ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(労働条件分科会労災保険部会)> 第55回労災保険部会議事録(2014年2月13日)
2014年2月13日 第55回労災保険部会議事録
労働基準局労災補償部労災管理課
○日時
平成26年2月13日(木)10:00~
○場所
厚労省専用第16会議室(12階)
○出席者
委員
岩村 正彦 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授) |
大前 和幸 (慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室 教授) |
中窪 裕也 (一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授) |
黒田 正和 (日本化学エネルギー産業労働組合連合会 事務局長) |
齊藤 惠子 (UAゼンセン政策・労働条件局 部長) |
新谷 信幸 (日本労働組合総連合会 総合労働局長) |
田口 正俊 (全国建設労働組合総連合 書記次長) |
立川 博行 (全日本海員組合 中央執行委員 国際・国内政策局長) |
吉村 健吾 (日本基幹産業労働組合連合会 中央執行委員) |
明石 祐二 (社団法人日本経済団体連合会労働法制本部 主幹) |
桐明 公男 (一般社団法人日本造船工業 常務理事) |
小島 政章 (株式会社竹中工務店 安全環境本部長) |
齋藤 充 (日本通運株式会社 取締役 常務執行役員) |
田中 恭代 (株式会社旭化成アビリティ 代表取締役社長) |
山中 一馬 (新日鐵住金株式会社 人事労政部 部長) |
○議題
(1)労働保険徴収法の改正(延滞金率の改正)(諮問)
(2)労働保険徴収法施行規則の改正(消費税率の引上げに伴う労務費率の調整)(諮問)
(3)現物給与の価額の改定について(報告)
○議事
○岩村部会長 それではただいまから第 55 回労災保険部会を始めることにいたします。本日は公益委員の荒木委員、小畑委員、永峰委員が御欠席ということになっております。
では早速本日の議事に入りたいと思います。お手元の議事次第を御覧ください。議題の 1 番目は「労働保険徴収法の改正 ( 延滞率の改正 )( 諮問 ) 」ということになります。まず事務局から説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○労働保険徴収課長 労働保険徴収課長の秋山と申します。本日はよろしくお願いいたします。まず法律案要綱につきまして、読み上げたうえで、その後私から内容を説明申し上げます。
○労働保険徴収課長補佐 ( 企画 ) それでは法律案要綱について読み上げます。資料 3 ページです。
政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案要綱。労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正関係。第 1 、延滞金の軽減。労働保険の保険料の徴収等に関する法律第 28 条第 1 項に規定する労働保険料に係る延滞金の割合について、各年の租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) 第 93 条第 2 項に規定する特例基準割合が年 7.3 %の割合に満たない場合には、その年中においては、年 14.6 %の割合については当該特例基準割合に年 7.3 %を加算した割合とし、年 7.3 %の割合については当該特例基準割合に年 1 %を加算した割合 ( 当該加算した割合が年 7.3 %を超える場合には、年 7.3 %の割合 ) とするものとすること ( 附則第 12 条関係 ) 。
第 2 、施行期日等。 1 、施行期日。この法律は平成 27 年 1 月 1 日から施行するものとすること。 2 、経過措置。この法律の施行に関し、必要な経過措置を定めるものとすること。
○労働保険徴収課長 続きまして私から参考資料に基づき説明させていただきたいと思います。参考資料 1-1 が 5 ページに付いております。 7 ページから参考資料 1-2 として参照条文が付いています。本日は 5 ページに従って説明します。両面コピーが混じっている関係で、ページ数がやや飛んでいるところがありますが、御容赦ください。
5 ページ、参考資料 1-1 、労働保険料の延滞金の軽減措置について ( 概要 ) と書いてある紙に基づき説明申し上げます。こちらの案件につきましては労働保険料、社会保険料もそうですが、国税と同じように納付期限を過ぎて遅れた納付の場合には延滞金を徴収しています。この率は基本的に税に合わせる措置をしていまして、今般、簡単に申し上げますと国税の延滞率の引下げがあったので、それに合わせて労働保険と社会保険の延滞金の率を引き下げるという内容です。
1 、改正の趣旨・内容と書いてあります。 1 つ目の○、延滞税の軽減措置についてですが、国税につきましては現在の低金利の状況を踏まえて本則で年 14.6 %と延滞税の率を規定しておりますが、これが高すぎるという問題意識から昨年の税制改正、所得税法等の一部改正法で延滞税の軽減措置が講じられています。今年の 1 月 1 日から既に法律が施行されています。
2 つ目の○、社会保険料、労働保険料等の延滞金の軽減措置についてです。社会保険料、労働保険料等の延滞金につきましては平成 21 年にも法改正を行い、事業主等の負担軽減等の観点から延滞税と同様に軽減措置を講じているところです。今般も延滞税の取扱いに準じて社会保険料、労働保険料の延滞金について軽減措置を行うこととしたものです。
3 つ目、具体的に延滞金の率の割合がどうなっているかを表にしています。左側が現行の率、右側が改正後の率です。左側の現行の率が少し複雑になっていますが、元々労働保険徴収法 28 条で、延滞金の率を 14.6 %と定めていました。下の段に書いてあります 2 か月以内のところ、 2 つ数字があります。平成 21 年に社会保険料、労働保険料を合わせて延滞率を引き下げたときに延滞金 14.6 %ですが、納付期日から 2 か月以内の遅れについては本則の 14.6 %を 7.3 %に引下げをし、更に 7.3 %も当分の間ということで 4.3 %に引き下げています。 4.3 %を特例の附則 12 条で規定していますが、これは日銀の商業手形基準割引率に 4 %を足したものという書き方でされております。現在適用されていますのが 4.3 %で、したがって現在労働保険の延滞金に適用されています利率につきましては、納付期日が過ぎて 2 か月以内の遅れについては特例附則 12 条の 4.3 %、 2 か月を超える遅れについては本則 28 条に戻って 14.6 %、この率が適用されています。
表の右側に改正後と書いてありますが、このように改正をする案となっています。いずれも改正内容は既に今年 1 月から施行されています延滞税、税の割合と同じようにするものです。まず本則は 14.6 %という徴収法 28 条の規定がありますが、これを特例の改正として特例基準割合足す 7.3 %ということで規定する予定です。特例基準割合は何かということですが、これも国税の租税特別措置法で規定されておりますが、注 2 で書いています。毎年 1 年間の銀行の新規短期貸出約定平均金利、これを基にして財務大臣が告示をしています。財務大臣が告示した割合に年 1 %の割合を加算したもの、これを租税特別措置法で特例基準割合と定義したうえで、それに 7.3 %を足したものを国税のほうの延滞税として今年 1 月から適用しております。労働保険も社会保険と同様国税並びの率に合わせるということで、今回本則の 14.6 %だったものを特例基準割合プラス 7.3 %にする予定です。
この特例基準割合、毎年 12 月に財務大臣より告示しますので、現在適用されています平成 26 年特例基準割合をベースとしますと、注 3 で参考として書いてありますが、今年適用される率を計算しますと 9.2 %。したがいまして本体については、今まで 14.6 %だったものが、この法律が通りますと今の利率ですと 9.2 %に延滞金が引き下げられるということです。
下段、今 2 か月以内の遅れの場合につきましては徴収法 28 条では 7.3 %、これが特例で 4.3 %になっておりますが、これも特例基準割合プラス 1 %ということで国税の租税特別措置法の措置と同じ割合に改正する予定です。これも今の特例基準割合に基づきますと 2.9 %になりますので、 2 か月以内の納付期限の遅れの場合には今適用されております 4.3 %が 2.9 %に下がる見込みになる、こういう内容で改正を予定しています。
なお財政影響があるかどうかですが、延滞金を徴収する場合に延滞率が引き下がりますので、財政影響は多少なりはございます。一応減収の見込みは 4.6 億円程度を見込んでおります。ただ歳入額がおよそ 3 兆 500 億円ですので、影響度は 0.015 %ということで、財政影響はほとんどないだろうと考えています。また事業主が滞納した分の延滞率が下がることによって収納率に影響があるかどうかという考え方もあるかと思いますが、 1 番の 2 つ目の○に書いてありますように、平成 21 年の法改正をして、平成 22 年 1 月からそれ以前の 14.6 %を 2 か月以内は 4.3 %に引き下げたことがありました。ただ平成 22 年 1 月の引下げによって直接的な収納率に影響はなかったと考えておりますので、今回も直接収納率に影響することはほぼないだろうと考えています。
2 番、施行期日と書いてありますが、これは先ほど読み上げました要綱にありますように、年金事業の運営改善のための国民年金法等の一部改正法案の中で一括して今通常国会に提出する予定です。明日の閣議決定を予定しており、通常国会で審議して、予定どおり成立した場合には来年の 1 月 1 日の施行を予定しています。
以上が議題 1 つ目、労働保険徴収法の改正、延滞率の引下げの関係の説明です。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 それでは、ただいま説明をいただきました法律案要綱につきまして御意見、あるいは御質問がありましたらお出しいただきたいと思います。
○新谷委員 諮問案件ですので、労働側として意見を申し上げます。今ご説明いただきましたように、社会保険料、労働保険料等の延滞金の軽減措置について、国税の所得税法に準じた取扱いにするという内容ですし、延滞金の率を低減しても、収納率に大きな影響はなかろうということでした。もともと延滞金は、滞納している事業者に対するペナルティーであり、滞納が発生しないということが大原則ですので、指導の強化もあわせてお願いをして、労働側としては、この内容について了承申し上げたいと思います。以上です。 ○岩村部会長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。特にないということで、よろしいでしょうか。
それでは諮問のありましたこの件につきましては、当部会としては妥当と認める旨、労働条件分科会に報告したいと考えますが、いかがでしょうか。
( 異議なし )
○岩村部会長 それではそのようにさせていただきます。報告文につきましては私に一任させていただくということでよろしいでしょうか。
( 異議なし )
○岩村部会長 ありがとうございます。
次に、議題 2 に移ります。今度は「労働保険徴収法施行規則の改正 ( 消費税率の引上げに伴う労務費率の調整 ) 」です。先ほどと同じく、諮問案件になっています。これも資料を用意していただいていますので、事務局から説明を頂きたいと思います。よろしくお願いします。
○労働保険徴収課長 それでは、同様に省令案要綱について読み上げをさせていただいた上で、私から内容を説明します。
○労働保険徴収課長補佐 ( 企画 ) それでは、資料 13 ページです。省令案要綱について読み上げさせていただきます。
労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱。
第 1 、労務費率の暫定措置。請負による建設の事業に係る賃金総額の算定に当たり請負金額に乗ずる率 ( 労務費率 ) について、当分の間、暫定措置として請負金額に 108 分の 105 を乗じて得た額に、所定の労務費率を乗ずるものとすること。
第 2 、施行期日等。 1 、施行期日。この省令は、平成 26 年 4 月 1 日から施行するものとすること。 2 、経過措置。この省令の施行に関し、必要な経過措置を定めるものとすること。
○労働保険徴収課長 引き続き私から 15 ページの参考 2-1 に従いまして説明をします。
労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案の概要 ( 消費税の税率の引上げに伴う賃金総額の計算の特例についての暫定措置 ) と書いてあります。
1 の改正の趣旨・内容ですが、 1 つ目の○です。請負による建設の事業における労働保険料徴収の仕組みについてです。請負による建設の事業については、元請負人が全体の事業についての事業主として、工事全体の保険料の納付等の義務を負っています。
また、建設の事業については、数次の請負によって行われるのが常態であるため、元請負人のほうで、工事全体の支払い賃金総額を正確に把握することが困難な場合があります。一般の労働保険の場合には、 1 年間の全ての労働者に支払われる賃金総額、これに保険料率を掛けて保険料を計算しますが、このように建設の数次の請負による場合については、元請負人のほうで賃金総額を正確に把握することが困難な場合があるために特例が認められています。元請負人が請け負った工事全体の請負金額に省令の別表 2 で定める労務費率を掛けて得た額を賃金総額として便宜的に算定することが認められています。
なお、労務費率は、労災保険の料率改定と併せて、 3 年に一度見直しをしており、直近では平成 24 年 4 月 1 日に改定が行われています。
2 つ目の○です。消費税の引上げに伴って生じる問題点です。今年 4 月 1 日に消費税率が 5 %から 8 %に引き上げられると工事の請負金額に対しても、消費税率 8 %が適用されることとなります。
ただ、現在の労務費率は 5 %の消費税率を前提としているため、実質的に賃金総額に変更がない場合であっても、保険料の計算上は賃金総額が増額されるという不都合が生じます。他方、労務費率の改定に当たっては、請負金額に占める賃金の割合の実態調査を行っています。これは労務費率調査と言っていますが、その結果に基づき、各業種の労務費率を決定する必要があります。ただ、現時点においては、消費税率の引上げが賃金総額等にどのような影響を与えるかが分からないことから、この 4 月に合わせて労務費率を改定することはできないことになります。
このため、新たな消費税率を踏まえた労務費率が設定されるまでの間の暫定措置として、請負による建設の事業で保険料額の算定に当たり、請負金額に労務費率を掛けて賃金総額とするものについては、賃金総額の算定に際して請負金額に 108 分の 105 を掛ける。消費税アップで増える分を元に戻し、現行の労務費率を掛けることにより、保険料の計算上賃金総額が増えないような手当をすることが必要となります。
なお、平成 9 年に消費税率が 3 %から 5 %に引き上げられた際にも同様の暫定措置を講じています。
17 ページの参考 2-2 、労務費率の暫定措置のイメージ図を用いてもう少し説明したいと思います。
左側に現行の図が書いてあります。現在、請負金額は税込みの請負金額に当然なりますので、消費税 5 %を含む請負金額、この下で算定をした労務費率を掛けることにより賃金総額を計算して保険料を計算することになります。
平成 26 年 4 月 1 日に消費税率が 5 %から 8 %に引き上げられた場合には、真ん中の具体例 1 のように請負金額が 3 %引き上げ分だけ上に伸びることになります。したがいまして、消費税率が引き上げられた分について請負金額全体が上に伸びるので同じ労務費率が適用されると、計算上乗じて得た賃金総額も Y の分だけ過大に計算をされることになります。
したがって、具体例 2 と書いてあるように、請負金額の 8 %伸びた部分を 5 %まで短縮をして、今の労務費率を掛けるようにするという措置です。 具体例で説明させていただくと、消費税抜きの工事本体金額 1 億円で、仮に今年の 4 月 1 日にずい道の新設工事を請け負った場合、これは労務費率 18 %になります。現行の消費税率 5 %の下では、請負金額が工事本体価格 1 億円に 5 %上乗せで 1 億 500 万円になります。これに今の労務費率 18 %を掛けると賃金総額が 1,890 万円。これを基に保険料を計算することになります。
消費税率が 4 月から 8 %に引き上げられると、請負金額が 1 億 800 万円に 3 %分伸びまして、これに単純に 18 %そのまま掛けると、 1,944 万円に賃金総額が自動的に増えてしまいます。暫定措置を講じることにより、請負金額 1 億 800 万円に 108 分の 105 を掛けて戻し、それに今の 18 %を掛けることにより、今までと変わらないように 1,890 万円のままにする予定です。
15 ページの参考 2-1 です。公布時期ですが、今年の 3 月下旬を予定しており、施行期日は消費税率引上げの 4 月 1 日からを予定しています。議題 2 についての説明は以上です。
○岩村部会長 ただいま事務局から頂いた諮問案件について御意見あるいは御質問がありましたらお出しいただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは、諮問のあった案件について当部会としては妥当と認める旨を、労働条件分科会に報告したいと考えますがよろしいですか。
( 異議なし )
○岩村部会長 報告文ですが、これについては私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
( 異議なし )
○岩村部会長 ありがとうございます。
それでは、議題 3 です。議事次第にあるように、現物給与の価額の改定についてです。報告案件となっています。それでは、資料を用意していただいていますので事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○労働保険徴収課長 引き続きまして、資料 21 ページ資料 3 に基づき説明をします。タイトルが「厚生労働大臣が定める現物給与の価額の一部を改正する告示」の概要となっています。分かりにくいと思いましたので資料の追加をしています。 25 ページの参考 3-1 です。こちらを説明して、告示の改正に戻ります。
参考 3-1 、現物給与制度の概要です。労働保険の保険料については、全ての労働者に支払われる賃金の総額に、その事業に定められた保険料率を乗じて算定されます。基本的には給与振込みにある現金の給与ですが、一部、現物給付についても賃金とみなされる場合があり、現物給与も含まれるものです。
今回御報告させていただく告示は、現物給与である食事と住宅で支払われる報酬等をどのように幾らと評価するか、その価額を大臣告示で定めているものです。
次ですが、労働保険徴収法上の賃金については、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わずに、労働の対償として事業主が労働者に支払うものとされています。一般に労働協約や就業規側、労働契約などにより、その支払いが事業主に義務付けられているものを言い、任意的なもの、恩恵的なもの、実費弁償的なもの、福利厚生的なものは労働の対償として支払われるものではないため、賃金には該当しないことになります。
次に、現物で提供されるものが給与、賃金とみなされる場合はどのような場合で、どのように算定されるかということです。報酬又は賞与の全部又は一部は通貨以外のもので支払われる場合においては、徴収法の第 2 条第 3 項に基づき、その地方の時価に基づいて厚生労働大臣の告示が定められています。
2 つ例を書いていますが、例えば食事の利益が現物給与とされる場合はどのような場合かと申しますと、住込労働者で 1 日 2 食以上給食されることが常態にあるような場合、こういった場合が食事の利益が現物給与とされる場合です。
これ以外については、例外的に取扱いがありまして、1~3の全てに該当する場合には福利厚生として取り扱うということです。例えば、給食により賃金の減額を伴わない。労働協約、就業規則等に定められて明確な労働条件の内容となっている場合ではないこと。 3 番として、給食による客観的評価額が社会通念上僅少なものと認められる場合であること。この全てに該当する場合には賃金ではなく、福利厚生として取り扱う。こういった取扱いが定められています。
もう一つの場合、住居の利益が現物給与とされる場合ですが、例えば住居施設が供与されない者に対し、住居の利益を受ける者との均衡を失しない定額の均衡手当が一律に支給されている場合、宿舎や寮に住んでいない者に対して、同等の均衡手当が一律に支給されている場合には現物給与とされる。こういった考え方です。
また、基本的に現物給与と認定される場合は、本人の負担がないケースですが、一部負担をする場合の現物給与となるかどうかについては下に書いてある図のとおりです。現物給与について、労働者より負担金を徴収するときは原則として賃金ではありません。ただ、徴収金額が、これから説明する告示額の 3 分の 1 以下であるときには、本人が負担した額と告示額の 3 分の 1 の差額の部分を賃金とみなすという取扱いになっています。以上で現物給与制度とはどのようなものかを少し説明しました。
21 ページの資料 3 です。今回、報告させていただく告示の概要ですが、趣旨としては先ほどと重複しますが、労働保険料は原則として、労働者の賃金総額に基づいて決定されるが、賃金のうち通貨以外のもので支払われるもの、現物給付が賃金と評価される場合については、厚生労働大臣がその価額、評価を定めることとされています。
具体的には、社会保険と統一をしていまして、健康保険、年金、労働保険、全体を通じまして、厚生労働大臣が各県ごとの時価に基づいて定めています。今般、統計調査を踏まえて、より現在の実態に即した現物給与の価額とするため、一部地域の食事の現物給与価額を改正をして告示をするものです。
2 番、改正内容です。平成 24 年度から算出方法を以下にあります算出方法に定めています。例えば、食事で支払われる報酬等については、家計調査を用いて、全国平均 1 人当たりの食費を算出した額に全国物価統計調査による都道府県ごとの物価指数を乗じて、それぞれの価額を算出しています。今般改正するのは、この食事の報酬の一部の都道府県です。家計調査の全国平均 1 人当たりの食費が 1 日当たり 599 円から 604 円に 5 円増えています。増えた分に、各都道府県の物価指数を掛けることにより、一部の都道府県では端数の処理の関係で上がる場合が生じたということです。
細かい表で恐縮ですが、別紙に書いてありますが、具体的には各都道府県ごとに統計、家計調査や住宅・土地統計調査を基に都道府県ごとの物価指数などを掛けて、食事で支払われる報酬を幾らに賃金として評価するか、労働保険の保険料の算定に当たる賃金として、幾ら分として評価するかといった額を定めています。
今回、改定するのは食事の部分で、全国平均の 1 人当たりの食費が 1 日当たり 5 円増えたことにより、都道府県ごとに物価指数を掛けることにより、端数によって違いがありますが、一部の都道府県、例えば青森県、岩手県などで 1 日当たりの食費の額が 10 円ずつ増えているという内容です。
21 ページです。告示の期日ですが、社会保険でまとめて告示の制定の手続をしています。 1 月 31 日に告示を制定しています。 4 月 1 日から適用する予定です。以上、議題 3 の大臣告示の改正の内容の説明です。よろしくお願いします。
○岩村部会長 事務局から説明を頂きましたので、御意見あるいは御質問がありましたらお願いしたいと思います。よろしいですか。
ほかに何か御意見等ございますか。
それでは、以上をもちまして本日の部会は終了します。
議事録の署名委員は労働者代表は田口委員、使用者代表は斎藤 ( 充 ) 委員にお願いいたします。
なお、次回の労災保険部会は 2 月 26 日 ( 水 )17 時から 19 時で開催する予定となっています。
本日はお忙しい中ありがとうございました。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 労働政策審議会(労働条件分科会労災保険部会)> 第55回労災保険部会議事録(2014年2月13日)