響していると思われます。それに対して、生鮮魚介類に近い加工食品ではそういった集団事例はほとんど報告されていないということも影響があるのではないかと思います。

○山本部会長 ありがとうございました。丸山委員、よろしいですか。

○丸山委員 はい。

○山本部会長 河野委員どうぞ。

○河野委員 今回の考え方の方向性はよくわかりました。ハイリスクの食品のところをしっかり管理していこうということで。

幾つか事前に確認したいと思ったのは、2ページのところで、JANISによる罹患率ですけれども、2008年から、この数字をどう読むのかというところは私もわからないのですが、少しずつ増えているというふうになっているのですね。これあたりをどのように見ればいいのか。今の食生活を考えても、中食系統で、外食も含めてですけれども、加熱してないナチュラルチーズですとか生鮮野菜類をたくさん、ナチュラル志向で取るような社会背景とか、そのような傾向もあるのですが、この数字をどう見たらいいのかということと、流通のところで、このお話を伺っていますと、輸入品、今まで不検出ということだったのですが、実際のところ、ここ数年で検出されて輸入禁止になった、非常に厳しい規則ですけれども、どのぐらい事例があったのかというところを教えてください。

○山本部会長 JANISのことは、では、五十君参考人どうぞ。

○五十君参考人 食品安全委員会の時の議論をお伝えします。2008年から2011年のデータを公表しておりますが、それ以前のデータについても少し検討されました。1つは、リステリアの集団事例の多い食材等々の輸入実績が変化しているために、その影響が出ているかという議論がありまして、実際には輸入量をグラフにして、患者数の変化と相関があるかというような検討もされたのですが、特にそういった相関は見られなかった。この患者数の上昇が、果たして実際に数が増えているのか、それとも、JANISに参加している機関というのは数が動いておりますので、そういった影響から出てきている数字の動きなのかは判断がつきかねるという結論だったと思います。この数字をもって患者数が増えているとは解釈されなかったと記憶しております。

○山本部会長 あと、ちょっとそれに関連して、もし議論されていれば教えていただきたいのですけれども、200人程度推計されるという基礎になる患者さんの年齢層というか、そういうのはどのようになっていましたか。

○五十君参考人 ここでは直接、そのグラフが示されておりませんが、ほとんど60歳以上の高齢者の方が発症しているという結果になっております。

○山本部会長 あともう一件の質問で、輸入食品の検出状況、輸入食品対策室からお願いします。

○輸入食品安全対策室長 輸入品については、資料11枚目の下にも書いておりますけれども、国とか製造者、品目を特定して製品検査命令の対象としているところでございます。検査命令の対象としているのは、平成26年の4月時点ではイタリア産の非加熱食肉製品であるとか、ソフト、セミソフトタイプのナチュラルチーズであるとか、あとスペイン産の非加熱食肉製品であるとかフランス産のナチュラルチーズとか、こういったものが対象となっております。

経年比較といいますか、平成25年度と24年度の検査実績につきましては、届出ごとに抽出して検査命令の対象のものであれば100%で、その他は先ほどお話あったようなモニタリング検査という形での検査をやっておりますので、24年度は非加熱食肉製品におきましては5,821件の届出がありましたが、そのうち検査を行ったのが1,907件で、違反が22件でございます。25年度は、5,468件の届出に対して2,026件を検査しておりまして、違反が16件ということになっております。

チーズにつきましては、ナチュラルチーズ全般でちょっと挙げさせていただきますと、届出75,745件のうち596件検査して、4件違反。これが平成24年度でございます。平成25年度は、同じく75,575件の届出で776件検査いたしまして、違反件数は3件という形になってございます。

以上でございます。

○山本部会長 ありがとうございました。河野委員、よろしいですか。

○河野委員 はい。もう一点、今のことに関しまして。今度、不検出から多少数字が緩められるわけですけれども、そうなった時に、輸入時に100cfu/g、輸入時の検査の時には、今回の成分規格が販売時となっているのですけれども、輸入時にはどういう数値で検査されるのかというのを教えてください。

○山本部会長 よろしいでしょうか。

○輸入食品安全対策室長 また今後、管理措置については中でいろいろ実態も踏まえて検討させていただきますけれども、基本的には定量的な値が示されたということで、輸入時にもちろんその基準を超えていた場合にはその時点で違反という形になると考えております。それを下回った場合、数字が出ていた場合にどうかということについては、最終的な販売時点で値を超える可能性があるかどうかということも判断が必要となりますし、ここに書いておりますような、低温で保存、流通すればという形で、どのような菌数の増減があるかということも踏まえた上で判断せざるを得ないと思いますので、そういった管理措置についてはまた今後検討させていただきたいと思います。

○山本部会長 流通の時の温度管理とか、それからの消費期限みたいなものとの絡みで増殖するかどうかの判断が今後必要になってくると思いますので、その辺のところはよろしく検討していただくということになろうかと思います。他に追加の意見はありますか。

 それでは、林谷委員。

○林谷委員 ちょっと質問ですが、この成分規格のところに、ナチュラルチーズで、「ただし、包装容器に入れた後加熱殺菌したもの又は飲食に供する際に加熱するものは、この限りでない。」という記載がありますが、前段はいいですけれども、飲食に供するためにも加熱するということを決めてのナチュラルチーズというのは、普通に生食するものに比べて汚染の割合が高いとか、または汚染菌量が多いとかいうことはあるのか、そういうデータがあるのかどうかです。

もしそういうことがあるのだとすると、飲食する際に加熱するというふうになっていても、例えばそれを生で食べてしまうと危険があるわけですけれども、それはどのように区分されているのかということですね。それから、ここに書いてあるような記載で、加熱するものは対象外にするというのは欧米でも同じような基準があるのかどうかというのをちょっと教えていただきたいのです。

○山本部会長 事務局、よろしいですか。

○事務局 国際的に基準が適用されているのは、加熱を要しないでそのまま食べるようなReady-to-eat食品ですので、基本的に加熱して食べるようなものは対象外として考えていると思います。

もう一点、加熱するものは衛生管理が不十分で、リステリア菌に汚染されているかどうかということですけれども、現時点ではそのようなデータというものはなく、定量的に菌の汚染実態を調べたところ、全体として低いということなので、加熱を要するものについては極めて高いというデータは今のところない状況です。

○林谷委員 済みません。あと一点は、実際に加熱するものについては何か商品に記載があるのですか。

○事務局 今回、この規格基準を適用する際には、もちろん、容器包装に入れた後に加熱殺菌したものかどうかということだったり、あとは、加熱して食べるものかどうかということは表示されるべきでありますので、それは消費者庁に表示がされるように調整していくことになります。

○山本部会長 他に御意見、御質問。

○河野委員 もう一点。この管理措置が実際運用された後、6ページの「その他の措置」というところに書いていただいている、特に感受性集団、妊婦さんと高齢者等に対し、Ready-to-eat食品全体に対するリステリア菌の中毒に関する注意喚起を行うということで、今日の資料には妊婦さんに対するお知らせを入れていただいて、ああそうだなと思ったのですが、先ほどのJANISの結果にもあるように、高齢者の方が、もったいないとか、半分しか食べられなかったから残しておいて後で食べようとか、何となく、日常を想像すると本当にハイリスクだなと思うのですが、そのあたりへの情報提供を上手にやっていただければいいかなというお願いが1点。

それから、感受性集団の中に小児といいましょうか、小さい子供たちは入らないのかどうかというところをちょっと伺いたいと思います。

○山本部会長 入っていたと思うのですけれども、五十君参考人から答えてもらったほうがいいですかね。

○五十君参考人 今の問題につきましては、食品安全委員会の議論の中でも、小児のリステリア感受性は高いかどうかという議論がございました。1つは、海外のFAO/WHOの専門家会議の患者数のデータがございまして、1歳未満の小児が非常に高くて、そこから、基本的には小児、1歳を超える層から子供、さらに60歳ぐらいにかけてはそれほど大きな差がないと。60歳を超えますと患者数が非常に増えるという傾向でございました。1歳未満のピークというのは、実は先ほど出てまいりましたが、母子の垂直感染による患者が非常に多いということで、喫食によるリステリア症ではない可能性が高いだろうということで、改めて小児向けに対して基準を設定する必要はないという議論がございました。

 今回のJANISのデータは、ちょっと海外と違うところがありまして、1歳未満も非常に少なくて、60歳までの患者数はほとんど差が見られないというような結果だと記憶しております。

○山本部会長 ありがとうございました。よろしいですか。

○丸山委員 先ほどの私の質問に関連するのですけれども、この参考資料の43ページの表20、「食品由来LMのアウトブレイクの関連食品群」というのを見ますと、一番多いのが乳製品で41.5%でダントツですけれども、海産食品も上から3番目ぐらいの割合で出ているかと思うのですね。そして、先ほどの汚染率なんかを考えると、そういった海産食品なんかにも少し注意したほうがいいのかなと思うのですけれども、何でもかんでも規制すればいいというわけではないですけれども、やはり危険性のあるものについては検討する必要があるかなという気はするのですけれども、この辺いかがでしょうか。例えば海産食品の中でも長期間低温で保存するような干物とかそのようなのがあるかなという気がするのですけれども、その辺は余り危険性はないのでしょうか。

○山本部会長 事務局、答えられますか。

○事務局 食品健康影響評価の結果では、リステリア感染症の原因となり得るとても危険な食品として特定の食品を限定しているわけではない状況です。実際に国内で流通されている食品の汚染は菌数的にはとても低い。食品健康影響評価によると、1万個を下回るような管理をすれば、今よりも推定患者数というものは下回ることができる、という評価結果を得ているところです。

そういったことを踏まえますと、基準値を設定するのではなくて、一般的な衛生管理や消費者に対する注意喚起ということに重点を置いて対応するべきではないかということで、今回は魚介類については規制の対象とすることは考えていません。

○山本部会長 よろしいですか。

 結局、二次汚染の防止対策というのが一番その辺の食品に対しては大事だろうということを考えているということだと思います。

○木村委員 ちょっとそれに関連していいですか。

○山本部会長 木村委員どうぞ。

○木村委員 今の件ですけれども、結局、日本においてリステリア症は、病院レベルからすると発症例はある程度ある。ただ、欧米と違うのは、日本の場合にはどんな食品で起きているかは、はっきり言ってわかっていない。一方で、日本のいろいろな食品を検査していくと、必ずしも非加熱の肉とかチーズだけでなく、いろいろな食品からも出てくる。例えば日本独特の水産加工食品等からも検出例がある。こういう背景はあると思うのですね。

私は、結論的には、今回の規制に関してはこれで結構だと思いますけれども、先ほど五十君先生がおっしゃったように、こういったもの、論点としては増殖するかしないかというところがポイントであることは間違いない。だけれども、こういった食品は日本の独特の賞味期限が短いという、ショートのタームでやっているということが多分ポイントなのだろうと考えています。これは、例えば欧米のように、長く冷蔵庫に置いておくと、明らかにこういった水産食品はリステリアのような有害菌がいて、しかも増殖するという食品もあります。これはもう認めなければいけない。ただ、実際は検査をすると数が少ない。でも、この数が少ないというのは余り根拠にならなくて、増殖する可能性はある。ただ、企業の側からすると、非常に賞味期限の短いところでサイクルしているので大丈夫だろうととらえているわけです。さっきちょっと質問したのは、汚染菌数が少ないというのは、現実的に非常にアブノーマルな数値が出た例はないという意味では理解できます。ですから、そういうアブノーマルな例も出ていないということで、むやみに規制をかける必要はないだろうと思います。

 ただし、こういった食品がハイリスクの人々にとっては明らかに汚染率はある。しかも増殖もするものである。企業はしっかりやってくれ。これは結構ですけれども、今度は、お母さんたちが、この配布資料にある「これからママになる、」という注意喚起のところが重要だと思うのですが、もし冷蔵庫に賞味期限を超えて置いておいた場合には、明らかに科学的には増殖するわけですから、とてつもない汚染菌数になる可能性はある。これは仮定の話ですからわからない。もしかして、先ほど前段で申し上げたように、背景として、現在日本のリステリア症の原因がわからない。しかし、国際的には食品で起きているという可能性はほぼ疑われているわけですね。

ですから、私の申し上げたいのは、今回の件に関してはこれで結構だと思いますが、このRTEで規制に外れているものでも、業者に対してしっかりこれまでどおりということはもちろんですけれども、やはり消費者に対してこういう注意喚起をしっかりしていただかないと、チーズと非加熱食品だけ規制がかかったけれども、あとはかかってないのだから安全かなみたいなことになってしまうと大変危ない誤解を生じると思います。

意見になりましたけれども、意見を表明させていただきました。

○山本部会長 その点はかなりちゃんとした啓発活動というか、それが必要だと思いますが、分析官から。

○食品監視分析官 先生のおっしゃること、非常にもっともでございまして、確かに消費者、それから製造者に対する啓発活動、あるいは指導はこれまで以上にやらなくてはいけないと思います。なぜかといいますと、我々もよく経験するのですが、通常の製造でつくられた塩辛であればこれまでは全然食中毒を起こしてなかったものが、あるとき、事件で出たのですね。あれは製法が変わって、塩分濃度をぐっと下げたときに大きな事件が起こった。それから、白菜の浅漬けの事件、あれも製法が変わっている。

たまたま今の魚介類は、日本で流通している形態であれば、今までは安全だろうと。ただし、これが製造形態が変わるとか、あるいは流通形態が変わるとか、あるいは皆さん懸念されている保存がものすごく長くなってくるとか、そのような食習慣を含めた環境の変化が起こると、微生物というのはそういうすき間が生じてきたときに事故を起こしやすいのだろうと思っています。それは我々だけでなくて、製造者、それから消費者の方々に今後も十分周知していく必要があろうかなと思っております。ありがとうございます。

○山本部会長 ちょっと間違った質問かもしれないのですけれども、この規格基準に適用されてないものがリステリア検出されてしまえば、これは6条の対象になるのですか。

○事務局 その他の食品については特に規格基準は設定しませんので、100であってもいいということにはなるのですけれども、ただ、10,000を下回ればリステリアの患者は抑えられるという食品安全委員会からの評価結果ですので、食品の形態でしたり、賞味期限ですとか、ケース・バイ・ケースで判断することになるとは思いますが、非常に多い菌数が検出されて食中毒の危険性があるということであれば、もちろんそれは6条違反も検討していかないといけないと考えております。

○山本部会長 かなり高度な判断が必要になるかなとは思いますけれども、そういう意味では、検出即アウトではないけれども、やはりケース・バイ・ケースでちゃんと規制していくということは考えているということだと思います。他にありますか。

○西渕委員 ちょっとマイナーなことかもしれませんけれども、これは定量でものを言っているので、これを見ていますと、検査法は別途どこか定められて、というのは、資料1を見ていますと、中には、cfuでなくて、MPNのデータ出ているのがありますね。特に日本の加工魚介類の話は、値を見たらMPNなので、その辺はいかがでしょうか。

○山本部会長 ここでは直接試験法のことは書かないのですけれども、参考人からちょっと説明しておいていただければ。

○五十君参考人 試験法については、今後、行政側のコントロール、措置等の議論でどのように実際運用していくかということについて、まだ確定してはいないところでございます。ただ、今回、コーデックスの国際スタンダードの100を持ち込むということから、試験法のベースとなるのはコーデックスが採用しておりますISOの定量法をn=5というサンプリングプランで採用するというのが基本になると思います。

それに対して実際の運用上のn=5というのはなかなか難しいところがございますので、ヨーロッパの例でも、検疫のところではいきなりn=5という定量法を導入しているわけではないので、スクリーニング的に定性法をはさんでスクリーニングをかけて、問題のありそうな検体を最終的な試験で評価するといった試験法の対応を今後検討していく必要があると考えております。

○山本部会長 ということは、規制としてこれが決まれば、試験法は後ほど通知で発出するということで、基本は定性法でモニタリングして、ひっかかってくるようであれば定量法に切りかえて数を調べるということですね。よろしいでしょうか。

他にございますか。

○河野委員 先ほど木村委員から、最後は家庭の問題だと。サプライチェーンの中で最後に責任を、本当にこの評価と管理がしっかりと功を奏すということは食品を手にして食べる私たち消費者の責任だと思っています。そのあたりは、大分今日も暑いですけれども、食中毒の注意喚起というか、世の中的にそういった注意喚起する時期になりましたので、これも恐らくホームページ等で公開されるとは思うのですけれども、その際に、他の食中毒の対応等含めてリステリアの注意ということをしっかりと入れていただければと思いますし、私も消費者団体におりますので、そのあたりはいろいろなところと協力し合って、今回の措置の変更ということと、私たち消費者がどこをしっかり考えて日常生活を送らなければいけないかというところは周知に努めたいと思っています。

○山本部会長 貴重な御意見、ありがとうございました。一般消費者の方に知っていただくというのはなかなか難しい部分もあって、特にリステリアという言葉自体があまりまだ広がっていないのではないかという印象を持っておりますので、その辺を含めてもう少し注意喚起していくことが大切かなと思っております。特に食中毒がばんばん起こっているような菌ではないということが1つあると思うので、これからその辺も含めて知らせていくということは大事かなと思いますので、よろしく事務局でいろいろな案を出していただければと思いますし、消費者団体でもやっていただければと思います。他にございますか。

 大分御議論いただきましたので、それでは、資料15ページ目の対応方針(案)どおりということでよろしいでしょうか。

成分規格について、案のところはまだ読んでいただいてなかったと思うのですけれども、御説明、これでよろしいですか。

○事務局 それでは、資料1の「別添」として付けております「非加熱食肉製品とナチュラルチーズの成分規格について(案)」でございます。ここに(案)として示しておりますように、文言等については今後若干変更があることを御了承ください。

まず、非加熱食肉製品については既に食品、添加物等の規格基準で定めておりますが、食肉製品のうち非加熱食肉製品について、これまでの成分規格に加えて、リステリア・モノサイトゲネスが検体1gにつき100以下でなければならないことを追加する。

ナチュラルチーズについてですが、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の(三)の乳製品の成分規格並びに製造及び保存の方法の基準のところに、新たに「ナチュラルチーズ」という項目を設け、そこに成分規格としてリステリア・モノサイトゲネス(1g当たり)100以下。ただし、容器包装に入れた後加熱殺菌したもの又は飲食に供する際に加熱するものは除くということを追加したいと考えております。

○山本部会長 ありがとうございます。これに関しまして、何かこの場で御意見等ございますか。

 ソフト及びセミハードということの例のコーデックスの基準はここに書き込まれるのですか。

○事務局 実際はここには書かずに、通知等で明確に定義と分類に使われているMFFBの値を書きたいと考えております。

○山本部会長 よろしいでしょうか。

 では、もし細かい文言の修正があるとしたら、座長に一任していただくということでよろしいですか。

(「異議なし」と声あり)

○山本部会長 では、そういうことで規格基準の改正のための手続をこれから進めていくということでお願いしたいと思います。

 それでは、議題(1)はこれで終わりにしまして、議題(2)「その他」について、事務局から何かありますでしょうか。

○事務局 本年25日に開催しました当部会において御審議いただきました食肉等の微生物検査法、サルモネラ属菌の試験方法を改正しますので、それに伴う定義の改正についてですが、部会後、委員の先生から定義については試験法に沿った形が望ましいのではないかと御指摘があったところです。そこで、サルモネラ属菌の定義につきまして、部会で示しました案ではなくて、以下のとおりとしたいと考えております。

 「サルモネラ属菌(グラム陰性の無芽胞性の通性嫌気性桿菌にあって、アセトイン陰性、リジン陽性、硫化水素陽性及びONPG陰性で、ブドウ糖を分解し、乳糖及び白糖を分解しない、運動性を有する菌並びにこれらの要件に該当しない菌であって確認試験によりサルモネラ属菌と同定される菌をいう。以下同じ。)陰性でなければならない。」

 この定義でいう確認試験とは、現在考えております試験法では抗原性や生化学性状の試験を念頭に置いておりますが、今後さらに試験法が再度変更されるという際に、もしかしたら遺伝子検査等が含まれる可能性があります。そういった場合に、再度サルモネラ属菌の定義の改正をしなくてもいいようにということで、今回、確認試験という言葉を用いて包括的に読めるような定義といたしました。

本件につきましては、前回部会で了承いただいた方針とは変わりませんので、御報告とさせていただきました。

○山本部会長 ありがとうございます。特に質問ございますか。

 これは、手続としてはこれからパブリックコメントとかそういうものを求めるということになりますか。

○事務局 はい。まず食品安全委員会へ評価を依頼する、ということになります。

○山本部会長 この成分規格の改正についても同様にパブリックコメントを求めるということですか。

○事務局 はい。今回のリステリア菌につきましては、食品安全委員会のリスク評価を終わっておりますので、パブリックコメント等の手続に移ります。

○山本部会長 それでは、その手続を進めていただくということにしたいと思います。

 その他、報告事項ございますか。

○事務局 特にございません。

○山本部会長 それでは、次回の予定について、事務局より説明をお願いします。

○事務局 次回の本部会の日程については、御審議いただく項目がまとまり次第、改めて調整させていただきますので、よろしくお願いします。

○山本部会長 それでは、以上をもちまして本日の部会を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)
医薬食品局食品安全部基準審査課乳肉水産基準係 仲川: (03-5253-1111 内線2488)

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