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2013年7月10日 第52回労災保険部会議事録

労働基準局労災補償部労災管理課

○日時

平成25年7月10日(水)13時00分~


○場所

場所 厚労省専用第22会議室(18階)


○出席者

委員

岩村 正彦 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授)
荒木 尚志 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授)
大前 和幸 (慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室 教授)
永峰 好美 (読売新聞東京本社 編集委員)
黒田 正和 (日本化学エネルギー産業労働組合連合会 事務局長)
齊藤 惠子 (UAゼンセン政策・労働条件局 部長)
新谷 信幸 (日本労働組合総連合会 総合労働局長)
立川 博行 (全日本海員組合 中央執行委員 国際・国内政策局長)
吉村 健吾 (日本基幹産業労働組合連合会 中央執行委員)
明石 祐二 (社団法人日本経済団体連合会労働法制本部 主幹)
小島 政章 (株式会社竹中工務店 安全環境本部長)
齋藤 充 (日本通運株式会社 取締役 常務執行役員)
田中 恭代 (株式会社旭化成アビリティ 代表取締役社長)
桐明 公男 (一般社団法人日本造船工業 常務理事)
山中 一馬 (新日鐵住金株式会社 人事労政部 部長)

事務局

安藤 よし子 (労災補償部長)
木原 亜紀生 (労災管理課長)
中原 慎一 (労災保険財政数理室長)
西井 裕樹 (主任中央労災補償監察官)
若生 正之 (補償課長)
天野 敬 (職業病認定対策室長)
引地 睦夫 (労災保険審理室長)
藤永 芳樹 (労災保険業務課長)
江原 由明 (労働保険徴収課長)

○議題

(1)労働者災害補償保険法施行規則及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱等について(諮問)
(2)労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱等について(諮問)
(3)社会復帰促進等事業に係る平成24年度成果目標の実績評価及び平成25年度成果目標について
(4)その他

○議事

議事

○労災管理課長 ただいまから、第52回労災保険部会を開催したいと存じます。
 本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。労災管理課長の木原でございます。
 今回は、部会の委員改選後の初めての部会ですので、部会長選出までの間、私が議事進行を務めさせていただきます。そもそも、私も7月2日の人事異動で就任したばかりですので、どうぞよろしくお願いいたします。座って説明をさせていただきます。
 まず部会の委員についてですが、労働政策審議会令第7条第2項により、部会の委員は部会長が指名するとされております。労働条件分科会の岩村分科会長に、席上に配布しております名簿のとおり部会の委員を御指名いただきました。よろしくお願いいたします。新しく本部会の委員に就任された方がお二方おられます。お一人が公益代表の永峰好美委員です。
○永峰委員 永峰です。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 もうお一方は本日御出席の予定ですが、少し遅れていらっしゃる使用者代表の桐明公男委員です。
 なお、本日は公益代表の小畑委員と中窪委員、それから労働者代表の大江委員が御欠席です。大江委員の代理として、全国建設労働組合総連合労働対策部長の宮本様に御出席いただいております。
○大江委員代理(宮本) 宮本です。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 続きまして、前回の部会から事務局に人事異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。労災補償部長の安藤です。
○労災補償部長 安藤でございます。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 労災保険業務課長の藤永です。
○労災保険業務課長 藤永と申します。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 主任中央労災補償監察官の西井です。
○主任中央労災補償監察官 西井でございます。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 労災管理課長補佐(企画)の久野です。
○労災管理課長補佐(企画) 久野と申します。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 冒頭に申しましたが、私は木原でございます。よろしくお願いします。
 次に部会長の選出について説明させていただきます。部会長は、資料の参考4でお出ししております労働政策審議会令第7条第6項の規定に基づき、公益を代表する労働政策審議会の委員のうちから選挙することとされております。本部会において、公益を代表する本審議会の委員は岩村委員のみでございます。したがいまして、岩村委員に部会長に御就任いただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○岩村部会長 この部会の部会長を務めることになりました岩村でございます。前期に引き続きということでございますが、委員の皆様方の御協力、御支援を得まして、何とか部会を円滑に進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○労災管理課長 それでは、この後の議事進行については、部会長にお願いいたします。
○岩村部会長 それではまず、部会長代理の指名をさせていただきたいと思います。
 労働政策審議会令第7条第8項に基づいて、部会長代理は当該部会に所属する公益を代表する委員又は臨時委員のうちから部会長が指名するということになっております。したがいまして、私から指名をさせていただきたいと存じます。
 部会長代理は、大前委員にお願いしたいと考えております。大前委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○大前委員 どうぞよろしくお願いいたします。
○岩村部会長 それでは、早速本日の議事に入らせていただきたいと思います。お手元の議事次第に沿って進めてまいります。
 議題の第1番目は「労働者災害補償保険法施行規則及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱等について」です。本件は、厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛ての諮問案件です。
 では、まず事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 まず、省令案の要綱について読み上げた上で、その後内容を御説明させていただきます。
○労災管理課長補佐(企画) では読み上げさせていただきます。
 資料1を御覧ください。厚生労働省発基労0710第1号、労働政策審議会会長樋口美雄殿。別紙「労働者災害補償保険法施行規則及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」について、貴会の意見を求める。平成25年7月10日、厚生労働大臣田村憲久。
 別紙、労働者災害補償保険法施行規則及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱。第一、労働者災害補償保険法施行規則の一部改正。一、特別加入者の給付基礎日額の改正。特別加入者の給付基礎日額として、二万二千円、二万四千円及び二万五千円を加えるものとすること。二、特別加入の申請及び脱退に係る申請書の枚数の変更。特別加入の申請及び脱退に係る申請書の枚数を一通とするものとすること。第二、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部改正。第一の一の改正に伴い、特別加入者の保険料算定基礎額について所要の整備を行うものとすること。第三、施行期日。この省令は、平成二十五年九月一日から施行するものとすること。ただし、第一の二については、平成二十五年十一月から施行するものとすること。
○労災管理課長 続きまして、内容について御説明いたします。資料の参考1-1、参考1-2、それから横長の参考1-3があります。
 まず、この横長の参考1-3「特別加入に関する給付基礎日額の改正等について」を御覧ください。こちらは今般の改正の考え方についてまとめたものです。まず今回の改正の契機ですが、本年1月の在アルジェリア邦人に対するテロ事件を踏まえ、内閣官房において本年3月から「在留邦人及び在外日本企業の保護の在り方等に関する有識者懇談会」が開催されました。4月に報告書が取りまとめられまして、この報告書には「労災保険制度の適用拡大」が盛り込まれております。
 また、テロ事件の被害に遭われた方の属する会社もメンバーになっておられる(財)エンジニアリング協会からも、海外派遣者の給付基礎日額の引上げなどの要望をいただいたところです。これらを受けまして、今般、(1)特別加入者の給付基礎日額の上限を引き上げること、(2)特別加入の申請について簡素化を行うこと、について対応することいたしました。
 内容の(1)「特別加入者の給付基礎日額の改正について」です。特別加入者の給付基礎日額については、厚生労働大臣が労働者の賃金その他の事情を考慮して定めることとしており、3,500円から2万円までで申請者の希望により選択できるようになっております。また、その上限額は現在2万円です。これは、特別加入者の給与の実態や労災の本体給付の給付水準との均衡を踏まえて定めています。3つ目の○ですが、直近の平成7年の改正では、特別加入者のうち、給付基礎日額の上限額を選択している割合が一番多い海外派遣者について、その平均年齢が41.6歳であることを踏まえて措置をいたしました。その際、保険給付の基礎となる給付基礎日額には、年齢階層別の最高限度額が設けられておりますので、その水準を踏まえたものです。平成7年当時、平均が41.6歳で、40歳から45歳未満層の本体給付の給付基礎日額の最高限度額が2万85円であったことから、2万円まで上限を引き上げました。
 今般も同様に現状を把握いたしました。そうしますと、マル1にありますように、海外派遣者の現在の平均年齢は46歳であり、45歳から50歳未満層の本体給付の給付基礎日額の最高限度額は、2万4,472円と2万円を超えております。またマル2ですが、その年齢階層別の最高限度額が最高であるのは50歳から55歳未満層で2万5,013円ですが、50歳から55歳未満層の海外派遣者も全体の15.8%を占めています。それからマル3で、海外派遣者の特別加入で、給付基礎日額の上限額を選択している方は、東京労働局の調べで43%を超えていることが分かりました。
 これらの現状を踏まえて、今般特別加入者の給付基礎日額の上限を年齢階層別最高限度額の最高額の水準である2万5,000円まで引き上げることといたしました。その2万円から2万5,000円に引き上げることと併せて、先ほど読み上げた要綱の第一の一のとおり、その間に2万2,000円、2万4,000円、そして2万5,000、この3つの区分を給付基礎日額に加えることといたしました。
 引上げに当たっては、労働者災害補償保険法施行規則の改正のほか、新たな日額に対応した保険料についても追加する必要があります。先ほどの要綱の中で、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部改正が入っておりますのがそれでして、新たな日額に対応した保険料について追加するということで、特別加入者の保険料算定基礎額について、所要の整備を行うこととしたものです。
 なお、この横長の資料の一番下に参考として書かれておりますが、特別加入者の給付基礎日額は、海外派遣者だけではなく、同じ特別加入者である中小事業主や一人親方等についても同様ですので、中小事業主等の特別加入に当たっても、同様に給付基礎日額が改定されます。
 次に資料の3ページ、(2)「特別加入の届出の簡素化について」です。現在、海外派遣者の特別加入の申請に当たっては、申請書の派遣先事業に従事する派遣予定期間を記載することとしております。この派遣予定期間に変更があった場合には、変更届を提出していただいております。しかし、この派遣予定期間の短縮や延長は頻繁に行われるそうで、その度に変更届の提出が必要となりますと、手続が煩雑になると指摘されております。そのため、今般見直しを行い、特別加入の申請書に、そもそも派遣予定期間を記載しないということで、その結果、期間の変更に伴う変更届の提出も不要となるということと整理をいたしました。この簡素化については、告示の改正が必要となりますが、特別加入については、この11月中にコンピュータシステムの稼働を予定しておりますので、様式のOCR化と併せてコンピュータシステム化を行う予定としております。
 なお、要綱の第一の二で、特別加入の申請及び脱退に係る申請書の枚数の変更として、枚数を1通とすることが書かれております。これは現在、申請書を2枚提出していただいているのですが、同様にシステム化と併せて、これを1枚に変更することとしておりまして、これも施行規則の改正によって対応することとしております。
 要綱の第三にある施行期日は、基本的には平成25年9月1日からの施行を予定しております。この第一の二、すなわちコンピュータシステム化に関連するものについては、11月を予定しているのですが、現時点で具体的な日にちの特定までは難しいので、この段階では11月ということで諮問をさせていただきました。長くなりましたが、議題1に関する説明は以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。それでは議題1についての、ただいまの事務局からの説明について、御意見、御質問があればお願いします。
○新谷委員 諮問案件ですので、労働側としての意見、見解を申し上げます。
 今回、御提起されております特別加入者の給付基礎日額の改正及び手続の簡素化について、まず給付基礎日額の見直しについては、海外派遣者の給与の実態等を踏まえた内容ですし、特別加入者の選択の幅が広がるということですので、労働側としても異論はありません。
 また、2点目の手続の簡素化についても、煩雑さの解消ということですので、この内容についても了承を申し上げたいと思います。
 ただ、今回の、特に1点目の給付基礎日額の見直しについては、アルジェリアでの痛ましい不幸な事件を踏まえての対応であったわけですが、これは労働側の自戒の意味も込めて申し上げますが、公労使三者構成の委員会の中でアンテナを高く、特別加入者のニーズあるいは対象者のニーズを把握しておくべきであると感じた次第です。いろいろな団体の皆さんから御要望をいただくことも大事ですが、我々労働側も含めて、普段からいろいろなニーズの把握に努めてまいりたいという、正しく自戒の念を込めて申し上げておきたいと思います。以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
○大江委員代理 要望を申し上げます。アルジェリアの邦人の件では、直前まで私どもの組合員であった佐賀の方がお亡くなりになりました。そういう状況もありまして、今回の改正については了としたいと思います。
 ただ申し上げたいのは、建設従事者が最近は非常に減少しておりまして、500万人規模といわれております。しかし、その中で労働者というよりも一人親方が大変増えております。その背景としては、1つには、国交省あるいは厚生労働省が進める社会保険の未適、未加入者の排除といいますか、加入の推進ということがあろうかと思います。また、さらに建設現場においては一人親方、つまり外注化した状況が非常に進んでおりまして、労働者であった者が、その外注化という方向に流れております。その結果、一人親方ではない労働者がこの一人親方労災を強要される実態が進んでおります。そういう中で、若い方がこの3,500円という最低額を選択する傾向があります。そうすると、私どもの、けがをした場合に給付ということで非常に心配があります。そういう点で言いますと、今回は改定しないという諮問ですが、次回といいますか、その最低限度というところの下限について、次回には改善あるいは引上げということも含めて御議論いただいて、結論を導いていただきたいというふうに要望したいと思います。
○岩村部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、この諮問のありました案件については、当部会としては妥当と認める旨を労働条件分科会に報告したいと考えますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。報告文については、私に一任させていただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。では、そのように取り計らうことにいたします。
 それでは次の議題に移ることにいたします。議事次第の2番目「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱等について」です。これについても、厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛ての諮問案件となっております。
 では、まず最初に事務局から資料について説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○労災管理課長 同様に、まず省令案要綱について読み上げた上で、内容を御説明させていただきます。
○労災管理課長補佐 資料2を御覧ください。厚生労働省発基労0710第2号、労働政策審議会会長樋口美雄殿。別紙「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱」について、貴会の意見を求める。平成25年7月10日、厚生労働大臣田村憲久。
 別紙、労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱。第一、業務上の疾病の範囲の改正。労働基準法施行規則別表第一の二に規定する業務上の疾病の範囲に、次に掲げる疾病を追加するものとすること。(一)テレビン油にさらされる業務による皮膚疾患。(二)ベリリウムにさらされる業務による肺がん。(三)1,2-ジクロロプロパンにさらされる業務による胆管がん。(四)ジクロロメタンにさらされる業務による胆管がん。第二、施行期日。この省令は、平成二十五年十月一日から施行するものとすること。
○労災管理課長 引き続き中身について説明させていただきます。まず、参考2-1を御覧ください。1の趣旨ですが、労働基準法第75条第2項の規定に基づく業務上の疾病の範囲については、労働基準法施行規則別表第1の2において、具体的に定められております。この範囲について、新たな医学的知見の公表等の状況などを踏まえ、検討会での検討を行い、この省令について、要綱のとおりの改正を行うことを予定しております。
 今後の手続です。労働基準法第113条において、労働基準法に基づく命令については、公聴会の手続を経るというのがあります。それから、この内容については、いわゆるパブリックコメントの手続を経る必要もあります。そういった公聴会、パブリックコメントなどの手続を経た上で、省令を改正し、平成25年10月からの施行を予定しています。
 4です。この省令改正と併せて、別表第1の2において「厚生労働大臣が定めるもの」として別途定められている関連告示についても、所要の改正を行うこととしており、具体的には参考2-2です。
 1の趣旨の2つ目の○です。業務上疾病を列挙している労働基準法施行規則別表1の2の中で、化学物質に関する疾病については、別途告示が定められています。医学的な知見の集積などによって、化学物質の関係の疾病が明らかになった場合には、この告示を改正するということで措置がされておりまして、今回具体的には、この裏にある化学物質、それから症状又は疾病について、告示で措置することを予定しております。引き続きまして、担当課から説明をさせていただきます。
○補償課長 続いて、参考2-3を説明させていただきます。「労働基準法施行規則第35条専門検討会報告書の概要」です。当報告書は、先週の7月3日に取りまとめられ、記者発表しているところです。
 同検討会の開催経緯・目的です。第35条専門検討会は業務上疾病の範囲について、昭和53年以降、定期的に医学的な検討を行っております。大体3年から4年に1回です。前回は、平成21年に報告書が出されています。前回の検討会以降の新たな医学的知見の状況も踏まえて、新たに追加すべき疾病があるかどうかについて検討したところです。
 主な検討疾病としては、2つの報告書について検討したところです。1つは、「化学物質による疾病に関する分科会」で検討した疾病です。同分科会は、前回の平成21年報告書で、新たに化学物質による疾病について今後検討が必要であるという旨の報告がありますので、それに基づき、平成23年7月から平成24年3月までの間に検討しまして、今年の3月に報告書が取りまとめられました。
 同分科会で検討した疾病については、4つの項目に分かれます。まず、安全衛生法施行令に掲げられた安全データシート、いわゆるSDSです。SDSの交付義務のある化学物質は640ありますが、労基則の別表第1の2には約150の疾病が規定されています。したがいまして、SDSから別表に規定されたものを除くと、約490があるわけですが、このうち、国内外で症例が一定数以上ある48種類を抽出し、検討したところです。
 48疾病を検討したところ、結論としては右側に書いてありますように、「アジ化ナトリウム」ほか16物質、合計17物質による疾病を、今回例示列挙することが妥当であるという結論でした。残りの31の疾病については、症例報告のあったものが、例えば自殺や誤飲など職業性ばく露に関連した報告ではないものがありましたので、それらのものについては、今回は例示列挙しないという検討結果になっています。
 2つ目です。ILOの職業病の一覧表の改訂です。これは平成22年に改訂されています。新たにILOの職業病リストに追加された疾病は9つあるのですが、そのうち現行の別表第1の2に規定されていない7疾病について検討したところです。結論としては、「ベリリウム及びその化合物による肺がん」を追加するというものです。
 ベリリウムについては、現在は安全衛生法上は許可物質という形で規定されています。また、IARCでも、グループ1として、ヒトに対する発がん性が認められるという位置付けをされているものです。このベリリウムは、ミサイルとか航空機の部材に使われるものです。これによる肺がんについて、例示列挙するのが妥当であるという結論でした。そのほかの6つの疾病については、国内での使用が確認されていない、あるいは職業性ばく露の症例報告はない等の理由により、今回は例示列挙する必要はないという結論でした。
 3番目です。平成15年の検討会報告書の中で、長期的ばく露による慢性影響が明らかでない等として、別表第1の2に追加する必要がないとされた物質が5つございます。平成15年以降、新たな症例報告があるかどうかを検討したところ、「タリウム及びその化合物による皮膚障害等」について、ガラス製造等の作業員に係る症例報告がありましたので、これを新たに例示列挙するという結論でした。そのほかの4つの疾病については、平成15年以降、影響が明らかになるような症例報告はないということで、例示列挙は見送ったところです。
 4つ目です。理美容業において使用されるシャンプー等に含まれる化学物質のうち、分科会が選定した2物質による接触性皮膚炎です。検討に当たって、独立行政法人労働者健康福祉機構で研究報告がなされた、パッチテストの陽性率の報告がありまして、陽性率が10%以上の高い率を示した4物質がありました。4物質のうち、1物質は既に別表第1の2に記載されています。もう1物質は、マル1で検討した17の物質のうちの1つに入っていますので、この2つについては、記載済みあるいは例示列挙する方向ということです。
 残りの2物質について、中心的に議論を進めたところですが、独立行政法人労働者健康福祉機構の研究報告以外の国内外の症例報告を更に調べたところ、陽性率が高いものも低いものもあるということで、必ずしも因果関係が明確ではないという検討結果でしたので、2物質については、因果関係が現時点では明らかではないということで、例示列挙しないという結論でした。この分科会の検討した結果について、本検討会において妥当であるという結論を得たところです。
 もう1つの柱の、「印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関する検討会」で検討した疾病です。これについては、3月27日の前回の当部会において、検討結果については私から御説明申し上げたところですが、その後、現在に至るまで、「1,2-ジクロロプロパンによる胆管がん」を業務上とした例が、大阪、宮城の2つの印刷事業場を合わせて、19事案としています。また、ジクロロメタンによる胆管がんについては、愛知局の事業場で1事案が、業務上ということで支給決定されているところです。これらの疾病は、このような症例が認められたことを含めて、本検討会で両物質を追加し、例示列挙することが妥当であるという結論を得たところです。裏面につきましては、先ほどの資料1と重なる部分がございますので、省略させていただきます。
○岩村部会長 ただいま御説明いただいた議題2について、御意見、御質問がありましたらお願いします。
○吉村委員 本件についても諮問案件ということで、労働側として意見を申し上げます。
 今回、業務上の疾病範囲の拡大ということで、新たに化学物質を追加していくということについては、労働者の健康障害防止に資するものであり、了承を申し上げます。
 しかしながら、日々化学物質を取り扱う業務を行っているのが労働者です。ばく露に関する健康障害のリスクは、常に労働者が負っているものです。今回追加されます1,2-ジクロロプロパンやジクロロメタンを原因とする胆管がんの事例のように、労働者の犠牲の下で、ようやく対策が取られるようになることは、まずもって残念なことであると言わざるを得ません。疾病の原因となる化学物質が特定された以上、その危険性をいかに伝えていくかが重要であると思います。
 労働者の健康障害防止のためにも、また今回の改正内容の実効性を確保するためにも、今回の改正内容を含め、どのような化学物質及び化合物がどのような業務上の疾病を引き起こすのかという点について、今一度周知徹底を図っていただき、同一の事象が発生しないように努力していただきたいと思います。
○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。
○黒田委員 関連して申し上げます。今回の改正のように、疾病を引き起こす化学物質を確実に追加していくこと自体は重要だと思います。ただ、それに加えて、どのような状況で、またどのような環境において、当該の化学物質が使用されているのかということの実態を把握しておくことも、重要であると考えています。
 化学物質そのもののハザードは比較的小さくても、ばく露を何回も重ねていくことによりリスクが大きくなっていく場合もありますし、また、当初は予想していなかった状況や環境で使用される場合もあろうかと思います。どのような環境下で化学物質が使用されているかについて、その事例を事業者から収集しておくことも、化学物質と疾病の範囲の指定とともに重要であって、化学物質による労働者の健康障害の防止に向けた効果的な対策に資するのではないかと考えています。
 厚生労働省におかれましては、化学物質による労働者の健康障害の防止に向けて、そうした積極的な取組を是非お願いしたいと思います。
○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、本件につきましては、先ほどの事務局の説明にもありましたように、今後手続として、公聴会、パブリック・コメントが予定されています。ですので、それらの状況を踏まえて、改めて部会としての意見を取りまとめたいと考えていますので、よろしくお願いします。それでよろしいですか。
(異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。
 次の議題です。議事次第の3番、「社会復帰促進等事業に係る平成24年度成果目標の実績評価及び平成25年度成果目標について」です。これについても事務局で資料を用意していただいていますので、まずその説明をお願いします。
○労災管理課長補佐 資料3と参考資料3-1から8までございますが、まずは参考資料の3-1「社会復帰促進等事業費の推移について」を御覧ください。
 社会復帰促進等事業費については、平成17年度から目標管理を実施しています。また、当事業費の予算額については、平成21年度予算までに、平成17年度予算の4分の1を削減して、917億円規模とすることを目標とし、着実に予算の削減に取り組んできたところです。
 参考資料3-1の下のグラフにありますように、平成21年度予算、平成23年度予算は、リーマン・ショック、東日本大震災の影響を受け、未払賃金立替事業などについて補正予算を組みました結果、対前年度より予算が増額となっていますが、これを除けば目標に沿った削減が図られてきています。また、平成25年度の予算額についても、対前年度比で8.8%、65億円の削減を図り、673億円となっています。今後も各事業について、PDCAサイクルによる不断の見直しを行うということにしています。
 次に、参考資料3-2「社会復帰促進等事業に係る目標管理に関する基本方針」を御覧ください。3-2資料一番最後に付けた基本方針の概要を御覧ください。基本方針の考え方は大きく3点あります。全ての事業、社会復帰促進等事業を目標管理の対象とします。目標は、アウトカム指標とアウトプット指標を用いて設定します。それから、執行実績が相対的に低い事業とか、社会復帰促進等事業として実施する必要が相対的に低い事業などを、労災保険部会などで議論し、PDCAサイクルの一環に位置付けます。
 続いて、参考の3-3「社会復帰促進等事業の評価の考え方」を御覧ください。これは、事業の評価をどのように考えるかということです。考え方としましては、こちらの資料の横軸に、政策効果を測るアウトカム指標、縦軸に事業執行率を測るアウトプット指標と、2つの指標で分けていまして、それをA、B、Cという3つの類型で評価する仕組みにしています。
 まずAです。こちらは政策効果も高く、事業執行率も高いということで、評価は、施策を継続するということを基本にしています。
 Bについては、政策効果は高いのですが事業執行率が低いということで、評価は、施策は継続ですが、予算あるいは手法の見直しをするというものです。
 最後にCですが、こちらは事業執行率の高低に関わらず政策効果が低いということですので、アウトカム指標の未達成要因を分析した上で、事業の見直し又は廃止が必要なものと位置付けています。
 続いて、参考資料3-4です。これは「PDCAサイクルにおける主な論点」ですが、本日の議題の主な論点をまとめたものです。平成24年度の成果目標の実績評価、平成25年度の成果目標については、議論のポイントにあるように、B及びCの評価の目標未達成事業、又は平成25年度の新規事業を中心に、御関心のあるA事業も含めて、御議論いただければと考えています。
 目標未達成事業ですが、B評価が6事業、C評価が5事業の、計11事業ありました。また、下にあるように、本年度から新規に4事業を開始しています。こちらについては、目標設定について御議論いただければと考えています。
 続いて、参考資料3-5です。こちらは別冊になっていますが、表紙を御覧ください。表紙にあるように、平成24年度の目標管理対象の事業数は88です。そのうち、B、C評価の事業は、先ほど申し上げましたように11事業、これは全体に占める割合として12.5%となっています。
 なお、実績を集計中の事業とか、独立行政法人評価委員会で評価を行うために、社会復帰促進等事業としての評価を今後行う事業などにつきましては17事業ありますが、これらについては、次回の労災保険部会で御検討いただくことにしています。
 続いて、資料3です。こちらに沿いまして、B、C評価の事業の目標未達成の原因、改善措置、また新規事業の目標について、簡単に説明いたします。
 まず、B評価の事業です。事業番号22です。事業名は「業務上疾病に関する医学的知見の収集」です。こちらは、労災認定基準の検討に役立てるために、国内外の文献を収集して、内容を検討する事業です。アウトプット指標を収集文献数としていますが、入手困難な文献が多く、目標の文献数を収集できなかったということで、B評価となりました。こちらの事業については、平成24年度をもって廃止としています。ただし、文献の収集自体については、引き続き業務取扱経費によって実施することにしています。
 次に、事業番号30番の「じん肺等対策事業」です。この事業では、石綿を使う業務に従事していた労働者の離職後の健康管理等を行っています。こちらはアウトプット指標を健康管理手帳所持者の健康診断受診率としていましたが、健康診断の実施を委託している医療機関が不足している地域がありまして、0.5%と、ごく僅かではありますが目標値に届かず、B評価となりました。平成25年度については、受診が必要な方に勧奨を行うことと併せて、委託医療機関が不足している地域も一部認められますので、委託医療機関の確保に努めて、事業の確実な実施に努めていくということにしています。また、アウトプット指標についても、健康診断の必要な方全てが受診できるように、健康管理手帳所持者に対する受診勧奨を47都道府県において行うということに変更いたしました。
 次ページ、事業番号54「家内労働安全衛生管理費」です。こちらは、家内労働者や委託者の安全衛生を確保するために、都道府県労働局で委嘱された指導員が訪問して行うという事業です。アウトプット指標については、指導員による訪問指導を行う家内労働者、委託者数としていましたが、訪問指導の対象となる委託者の廃業、それから移転のために僅かに目標値に届かず、B評価となりました。平成25年度は、新たに危険有害業務に従事する家内労働者、委託者を対象とした調査を行うとともに、訪問対象者を適切に把握して、計画的な訪問指導を実施いたします。また、これを踏まえ、調査を行う対象労働者数をアウトプット指標に追加いたしました。
 次に、事業番号66「短時間労働者均衡待遇推進事業費」です。こちらの事業では、必ずしも義務付けられていない、短時間労働者の健康診断制度を導入した事業主に対しまして、奨励金を支給しています。アウトプット指標については、奨励金の支給件数としていましたが、平成24年度で事業を廃止することとしましたので、積極的な周知広報は難しかったということもあり、目標値に届かずB評価となりました。この事業は、平成24年度をもって廃止としています。
 次に、一番下の事業番号72-1「労働時間等の設定改善の促進等を通じた仕事と生活の調和対策の推進」です。これは、労働時間などの設定改善を進め、ワーク・ライフ・バランスの実現を図るために、労働時間等設定改善推進助成金、職場意識改善助成金を支給する事業です。アウトプット指標は助成金の支給件数としていましたが、利便性が低い、支給基準が厳しいといった理由により目標値に届かず、B評価となりました。平成25年度はマニュアルを作成したり、申請期間を延長するなど、利便性を高める新たな措置を取っているところです。また、アウトプット指標についても、事業の実態を踏まえて目標値を下げることにしました。
 次ページ、事業番号72-3「労働時間等の設定改善の促進等を通じた仕事と生活の調和対策の推進」です。こちらは、医療労働者の確保・定着に向けた職場環境改善のための取組です。厳しい勤務環境下にある医療労働者の職場環境を改善するために、事例収集、相談支援などを行っています。アウトプット指標については、事例集の年2回の更新としていましたが、医療機関や医療関係団体などに対する事業の説明に時間を要しましたため、事例の収集に入る時期が遅くなりまして、目標に届かずにB評価となりました。平成25年度は、情報収集のための手順について都道府県労働局に対して速やかに指示をするとともに、相談員に対する研修とか、情報収集のためのチェックシートの改定などにより、情報収集の効率を高める措置を取っているところです。また、アウトプット指標についても、事業の実態を踏まえ、事例集の年1回の更新に変更しました。
 次ページから、C評価の事業です。まず、事業番号26-4「中小零細規模事業場集団へのリスクアセスメント研修等実施事業」です。こちらは、次代の安全の中核を担う人材育成事業です。この事業は、事業場の安全衛生担当者向けに、安全衛生の好事例をメールマガジンとして配信し、安全衛生に対する意識向上を促すというもので、平成24年度から実施しています。アウトカム指標をメールマガジンの総配信件数としていましたが、メール事業の開始が遅れ、登録者が十分に集まらず、目標に届かずC評価となりました。こちらの事業については、平成24年度をもって廃止することになっています。
 次に、事業番号27-2「安全衛生啓発指導等経費」です。こちらは、技能講習修了証明書発行等一元管理事業です。これは技能講習修了者のデータを一元的に管理しまして、修了証明書の円滑な発行を行う環境を整備するものです。アウトカム指標については、登録講習機関からの技能講習修了者のデータの引受件数としていましたが、講習事業の休止が当初の想定を下回りまして、目標値に届かずC評価となりました。平成25年度は、登録講習機関について個別に注意喚起することなどにより、データの引受漏れを防ぐことにしています。これらを踏まえ、アウトカム指標、アウトプット指標をそれぞれ変更しています。
 次のページ、事業番号28「安全衛生分野における国際化への的確な対応のための経費」です。安全衛生政策について国際動向を把握することにより、政策立案に役立てるというものです。平成24年度においては、アウトカム指標で、日本企業の進出が急増している中国とシンポジウムを開催することを目標にしていました。しかしながら、尖閣諸島の問題など、そういった情勢を踏まえ、シンポジウムの開催ができないということになり、C評価となりました。平成25年度は、中国情勢の動向にも着目し、沈静化が図られた後に、シンポジウムを開催するということで考えています。
 次に、事業番号41「小規模事業場団体安全衛生活動援助事業」です。こちらは、小規模事業場の団体に対して、安全衛生教育、機械設備の安全化、特殊健康診断などについて、指導や支援を行う事業です。アウトカム指標については、労働災害の発生件数の減少率にしていましたが、目標値に届かずにC評価となりました。本事業は平成11年度から実施しているということで、労働安全に関する知識が小規模事業場にも浸透しまして、伸び代が少なくなったことも原因の1つではないかと考えています。実際に労働災害の発生件数は年々減少しています。この事業については、平成24年度をもって廃止ということにしています。
 次のページ、事業番号の73「中小企業退職金共済事業経費」です。これは独力で退職金制度を持つことが困難な中小企業に対して、退職金共済制度への加入時に、掛金の助成を行うというものです。アウトプット指標を在籍被共済者数、アウトカム指標を新規加入被共済者数としていましたが、中小企業を取り巻く経済環境は依然として厳しく、いずれも達成できず、C評価となっています。平成25年度は、新たに名古屋と大阪に活動拠点を設けまして、首都圏、東海地域、近畿地方への加入促進を強化するとともに、ダイレクトメールなど業界団体への働き掛けにより、加入勧奨を図ることにしています。また、アウトカム指標についても、事業実態を踏まえまして、中小企業退職金共済制度の普及割合に変更しています。
 続きまして、新規事業についてです。次のページですが、新規事業は記載の4点です。1つは、事業番号29-2「職業病予防対策の推進」です。原発事故からの復旧・復興従事者の適正な放射線管理実施の指導です。これは除染や復旧事業に当たる団体に対し、線量管理指導員を派遣し、適切な放射線管理について指導などを行う事業です。アウトカム指標については、線量管理指導の参加者に対しアンケート調査を実施し、7割以上の方から「有意義であった」など、ニーズに合致した指導であった旨の回答が得ること。アウトプット指標については、線量管理の指導回数が150回以上としています。
 次に、事業番号42「治療と職業生活の両立等の支援手法の開発」です。こちらは、長期にわたる治療が必要な作業関連疾患の疾病を抱えた労働者について、就労継続に関する事例の収集を行うとともに、そうした方が働き続けられるような就労継続支援の手引きを作成するものです。アウトカム指標は、手引きを作成することです。アウトプット指標は、アンケート調査を3,000件以上実施することとしています。
 次に、事業番号61「第三次産業労働災害防止対策支援事業」です。こちらは小売業、社会福祉施設などの事業場を対象とし、専門家による個別のコンサルティングを行うとともに、介護施設を対象に、腰痛対策の講習会を実施するものです。アウトカム指標は、個別コンサルティングを受けた事業場、腰痛予防の講習会を受けた介護事業者から有益であった旨の評価を80%以上得ることとしております。また、アウトプット指標については、個別コンサルティングを800事業場以上実施すること、腰痛予防の講習会を47回開催することとしています。
 最後に、事業番号63「雇用均等指導員の設置」です。こちらは、大規模局に雇用均等指導員を配置し、セクハラ被害を受けた労働者からの相談に対応するとともに、事業主に対する指導を行うものです。アウトカム指標は、助言・指導の結果、是正を考えていると回答した者の割合を90%以上とすること。職場でのセクハラの実態を把握し、解決に向けた課題などを把握することとしております。また、アウトプット指標は、報告徴収の実施件数を4,900件としています。資料3については以上です。
 参考資料3-6から3-8について御説明いたします。まず参考資料3-6「社会復帰促進等事業費の予算額の推移」です。この事業の根拠となっている労災保険法第29条の各号ごとに、左の欄にありますように、1から4の形で、平成17年度から平成25年度までの予算額の推移を載せています。次に、参考資料3-7「社会復帰促進等事業一覧」です。
 最後に参考資料3-8「独立行政法人別決算額の推移」で、社会復帰促進等事業費の支出先をそれぞれ法人別にした数字ということで、平成21年度決算額から平成24年度決算見込み額までの推移を整理しています。
○岩村部会長 ただいま、議題3の資料について御説明をいただいたところですが、これについて御意見あるいは御質問などがありましたら、お願いしたいと思います。
○立川委員 社会復帰促進等事業の事業設定の在り方についてお伺いします。例えばC評価の事業の1つ目、26-4「中小零細規模事業場集団へのリスクアセスメント研修等実施事業」は、次世代の安全の中核を担う人材育成事業ということで事業化されて、その目的というか手段として、メールマガジンの配信が行われました。しかし、そもそもメールマガジンの配信によって、どれだけ人材育成が図られるかというのは、私としては大いに疑問の残るところです。事業を企画する段階で、厚生労働省としては内容についてどのようなチェックをして、事業開始の決裁を行っているかについて確認させていただきたいと思います。
 加えて、事業の開始が大幅に遅れて、登録者が予定を下回り、総配信数が目標に達しなかったということで、結局、平成24年度限りで廃止という結論が出されています。登録者を増やす手立てをされたのでしょうか。また、配信されたメールマガジンの評価はいかがなものだったのでしょうか。お伺いしたいところです。1年で事業が簡単に廃止されること自体が、企画段階での検討の甘さを裏付けているのではないかと思われますし、予算を消化することが前提となって、思い付きのような新規事業ありきの検討がなされたと言われてもしようがない状況ではないでしょうか。厚生労働省としての見解をお伺いしておきたいと思います。特に計画段階というか、基本方針として「PDCAサイクル」という言葉も出てくるわけですが、それがこの事業についてどのような形で適用され、評価され、決定が下されたのかというところを御説明いただければと思います。
○岩村部会長 御質問ということですので、担当課のほうで説明をお願いいたします。
○労働基準局安全衛生部安全課 26-4については、この資料に書いてあるとおり、調達の手続等が非常に遅れてしまい、事業開始が遅れたということで実績が上がらず、結果としてCとなりました。PDCAサイクルにより、C評価のものは事業の見直し又は廃止ということでしたので、結果として平成24年度限りで廃止ということにいたしました。
 どのような形で進めていこうかという点についても、資料にあるとおりです。安全を実現するという意識が低下しているのではないかという問題意識の下、安全衛生に係る人材育成等に資する好事例の作成等を、職長向けメールマガジンという形で発信するのが効果的ではないかということで進めてきましたが、途中の段階でスタートも遅れて実績が上がらなかったのです。年度後半から始めたところ、このままでは当然配信数が少ないということで、安全衛生に関係する団体等にいろいろ働きかけて開拓はしてきたつもりです。ただし、いかんせんスタートが遅れて、目標には達しなかったというところです。
 それとは別に現在、C評価ということで委託事業は廃止といたしましたが、厚生労働科学研究費を使って、大学生や若年層に対する安全衛生に関する教育の在り方等について、一方で研究をしているところです。そういった成果も踏まえて、今後、こういった事業がどのような形で生まれ変わった形でできるかについて、引き続き検討していきたいと思っております。
○立川委員 配信と言いますか、「登録者の拡大に努力をしてきたが」という言葉でお伺いしたのですが、実際の実績を見ますと1,957名ということで、母数は全く変わっていないのではないか。ただ配信回数を増やして、実績の数が増えてきたというようにしか見えない状況です。また、先ほどお話した中身の評価について、何もお答えいただいていないのです。「効果があった」と言う人がいたのかいないのか、そういうことがPDCAサイクルの中で、全く評価対象にならないという理解なのかということをお伺いしておきたいと思います。
○岩村部会長 今の御質問について、また担当課のほうでお願いします。
○労働基準局安全衛生部安全課 追加してお答えいたします。資料の26-4の個別の表を見ていただければと思います。第2四半期、第3四半期、第4四半期ということで、年度後半にかけて実績等はラストスパートをかけてきたつもりです。母数というのは、配信数ということでしょうか。
○立川委員 いえ、登録者数です。登録者を増やせなかったから実施できなかったということで評価されているわけですよね。
○労働基準局安全衛生部安全課 平成24年度実績として、これは平成24年度に開始した事業で、平成24年度限りで廃止ですので、平成23年度や平成25年度との比較はありませんが、年度を通しての登録者数は1,957名、配信回数は20回です。第2四半期、第3四半期、第4四半期という形で区切ってみれば、配信数を増やす努力はしてきたということを先ほど申し上げたつもりです。
○岩村部会長 多分質問の趣旨は、アウトカム指標のところで、もともと総配信件数5万件以上という目標になっているけれども、この5万件の算定の内訳はどういうことになっていたのかということではないかと思うのです。つまり、どれだけの数の登録者数を見込んで、何回配信するかというところから、この5万件というのが出ていたのではないかということですよね。
○立川委員 それもありますし、登録者数が1,957人です。第4四半期は2万7,398件です。これを割り算すると、ピッタリ1,957になるのです。14回配信したということで、週に1回は配信したことになります。ですからここで言われているように、事業の遅れで登録者数が予定に満たなかったのなら、登録者を増やす努力をしたのかというお伺いをしたのです。
○労働基準局安全衛生部安全課 結論としてはここに書いてある数字で、割り算をすれば割り切れるということで、回数はそのような形になっています。登録者数は最終的にそこに書いてあるとおりですが、年度途中で受託者のほうにも働きかけましたし、受託者のみに頼るのではなくて、行政のほうも委託者として安全衛生関係団体を回り、開拓の手助けをしてきました。それで少しでも配信数が増えるように努力はしてきましたが、結果としての数字はこちらに書いてあるとおりです。年度途中でも各団体等に働きかけをしてきました。
○新谷委員 社会復帰促進等事業は毎年、C評価が出てくるのです。実施主体が厚生労働省本省主体でやるものと、各労働局がおやりになるものと、こういう形で委託をされるパターンがあるのです。お聞きしていると、委託パターンが特にそうですけれども、いつも丸投げのようなかたちになり、結局締めたときでないと結果が分からないということによくなるのです。当初の契約で言えば、委託した団体が5万件をやり遂げるということで契約を受託しているわけですから、途中の進捗管理も含めて、実施主体である委託団体と、それを発注した管理する側の厚生労働省の本省の責任がどうなっているのかをお聞きしたいのです。これでいくと、公費で1,200万円支出して委託をして事業を始めたわけですから、その管理も含めて、責任はどこが取るのかということを明確にしていただきたいと思います。
○労働基準局安全衛生部安全課 この委託事業に関して申しますと、委託先も書いてありますが、労働調査会でした。私ども安全衛生部のほうで労働調査会に委託する機会は、これまで余りなかったのではないかと思っております。そういう点ではノウハウが少しなかったのではないかという気もいたします。当然、委託者サイドとしてもノウハウがない所が落札した以上、事業の円滑な進行が途中の段階で危惧されましたので、受託者のほうにも事業の円滑な進行管理という面で働きかけてきましたし、当初の仕様書に書かれている回数もありますので、そういったものが達成できそうもないという状況にあれば、行政自らが関係団体等を回ったり、連絡をしたりして開拓する手助けというか、委託事業ではあるのですが、こちらも途中の段階で少しでも事業の実績が上がるようにしてきたところです。
 責任ということに関しては、どういった趣旨なのか私もよく分からないのですが、委託契約の中で書いてある点については事業の回数など、仕様書に書かれたものを委託するわけです。それができなければ、かかった費用はかかった分しか支払いいたしませんが、配信できなかった回数については、最終的に清算という形でかかった費用のみを支払っております。当然、その目標額まで達していないものですから、その部分は支払っておりません。できれば契約した段階での回数を達成していただきたかったのですが、これも年度という締めがありますので、その段階でできなかった部分については、回数に関して正直言ってそれ以上のことは、もうできないということです。
○新谷委員 初めて受託された所ですけれども、外部に委託されるときに、特に初めての委託先であれば、それを遂行するだけの能力があるかという事前の査定はどのような扱いになっているのでしょうか。また、この事業だけではなく同様に、幾つかの委託先で未達の所がありますので、次年度以降の応札停止とか、その辺の扱いはどのようにされるのでしょうか。ここだけではありませんけれども、似たような業務で応札してきたときに、またそれが入札できる体制として見るのかどうか、その辺はどういう扱いになっているのでしょうか。
○労働基準局安全衛生部安全課 26-4に関して申しますと、労働調査会の入札参加資格が確かCだったと思います。資格がありまして格付化されます。調達方式に関しては最低価格落札方式です。一般競争の最低価格ですので、余りにも低価格でない限り、最低価格の札を入れた所が落札するという形になっております。ただ、そういった結果にはなっておりますが、委託者サイドである私どもとしても、初めてやる所に関しては事業の開始に当たって、打合せ等を綿密にしたつもりです。事業の円滑な遂行のために初めのときと、途中の段階等々で打合せ等をして、少しでも円滑に動かせるようにやってきたところです。
 事業の達成が著しく低調だった場合はどうなるかという質問については、入札の格付をするということと、委託事業が決まれば、それをどういった形で調達するのかということについては、省内の調達委員会もありますので、そういったところで議論をされていくものだと思っております。ただし委託事業はいろいろありますが、最近は透明性の観点から随意契約という形よりは、一般競争でやっている機会のほうが多いと思っております。ですから特殊な委託事業でない限り、一般競争のほうが多くなっていくのではないかと思っております。そういった形で落札した業者に対しても、できるだけきめ細やかな対応が必要ではないかと思っております。
○新谷委員 入札方式は当然、競争入札のほうがいいと思うのです。ただ、こういうプロジェクト割れと言いますか、プロジェクト崩れと言いますか、計画していたものが未達に終わるというのは、民間でもときどきあるものです。そういうときには今後の取引をどうするかということが、やはり影響するわけです。多分、これは原局がさまざまな計画をされて、それを労災管理課で取りまとめをされて、社会復帰促進等事業全体を管理されていると思うのです。そういった発注に際しての応札の要件なり応札資格について、そのプロジェクトの執行状況等を丁寧にチェックしていただく必要があると思います。似たような所が毎年プロジェクト崩れになってしまって、また次の年に違うプロジェクトで応札してくるということにならないように、その辺の管理もきちんとしていただければと思っております。
○岩村部会長 今の点はよろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。
○労働基準局安全衛生部安全課 原課はよろしいでしょうか。
○岩村部会長 はい。ほかにいかがでしょうか。
○労災管理課長 どうしても国として、調達やいろいろな契約のルールがありますので、その中でどういうことができるかというのは、限られたものがあると思います。調達のいろいろなルールの中ではありますが、予算について政策効果がより発揮できるような事業展開を図っていきたいというのは、各局各課共通の思いですので、このルールの中でどのように、より効果的な執行ができるかということについて、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○岩村部会長 よろしくお願いします。
○齊藤(惠)委員 目標管理についてお伺いしたいと思っております。資料3の2ページの事業番号54「家内労働安全衛生管理費」についてお伺いしたいと思います。指導員が訪問指導を行う人数の目標880人以上に対して実績が869人と、目標達成まで僅か11人となっております。指導員が訪問すれば実績になるわけですから、目標対実績の進捗管理をきちんと行い、目標達成にこだわった活動をしていれば、達成できた数字ではないかと思っております。
 また、次のページの72-3の「労働時間等の設定改善の促進等を通じた仕事と生活の調和対策の推進」についても、取組事例集を年2回以上更新するとの目標に対して、実績は1回で目標未達となっております。相談員が医療機関等から情報収集する時期が遅れたために、更新回数が少なくなったとの分析ではあるのですが、これも目標達成に向けた計画的な取組がなされていれば、達成できたのではないかと考えます。先ほどの新谷委員からも発言がありましたが、厚生労働省として目標対実績の進捗管理をどのように行っているのか。責任という部分については先ほど質問されておりましたので、進捗管理をどのように行っているのかという点について、見解をお伺いできれば有り難いと思います。
○岩村部会長 それは原課のほうに、それぞれについて聞きたいということですか。
○齊藤(惠)委員 はい。
○岩村部会長 それでは順番でお願いします。
○雇用均等・児童家庭局短時間・在宅労働課 家内労働安全指導員の活動状況の把握について御説明いたします。こちらは各都道府県労働局において、年間計画を立てて実施するようにという指示をしているところですが、危険有害業務従事者については、各都道府県で大変バラ付きの見られるところですので、本省のほうから具体的に月何件行くという指示はしておりません。活動状況についても、年1回の把握にとどまっているという状況です。こちらについては今回、あと僅かで目標を達成できておりませんので、過日開催された全国都道府県労働局賃金課室長会議において、目標値未達成であり、再度積極的に取り組むようにと指示しております。特に家内労働者の居宅への指導というのが、プライバシー保護等の観点で、最近件数が落ちてきているということがあります。そういう所については、難しい状況があることは承知しているけれども、積極的に取り組むようにという指示をさせていただいているところです。
○岩村部会長 今のお答えについて何かありますか。
○齊藤(惠)委員 やはり年1回しか把握をすることなく1年間の事業を終えて未達だったと言うのは、普通は考えにくいので、少なくとも半期に1回、できれば四半期に1回、事業の進捗状況について把握していく必要があると思います。
○岩村部会長 では、そういう御要望があったということですね。それでは次をお願いします。
○労働基準局労働条件政策課 「労働時間等の設定改善の促進等を通じた仕事と生活の調和対策の推進」の医療労働者の部分についてお答えしたいと思います。委員が御指摘のとおり、アウトプットとして取組事例集の更新を挙げましたが、これは医療労働専門相談員が都道府県労働局に配置されております。その医療労働専門相談員が病院を回って事例収集をする前に、地域の医療団体の皆様に御了解をいただいて、趣旨を十分説明した上で実施するということをしていたのです。その関係で医療関係団体の方の理解を得るのに、予定よりも時間を要してしまったというところが、今回1回しか更新できなかった理由です。
 この状況でこのままいいとは決して思っておらず、今年度については都道府県労働局に対して通知をしましたし、先般、全国の医療労働専門相談員を集めまして、事例収集の方法などについて研修を実施したところです。さらに、情報収集をするためのチェックシートの改定を行い、医療労働専門相談員が効果的に情報収集できるような工夫をしたところです。加えて、今年度からは民間の方のお力も借りようということで、医療従事者の勤務環境改善に向けた手法の確立のための委託事業という形で、行政と民間の委託事業を活用しながら、事例収集を進めていきたいと思っています。
○岩村部会長 そのほかにいかがでしょうか。
○永峰委員 個別案件ではなく、全体的な印象として気付いたことを言わせていただきます。まず、社会復帰促進等事業に関してです。予算が毎年削減されているというのは、全体的な傾向として理解できますが、見直しの数値が現状に即して数値目標までどんどん下げていくと、これは数合わせだけに終わるのではないかという危惧を感じてしまいます。例えば、54の平成25年度の成果目標は、現状に合わせてとおっしゃったかと思いますが、800人以上です。つまりアウトプット指標、平成24年度の場合は869人で達成できなかった。今度は800人以上にしたら達成できるのではないかというように、意地悪く読んでしまうのです。もちろん予算の枠内でやるということで、数値が下がっていくのは仕方がないことかもしれないのですけれども、では何を努力したらいいかということをもうちょっと考えて工夫をするのが普通のやり方ではないかと思うのです。
 それから、これは是非早くやっていただきたいとお願いすることです。平成25年度の新規事業の中で、例えば42番です。これは実際の事例として、比較的長期の療養によって配置転換とか、クビになってしまうとかいった事例がたくさん出ています。それは私も取材した中でも出合った事例があります。この辺りは周知を図るというだけでなく、実際にアンケート調査をなさった内容をうまくいかして、きちんとした事例集を作り、企業がどう活用していくべきなのか、その道筋も明確にしていくべきではないでしょうか。しかも、これは迅速にやっていただくべきことではないかと思います。
 あと、これは私にとってはよく分からないのですが、63番の「雇用均等指導員の設置」です。これはやはり労災保険でやるべきことなのかどうか。「あれっ」と思ったので、教えてください。
○岩村部会長 具体的なところは、原課から御説明いただきますか。それとも概括的に管理課のほうでお答えしますか。
○永峰委員 1つ教えていただきたいのは、63番の「雇用均等指導員の設置」を労災保険でやることに、私は「あれっ」と思ったものですので、教えていただければ有り難いです。
○岩村部会長 では、原課のほうでお願いいたします。
○雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課 特に大規模局においては現在、指導員7名を労災勘定で配置させていただいておりますけれども、うつ状態等の精神障害の発症や通院のおそれがある労働者からの相談が増加しており、複雑困難な事案が増加しています。これらの事案については、解決までに時間を有する等の問題がありますから、問題の早期解決を図り、労働者の精神状態の悪化や再発を防止することによって、労災補償給付に至る事案を未然に防止するため、労災勘定で対応しているところです。
○岩村部会長 永峰委員、いかがでしょうか。
○永峰委員 はい、分かりました。
○岩村部会長 では、労災管理課から何かありましたらお願いします。
○労災管理課長 概括的なお答えになってしまうかもしれませんが、目標設定については、実際に目標が達成されなかったから、達成できる目標にしていこうという発想は、我々役人は余り持っていないのではないかと思います。いろいろな過去の状況などを踏まえて、更にそれを努力するということを加味した上で、目標を設定していくというのが一般的であろうかと思います。個別具体的に見た場合にどうかというのはあるのかもしれませんが、達成できる目標を立てようという発想は余りない。客観的に説明できる数字になっているというのが通常であるということを、私たちの普通の考えとして御理解いただければと思います。
 いろいろな事業、特に今年度新規に行う事業などについては、もちろん今必要だからこれをやらなければいけないということで考えているわけですし、それが事業主にどう伝わって役立っていくのかということも、意識をして事業展開を図っていくべきというお考えもそのとおりだと思っております。社会復帰促進等事業の全体を持っております私ども労災管理課としても、ただいまの御指摘を踏まえて対応していきたいと思っております。
○岩村部会長 ほかにいかがでしょうか。一般的なコメントとしては、時として事業には評価の難しいものもあるので、余り単年度主義で評価するというのではなく、場合によっては2、3年ぐらいをスパンにして見る必要があるのではないかという気もします。
 もう1つは、今日拝見していて思ったことです。これは単なる感想です。やや定量的な目標に重きが置かれすぎているかなという気はいたします。もう少し定性的な目標があってもいいのではないかと思います。ただ、定性的な目標を掲げると、今度は達成度をどう評価するかという、非常に難しい問題にぶつかるものですから、どうしても定量的なところに行ってしまうのだろうという気がします。その点の考慮というか、検討もあってもいいかもしれないと思います。
 それと、結局のところ定量的な評価のしやすいものしかやらないという方向に、萎縮効果が働かないかというところもやや懸念されるところです。これは部会長として今日のお話を伺っていて思った感想です。特にほかに御意見がないようでしたら、今いろいろ出ました御意見については、事務局のほうで今後様々な事業を検討していく際、あるいは評価の際に御検討いただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。議事次第では「その他」となっていますが、特に事務局のほうでは用意がないということですが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。それでは、予定していた議事はこれで終了いたしましたので、これをもちまして本日の部会は終了とさせていただきます。最後に、議事録の署名委員ですが、労働者代表は立川委員に、使用者代表は田中委員にそれぞれお願いします。今日はお忙しい中、皆様ありがとうございました。これで閉会といたします。


(了)

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