ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)> 2013年5月16日 第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会議事録(2013年5月16日)




2013年5月16日 2013年5月16日 第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成25年5月16日(木)
10:00~12:00


○場所

厚生労働省専用第23会議室(19階)
 (東京都千代田区霞が関1—2—2)


○議事

○嶋田室長補佐 定刻になりましたので、ただいまより「平成25年度第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成25年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を合同で開催いたします。
 本日は、御多忙のところを御出席いただき、まことにありがとうございます。
 私は、厚生労働省健康局結核感染症課予防接種室の嶋田でございます。本日、合同開催となりますので、座長が選任されるまでの間、進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 本日の議事の公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 初めに、本日の委員の出欠の状況について御報告いたします。
 副反応検討部会委員10名のうち9名、安全対策調査会委員4名のうち4名の出席をいただいておりますので、厚生科学審議会並びに薬事・食品衛生審議会の規定により、定足数に達しておりますので、本日の会議が成立したことを御報告いたします。
 まずは開会に当たりまして、矢島健康局長から御挨拶を申し上げます。
○矢島健康局長 健康局長の矢島でございます。
 先生方には大変お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 先生方には予防接種行政だけではなく、厚生労働行政、いろんなところで御支援、御協力をいただいております。この場をおかりいたしまして厚くお礼を申し上げさせていただきます。
 御存じのように、予防接種法が改正をされまして、この4月から新しい制度になりました。予防接種の副反応につきましても、法律で医療機関に報告が義務づけられるという形に新しく変わりました。また、この検討会につきましても、第1回のこの部会を本日、このような形で開催をさせていただくということになりました。よろしくお願いします。
 本日の議題ですが、主に子宮頸がんワクチンに関します副反応報告の状況ですとか、保護者等から情報提供のございました症例の検討、検証等につきまして、専門的、科学的なお立場から御議論をいただきたいと考えております。
 厚生労働省といたしましては、より安全で安心な予防接種の実施に向けてこれからも頑張っていきたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 簡単ですが、私の挨拶とさせていただきます。
○嶋田室長補佐 ありがとうございました。
 それでは、「第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」となりますので、本日御出席の委員の先生方を五十音順に御紹介させていただきます。
 福岡歯科大学全身管理部門総合医学講座小児科学分野教授、岡田賢司委員。
 川崎市健康安全研究所長、岡部信彦委員。
 都立神経病院神経小児科医長、熊田聡子委員。
 国立感染症研究所副所長、倉根一郎委員。
 育良クリニック小児科顧問、薗部友良委員。
 国立感染症研究所感染症疫学センター第三室長、多屋馨子委員。
 独立行政法人国立病院機構東京病院外来診療部長、永井英明委員。
 公益社団法人日本医師会常任理事、道永麻里委員。
 国際医療福祉大学副学長、桃井眞里子委員。
 なお、本日は御欠席となっておりますが、東京都健康長寿医療センター顧問、稲松孝思委員も副反応検討部会の委員に御就任いただいております。
 また、本日は、参考人として信州大学医学部内科学第三講座、池田修一先生にも御出席いただいております。
 続きまして、「薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の委員と参考人の先生方を御紹介させていただきます。
 独立行政法人国立成育医療研究センター総長、五十嵐隆委員。
 明治薬科大学医薬品安全管理学講座教授、遠藤一司委員。
 国立医薬品食品衛生研究所客員研究員、大野泰雄委員。
 群馬大学医学部附属病院、柿崎暁委員。
 山口大学大学院医学系研究科神経内科教授、神田隆参考人。
 また、事務局につきましても御紹介させていただきます。
 副反応検討部会事務局の矢島健康局長でございます。
 高島大臣官房審議官でございます。
 正林健康局結核感染症課長でございます。
 宮本健康局結核感染症課予防接種室長でございます。
 難波江健康局結核感染症課長補佐でございます。
 谷田川健康局結核感染症課予防接種室予防接種専門官でございます。
 氏家健康局結核感染症課予防接種室長補佐でございます。
 喜多健康局結核感染症課予防接種室ワクチン対策専門官でございます。
 続きまして、安全対策調査会事務局の俵木医薬食品局安全対策課長でございます。
 黒羽医薬食品局安全対策課長補佐でございます。
 鶏内医薬食品局安全対策課長補佐でございます。
 以上、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。
 まず、議事次第。
 配布資料一覧。
 委員名簿。
 資料1から10。
 参考資料につきましては、1から11まで御用意させていただいております。
 配付資料一覧と照らし合わせて不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
 申しわけございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○嶋田室長補佐 引き続き、審議参加に関する報告をいたします。
 予防接種・ワクチン分科会審議会参加規定並びに薬事・食品衛生分科会参加規定についてです。
 本日の出席委員の申し出状況について御報告いたします。
 最初に、副反応検討部会委員ですが、岡田委員と岡部委員がMSDとGSKからそれぞれ50万円以下を受領。
 多屋委員がGSKから50万円以下を受領。
 永井委員がMSDから50万円以下を受領。
 薗部委員がMSDから50万円以上500万円以下を受領しております。
 また、安全対策調査会委員ですが、五十嵐委員がGSKから50万円以下を受領、MSDから50万円以上500万円以下を受領。
 柿崎委員がMSDから50万円以下を受領。
 神田参考人がGSKから50万円以上500万円以下を受領しております。
 内容から、副反応検討部会の薗部委員と安全対策調査会の五十嵐委員は、会議に参加し意見を述べることはできますが、議決には参加いただけませんことを報告いたします。
 それでは、議事に入りたいと思いますが、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会は、設置後、初めての会議となりますので、副反応部会の委員の方々にお諮りいたします。
 議題(1)といたしまして副反応検討部会長の選任となっております。部会長の選任は、厚生科学審議会令第6条第3項で、委員の互選により選任することになっております。どなたか御推薦いただけますでしょうか。
(多屋委員、挙手)
 多屋委員、お願いします。
○多屋委員 健康被害救済等の検討会でも長くお務めになられていまして、この分野に大変御造詣の深い桃井先生を御推薦したいと思います。
○嶋田室長補佐 ありがとうございました。
 ただいま多屋委員より桃井委員を御推挙いただきましたが、いかがでしょうか。
(拍手起こる)
○嶋田室長補佐 ありがとうございます。
 それでは、御了承いただいたということで、桃井委員に副反応検討部会長をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
(桃井委員、部会長席へ移動)
○桃井部会長 桃井でございます。
 ただいま部会長に御推薦いただきました。新しい予防接種のシステムの中で大変な重責と考えております。委員並びに参考人の皆様方の御意見、御支援を得て務めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○嶋田室長補佐 次の議題に入る前に、分科会長代理を決めておきたいと思います。
 これは、厚生科学審議会令第6条第5項により部会長が指名することになっております。桃井部会長、御指名をお願いいたします。
○桃井部会長 これまで感染症あるいは予防接種関連の委員会への御実績や学識が大変お深い委員がそろっておられますが、中でもその御経験が深く長い稲松委員にお務めいただくのが適切と存じますので、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
 稲松委員が代理ということで、よろしゅうございますか。
(拍手起こる)
○桃井部会長 ありがとうございます。
 それでは、きょう御欠席でいらっしゃいますので、事務局から稲松委員に御了解いただけますようにお願いをよろしくお願い申し上げます。
○嶋田室長補佐 本日は合同開催となっておりますので、座長を選任させていただきたいと思います。
 事務局側といたしましては、桃井副反応部会長と五十嵐安全対策調査会長に交互で座長をお願いしたいと考えております。第1回、第3回など奇数回の場合には副反応検討部会長、第2回、第4回など偶数回の場合には安全対策調査会長にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
(拍手起こる)
○嶋田室長補佐 ありがとうございます。
 それでは、今回は第1回開催となりますので、副反応検討部会長の桃井部会長に座長をお願い致します。
○桃井座長 それでは、本日、第1回の座長を務めさせていただきます。どうぞ皆様にはよろしくお願い申し上げます。
 早速本日の議題(2)に入りたいと思います。「子宮頸がん予防ワクチンについて」でございます。
 その前に、御承知のように、本年の4月に子宮頸がん予防ワクチンを含めた3ワクチンの定期接種化等々の制度化を盛り込みました予防接種法の改正がございましたので、まずはこうしたことも含めまして事務局から予防接種制度の御説明をいただき、議案(2)に早速入りたいと思います。
 事務局の御説明をよろしくお願い申し上げます。
○宮本予防接種室長 予防接種法の改正がございましたことは、先ほど局長より御案内しているとおりでございます。
 資料1をまず御用意いただきたいと思います。この中で予防接種法の改正の概要を簡単に御紹介してまいります。
 まず、1枚おめくりいただきまして、パワーポイントの資料としましてはNo.3、2枚目の下のほうをご覧いただきたいと思います。
 予防接種法の改正の概要でございます。その背景といたしましては、先進諸国と比べ公的に接種するワクチンの種類が少ない、いわゆるワクチン・ギャップの問題の解消や、予防接種施策を総合的、かつ継続的に評価・検討する仕組みの構築などを行うため、予防接種制度を幅広く見直す必要があったということでございます。
 予防接種施策の総合的な推進を図るため、平成24年5月に厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で取りまとめた「予防接種制度の見直しについて(第二次提言)」を踏まえまして、定期接種の対象疾患の追加等所要の措置が講じられたというものであります。
 改正の内容としましては大きく4つあります。
 1つ目としまして「予防接種の総合的な推進を図るための計画の策定」です。
 予防接種施策の総合的な推進を図るため、厚生労働大臣は「予防接種の総合的な推進を図るための計画」を策定することとされました。
 予防接種を取り巻く状況の変化や施策の効果への評価等を踏まえ、少なくとも5年に一度必要な検討を行い、計画を変更することとされております。
 2つ目としまして「定期接種の対象疾患の追加」を行っております。
 まず、「一類疾病」とこれまで呼んでおりましたものを「A類疾病」、「二類疾病」と呼んでおりましたものを「B類疾病」という名称に変更しております。
 定期接種の対象としまして、A類疾病にHib感染症、小児の肺炎球菌感染症、本日御審議いただきますヒトパピローマウイルス感染症を追加しております。
 また、B類疾病につきましては、新たなワクチンの開発や感染症の蔓延に柔軟に対応できるよう、政令で対象疾病を追加できることとしております。
 3つ目は「副反応報告制度の法定化」が行われております。
 これまで副反応報告制度は通知に基づきまして運用してきたところですが、副反応報告制度を法律に位置づけまして、医療機関から厚生労働省へ報告をすることとし、その報告を義務化しております。
 いただきました報告につきましては、その情報の整理と調査について、医薬品医療機器総合機構が行うこととしております。
 厚生労働大臣は、その報告の状況について、評価・検討の組織、本日の検討部会ということになりますが、報告し、その意見を聞いて、必要な措置を行うこととされております。
 4つ目といたしましては「評価・検討組織への付議」ということで、3つ目のところで御紹介いたしました副反応の対応のほか、予防接種施策の立案に当たり、専門的な知見を要する事項について、評価・検討組織として予防接種・ワクチン分科会を設置いたしまして、意見を聞かなければいけないこととしております。
 副反応報告制度につきましては、若干補充して紹介させていただこうと思いますので、パワーポイントの8番に相当いたします部分をご覧いただきたいと思います。
 また、参考資料の中で副反応報告制度に関します新たな通知が出ております。参考資料の71ページに「定期の予防接種等による副反応の報告等の取扱いについて」という通知を入れておりますので、あわせてご覧いただければと思います。
 副反応報告制度につきましては、今ほど法改正の概要の中で申し上げましたとおり、発生した状況を医療機関から厚生労働省へ報告をいただくということで進めております。
 これまで副反応報告制度につきましては、薬事法に基づくものと予防接種法に基づくものとの関係が混在していた部分がございましたが、そこを整理いたしまして、一元的に御報告をいただく。これに基づきまして、先ほど申し上げた情報の整理と調査を行い、この組織において御検討いただき、必要な対応を行う。このような仕組みに整理をしたところでございます。
 その図の左の真ん中あたりに小さい字で注を1つ付けております。被接種者や保護者等からの御意見、副反応があったのではないかといった申し出につきまして、法律に基づく制度ではございませんが、通知の中で、その報告についても市町村の協力をいただきながら厚生労働省のほうに寄せていただく、このような仕組みにしているところでございます。
 また、その図の下にございます予防接種健康被害救済制度につきましても、従前どおりしっかり実施していくということで進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、資料2をご覧いただきたいと思います。
 予防接種法の改正の中で評価・検討組織の点が充実、強化されたという点を申し上げました。具体的には厚生科学審議会の中に予防接種・ワクチン分科会を設置することといたしました。
 4月22日には予防接種・ワクチン分科会、いわば親会を開催し、所要の規定を定めております。
 具体的には予防接種・ワクチン分科会の中に予防接種基本方針部会、研究開発及び生産・流通部会、副反応検討部会、3つの部会を設置いたしまして、これらの部会と分科会とで総合的に予防接種・ワクチン行政を推進していくという考え方となっています。
 資料3のほうもあわせてご覧いただきたいと思います。
 この3つの部会について設置をし、関連する規定を定めております。
 続きまして、資料4についてもご覧いただきたいと思います。
 冒頭のほうで申し上げました遵守事項につきまして、予防接種・ワクチン分科会の中で規定を確認しております。内容につきましては、従前どおりの内容になっておりますので、引き続き同じ内容で対応してまいりたいと思っております。
 続きまして、資料5をお願いいたします。
 予防接種・ワクチン分科会と3つの部会の開催スケジュールのイメージを示しております。
 予防接種・ワクチン分科会につきましては、年間3回程度の開催を予定しております。
 そのほか、予防接種基本方針部会と研究開発及び生産・流通部会につきましては、今年度の作業としまして基本計画の策定がございますので、集中的に開催を進めてまいりたいと思っております。
 副反応部会につきましては、合同の開催となることと思っておりますが、年に6回程度実施してまいりたいと考えております。
 委員の皆様方には大変お忙しいところ、御協力いただくことになると思いますが、ぜひよろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○桃井座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見等がお有りになりますでしょうか。
 よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○桃井座長 それでは、早速議案(2)に入らせていただきます。
 資料が6と7でございますので、まとめて資料の御説明をいただきます。
 まず、資料6からよろしくお願い申し上げます。
○鶏内課長補佐 それでは、資料6-1、6-2、6-3、6-4の順に子宮頸がん予防ワクチンの副反応の状況について御説明させていただきます。
 子宮頸がん予防ワクチンは2品目販売されており、平成21年12月よりグラクソ・スミスクライン株式会社より販売されておりますサーバリックスと、平成23年8月から販売されておりますMSD株式会社のガーダシルがございます。
 まず、資料6-1「子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)の副反応報告状況について」を御説明させていただきます。資料6-1をご覧ください。
 サーバリックスの販売開始から本年3月末までの副反応報告をまとめさせていただいたものを1ページ目に記載しております。
 1ページ中ほどの表の一番左に出荷数量から算出した接種可能延べ人数を記載しております。本年1月から3月末までの3カ月間の接種可能延べ回数は、約11万3千回分となっております。販売開始からの累計では約695万7千回分出荷されております。
 本剤は1人に3回接種を行いますが、製造販売業者の推計では、現在、平均で2.7回接種と仮定しており、258万人程度が接種されていると推定しております。
 副反応の報告状況ですが、薬事法に基づく製造販売業者からの報告、これは重篤と判断された症例でございますけれども、本年1月から3月までの間に11例あり、販売開始からの累計は704例でございました。
 この期間に死亡症例が1例報告されておりますが、これにつきましては、資料6-3で後ほど御報告させていただきます。
 医療機関からの報告に関しましては、同期間に17例の報告があり、累計は1,001例で、うち「重篤」と報告された症例は3例で、この累計は91例でございます。
 2ページ目でございます。
 接種事業に基づく接種者数でございますが、本年5月15日までに都道府県を通じて市町村から報告されたものをまとめております。
 前回からの追加は1月分で2万9千接種でございました。
 3ページ目は、医療機関からの副反応報告についてのワクチン接種との「関連あり」「関連なし」別の内訳でございます。
 「報告全体」という上の表は、1ページの一覧表と同様で、その下の表が「関連あり」として報告された報告数、一番下の表が「関連なし」「評価不能」とされた報告数でございます。
 1月から3月までの副反応報告の頻度につきましては、接種開始からの数値と比べて、「報告全体」、「関連あり」とされた症例には大きな違いはございません。
 4ページ目は、本期間の医療機関からの報告による重篤症例の一覧で、強迫性障害、全身の震え、発熱及び局所疼痛の報告がございました。
 5ページ目は、本期間の製造販売業者からの報告を掲載しております。
 注射部位腫脹、筋力低下、関節痛、けいれん、失神などが副反応として報告されております。
 6ページ目は、医療機関から「非重篤」として報告された一覧でございます。
 続きまして、資料6-2「子宮頸がん予防ワクチン(ガーダシル)の副反応報告状況について」を御説明いたします。
 本年1月から3月末までの分と、販売開始からの累計で接種人数と副反応報告をまとめたものを1ページ目の表に記載しております。販売開始以降、現在までの出荷数量からの接種可能延べ人数は、表の一番左、約168万9千回分となっております。
 副反応の報告状況ですが、薬事法に基づく製造販売業者からの報告は、先ほどと同様「重篤」と判断された症例でございますけれども、本年1月から3月末までの間に6例ございました。累計は68例でございます。
 医療機関からの報告は10例あり、うち「重篤」と報告された症例が2例、累計は195例で、そのうち「重篤」は15例でございました。
 2ページ目は、接種事業に基づく接種回数でございます。本年5月15日までに都道府県を通じて市町村から報告されたものをまとめており、前回会議からの追加は1月分でございまして、表の記載のとおり、4万5千接種でございます。
 3ページ目の一番上「報告全体」の表は、1ページ目の一覧表の医療機関からの報告数と同じでございます。
 その下の2番目の表は副反応と「関連あり」の報告、3番目の表は「関連なし」「評価不能」の報告の内訳を示してございます。
 4ページ目は、本期間の医療機関からの報告による重篤症例の一覧でございます。感覚障害、異常行動が挙げられております。
 5ージ目は製造販売業者からの報告で、同じく本期間の症例を示しております。背部痛、流産、失神などが挙げられております。
 6ページ目は、医療機関から「非重篤」として報告された一覧でございます。
 続きまして、資料6-3「子宮頸がん予防ワクチンに関する死亡報告」を御説明いたします。
 この表は、これまでの死亡報告の一覧でございます。
 1例目の死亡症例は、既に一昨年の合同検討会で御評価いただき、基礎疾患の心室性頻拍の発作から致死性不整脈で死亡されたものと考えられると評価されております。
 今期間に報告された死亡例は、10代の女性で、本剤を接種した翌日、肩凝り、緊張性頭痛で来院し、投薬がありましたが、その後の来院はなく、接種14日後に自殺をされた症例でございます。
 本件については、自殺といじめとの関係において、週刊誌に取り上げられた記事の中で、サーバリックスを接種していたことが掲載されているのを見た第三者の方から企業に情報提供があり、本年3月に報告がなされたものでございます。
 PMDAの調査結果ですが、接種医は、自殺の原因はワクチンと無関係としております。
 また、御遺族の方からは、接種翌日は痛みの訴えがあったものの、それ以降の訴えはなく、自殺とワクチン接種との関係はないというお話を伺っております。
 なお、症例の経過の詳細につきましては、委員のみ配付とさせていただいておりますので、御了承願います。
 引き続き、資料6-4「これまでの報告一覧」についてですが、販売から本年3月31日までに報告があった症例をサーバリックスとガーダシルに分けて、それぞれの製品について、医療機関からの重篤症例の報告、製造販売業者からの報告、医療機関からの非重篤症例の報告に分けて、一覧としてまとめたものです。
 大部でございまして、傍聴者の方には配付はございませんが、ホームページのほうには掲載させていただきたいと思っております。
 資料6-4までは以上でございます。
○宮本予防接種室長 資料6-5と6-6につきまして、私のほうから引き続き説明させていただきます。
 資料6-5は、これまでの副反応の報告の状況につきまして分析を行ったものでございます。
 まず、1番のサーバリックスにつきまして、(1)製造販売業者からの報告704件につきまして分析をしております。
 転帰としましては、「回復」と回答がありましたものが357件で、50.7%。「軽快」が68件で、9.7%となっておりますが、そのほか、「後遺症あり」が2件、「未回復」が39件、「不明」が237件となっております。
 「後遺症あり」「未回復」「不明」の件につきましては、現在の予後の状況を把握しなければいけないと認識しておりまして、至急その状況を確認すべく作業を進めているところです。
 2としまして、副反応報告の704件の内訳を大きく分けていただきましたので、お示ししております。全体の704件のうち、失神を除く報告につきましては292件。この292件の内訳が中心になりますが、報告医が「重篤」と報告することができることになっておりますけれども、「重篤」と報告したものが210件、入院した方については96件、このような内容でありました。
 おめくりいただきまして、副反応の報告を疾患名の形で大くくりにできる部分はくくり、「その他」というものに分けているものですが、疾患名と「回復」「軽快」、その他の状況をクロスして集計したものでございます。
 「アナフィラキシー」「ギラン・バレー症候群」「血小板減少性紫斑病」「急性散在性脳脊髄炎」「複合性局所疼痛症候群」「失神」「発熱」「過敏症反応」「局所反応」「その他」ということで、ご覧いただいたように分類しております。
 やはり「その他」の部分が多くなっておりますが、主な疾患につきましては、このような回復の状況にあるということで、ご覧いただきたいと思います。
 下のグラフにつきましては、上の表をグラフにしたものでございます。
 3ページ目、医療機関からの報告につきましては、1,001件ございました。
 この内訳を重篤か、非重篤かで分けますと、「重篤」と報告をいただいたものが91件で、9.1%、「非重篤」とされましたものが829件で、82%でございました。
 転帰につきましては、「重篤」とされたものについては、34件、37.4%が「回復」、17件、18.7%が「軽快」とされておりました。
 「非重篤」の方については、367件、44.2%が「回復」とされ、122件、14.7%が「軽快」とされておりました。
 医療機関からの報告につきましても、「不明」とされている件がございますので、こういった点につきましても予後を明らかにする調査を至急進めていきたいということで、準備を進めております。
 副反応の内容につきましては同様の分類になりますが、下のほうにまとめております。
 グラフにつきましては、次のページに示しております。
 5ページ目以降はガーダシルのほうの分析を進めております。
 (1)製造販売業者からの報告が68件ございまして、1としまして転帰の内訳を記載しております。
 「回復」が40件で、58.82%。「軽快」が11件で、16.18%のほか、「未回復」が3件、「不明」が14件となっておりましたので、「未回復」と「不明」の件につきましては、予後を明らかにすべく確認を進めてまいりたいと思います。
 副反応報告の内訳につきましては、全体の68件のうち、「失神」を除く報告につきましては41件、報告医が「重篤」と報告したものについては同数の41件ということでありました。
 めくっていただきますと、6ページには、報告医が「重篤」と判断したものではありますが、その症例の内訳を記載しております。
 その下のグラフは、上の表をグラフにしたものであります。
 7ページ目には医療機関からの報告195件の集計をしおります。
 重篤度で分けますと、「重篤」が15件で、7.7%、「非重篤」が172件で、88.2%ということでありました。
 転帰の内訳につきましては、「重篤」については、10件、66.7%が「回復」、2件、13.3%が「軽快」となっておりました。
 「非重篤」の方については、140件、81.4%が「回復」、15件、8.7%が「軽快」となっておりました。
 「不明」の部分につきましては、先ほどお話ししたように明らかにするように努めております。
 下の副反応の内容は、ご覧いただいたとおりでございます。
 最後のページは、その表をグラフにしたものであります。
 資料6-6は、これまでの副反応報告の中で、販売した件数と副反応の件数が出ておりますので、件数と100万接種当たりの発生数をまとめております。
 サーバリックスとガーダシルにつきましては3月31日まで、そのほかのワクチンにつきましては昨年の12月末までの数をもとにまとめています。
 一番左の欄が全体の発生件数と発生率。A、B、C欄のそれぞれで、Aについては企業からの報告の件数と発生率、Bについては医療機関からの報告の件数と発生率、CについてはBの医療機関報告のうち「重篤」という報告をいただいたものの件数とその発生率です。
 私からは以上です。
○鶏内課長補佐 引き続き、資料7について御説明をさせていただきます。
 複合性局所疼痛症候群、以下「CRPS」と略させていただきますが、CRPSとして報告をされました症例についてでございます。
 CRPSとして報告されている症例は5例ございまして、サーバリックスで2例、ガーダシルで3例でございます。
 表は、左から「年齢・性別」「既往歴」「ワクチン名」で、真ん中に「経過」となっております。
 また、表の右側の2つにつきましては、「CRPSの診断について」と「ワクチン接種との因果関係について」の欄を設けております。これらの欄の内容につきましては、事前に医薬品医療機器総合機構において複数の専門委員の方に、各症例についてCRPSかどうか、ワクチン接種との因果関係について御評価をいただいておりまして、この評価、議論を踏まえた事務局の評価を記載しております。
 表に移ります。
 No.1の症例から順に症例の概要と事務局の評価を説明いたします。
 症例1です。40歳代の女性で、3回目のワクチン接種後に、当日の夜から注射部位の痛みを感じ、その後、痛みが増し、上腕を挙げることが困難になったということです。
 接種部位は左三角筋上部で、接種6日後のMRIの結果、肩峰下滑液包に炎症が認められたということでございます。
 下のほうに飛びますが、症状発現から6カ月後でも可動域制限を伴う中等度の疼痛が持続しているものの、筋力低下あるいは感覚障害など腕神経叢神経炎を示唆する神経学的異常は認められなかったということでございます。
 症状発現から7カ月後に関節鏡視下手術が行われ、手術後に完全に回復した様子とのことでございます。
 本症例のCRPSの評価については、「CRPSではない。肩峰下滑液包への誤注の影響がある。
 ワクチン接種との因果関係については、「時間的経過からワクチン接種との因果関係は否定できない」とされております。
 症例2に移ります。
 本症例は10代・女性で、2回目のワクチン接種後、当日午後から左上肢の浮腫、疼痛があり、その後、左下肢、右下肢、右上肢にも疼痛が間欠的に生じるようになっております。
 夜間には左前腕近位部に強いしびれの訴えがあり、上腕に腫脹、疼痛が生じ、肩から肩甲骨、指先までの痛みが出て、疼痛のため歩行困難、また発汗も著明だったとのことでございます。
 接種1日後に入院されており、腕全体の色がどす黒く、冷たくむくんでいるような、腫れているような感じで、動かせないという状況でございました。
 足先や肩、背中もしびれて痛く、接種した左手が冷たくなっており、手も挙がらず、熱も出て、また左上腕は腫脹と疼痛が持続していたとのことでございます。
 接種64日後、夜間就寝時に手足をばたつかせるけいれんのような動きが出現し、接種81日後、数が数えられない、計算ができないという症状が出現しております。
 接種104日後、脳波、SPECT、髄液検査などの検査を行っており、脳血流の若干の低下を認める以外は明らかな異常はなく、夜間の手足のばたつきも、睡眠時の行動ではなく覚醒時に生じているものとの診断でございました。
 接種118日後には解離性症状が出ており、その後もしばしば解離性症状が出現し、接種299日後には嚥下障害が出現したとのことでございます。
 接種347日後、嚥下障害は軽快し、歩行障害も改善したとのことですが、関節痛、解離症状、不安、計算障害、味覚障害、頭痛はその後も症状が消長しながら継続し、接種504日後において計算障害が目立つ状態とのことでございます。
 本症例のCRPSの評価については、「症状の一部はCRPSの判定指標に適合するが、発症時期が早く、典型的なCRPSとは判断できない。下肢の不随意運動や自発運動などは二次性の症状であることが疑われる」。
 ワクチン接種との因果関係につきましては、「時間的経過からワクチン接種との因果関係は否定できない」とされております。
 続いて、症例3に移ります。
 本症例は10代・女性で、接種時に特に疼痛、しびれ、異常症状はなかったとのことです。接種2~3分後に左手第一指末端に疼痛としびれがあらわれ、ぴくつきが出るようになったとのことのです。手指のしびれ、震え、握力の減弱が持続したため入院されております。自律神経徴候を伴う神経原性疼痛症候群もあらわれたとのことです。
 接種2日後には、症状はほぼ認めない程度に回復し、退院され、接種10日後、自律神経徴候を伴う神経原性疼痛症候群も回復されております。
 接種58日後でも特に問題はなく、接種228日後には2回目の接種を受けられたとのことでございます。
 本症例のCRPSの評価については、「情報不足で判断が困難であるが、報告された内容についてはCRPSの判定指標を満たさない。症状の発現と回復過程が早く、典型的なCRPSとは判断できない」。
 ワクチン接種との因果関係につきましては、「時間的経過からワクチン接種との因果関係は否定できない」とされております。
 続きまして、症例4についてでございます。
 本症例は10代・女性で、1回目のワクチン接種の際には、その日に右肩から鼠径部に神経痛のような痛みがあったとのことです。
 2回目のワクチン接種後、左頸部から肩にかけてのしびれがあり、痛いときは左腕が挙げられない、めまい、吐き気があったとのことでございます。
 接種翌月には随伴症状の嘔気、めまい、接種48日後にも嘔気があったとのことです。
 副反応の報告時点でも左頸部から肩にかけてのしびれの症状は残っており、挙上困難、めまい、吐き気、嘔気は未回復とのことでございます。
 本症例のCRPSの評価については、「情報不足で判断が困難であるが、報告された内容についてはCRPSの判定指標を満たさない。自律神経症状、めまい、嘔吐があり、典型的なCRPSとは判断できない」。
 ワクチン接種との因果関係については、「時間的経過からワクチン接種との因果関係は否定できない」とされております。
 最後に、症例5でございます。
 本症例は、10代・女性で、1回目のワクチン接種から84日後に2回目の接種を受けられており、接種時の痛みはなかったとのことでございます。
 2回目の接種からおよそ60日後の接種143日後に微熱(37.5℃)があるとともに、両足のだるさ、重い感じ、しびれがあらわれたとのことでございます。
 接種146日後、解熱したが、両下肢の疼痛が出現し、その夜には疼痛が増強し、眠れずに急病診療所を受診されております。
 次の日の接種147日後も疼痛が持続し、接種148日後には疼痛及び筋力低下により歩行できなくなったとのことでございます。
 接種150日後に入院され、下肢の筋力低下、アロディニア、下肢の腱反射亢進が認められたとのことです。そのほか、両下肢疼痛があり、痛みの数値評価スケールで11段階の8であったとの報告もあります。その際の下肢神経伝導速度と心電図は正常でございました。
 接種168日後の退院まではその状況に変化はなかったとのことでございます。
 接種202日後の時点では両下肢疼痛は未回復でございまして、CRPSも未回復とされております。
 本症例のCRPSの評価につきましては、「CRPSの判定指標を満たさない。2回目の接種と症状発現までの期間が2カ月あり、潜伏期間が長いことや、両側性の症状が認められることから典型的なCRPSとは判断できない。下肢の深部腱反射亢進は、中枢神経疾患の存在を示唆しており、末梢神経疾患であるCRPSの病態に合致しない」。
 ワクチン接種との因果関係につきましては、「評価不能」とされております。
 以上でございます。
○桃井座長 資料の御説明、ありがとうございました。
 御討論あるいは御意見は、全てのデータを拝見して共有した上で最後に行いたいと思いますので、ここで、最後の資料7、複合性局所疼痛症候群の症例の御説明がございましたので、知識、認識を共通にするため、あるいは御専門の知識を御説明いただくためにも、本日、日本で最もこの疾患にお詳しい信州大学の池田教授に参考人として来ていただいていますので、まず池田教授からこれらの症例について御意見を拝聴したいと思います。
 池田先生、よろしくお願いいたします。
○池田参考人 信州大の池田です。

 「複合性局所疼痛症候群(CRPS)」という言葉が出てきましたが、多くの皆様は聞きなれない言葉ではないかと思います。簡単に説明させていただきます。

 複合性局所疼痛症候群というのは、以前の名前は「反射性交感神経性ジストロフィー」、すなわち、ここの頸部交感神経節がやられたために起こってくる病気、または腰部の場合もあるのですが、そういうふうに捉えられていた疾患です。
 症状としては、四肢遠位部の疼痛、血管運動反射の異常、皮膚の異栄養性変化、骨の脱灰などが起こってくる病気、すなわち手足を支配している交感神経が障害されてしまって、その結果、血管、皮膚、骨の成長がとまってしまう病態ということです。
 誘因としては、外傷とか脳卒中とか心筋梗塞というようなことが挙げられているのですが、半数くらいは誘因がわからないということになっています。
 病気は、最初は半側で、両側が同時に起こるということはほとんどなくて、圧倒的に上肢が多いのですが、一側の上肢の腫脹、疼痛、熱感、発汗過多があって、そのうちに皮膚が萎縮し、冷たくなる。最終的には皮膚が萎縮して関節拘縮が起こってしまうというような非常に慢性の病態であります。

 典型的な例を示しますが、この方は左上肢の痛みと力が入らないということで来られたのですが、2008年11月くらいから首から肩の疼痛が起こって、それが徐々に指先まで広がっていった。この疼痛が発作性に1日に何回も来るのです。非常に激しい痛みが発作的に繰り返される。そのうちに左肩が動かない、左手に力が入らないということで、大抵は整形外科の先生を受診するのですが、ここで五十肩として治療されたのですが、よくならないということで私のところへ来ました。

 この患者さんは、見ると、左手が右手に比べて明らかに腫れている、そして色が悪い。これを「チアノーゼ」と医者は言うのですが、青くなっていて、血流が悪いのです。そして左手が開かないという病態です。

 これを客観的に見るために指の動脈の脈波を見てみますと、脈波というのは、一番左の上に書いてあるように、二峰性の大きな波をとるのですが、この人は悪い左手ではほとんど脈波が平たんで、右手もそうなのです。症状が出ていないのですが、こういうふうに動脈の血流が非常に悪いということが客観的に捉えられます。

 この患者さんは、サーモグラフィーで皮膚温をはかってみますと、前腕以下、特に症状の強い左手は皮膚温が非常に低下している。普通は赤く映るのです。36度前後ある。ところが、32度とか、非常に冷たいということになるのです。
 症状を訴えていない右手にもあるのですが、こういうふうに症状に左右差があるというのが特徴です。

 この患者さんは、ペインクリニックで首に星状神経節ブロックという治療をすると、左手が星状神経節ブロック後ですが、ああいうふうに温かくなって、こういうふうに皮膚温もよくなってくる。

 こういうことを繰り返していることによって、手のむくみがとれて動くようになるということが見られるのです。

 治療を早期に開始しないとわからないということと、必ず客観的なデータをとっていかないと診断にならないということです。

 この患者さんは、3年前から左の頸部の痛み、そして左手の痛みが出てしまったということなのですが、寝ているときも首を右側にしていないと痛くて左の首を動かせない、さわっただけで飛び上がるほど痛い。こういうのを「アロディニア」と言うのです。
 STIR法という特殊な方法でMRIを撮ると、首からここへ出ていく神経がきれいに映っているのですが、痛い痛いと言っている左側のほうがより白く、神経が腫れているように見えるのです。多分この辺に病変があるのだろうと今、推測されている。
 こういうふうなMRIできちんとしたスタディーをして、客観的な所見をとるということです。

 この患者さんは、3年たっていたのですが、IVIg、免疫グロブリンの大量静注療法とステロイドパルス療法というのを2クールやって、首が少しずつ動くようになってきた。

 それだけでなくて、最終的にはペインクリニックで星状神経節ブロックという治療をして、こういうふうになって社会へ復帰できるようになった。
 治療は、何をやればいいというふうに決まったスタンダードはありません。これは手探りで幾つかのことを加えてやっていかないとよくならないという状態です。

 これが今の日本で使われているCRPSの診断基準ですが、一つは痛覚過敏です。これはアロディニアと言います。そして皮膚の非対称の皮膚温の変化、色調変化、浮腫、発汗過多、減少。
 最終的には関節拘縮、手も萎縮してきて動かないということなのですが、これは実は原因が明らかであるものとないものとあって、多くは原因がわかりません。原因がわからない中に腕神経叢炎というものが入ってきているのです。

 腕神経叢炎というのは何か。その代表が神経痛性筋萎縮症というのですが、突然一側の上肢から肩にかけて激しい痛みが起こって、そして痛みがやんだころから筋肉の麻痺が起こり、手が挙がらなくなる。そして筋萎縮が起こってしまう。この患者さんは右側の肩からごそっとやせているのですが、こういう病気があります。
 これは運動負荷とか外傷とかウイルス感染とかワクチン接種等が誘因になるだろうと言われていて、比較的頻度の多い病気です。
 痛い痛いと言っているうちに手が動かなくなってしまう病気で、肩周囲の筋肉が強くやられて、先ほどの言葉にあるのですが、脱神経筋萎縮というふうになってしまいます。

 それに関しては、ここの腕神経叢というところに病変があるのだということで、免疫介在性ではないかということで、今、MRIを撮って、この部位が悪い場合はこうというようなことがわかってきております。

 これが代表的なのですが、近位筋がこういうふうに手が挙がらないという場合は、ああいうふうに上部の神経束が、手首以下が麻痺した場合は、下部の神経束がこういうふうにわかるようになっております。

 これに関しては、必ずしもこういう病気、CRPSも腕神経叢炎も一般の先生方は御存じない。大抵は整形外科を受診されるのですが、そこからなかなか診断にいかないということで、私たちは、厚生科学研究費の補助を受けて研究班をつくって、こういう簡便な診断のガイドラインとかそういうことを一生懸命して、一般の先生方に周知徹底を図っているわけです。

 きょう、山口の神田先生もいらっしゃっていますが、こういう診療をできるお医者さんは非常に少ない。私たちのグループは、整形外科、特に手の外科を専門としている先生、末梢神経を専門としている先生、ペインクリニックを専門としている先生たちを集めてこういう研究班をつくって、こういう病気が正確な診断をされ、治療に行くようにということを厚生労働省の研究費の補助を受けてやっております。

 昨年、こういうふうにNHKで「慢性疼痛」ということで取り上げていただいたのですが、CRPSというのは慢性なのです。数カ月から数年で出てくる。1日や2日でぴゅっと出て、ぴゅっと消えるような病態ではないということなのです。

 自分自身が神経内科なので、「慢性疼痛は、専門医である神経内科医が」というのを最後につけていつも話をするのですが、こういう病気の診断というのは、神経内科ならどこへ行ってもできるかというと、必ずしもそうではないのです。神経内科の中、または整形外科の中でも手の末梢神経をやっている専門の医師でないとできないということがあります。
 こういうデータは、専門医がきちんと集めたデータでない限り、いろんな報告を持ってきてくれても、そのデータの信頼性というものがわからないので、判定ができないということになります。
 したがって、CRPSと言われているものを正確に、きちんとしたデータを集めたいと思うならば、やはり専門家がきちんと診て評価すべきだろうと思います。
 たまたま私はこの会へ参加させていただいて思い出したことは、日本で狂牛病からの変異型クロイツフェルト・ヤコブ病という騒ぎがありました。あのときに厚生労働省がいち早く研究班を編成して、疑わしいという患者さんが出たら、その先生たちが直接見に行って全部データを集めたのです。そして検討されて、日本では変異型CJDからうつったクロイツフェルト・ヤコブ病というのは1例しかいなかった、残りの疑わしい例は全部違う別の病気だったということが明らかにされた。
 私は、たまたま変異型クロイツフェルト・ヤコブ病が報告された1986年ころ、英国にいて、スクレイピー研究所へ行ったりして、ちょうど仕事をしていたのですが、英国ではああいうふうな体制はとれなかったのです。きょう、厚生労働省がいるから言うわけではないのですが、厚生労働省が非常にしっかりして、主導的にああいうことをやったから、日本は水際できちんと防げて、そして正確な資料を分析できたのだというふうに思っております。
 だから、若い女性で、日本の将来をこれから担っていく人たちだと思うのですが、正確なこと、原因を突き詰めたいということであるならば、やはり専門家がきちんとやるべきではないかというのが私の個人的な見解であります。
 以上でございます。
○桃井座長 ありがとうございました。
 CRPSについて概略と症例をお示しいただいて、御説明をいただきました。
 御質問等がお有りになると思いますけれども、議論の中でお伺いしながら議論を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、資料の御説明に移らせていただきます。
 本日は、子宮頸がん予防ワクチン接種後のさまざまな体調不良について、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会へ相談された事例が厚労省にも情報提供されております。それらの事例についても内容を確認して、議論に供したいと思いますので、資料8について、事務局の御説明をお願いいたします。
○宮本予防接種室長 資料8は、全国子宮頸がん予防ワクチン被害者連絡会から先週いただきました情報をもとに整理をしたものでございまして、1枚目に概要、2枚目以降に各事例につきまして御報告いただきましたものをもう少し詳細にまとめております。
 各データにつきましては、それぞれの症例の方の親御さんが、経過などにつきまして御記入いただいたものを私どものほうに提供いただいておりまして、その内容をまとめたものでございます。
 通常の副反応報告の流れにつきましては、申し上げましたとおり、医療機関のほうで副反応を認識し、私どもに御報告いただくということが通常の流れとなっておりますけれども、その経過とは別に参考の情報ということでいただきましたので、今後、私どもといたしましては、この情報の補充を自治体、医療機関とともに図ってまいりたいと思っております。
 内容のほうを簡単に御紹介いたします。
 全体で24件でございます。25件の情報の提供をいただきましたが、それぞれの方に調査の御希望の有無を改めて確認いたしましたところ、1件については、これ以上の調査、確認を希望されないということでございましたので、24件となっています。
 年代につきましては、10代の方が23名、20代の方が1名です。
 接種の回数につきましては、1回の方が3名、2回の方が8名、3回の方が12名で、不明の方が1名です。
 サーバリックスとガーダシル、どちらを受けたかにつきましては、サーバリックスが16名、ガーダシルが5名、不明の方が3名でありました。
 主訴につきましては、全体的に多様な主訴を訴えておられます。じんま疹、せき、眼瞼けいれん、不随意運動、疲労感、過呼吸、発熱、四肢、背中などの痛み、歩行が不可能であるというようなこと、さまざまな訴えがございます。
 また、医療機関にかかられている状況や、そこで受けている治療、診断などについてもさまざまなものがございました。
 これまでの副反応報告の中で、企業や医療機関から報告が既にされている例もございます。これは既にこの会の中で御検討いただいたものですが、それについては○印がついております。
 それぞれの番号は1枚目と2枚目以降が対応しておりますので、ご覧いただければと思います。
 簡単ですが、以上です。
○桃井座長 ありがとうございます。
 それでは、引き続いて、ワクチンを接種される方が、この効果、そして現在判断できるリスク等に関する情報を広く得られるということは大変大事だと思いますので、きょうの議論にかかわらず、それらの情報提供は極めて重要で、迅速にすべきことだと思われますので、資料9に医療機関に配付する情報提供資料(案)が出されております。これについても御説明ください。
○宮本予防接種室長 資料9-1から9-3を御用意いただきたいと思います。
 9-1につきましては、子宮頸がん予防ワクチンの接種に当たって、接種を受ける方に御理解をいただきたい内容をできるだけ簡略に、また正確にまとめたものをご覧いただきたいということで、まとめております。
 子宮頸がん予防ワクチンの考え方、有効性、そのリスクや副反応に出されております疾患、症状の頻度。反対側に移りまして、用法・用量・接種間隔、接種を控えるべき方、接種上の注意、重篤な副反応が発生した場合の救済制度の概要、そういったものを御理解いただいた上で、子宮頸がん予防ワクチンの接種は強制ではないこと、こういった有効性やリスクなどの情報について十分御理解した上で、接種を受けるかどうか判断をいただくということを各現場でお伝えいただければありがたいということで、まとめております。
 この背景となりますデータにつきまして、最新のものを簡単に9-2と9-3にまとめております。
 特にリスクにつきましては9-3のほうでまとめておるので、少しご覧いただきたいと思います。
 副反応につきましては、医薬品の開発の段階で治験が行われる中で明らかになるわけですが、治験の大きさ、対象の人数は限られております。頻度の低い副反応につきましては、その後の副反応報告の中の状況、それをきっかけにより詳しい分析、調査を行ったもので評価をしていくという流れになります。
 世界のHPVのワクチンの検討の中で、治験の結果をまとめたメタアナリシスの結果も含めて、ワクチン接種群とコントロール群との間で大きな副反応のリスクに差は見られないという形でまとめられております。
 販売後の分析につきましては、アメリカで医療保険のデータベース、治療がその中で全て行われるHMOという仕組みがございます。こういった医療保険のデータベース、ワクチンの接種の記録もその中に含まれておりますので、そのデータを分析した大規模な結果が示されております。これらの中では大きな副反応の差というのは見られていないというふうに示されておりまして、これらのデータなどを踏まえまして、やはりアメリカになりますが、Institute of Medicine of The National Academiesが行っております各ワクチンのデータに基づきました副反応に関します総合評価の中で、いろいろと懸念が示されております各疾患につきましては、今のところ否定もしくは肯定に足るエビデンスはないということで、まとめられております。
 一つ、アナフィラキシーにつきましては、他のワクチンにも指摘されておりますが、その因果関係を肯定するに足るエビデンスが蓄積されているということで、まとめられております。
 こういったデータを踏まえまして正確に情報をお伝えできればと考えております。
 以上です。
○桃井座長 ありがとうございます。
 大変大部の資料を御説明いただきました。
 これから議論に入りたいと思いますけれども、その前に資料10に、事務局から論点の整理という用紙が用意されています。その論点整理にかかわらず広く御議論をいただきたいと思いますが、まずは資料10の御説明をお願いいたします。
○宮本予防接種室長 これまで御検討いただきましたデータに基づきまして御検討いただきたい内容ということで、まとめております。簡単に御紹介いたします。
 1つ目としまして、CRPS(複合性局所疼痛症候群)とされる例について、どのように評価するか。
 2つ目としまして、保護者等より提出された、先ほど御紹介しました例について、現在のところではどのように評価をいただけるか。
 そのほか、これまでに報告された副反応の例についてどのように評価をいただけるか。また、副反応の頻度や重症度について、あわせてどのように評価をいただけるか、御検討をお願いしたいと思います。
 4つ目としまして、現在の状況を踏まえ、予防接種の現場で行うべき対応としまして、今、御紹介いたしましたように、正確な情報を伝えるというような考え方ではいかがかと私どもは考えておりますが、どのように対応を行うべきか、御検討いただければと思います。
 5つ目といたしまして、今後、副反応に関する情報収集と分析、本日御紹介いただきました例などもあわせまして、どのようにすべきか御示唆いただきたいと思います。
 最後に、子宮頸がん予防ワクチンの予防接種法に基づく接種、現在進めておりますプログラムを一時中止し、副反応の状況を確認していく形で進めていくべきかどうか。こちらについても御検討いただきたいと思います。
 以上です。
○桃井座長 ありがとうございます。
 それでは、御議論を始めさせていただきたいと思いますが、議論の最初に、資料が大変大部でございましたので、それへの不明点の御質問がお有りになれば、いただきたいと思います。いかがでしょうか。
 では、進めながら議論の中で御不明な点は御質問くださいますようにお願いします。
 最初に、重症例の中にCRPSあるいはその疑いという症例、慢性疼痛を主体の訴えとする症例がございましたので、池田先生から先ほど御説明いただきましたが、まず池田先生の御説明に対して、CRPSそのものについて少し御質問をいただいて、お答えいただいた上で、症例をどう考えるかという御議論の進め方にしていきたいと思います。
 御質問はいかがでしょうか。どうぞ。
○永井委員 CRPSの診断基準に合わない症例、きょう提示された症例はそうなのですけれども、CRPSという診断の周辺疾患というものは存在するのでしょうか。類似疾患というくくりはあるのでしょうか。
○池田参考人 先生、そのとおりで、先ほど私が言いましたけれども、CRPSに類似している病態として腕神経叢炎というものもありますし、先ほど非常に適切な言葉、「自律神経障害を伴う神経因性疼痛」という言葉が症例3か何かにあったと思うのですが、そういう病態があるのです。
 例えば手の色が悪くなって、痛みがあって、注射をした翌日からなって、数日で消えていったというのは、そういう意味では、確かに頸部交感神経の自律神経障害があって、血管運動障害があったのだと思います。そういうのは、こういう言葉のほうが正しい。自律神経障害を伴う神経因性疼痛という急性反応だったと捉えたほうがよい。
 CRPSという言葉の意味することは、多分非常に慢性の病態であり、これは治すことが非常に難しいという意味を今は反映してしまうので、適切な用語ではないのではないかと思います。
○永井委員 とりあえず大ざっぱにくくって、それから分かれていくだろうということでよろしいのでしょうか。CRPSというくくりの中でそれぞれ分かれて、新しい病名とかができていく可能性もあるということですか。
○池田参考人 逆に、「CRPS」とつけてしまうとそういう固定的な概念に入ってしまうので、分け得ないので、先ほど言ったような症状の列記の言葉のほうが正しい。「自律神経障害を伴う神経因性疼痛」とつけておいたほうが正しいというふうに思います。
○永井委員 もう一点ですけれども、先生が御紹介いただきました神経痛性筋萎縮症は、ちらっとスライドで拝見したのですが、北欧のデータでしょうか、頻度が10万人中20~30人ということですが、日本ではそういったデータがありますでしょうか。
○池田参考人 今、私どもが研究班として集めているのですが、頻度としてはもう少し多いと考えております。
○永井委員 ありがとうございます。
○桃井座長 ほかにいかがでしょうか。多屋先生、どうぞ。
○多屋委員 いろいろ詳しくありがとうございました。
 CRPSという病態をできるだけ起こさないようにする方法とか、そういう症状が出たかなと思ったときにどのように対処すればよいとか、そういうものはあるのでしょうか。
○池田参考人 CRPS自身がどういう機序で起こってきているのかというのがわかっていないのです。CRPSというのは、結果を見て診断しているのであって、その機序は非常に複雑だと思うので、予防法とか、エビデンスを持ったものはないと思います。
○桃井座長 ほかにいかがですか。岡田先生、どうぞ。
○岡田委員 詳しい情報をありがとうございました。
 HPVワクチンだけではなくて、今まで10代にも例えばインフルエンザのワクチンがたくさん打たれていますけれども、今まで国内でHPVワクチン以外でCRPSあるいはその痛みがあったとかという例はあるのでしょうか。
○池田参考人 私は、どういうワクチンでどういうことが起こっていたかということは知らないのです。ただし、先ほど言いました腕神経叢炎の原因としては、5~8%がワクチン接種後に起こるというのは教科書的に書かれている事実です。だから、腕神経叢炎の特発性腕神経叢炎と呼ばれているものの原因として、5~8%がワクチン接種後であるということは教科書的に書かれております。
○岡田委員 HPVワクチンは、三角筋の部位にやりますから上のほうにやります。今までは多くのワクチンが余り上ではなくて、真ん中であったり、下のほうにやられてきた。そういう可能性も少しあるのでしょうか。
○池田参考人 私はそこまではわかりません。ただ、恐らくワクチン接種後の腕神経叢炎が起こるというのは、腕神経叢炎の多くの原因が免疫異常ではないか。だから、注射を打ったことによる免疫反応としてここに炎症が起こるという考え方だと思います。先生がおっしゃるように、ダイレクトにここから神経に薬液が入って、ここに炎症を起こすというような考え方ではないと思います。
○岡田委員 局所反応ではないという意味ですか。
○池田参考人 と思います。
○岡田委員 ありがとうございました。
○桃井座長 ほかに御質問いかがでしょうか。
 私から1つお伺いしたいのは、海外の例では、ワクチン接種から余り間を置かずに、直後であっても「CRPS」という診断がつけられている例があるように思うのですけれども、CRPSの診断基準というのがまだなくて、診断の参考の指標のような形になっている段階なので余計難しいのだと思うのですが、直後であって、臨床的な印象としてCRPSと乖離があるけれども診断できないというような時間経過に関しては、今、どういう合意といいますか、考え方をすればいいのでしょうか。
○池田参考人 先生、それは僕もわかりませんが、日本のペインクリニック学会とか、幾つかのところで診断基準を出しているのですが、CRPSは慢性疼痛の一種なので、注射直後に自律神経障害の症状が出たから、ある一断面を見て、CRPSの患者さんの症状とよく合うということをもってCRPSとしないほうがいいと思います。あくまでもそういう症状、自律神経障害を伴った、血管運動反射の異常を伴った末梢神経障害性疼痛であって、そういう病態として捉えたほうがいいのではないかなと思います。とにかくCRPSと言ってしまうと、今、専門家の間では非常に治りにくい病態だというふうな印象を植えつけてしまうし、そういうふうに言うことはどうかなというのが私の個人的考えです。
○桃井座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○倉根委員 男女差と年齢分布と人種差というのはありますか。
○池田参考人 CRPSは女性に多いと思います。私は神経内科医なので大人しか診ないのですが、私どものところへ紹介されてくる患者さんは、20代から50代くらいの女性が圧倒的に多いと思っております。
○桃井座長 小児に関して、熊田先生、何か御意見ございますか。
○熊田委員 僣越でございますけれども、やはり思春期前後の女性に時々見られる症状だと思うので、ワクチンを打つ時期と一致しているということがあるのではないかと思います。
○桃井座長 岡部先生、どうぞ。
○岡部委員 岡部です。
 小児のワクチンということで、余り聞いたことがない経験だったので、いろいろ文献なども拝見したのですけれども、よくわからない。自律神経障害が原因ではなかろうかというふうに考えると、自律神経障害を起こす原因というのは非常に多様性であって、なかなか特定しにくいところがあると思うのです。もしそうだとすると、これは何らかの集積性を見ないと、因果関係がありそうだ、なさそうだということが言いにくいのではないかと思うのです。
 この症候群がワクチンと関連があるというように考えた場合に、今、倉根先生からも年齢とか人種差ということがありましたが、今、男女差、年齢差のお答えもあったのですけれども、ワクチンのある特定のものによるものなのか、あるいは普遍的にワクチンという行為で起きてしまうのか、その辺のところの解析はなされているのでしょうか。
○池田参考人 それに関しては、私は全くわかりません。
○岡部委員 ありがとうございます。
○桃井座長 御質問はいかがでしょうか。どうぞ。
○神田参考人 一つこの病気で考えておかなければいけないのは、ワクチンという行為でなくて、要するに、注射という行為で起こり得ることであるということだと思います。正中神経の採血でも起こる場合がございます。ですから、針を刺したという行為で十分起こり得る病気であるということを頭の中に置かなければいけないので、ワクチンの副反応という面もあるだろうし、外傷という面からも考えなくていけない。2つの面があるというふうに理解しておかないといけないかなと思います。
○桃井座長 それは何についてでしょうか。CRPSについての御意見でいらっしゃいますね。
○神田参考人 CRPSについてです。
○桃井座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○岡部委員 今のところもちょっと複合的で、2つの要因が絡んでいる話だと思うのですけれども、免疫反応をもし起こすのだとすれば、それは外傷といったようなものではなく、ワクチン液に起因する可能性があると思うのです。
 しかし、先生がおっしゃったように輸血であるとか採血でも起こり得るのだとすれば、外傷性の予防接種という行為になるだろうと思うのですが、そのバランスも、結局、この病態についてはまだよくわからないというふうに考えていいのでしょうか。あるいは採血、あるいは輸血のための採血をしたときのCRPSは外傷性だけれども、別の要因もあるというような考え方になるのでしょうか。もちろん、不明のことも多いと思うのです。
○神田参考人 結局、痛みが中心の病気ということになりますので、前回の検討会でも話しましたけれども、客観的な証拠というのが非常に重要なことで、もう一つは、この病気をよく知っている人間がちゃんと診ないと、この診断というのは本当にできないのだというふうに思っていただいてよろしいかと思います。
 ただ、この注射を打ったことで出てくるこういうものが副反応ではないということを言っているわけではなくて、こういう広い範囲のものがあり得る。ただし、これに「CRPS」という名前をつけるのは余り妥当ではないものがかなりまじっているということだろうと思います。
○桃井座長 どうぞ。
○岡田委員 神田先生の先ほどのコメントですけれども、注射という行為で起こるのだったら、今までも起こっていておかしくなさそうに思うのですが、今までは皆さんが余り認識をされていなかったということなのでしょうか。
○神田参考人 一つは、池田先生がおっしゃったとおり、この病気は若い女性にとても多い病気で、僕のところに来る患者さんは大体20から40ぐらいの女性が圧倒的に多いという性格があります。ですから、このワクチン注射そのものがちょうどその年代に当てはまっているというところが一つ大きな要因になり得る可能性はあるかなと考えております。
○桃井座長 CRPSについての御説明とこの症例は何なのだという御説明で、ちょっと議論が交錯しているようでございますので、御議論の中でも御質問をいただきますが、御質問は以上でよろしいでしょうか。
 では、CRPSとされる症例5例について、現時点でどう考えたらよいか、あるいは判断できるのか、できないのかということについて御意見を頂戴したいと思います。
 全体についてでも結構でございますが、1例目はいかがでしょうか。
 まず、この症例についてどう考えるかという御意見を御専門の池田先生あるいは神田先生から頂戴したいと思います。
○池田参考人 症例1に関しては、関節鏡で撮った組織の病理まで出ていて、これは滑膜の増殖があって、関節炎であるということがはっきりしているので、この例はCRPSということにはならないというふうに思います。
○桃井座長 どうぞ。
○神田参考人 私も同じ意見でございます。
○桃井座長 1例目は医学的データも明らかであるようですので、直接の影響による関節炎が生じたという判断が医学的にもなされやすいという御意見ですが、ほかの御意見がお有りになりますでしょうか。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○桃井座長 それでは、2例目について御意見を頂戴します。
 池田先生、お願いします。
○池田参考人 2例目に関しては、注射を打った直後から症状が出ていることと、CRPSというのは手足が痛いから動かさないのですが、不随意運動として動かしているというような点は、CRPSというものに合致する部分が少ないのかなというふうに思っています。
 ただ、それ以外のデータが不完全なのですが、通常のCRPSというものの時間経過と合わないなというふうに考えております。
○桃井座長 神田先生、お願いします。
○神田参考人 このケースも通常のCRPSの発現の時間よりちょっと早いかなという感じはあるのですが、入院したとき、腕全体の色がどす黒いとか、レギチーン10mgの負荷試験でよくなっているとか、いろんなsympathetic nerveの障害が出てくることを示唆するような所見がございます。この主治医の先生は、多分CRPSのことをよく御存じの方だろうというふうな感じがいたします。
 ただ、典型的なCRPSは、とても言いにくいのですけれども、先ほど池田先生がおっしゃったような、ワクチンあるいは外傷に伴う交感神経性の異常を伴う神経障害という範疇にはくくってもいいかもしれない症例ということがあります。
 ただし、不随意運動であるとか自発運動に関しては、ちょっと評価が難しいかなというふうに考えております。
○桃井座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。
 これは、疼痛及び自律神経症状に関しては転帰が不明となっておりますので、接種30日後に出た、ばたつかせるとか解離症状とか、それらの時点で激しい疼痛がまだあったかどうかということは、この書面ではよくわかりませんので、この書面だけで医学的な判断をするのは難しいように思いますが、少なくとも転帰は不明であっても、自律神経障害を伴う疼痛が生じていて、それが慢性に経過しているのかどうかというのは、これからは不明である。そういう理解でよろしいのでしょうか。
○神田参考人 はい。
○桃井座長 なおかつ接種30日後の非常に多彩な長期にわたる症状については、これだけではいかんとも医学的判断が難しいように思うのですけれども、いかがでしょうか。御専門の先生を初めとして、御意見をいただけますでしょうか。
 熊田先生、いかがでしょうか。
○熊田委員 先生の御意見のとおり、打った直後に疼痛、腫脹があって、何らかの交感神経の異常を伴う疼痛が生じたということに関しては、ワクチンとの関係があるかもしれないと思われますが、これについての長期経過はちょっとわからない。
 30日後以降の症状に関しては、いわゆるCRPSという症状とは全く異なりますし、これに関しては、ほかの原因が恐らく濃厚に考えられるのではないかというふうに考えます。
○桃井座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見をいただけますでしょうか。
 特に転帰が不明でございますので、不明な点がありますが、疼痛に関しては、先ほど御意見を頂戴したように、可能性が高いということだろうと思います。
 3番目の症例でございますが、池田先生、いかがでしょうか。
○池田参考人 この患者さんは、ここに書かれている「自律神経徴候を伴う神経原性疼痛症候群」という捉え方でいいと思っています。
 この方は、非常に短時間で発現して、短時間でよくなっているので、自律神経障害があったことは確かですし、神経痛性の痛みがワクチン接種後に起こったことは確かなのですが、CRPSという範疇とはちょっと違うというふうに考えます。
○桃井座長 どうぞ。
○神田参考人 私も池田先生の御意見と全く一緒です。
○桃井座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、4例目でございますが、池田先生、御意見をお願いいたします。
○池田参考人 この人は、ワクチン接種後のめまい、吐き気、そういうものであって、CRPSとあえて言うような症状は出していないのではないかというふうに思います。
○桃井座長 では、何かというところも問題になると思うのですが、神田先生、いかがでしょう。
○神田参考人 何かと言われると難しいのでありますけれども、少なくともこの患者さんが私のところに来たら、CRPSという診断はしないだろうと思います。
 場所的に右肩から鼠径部ということですので、通常、CRPSというのは、やった局所というのがスタートの場所でございますので、やはりこれも違うだろう。では、何だと言われるととても難しいのですが、少なくともCRPSの範疇には入らないものであろうという理解でいいかなと思います。
○桃井座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。
 これも、どういう病態なのかというのは、この情報だけでは十分に判定しにくいけれども、CRPSとは言えないということであります。
 5番目の症例はいかがでしょうか。池田先生、お願いします。
○池田参考人 この患者さんについても、かなりプロフェッショナルな先生がご覧になっていると思うのですが、148日以降の症状、アロディニアなり痛みで歩けないという点、神経伝導速度等が正常という点ではCRPSの部分症状を確かに示していると思います。だけど、下肢の腱反射の亢進とか、そういうことがあるというのは、CRPSだけで説明できるのかというと、先ほど言ったような脳脊髄炎とか、そういう病態もバックにある可能性があるのではないかと考えました。
○桃井座長 どうぞ。
○神田参考人 接種から発症までに非常に時間があります。ですから、これは通常CRPSと私たちは考えません。接種から発症までの間が84日と非常に長い時間がかかっているということと、症状そのものが下肢に限局であるということ、腱反射が亢進しているというような中枢神経の症状が疑われるような症状があるという点が、CRPSとは違うものであろうと考えていいと思うのですが、では、何かと言われると、僕はコメントしかねます。ただし、痛みが非常に強い症状があって、運動障害もあるということですから、これはこのままで理解するべきだろうと思います。
 ただ、84日かかってということになると、接種とは余り関係のないことである可能性もあるのかなというふうに私は思います。だから、これはCRPSという名前はつけないで、こういうことがあったという記載にとどめておくべきではないかなというふうに考えます。
○桃井座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、この5例につきましては少し詳細に御意見を頂戴いたしました。不明な点も大変多いものですから、最終的な診断がつかない例もございますが、慢性疼痛だけでCRPSとしてしまわないほうがよいということ、ほかの診断名の御示唆もいただきました。
 まとめて何か御意見がお有りになりますでしょうか。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○桃井座長 それでは、ほかの症例も御意見を頂戴して最終的な結論を得たいと思います。
 先ほどの資料で保護者から提出された症例がたくさんございました。資料8をご覧いただいて、非常に多彩な症例が上がってきておりますので、それらにつきまして、どう考えるか、あるいは御質問も含めて御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
 少し見ていただく時間が必要であれば、1分ぐらい見ていただきまして、御意見を頂戴したいと思います。
 この資料だけでは医学的にはいかんともコメントしづらいですし、データ不足だと思いますが、不十分な医学的なデータであるということを前提として何か御意見を頂戴できればと思います。
 池田先生、何か御意見がお有りになりますか。
○池田参考人 私は、診療科の関係でリウマチの患者さんもよく診ているのですが、接種後、反応性の関節炎ではないかと思うのですが、かなり関節炎が出て、それが結構難治で、簡単におさまらず、トシリズマブとか生物学的製剤まで使っている。トシリズマブとメトトレキサートを組み合わせるというのは、かなりのリウマチの治療なので、こういうことまでやらざるを得ないくらいの症状が出ているのだなというふうに思いました。
○桃井座長 それは、予防接種との関連があるとすると、アジュバントによる関節炎のような病態と考えてよろしいのですか。
○池田参考人 ええ。だから、アジュバント関連関節炎とかワクチン接種後関節炎としてはかなり重篤なものが出ているのだなというふうに拝見しました。
○桃井座長 ほかに御意見はいかがでしょうか。多屋先生、どうぞ。
○多屋委員 今の経過というのが十分わからないのですけれども、現在も症状がお続きになっていらっしゃるのであれば、○が右の一番端の列にございますが、池田先生や神田先生のようにこういう分野を御専門にされている先生と一度御一緒に御相談をいただければと思ったことが一つ。
 接種からの時期が、翌日から始まって1年までと非常に幅広く、多彩な症状が網羅されてございますので、接種から病状発症までの期間なども踏まえまして、医療機関のこういう病態を専門にされている先生と御相談いただくことができればというふうに思います。
○桃井座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はいかがですか。熊田先生、どうぞ。
○熊田委員 一つは、先ほど多屋先生もおっしゃったとおり、発症時期が接種からかなり時間がたっている症例がかなりいらして、「不明」という患者さんがいらっしゃる。ワクチンに伴う神経の疾患の場合は、ほとんど自己免疫性のものだと思うのですけれども、遅くとも28日以前ということが言われておると思いますので、打ってから発症までの時間がかなり長い症例が含まれているということが気になります。
 症状も非常に多彩で、典型的な神経の合併症としては、いわゆる末梢神経炎、ギラン・バレー症候群とか、いわゆるADEMと言われるような自己免疫性の脳炎が典型的だと思うのですけれども、そういうものには全く当てはまらない症状が非常に多く報告されているということ。
 先ほども多屋先生もおっしゃいましたが、医療機関からの報告と必ずしも伴わない。これは恐らく診ておられる先生が、ワクチンとの関係が余りはっきりしないと御判断になって報告されていないのだと思いますけれども、そういう発症時期からの関係、症状が典型的なワクチンの副作用で今まで報告されたものとはかなり違うということ、医療機関からの情報が少ないということを考えますと、こういった症状とワクチンとの関連性については慎重な議論が必要で、やはり専門家が十分に吟味をしないと、関連について結論づけるのはなかなか難しいような印象を受けました。
○桃井座長 岡部先生、どうぞ。
○岡部委員 一般論として、患者さんがある訴えをしたときに、それが本当かどうかというのは非常に客観性が難しいと思うのです。訴えとしてはあるけれども、客観的にはそうではない、あるいは逆の場合もある。
 これ自体はいろいろな症状があるのですが、今、何人かの先生がおっしゃったように、非常にばらばらであるので、現在、この症状について、かなり社会的にも問題になっているというのであれば、一定の症例定義みたいなものを置いて、それに当てはまっていくのか、当てはまっていかないのか、あるいは例外的なものならば、どういうものかといったような調査をしないと、これだけで判断するというのは、どちらにいくにしても危険度が高いだろうと思います。
○桃井座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はいかがでしょう。どうぞ。
○薗部委員 アクテムラや何かを使った症例に関して、関節炎が打った場所とは違うところに起こったということを全部含めて、これはあくまでワクチンの有害事象報告ですから、有害事象が真の副作用なのか、偽の副作用なのかということを見極めるために、まず第一に、世界中でこのタイプのワクチンを打ったら、こういう関節炎が頻度として多く出ているのかという調査をする必要があるし、今後、この副作用調査を続けていくわけですから、そういう中で、本当に頻度が多くなってくれば真の副作用と考えるべきで、現時点で「否定できない」と言ったら、全て否定できなくなりますから、客観性を持ってやっていくことが大切だと思っております。
○桃井座長 ほかにいかがでしょうか。御意見がお有りになりますでしょうか。
 これらの症例を今後どのように扱っていったらいいか、こういう症例群に対して、どのような対応をとったらいいかということを含めて御意見を頂戴できればと思います。どうぞ。
○岡部委員 予防接種の後にある現象、症候として生じるわけですけれども、できれば有害事象症例、つまり、関連ある、なしにかかわらず、あるものの症状について見て、それが集積性があるのかどうかというのを見ていかないといけないと思うのです。
 もし調査をするのだとしたら、先ほど申し上げましたようなある一定の症例定義をおいて、それに当てはまるのが多いのかどうかということ、これは疫学的調査になるわけですけれども、それをやる必要があるだろうと思います。
 ただ、それで非常に珍しい個別の例が全て関連ないというふうには言い切れないので、そこは個別的な判断であって、全体の判断とは別の判断をする必要があると思います。
○桃井座長 ほかに御意見等がお有りになりますか。
 資料8の症例の方々に関しては、御意見を頂戴したように、発症時期が不明なものも少なからず含まれていたり、関連性、病態も含めて判断をするにはデータが非常に不十分であると思いますので、もう少しデータの収集が必要であるか、ないかについても御意見をいただきたいと思います。これだけ出ている以上、より正確な医学的な収集が必要であるとは思いますが、そういう御意見でよろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○桃井座長 ありがとうございます。
 それでは、次の論点に移りますが、これまでにも既に御意見を頂戴いたしましたが、これらの報告された副反応について、全体としてどう考えるか。頻度、重症度についても大変大部の資料が説明をされましたが、それらについて、どう評価をするか。それらの評価に足りないデータはあるのかということも含めて御意見を頂戴したいと思います。
○宮本予防接種室長 座長、失礼します。
○桃井座長 どうぞ。
○宮本予防接種室長 一つ御相談なのですが、本日御紹介しましたデータの中で新しく死亡事例を取りあげております。これにつきましてもどのように考えるのか、御検討いただければと思っております。
○桃井座長 わかりました。
 重大案件の死亡報告、資料6-3に2例の死亡事例がございます。先ほど症例について御報告、御説明をいただきました。これについて御意見を頂戴します。いかがでしょうか。どうぞ。
○薗部委員 同時接種後の死亡例のときもそうなのですけれども、一般の方は、元気にしている人がそう簡単に亡くならないと思われているのですが、どの年齢層でもある程度一定の方は、年齢に応じた死因で亡くなりますので、特に今回の心臓に関しては、いつ亡くなっても不思議ではない方が一部にはおられますので、頻度が特別多くなれば別ですが、今回の例に関しては、一般的には違うというふうに判断して進めていくべきだろうと思っています。
 自殺に関しても、この年齢ではある一定の方、もっと多くおられると思いますので、差し当たり現時点においてはこのままで、検討はしますけれども、副作用として取り上げる必要はないと私は思っております。
○桃井座長 ありがとうございます。
 死亡例でございますので、もう一名の方に御意見をいただきたいと思いますが、お有りになりますか。
 今の御意見に反対の御意見をお持ちの方はいらっしゃるでしょうか。
 1例目は、心室頻拍発作による接種2日後の死亡、2例目は接種14日後の自死ということでありますので、これは医学的には関連性はなしという判断でよろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○桃井座長 ありがとうございます。
 それでは、先ほどのほうに戻らせていただきます。
 これまでに報告された副反応の例、あるいは頻度、重症度につきまして、今までの御議論を土台にして、まとめて御意見を頂戴できればと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○岡田委員 そうすると、資料9-1で、医療機関に配付する情報提供(案)の中で、複合性局所疼痛症候群の頻度、210万接種に1回というのは変わるというふうに考えてよろしいのですね。
○宮本予防接種室長 それぞれの時点でのデータに基づきまして提示していきたいと思いますので、御判断があれば、それに従いまして数値のほうは修正を図っていきたいと思います。
○桃井座長 多分今の御質問の趣旨は、挙げられた5例をCRPSと判断した時点で210万接種に1回という数字なのですかという御質問も含まれているように思うのです。
○岡田委員 本日の5例で、簡単に計算すると870万ぐらい接種されているのです。それで5例では210万にならない。
 今日の御専門の先生方から評価していただいて、CRPSではないという症例を除いた形で情報提供をしたほうがいいのかなとも思ったのです。
○宮本予防接種室長 御示唆のとおりだと思います。数字につきましては、5例目につきまして緊急に追加がありましたので、出し入れがありまして、変動しております。
○岡田委員 870の4ですね。
○宮本予防接種室長 はい。確定したものに対応いたしまして数値のほうを変更してまいりたいと思います。
○桃井座長 資料9に入る前に、現在の手持ちの情報を御議論いただいた結果を踏まえて、今の副反応全体についてどう考えるかという御意見を頂戴したいと思います。岡部先生、どうぞ。
○岡部委員 類似の意見になると思うのですが、リスクについての評価の仕方ですけれども、もともとが、アンダーラインで示してあるように、副反応報告という因果関係を問わずに収集しているものについて数字を出すと、こういう結果であったということになると思うのです。ですから、これは関連性のない、いわゆる有害事象を含めた報告数としてこういうものがあるというのがまず前提にあって、それに加えて、例えば本日の議論をもってCRPSということだけに集中して言うならば、CRPSは今までの接種例分の幾つあったというふうに別に書かないと、今後の症例が来たときに混乱が出てくるのではないかと思います。
○桃井座長 どうぞ。
○正林結核感染症課長 おっしゃるとおりにしたいと思います。
○桃井座長 御議論いただいたことを踏まえまして、今の時点での副反応全体についてどう考えるか。重症度、頻度についてどのように考えるかという御意見を頂戴した上で最終結論に行き、その結論によってはこの資料が必要になるということなのだろうと思いますが、いかがでしょうか。
 これは一番大事なところでございますので、ぜひ全員の先生に御意見を頂戴したいと思います。どうぞ。
○倉根委員 私も、疾患名がつく、まれに起こり得るかもしれない副反応については、複合性局所疼痛症候群のみでなく、この診断名が本当にそれでいいのかというのを詳細に見るべきではないかと思っております。他のワクチンでも、例えば急性散在性脳脊髄炎がある率で出るという報告が統計的にあったとしても、それを詳細に見てみると、そこの疾患には当たらないのではないかというのが入っているのもありましたし、あります。
 まれであり、かつ重篤であり、特に診断が比較的困難、あるいは難しいものについては、もう一度洗い直すという作業をどこかでする必要があるのではないかと思います。もう既に洗い直した結果においてこの数であるというのであれば、それでよろしいかと思います。
○桃井座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はいかがでしょうか。どうぞ。
○永井委員 打たれる方に配られるパンフレットにわかりやすく書くべきだと思っていまして、リスクについて、局所反応とか、打ったところが痛いとかいうのは、明確な副反応としていいのですけれども、先ほど岡部先生がおっしゃったように、そうでないのと一緒に書かれていると、絶対これが起こると。
 僕自身は個人的に「副反応」という言葉でいいのかと前からずっと思っていまして、「有害事象」というふうな言葉がいいと思うのです。
 因果関係がわからないけれども起こりましたというのを別枠でちゃんと出していただいて、ただ、そこにくっつけるべきもう一つのデータがあると思っているのは、打たない人たちでどのくらい起こるかという頻度が横っちょにないと、見た人は判断をするのが難しいと思うのです。
 先ほど池田先生にお伺いしましたけれども、CRPSの日本人の頻度については今、調査中のようですが、先ほどの北欧のデータだと、神経痛性筋萎縮症が10万人に20~30人。210万人に打つと400~600人という数字になってくるのです。北欧のデータと照らし合わせていいのかわからないのですけれども、圧倒的に普通の人にもいっぱい起こりますよという疾患になってしまうので、判断根拠、210万人に1回が多いのか、少ないのかというのは誰も判断しにくいわけです。
 ですから、ベースラインの疫学調査というのは非常に大事だと思っていまして、ぜひ比較できるものを載っけないと、見た方は判断に迷うと思います。
○桃井座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見を頂戴したいと思います。どうぞ。
○岡部委員 「子宮頸がん予防ワクチン接種に当たって」という注意書きの部分の話でもよろしいですか。
○桃井座長 今の時点で御議論いただいて、継続をするという結論になればこれが必要になるわけで、別の結論になれば必要がなくなりますので、その時点で御議論いただいてもいいかなと思います。
○岡部委員 わかりました。
○桃井座長 いかがでしょうか。
 現時点でこの副反応全体の重症度、頻度も含めたサイズについて、どのように考えたらいいか。
 先ほどの御議論からは、医学的データが転帰も含めて不足の部分が多いこと、診断がこれまで言われたCRPSではない例が多いこと等から考えますと、より詳細な症例の医学的な検索が必要であろうという御意見が大変多く出たと思いますし、それがなければ疫学的な数字も出ない、各国比較もできないということもございますので、ほかの論点にも移りますが、特に重症な症例、慢性に経過して治癒していない症例に関する詳細な調査は必要であろうという御意見でよろしいでしょうか。よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○桃井座長 もう一つの論点でございますが、現在の状況の中で疼痛に関する問題が大変多いわけでありますし、接種直後の疼痛が多く、一部は慢性に経過している例があるように思いますので、現在、予防接種の現場で注意すべき点はあるのかということに関しても御意見を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。
 筋注は筋注であり、筋注の部位は上腕の三角筋の部位であるということは、予防接種の審査の段階でそれを前提として安全性が協議されておりますので、その変更はもちろんできないわけでありますが、手技等に関して何か御意見がお有りになりますでしょうか。どうぞ。
○薗部委員 ガーダシルに関しては大腿部接種も認められておりますので、添付文書でちょっと違ってしまうのです。
 それから、今まで日本ではワクチン接種は皮下接種ということばかり言われてきて、筋注に対して正しい理解をされていない先生、特にワクチンの種類がふえて、今まで打ったことのない先生が打たれるということは、やはりいろいろトラブルの原因にもなりますので、こういうのは医師会などを通じて、その他いろんなところで啓発、接種する側の先生方への情報提供というのももっとすべきだと思っております。
○桃井座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 接種液の直接の影響で生じた関節炎というのは1例だけでございましたので、頻度としては極めて低いものと考えられますが、接種者、医療者へのさまざまな注意喚起は必要であろうと思います。
 それでは、先ほどいただきました足りない情報に関しまして、先ほども転帰等が不明であるということがございましたが、どのような情報を収集したらいいか、あるいはどのような形で収集したらいいかについて、何か御意見があれば承りたいと思います。
 いかがでしょうか。神田先生、池田先生、これらをより明らかにするために、5例に限りませんが、どのような情報収集が有効であるか。
○神田参考人 最初のステップは、主治医からの詳細な情報提供ということだろうと思いますけれども、例えばCRPSだけで見ておりましても、こういう病気を診ておられる先生と診ておられない先生ということで、専門家の中にもかなり偏りがございます。ですから、本当にCRPSが存在するかどうかということは、やはりちゃんとした専門家が診ないといけないかなというふうな印象は持っております。
 ただ、CRPSに関しましても、例えば骨シンチであるとか、MRIだとか、いろんな客観的な情報でかなり診断ができるものがございますので、まずそれを収集していただいて、それでも鑑定がつかないものに関して、どうするかということをこれから決めていくべきかなと考えています。
○桃井座長 池田先生、どうぞ。
○池田参考人 私が先ほど申し上げましたように、客観的なデータがなくては、論議していてもしようがないと思うのです。CRPSというのは、血管運動反射が欠如している、すなわち冷たくて、血流が行っていないとか、いろんな方法でああいうのは捉えられると思うのです。ただし、神経内科医が日常診療で、パーキンソン病をいろいろ診る中でそれをやりなさいと言われても、とてもできないと思うのです。これは急性の病態、きょう診なければとか、あした診なければとかという病態ではないので、全国的にきちんとしたデータを集めるならば、幾つかのブロックを設定して、その中でちゃんとそれが評価できる施設を選んで情報収集をしていくのが一番いいのかなと思います。
 決してこれは高頻度に出ている病態ではない、何万人に1人ということなので、そういう方が適切な評価をできる施設へ行って、ちゃんと見合う検査項目並びに審査所見の項目を選んで、それでデータを収集していくことが一番望ましいのかなと考えております。
○桃井座長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はいかがでしょうか。どうぞ。
○五十嵐委員 今までいろいろ副反応が出てきているわけですけれども、今回は「複合性局所疼痛症候群」という病名が非常にキーワードになっていると思います。池田先生や神田先生がいらっしゃいますので、そういう専門家の方の御指摘で、これを診断するためには、症状以外に、臨床経過もそうですけれども、こういうのがあると診断が非常につきやすいとか、あるいは確定的になるというポイントを、簡単なものでいいですので、厚労省としてお示しいただくと、現場では大変役に立つのではないかと思います。これは御依頼したいと思います。
○桃井座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。どのような情報、あるいはどのような情報収集の仕方をしたらいいかという2点について御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 今、先生方がおっしゃられたような医学的な情報をまずはより収集をすること、それだけでは何々疾患であるという結論がつきにくい可能性も十分ありますので、その結果、必要があれば専門医が診察をする体制を整える。
 また、全国的に頻度は少なくても患者さんが広くおられますので、患者さんの便宜を図るために、各地で専門医といいますか、診療できる情報、具体的にはこれから御相談をしたいと思いますが、どの専門医かも含めて情報を提供する。そういう御意見を頂戴したように思いますが、それでよろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○桃井座長 具体的な方法は、また御意見を伺いながら検討したいと思います。
 どうぞ。
○岡田委員 それ以外に、インフルエンザワクチンなど、20歳代、30歳代で打つワクチンがありますから、今までPMDAに集まってきたインフルエンザの任意のものについて、痛みとか、こういう症例がなかったかどうかを一度調べていただければありがたいなと思うのです。
○桃井座長 ありがとうございます。
 慢性の強度の疼痛で上がってきた例はほとんどないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
 データが必要であれば、それを出していただく。ただ、皮下と筋注の違いがございますので、比較になるかどうかわかりませんが、その必要性も御検討いただきたいと思います。
 それでは、御議論を広くいただきましたので、子宮頸がん予防ワクチンについて、現時点で予防接種法に基づく接種を継続するか、一時中止をするかという御意見を頂戴したいと思います。継続の場合には、この資料についての御意見をまた頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○薗部委員 これだけ資料がそろっていまして、これは世界と同じようなことですので、接種を中止するということは極めて重大な問題ですので、諸外国もやっているようにこういう検討はしますけれども、きょうの議論も全部踏まえると、接種を中止する必要は全くないと私は思っております。
○桃井座長 ほかに御意見を頂戴したいと思います。
 今までの御意見をまとめますと、現在集まっているデータで、頻度、重症度、診断、予後、転帰すらも明記されていない症例がございますので、中止するかどうかという重大な決定に関して判断をするデータがないように思います。とにかく迅速にデータを収集する。迅速にということは、患者さんの側にとっては大変重要になると思いますし、必要であります。迅速に判断のデータを収集した上で判断をする。今までの御議論の流れからそのようなことになるのではないかなというふうに思います。
 現時点で医学的に不十分なデータで中止という判断を加えるときには、当然何が改善されたら再開するかということが明記されないと中止ができませんので、不十分なデータであって、中止の根拠が明確でないときに中止をした場合には、再開の根拠も明確でなくなりますので、そういう論理からしますと、とにかく医学的には情報収集が先行されるべきだろうというふうな御議論の流れであったように思うのですが、いかがでしょうか。どうぞ。
○岡部委員 2年前でしょうか、ヒブワクチンあるいは肺炎球菌ワクチンのときにも議論がありました。私はそのときの取りまとめ役だったのですが、そのときの取りまとめでは、個々の例については、その可能性を全て否定できるわけではないので、それについての慎重な議論も必要ですし、またそれが全体として起きるかどうかというのは、積極的な調査、疫学的な調査が必要になってくる。
 ただし、それを総合的に考えた場合に、今度はワクチンをやらない場合のリスクということも総合的に考えて、中止にするかどうかというような判断をそのときにしたわけですけれども、そのときに、もし中止にしたとしても、やはり肺炎球菌、Hib感染症による犠牲の方は変わらないというようなところで、続行したという経緯があります。
 今回もそういうバランスを考える必要があるのではないかと思います。そこはそれぞれの先生の御意見が必要だと思うのですが、私は、個々の例についてきちんと調査、探究する必要はあるけれども、現在の不確定なことも含んで、集中的に多発しているということでないのであれば、全面的に中止にするということは、むしろ全体の不利益になるのではないかと思います。
○桃井座長 より多くの先生から御意見を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。できれば全員の先生から御意見を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。現時点でどうするか。現時点でというのは、きょうの時点でどうするかということでございます。御意見がお有りになりますでしょうか。どうぞ。
○倉根委員 私も今、岡部先生がおっしゃった意見とほぼ同様でございます。ただ、個々の事例については早急に解明するということが必要かと思います。非常に重要なことだと思います。
○桃井座長 ありがとうございます。
 中止、再開も、とにかく科学的な判断、その論拠が必要である。根拠というのは、なかなか予防接種の副反応で得にくいものですが、論拠が必要であると私個人としては思います。現時点で中止にするための論拠には余りに医学的なデータが欠け過ぎているように思います。その意味で、早急に医学的データを集積して、必要があれば専門医の診察も含めて、この症例がどういう症例なのか、その中にはもちろん予防接種との関連性あり、なしも含まれていますが、CRPSのみならず、慢性疼痛の訴えのみならず、関節炎の症例もございましたので、多様な症状に関して、より医学的なデータ収集が先行されるべきではないかと思います。その結果をもってまた判断をする必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 データ収集は、患者さんの不安に応えるためにも可能な限り迅速に行う必要があろうかと思います。いかがでしょうか。
 その方向性に御異論がお有りになりますでしょうか。どうぞ。
○薗部委員 補足させていただきますけれども、私の申し上げたかったことは、岡部先生がもう少し具体的に言っていただきましたが、今の収集が完全であるという意味ではございません。ただ、かなり情報があるということに関しては、私はそう思っております。
○桃井座長 ありがとうございます。
 先ほど私が申し上げたことについては、何か御異論がお有りになりますでしょうか。その方向でよろしいですか。
(「はい」と声あり)
○桃井座長 可能な限り迅速に医学的判断が下せる状況をつくるということでございます。
 その上で、資料9について修正、訂正等の御議論をいただきたいと思います。どうぞ。
○岡部委員 資料9-1、情報提供ということではもっともだと思うので、先ほどのリスクについての数の点は、確認のためにきちんとやっていただきたいという意見です。
 7番目の重篤な副反応発生時の救済制度ももちろん結構です。
 その下の四角のところ「子宮頸がん予防ワクチンの接種は強制ではありません」、これは全く事実、そのとおりだと思うのです。現在の予防接種制度の旧の一類、現在のA類であっても、これは、勧奨すれども、義務をかけているわけではないということの説明だと思うのですが、そうだとすれば、子宮頸がん予防ワクチンの接種だけではないのです。A類は全て強制ではない。それの再確認であるならば、そのことも含めて書いておいていただいたほうがいいだろうと思います。
○桃井座長 ありがとうございます。
 事務局のほうはよろしいでしょうか。
○宮本予防接種室長 はい。
○桃井座長 9-1、9-2、9-3、いずれに関しても御意見を頂戴したいと思います。
 資料9-1の裏の6の最後に「体調の変化」と書いてありますが、「高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けてください」と。ここに今回訴えが多く出られているような激しい疼痛とか、関節痛も疼痛に入りますので、それを入れたほうがいいように思います。「等」という字がございますが、診察を受けてくださいということの喚起のためにも「疼痛」ということを入れたほうがいいように思うのですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、よろしいでしょうか。
○宮本予防接種室長 承知しました。
○桃井座長 そのほうが注意の喚起になると思います。
 どうぞ。
○岡部委員 「疼痛」の意味もいろいろ深いので難しいと思うのですけれども、一応前提としては、軽度の疼痛ではないということを了解事項として知っておいたほうがいいと思います。全ての疼痛というわけではないだろうと。
○桃井座長 そうですね。「激しい持続する疼痛」とか「広範囲の疼痛」とか、その文言は後で検討させていただきたいと思います。
 どうぞ。
○薗部委員 資料9-3に「米国におけるワクチンごとの副反応報告状況の比較」というところがございますけれども、これはあくまでも副反応報告ではなくて、有害事象報告であると。VAERSというアメリカのシステムも、あくまでも有害事象として集めてあって、その中で真の副作用か、そうでないのかというのを見るわけであって、「副作用報告」と書きますと、全てが真のワクチンの副作用として誤解されるおそれがあります。一部の資料のところにはそれが書いてございましたが、受ける方が判断に足るような情報を出さないと判断できませんので、日本においては「有害事象」という言葉がほとんど通用されていない現状を考えますと、それを追加したほうがいいのではないかという私の個人的意見でございます。
○桃井座長 ありがとうございます。
 資料9-2、9-3も含めまして、ほかにありますでしょうか。
 これについても十分ご覧いただいていると思いますけれども、会議後に御意見をいただいてもよろしいですね。
○宮本予防接種室長 結構です。
○桃井座長 もう一度詳細をご覧いただいて、会議後でも結構でございますので、事務局に御意見を頂戴できればと思います。
 また、疼痛の症例が多かったのですが、外国のリスク、さまざまな有害事象についても、疼痛ということが全然出てこないのはどうしてかなと大変疑問に思っているのですが、そういうデータが企業なり海外なりでもしあれば、それも集積していただければ大変ありがたいと思います。
○宮本予防接種室長 承知しました。
○桃井座長 それでは、時間を超過して大変申しわけございませんが、最後にまとめさせていただきます。
 これまで5例の詳細な御検討と、被害者連絡会から情報提供をいただきました症例について、御意見を頂戴いたしました。
 繰り返しになりますが、我々が十分判断できないような医学的な情報の欠落も多々ございましたので、そのためにこの段階では中止をするという論拠を持ち得ないということで、継続しつつ、なおかつ患者さんにはできる限りの情報を提供しつつ、一方で、迅速にこれらの症例について、また海外の疼痛や関節炎も含めた医学的な情報収集をしていただき、なるべく早くに次の会議を開いて全貌を把握するということが本日の結論だったように思いますが、それでよろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○桃井座長 ありがとうございます。
 それでは、本日の議案(2)が終了いたしました。
 ほかに事務局から何かございますか。
○嶋田室長補佐 次回の開催につきましては、日程調整を行った上で、別途また御連絡申し上げます。
 それでは、「平成25年度第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成25年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を終了させていただきます。
 本日は活発な御議論、ありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)> 2013年5月16日 第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会議事録(2013年5月16日)

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