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2013年6月19日 2013年6月19日 第16回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 速記録

○日時

平成25年6月19日(水) 16:30~18:30


○場所

航空会館大ホール(7階)
(東京都港区新橋1-18-1 航空会館)


○出席者

出席構成員

堀田構成員、五十嵐構成員、岩田構成員、岡部構成員、奥田構成員
小川構成員、落合構成員、北田構成員、友池構成員、葉梨構成員
樋口構成員、藤原構成員、山本構成員、吉村構成員

出席参考人

中村参考人、花岡参考人

○議題

1.第I回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について

2.第II回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について

3.企業から提出された開発工程表等について

4.今後の要望の取り扱い(案)について

5.その他

○議事

○医薬食品局審査管理課 
定刻になりましたので、第16回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を開催します。本日は伊藤構成員、後藤構成員、西川構成員、村島構成員、松石構成員、横谷構成員より欠席との御連絡を頂いており、現在のところ14名の先生に出席いただいております。また、ワーキンググループの検討状況を御報告するに当たりまして、前回同様、各ワーキンググループのメンバーから参考人として御出席をいただいております。これまで御出席いただいている先生方になりますので、御紹介は割愛させていただきます。カメラ撮影の方は、ここまででお願いします。
 堀田先生、以降の議事進行をお願いします。

○堀田座長 
早速ですが、ただいまから議事進行に入りたいと思います。その前に、本日の配布資料の確認を事務局で行ってください。

○医薬食品局審査管理課 
本日の配布資料は、議事次第及び座席表、資料1「検討会議における検討の進め方」。専門作業班の検討状況の概要等について、第I回要望関連が資料2-1、第II回要望関連が資料2-2。資料3-1から7が、医療上の必要性に関する専門作業班の評価。公知申請への該当性に係る検討会議の報告書(案)が資料4-1から資料4-3です。次に、医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班の検討状況について、第I回要望関連が資料5-1、第II回要望関連が資料5-2です。資料6-1「企業から提出された開発工程表について」、「企業から提出された開発工程表の概要等」について第I回要望関連が資料6-2、第II回要望関連が資料6-3です。資料7は「開発企業の募集を行った医薬品のリスト」。資料8は「今後の要望募集の取り扱い(案)について」があります。以上の資料を配布しています。参考資料は、ひとまとめにしてお配りしております。資料の不足等がありましたら、事務局までお申し付けください。

○堀田座長 
資料は整っておりますか。もし落丁等がありましたら、お知らせいただきたいと思います。たくさんの資料がありますので、どれが当該の説明の資料かが分かるように説明してください。
 本会議の前回は3月25日でしたが、それ以降の進捗について事務局から説明をお願いします。

○医薬食品局審査管理課
 前回3月25日第15回検討会議以降の検討状況について御説明します。まず資料1の右下あたりですが、第II回要望のうち、昨年4月6日及び本年1月31日に企業に開発要請したものについては、引き続きワーキンググループにおいて必要な試験の妥当性や公知申請の該当性の評価を行っております。公知申請が妥当と御判断いただいたものについては、薬事・食品衛生審議会における事前評価を踏まえ、企業より公知申請がされる流れになります。
 資料2-1について御説明します。第I回要望について医療上の必要性が高いとされたのは全部で185件となっており、これらについては段階的に開発要請等を行ってきました。次のページを御覧ください。表に開発要請等を行ったもののワーキングにおける検討状況をお示ししております。その他の要望の検討状況は、資料5-1に掲載しております。
 資料2-2について御説明をします。第II回要望については、前回会議までに合計100件について医療上の必要性が高いとの評価を頂きました。前回会議時点で検討中のものが合計24件あり、ワーキングにおいて、このうち合計3件について必要性が高くないと評価しております。引き続き、ワーキンググループで医療上の必要性について検討中の品目は、本資料の別添に一覧としてまとめております。
 次のページは、開発要請又は開発企業募集を行った98件の状況をお示ししております。開発要請をした81件のうち、新たに3件について公知申請への該当性に係る報告書案を取りまとめていただいております。また、既に開発に着手されているものが15件、今後治験の実施等が必要なものが23件、検討中が20件となっています。これらの品目のうち、前回会議時に「検討中」であったものの状況を資料5-2に一覧として掲載しております。個別品目の状況については、後ほど御説明させていただきます。本日は、資料の順に沿って御検討をお願いしたいと考えております。

○堀田座長
 ただいまの報告に何か御質問等があればお受けしたいと思います。第I回要望について「検討中」がわずか1件ということは、ほぼ評価は終わりつつあるということだと思います。第II回については今御説明がありましたように、まだ評価が残っているものがあって、その一部を今日、評価が終わった分についてはワーキンググループからの報告を頂くことになっております。御質問はよろしいですか。もしなければ、第II回要望に係る医療上の必要性の検討について、これまでのワーキンググループの検討状況について、まずは抗菌・抗炎症ワーキンググループから花岡先生にお願いしたいと思います。

○花岡参考人
 抗菌・抗炎症ワーキンググループから御報告をさせていただきます。先生方のお手元の資料を御覧いただけたらと思います。

○堀田座長 
資料3-4を見てください。

○花岡参考人 
1ページは「シプロフロキサシン」です。これは、がん化学療法による骨髄抑制に起因する感染予防に対する予防です。主要6か国で、シプロフロキサシンの予防効能についての承認が得られた国はありません。また、米国ではNCCNガイドラインに記載があるものの、欧州ではガイドラインに示されておらず、欧米において本件が標準的医療法に位置付けられているとまでは言えないと判断しました。
 また、フルオロキノロン系薬の広範な使用に関する耐性率の上昇の報告が、国内外の複数のがん治療施設からなされており、がん化学療法による好中球減少に起因する感染症予防における本剤の用法・用量については、報告によって違いが認められ、また本剤による予防を推奨している診療ガイドラインや教科書を参照しても、予防投与に係る特定の用法・用量についてコンセンサスが得られているとは判断できませんでした。
 このような状況から、国内外の医療環境の違いを踏まえても、国内における本剤の有用性が強く期待できるとまでは言えないと考え、医療上の必要性は高いとまでは言えないと判断いたしました。

○堀田座長 
 このシプロフロキサシンの報告について、何か御質問、御異議はありますか。もともと、学会からの要望事項については、がん化学療法による骨髄抑制に起因する感染予防になっていて、予防については欧州のガイドラインからも外れた状況があるということですが、何かコメントあるいは賛同の意見でもよろしいと思いますが、いかがでしょうか。要望を頂いた臨床腫瘍学会の関係で、藤原先生から何かコメントはありますか。

○藤原構成員
 一応、臨床腫瘍学会の保険委員会副委員長ですので利益相反ありとしての発言ですが、要請した当時はヨーロッパでも効能もありましたし、それ以降いろいろな変化がありまして、耐性菌の出現なども言われていますし、現在では予防効能として要望しろと言ったら、多分要望はしないのではないかと思っております。

○堀田座長
 本来的な意味の予防で、外来化学療法後に自宅で熱が出ていないのに使うというわけではなくて、多分発熱したときに、病院に来る間に飲んでおいてくださいというスタイルだと思いますが、それは予防と言えるかどうか。予備投与なのかもしれませんが、それも含めてこういう効能では、今のところ外れるということです。よろしいでしょうか。ありがとうございました。続いてお願いします。

○花岡参考人
 3ページの「サラゾスルファピリジン」と、4ページの「リツキシマブ」について併せて御説明します。これは関節リウマチに対する予防で、どちらも第11回の検討会議において検討をいただいたものです。このときは、医療上の必要性は高いとまでは言えないと一度報告し、検討会議において有用性について再検討すべきとの意見を頂き、今まで再度ワーキンググループで検討していた要望です。検討会後、いずれの要望に対しても改めて先進医療Bや医師主導治験等の成績を含めて、国内の使用実態報告等の情報収集を行いましたが、本邦において予防に対する有効性及び安全性の十分な根拠の報告は確認できませんでしたので、改めて本剤の有用性は強く期待できるとまでは言えないと考え、医療上の必要性は高いとまでは言えないと判断しました。以上です。

○堀田座長
 この品目について、今の報告に対して何か御質問や御意見がありましたらお願いします。もともとこれの要望は、増量ということでしたか。

○花岡参考人
 サラゾスルファピリジンについては増量で、報告書にも記載をしていますが、1gだけではなく2gについてもということです。ただ、臨床試験の成績では1gと2g同等というような成績が出ています。

○堀田座長
 何か御意見はありますか。

○山本構成員
 実際には、多くのリウマチ専門医は既に1gを突破して2gぐらいを投与しています。それは、欧米に比べて日本の用量だと早期に効果がなくなってしまうことがありますので。そこのところはもし検討が必要であれば、もう一度治験をすることを含めてでも、治験というか市販後調査になるにしても、それをやってでも一般のリウマチも、一般の医も投与できるようにしておいたほうが。というのは、今はバイオのお金が余りにも高くなっているので、もう少し安い薬でもきちんと使える裾野は広げておいた方がいいのかなという気がしますので。どこまでやればいいのか。例えば学会にその辺のことを要望して、やって効果が2gのほうがいいということになれば、それを認めていただけるのであれば、それでもいいのではないかと思います。

○堀田座長
 2gの方が優れていることが確認できなかったということですので、また調査なり前向きの試験なりで、そこを明らかにしていただければ道は開けるという理解でいいですか。

○山本構成員
 あとはリツキシマブについては同じように、これは高い薬ですが欧米では標準薬になってガイドラインの中に入っているので、それ以外の治験をするときにも、これをクリアしてなおかつ反応が抵抗性のものについて、次の新薬にトライするということがあるので、これも必要であれば学会主導で何か治験を組むことを含めてでも日本の中でやらないと、新しい薬の治験に日本が乗ることができない現実があります。以上です。

○堀田座長
 リツキシマブは次の品目になります。

○山本構成員
 今は両方ではないですか。

○花岡参考人
 今、両方を御説明させていただきました。両方とも前回の本会議で、必ずしも高くないという御報告をして、両方とも現在のところ国内での試験成績等がないということで、御意見を頂いてワーキングでも話になりまして、今後医師主導治験あるいは先進医療Bとして、学会主導で進めていただくのが一番いいのではないかというワーキングの中での意見でもありました。やはり、そのようにしていただかないと今後新しい道がないというので、それは必要な方向性だろうということです。

○堀田座長
 事務局からお願いします。

○医薬食品局審査管理課
 今日、議題の最後で未承認薬・適応外薬の要望の再開について御議論いただこうと思っております。その中で、先進医療Bの活用も含めて御議論いただきたいと思っておりますので、もしよろしければ資料8の御議論の後に、この品目の取扱いについて御意見いただければと思います。

○堀田座長
 ただいまの報告についてよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、次の公知申請に係る該当性について、抗菌ワーキンググループの花岡先生に御説明をしていただきたいと思います。

○花岡参考人
 公知申請の該当性について、資料4-1「クリンダマイシンリン酸エステル顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎の適応追加」の報告書案を御覧いただきたいと思います。1ページを御覧ください。今回、日本感染症学会より本剤の顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎に対する適応追加の要望が提出されていました。なお、日本感染症学会からの要望は、成人の顎骨周辺の蜂巣炎及び顎炎に対する「1回600mg1日4回」の用法・用量が効能追加でしたが、1回600mg1日4回の用法・用量が難治性又は重症感染症に対する既承認の用法・用量であることも踏まえ、通常用量である「1日600~1,200mg 1日2~4回」についても、顎骨周辺の蜂巣炎及び顎炎に使用できるようにすること、及び本剤について取得している効能・効果、いずれも小児に対する適応を有していることを踏まえ、今回の要望で併せて小児における効能・効果の追加をすることは医療上意義あるものと考え、報告書内で併せて検討しました。
 本剤は、2~12ページの3「欧米等6か国の承認状況等について」に記載されているように、ドイツ及びフランスについては既に顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎への適応が承認されています。また、13~25ページの「要望内容に係る国内外の公表文献・成書等について」の項に記載してあるとおり、国内外の文献調査の結果、国内外において成人及び小児の歯科・顎・口腔領域の重症感染疾患者に対して本剤が投与された症例報告が複数あり、本剤の有効性及び安全性が確立されていること、また教科書や国内外の各種ガイドラインで本剤が治療薬として推奨されていることから、本剤は顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎に対する治療薬として確立されているものであり、臨床現場においての使用成績が蓄積されたものと判断しました。
 これらの内容を含めて26ページですが、国内外の教科書・成書・ガイドラインにおいて、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎に対して、本剤の投与が推奨されていることを国内における臨床使用実績が蓄積されていること、また本邦においては既にクリンダマイシン塩酸塩の経口薬が顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎の適応を取得しており、クリンダマイシンが当該適応症の原因菌に対して抗菌活性を有することが明らかになっていることから、本剤の有効性のエビデンスは十分であると考えています。
 また、安全性についても、成人及び小児の歯科・顎・口腔領域の重症感染症患者において報告された有害事象は既知の事象であったこと、また本剤は国内外において使用経験が尽くされており、これまで安全性に大きな問題は認めないことから、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎に本剤を投与した際に新たな安全性の懸念が生じる可能性は低いものと判断しました。
 以上より、本剤は顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎に対する有効性及び安全性は、医学薬学上公知であると判断しました。したがって、効能・効果については27ページに記載しているとおり、「顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎」を追加することとしました。
 また、用法・用量は27~29ページに記載のとおり、国内症例報告において成人及び小児の歯科・顎・口腔領域の重症感染症患児に対して、国内で既に承認されている用法・用量と同じ用法・用量にて本剤が静脈内投与され、有効性及び安全性が確認されたことから、成人に対しては600~2,400mg1日2~4回、小児に対しては15~40mg/kg1日3~4回とすることが適切であると判断しました。
 なお、成人における投与方法は静脈内投与のみであるものの、本剤の成人に対する投与方法としては筋肉内投与が併せて承認されており、投与方法の選択肢の1つとされていること。PK-PDの検討に基づく既承認薬の用法・用量にて、本剤を筋肉内投与した場合においても静脈内投与と同様の有効性が期待できることから、筋肉内投与についても成人における本剤の投与方法の選択肢の1つとして、用法・用量に記載することは適切であると判断しました。

○堀田座長
 このクリンダマイシンについて、今の御報告に何か御意見はありますか。もともと、学会からの要望は成人でありましたが、WGでは踏み込んで小児までの検討をしていただいたということです。

○岩田構成員
 実際、臨床でも使っている薬剤ですので、こういった形で適応を追加していただき使えるようになることは非常によろしいことだと歓迎したいと思います。

○堀田座長
 そのほか、よろしいですか。ありがとうございました。これは公知申請に持っていきたいと思います。続いてお願いします。

○花岡参考人
 資料4-2です。ストレプトマイシン塩酸塩、非定型抗酸菌症の公知申請の該当性に係る報告書案を御覧いただきたいと思います。1ページです。今回、日本結核病学会・日本呼吸器学会及び日本感染症学会より、ストレプトマイシン塩酸塩のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非定型抗酸菌症に対する適応追加の要望が提出されておりました。
 本剤は2~6ページに記載されている3「欧米等6か国の承認状況等について」に記載されているように、海外において当該効能又は効果等において承認されていないものの、7~28ページの「要望内容に係る国内外の公表文献・成書等について」の項に記載されているとおり、国内外の文献調査の結果、要望内容に関する文献が公表されていること、また教科書や国内外の各種ガイドラインの一定標準治療に本剤の追加投与が推奨されていること、さらに28~30ページの「本邦での開発状況及び使用実態について」に記載しているとおり、国内の臨床現場において使用実績が確認されていることから、本剤の追加投与は非結核性抗酸菌症に対する治療法として確立されたものであり、臨床現場においても使用実績が蓄積されているものと判断しました。
 効能・効果については31ページを御覧ください。適応菌種に本剤に感性のマイコバクテリウム属を適応症に、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症を追加することとしました。なお、現行承認の適応菌種である結核菌はマイコバクテリウム属に含まれるため、今回追記される本剤に感性のマイコバクテリウム属に包括すると記載しました。
 用法・用量については32、33ページに記載しているとおり、国内のガイドラインの用量は15mg/kgとされていますが、本剤の承認用量は1日投与量で記載されており、対象疾患によって1日投与量と体重換算量での記載が混在することは混乱を招くおそれがあることから、成人体重を50~70kg未満と想定した場合の投与として0.75~1gと設定し、年齢、体重、症状によって適宜増減とすることが適切であると判断しました。また、用法については各種ガイドライン及び教科書の記載から、週2回又は3回投与としました。
 安全性については、非定型抗酸菌症患者における情報は限られているものの、設定した用法・用量は既承認の範囲内であり、国内外の使用成績、使用経験において、これまでに安全性に大きな問題を認めていないことから、新たな安全性の懸念が生じる可能性が低いと判断しました。以上より、本剤の非結核性抗酸菌症に対する有効性及び安全性は、医学薬学上公知であると判断しました。以上です。

○堀田座長
 ただいまの報告に、何か御追加、御質問はありますか。いまさらという感じがしないでもないですが、実際のプラクティスでは皆さん使っておられますよね。きちんと薬事法上、承認が取れていない状況が続いているということだと思いますが、感染の御関係の先生方、何か御発言はありますか。

○岩田構成員
 結核ではもともと使えますが、今は非結核性抗酸菌症が増えてきて、治療に難渋するケースも多いので、実際にはストレプトマイシンを使うケースもあるということで、きちんと医学薬学上必要ですし、こういった承認された形で使えることは非常によろしいことだと思います。歓迎したいと思います。ありがとうございます。

○堀田座長
 そのほかの御意見はありますか。よろしいですか。それでは公知申請を認めることにしたいと思います。
 続いて、小児のワーキンググループから中村先生に資料4-3に基づいてお願いします。

○中村参考人
 資料4-3の1ページ、日本小児内分泌学会より、エストラジオールの性腺機能低下症、性腺摘出又は原発性卵巣不全による低エストロゲン症の治療に対する適応追加の要望が提出されております。
 1ページで、本剤の医療上の必要性についてです。要望効能・効果については、エストロゲンを適量補充しない場合、二次性徴、骨の成長、骨塩量の増加が不十分となることがありますので、適応疾患の重篤性は「ウ:その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当し、要望された製剤であるエストラジオールの貼付剤は、要望内容については、米国において承認され、国内では同効能・効果での既承認薬がないことから、医療上の要請は「ア:既存の療法は国内にない」に該当すると判断されました。
 本剤の公知該当性についてです。34ページから35ページにかけてです。34ページで、「性腺機能低下症、性腺摘出、または原発性卵巣不全」では、いずれも卵巣機能の不全又は欠落によるエストロゲン欠乏状態症状を呈し、骨粗鬆症発症リスクや、血管内皮機能障害を介した冠動脈疾患発症リスクの上昇も推測されることから、エストロゲンの補充が必須とされております。また、エストロゲン貼付剤については、米国において既に要望効能・効果の適応を有しております。さらに欧米のガイドラインにおいても、低エストロゲン状態の女性は原則的にホルモン補充療法の適応とされ、原発性卵巣不全の1つであるターナー症候群に対するエストロゲン貼付剤の使用も推奨されております。
 34ページの第2段落から35ページにかけて、国内においては主にターナー症候群に関して、臨床研究の公表論文、教科書及びガイドラインでは、エストロゲン貼付剤の臨床的有用性にも言及されており、日本及び海外において卵巣機能の不全による低エストロゲン状態に対するホルモン補充療法の位置付けが確立されているものと考えられます。以上より、要望内容については医学薬学上公知と考えます。
 36ページの8(1)です。「効能・効果について」は、海外で承認されているエストラジオール経皮吸収製剤の有する効能・効果と同様に、「性腺機能低下症、性腺摘出又は原発性卵巣不全による低エストロゲン症」とすることが適切であると考えました。
 「用法・用量」については36ページから40ページにかけて記載があります。成人については、本邦において要望されている効能・効果の成人での患者集団と一部が重複すると考えられる、更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状の用法・用量や、米国での承認用法・用量と、1日放出量として同一となる用法・用量を勘案して0.72mg1枚、ストラジオール0.72mg含有を2日ごとに貼り替えるといった設定とすることが適切であると考えます。37ページから38ページに表がありますので、これを見比べると、この説明の意味が少し分かりやすいかと思われます。海外製剤との検討の上でこのようなことを考えました。
 38ページで、小児については日本小児内分泌学会の「ターナー症候群におけるエストロゲン補充療法ガイドライン」では、エストナーラテープ0.72mgの開始用量を8分の1枚、エストラジオールとして0.09mg含有として4分の1枚、2分の1枚、1枚と段階的に増量し、約2年後に成人量まで増量することが記載されており、米国のガイドラインにおいてもほぼ同様の投与量の増やし方法が推奨されております。少数例ではありますが、国内において、日本のガイドラインで提示された用法・用量で投与されている方法もあることから、小児の用法・用量は8分の1枚、エストラジオールとして0.09mg含有から開始し、先ほどのように4分の1枚、2分の1枚、1枚と段階的に増量するといった設定とすることが適切であると考えております。
 41ページの最後です。御質問があるかと思って先にお話します。本剤の低用量製剤が承認されていない。本来余りテープを切ることは望ましくないのですけれども、エストラジオールとしての0.09mg/1枚、0.18mg/1枚、0.36mg/1枚を、ここには「開発が必要と考える」と書いてありますけれども、開発企業の方から、既に開発に着手していると聞いています。以上です。

○堀田座長 
この製剤はただいま開発中ということで、間もなく小児用の貼付剤が出てくるということですが、現状では成人用のものを切って使う状況にあるということです。もともと、これは婦人科領域の更年期障害などに使う薬ですね、ホットフラッシュとか。小児の領域では、性腺機能低下症の患者さんに限って使うということだと思いますが、何か御発言はありますか。

○五十嵐構成員
 ターナー症候群というのは、いろいろな合併症があるのですが、性腺機能低下というのは、ほとんどの患者さんが合併しているものです。この人たちに対して、思春期のいろいろな二次性徴の発達を促進したり、骨の量を増やしたり、あるいは成人してからは骨粗鬆症にならないようにするために、この薬は非常に有用だと思いますので、今回お認めいただいたことは大変有り難いことだと思っています。

○堀田座長
 その他にいかがでしょうか、よろしいでしょうか。それでは、これも公知申請の方向に持っていきます。各ワーキンググループの検討結果については、これで御承認いただけたということでよろしいですか。ありがとうございます。
 続いて「医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班の検討状況」を取りまとめて事務局から説明をお願いいたします。

○医薬食品局審査管理課
 資料5-1です。「第I回要望で医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班の検討状況」で、前回会議時に検討中であったものについて御説明いたします。
 2ページで、抗菌・抗炎症ワーキンググループは残り1品目です。バンコマイシン塩酸塩が残っています。この品目については、耐性菌拡大防止のためのガイドラインを現在作成中とのことです。
 資料5-2について御説明いたします。「第II回要望で医療上の必要性が高いとされた品目に係る専門作業班の検討状況」で、前回会議時に検討中であったものについてです。2ページは、代謝・その他ワーキンググループです。第II回要望に関しては、1月31日に開発要請を行っておりますので、開発要請を行った品目については、要望番号に○を付けております。代謝・その他ワーキンググループについては、ミコフェノール酸モフェチル1品目で、現在ワーキンググループにて詳細を検討中です。
 4ページは、循環器ワーキンググループです。こちらは、今現在4品目あり、これらはワーキンググループにて詳細を検討中です。
 6ページから8ページは、抗菌・抗炎症ワーキンググループです。この中でクリンダマイシンリン酸エステル、ストレプトマイシン硫酸塩については、公知申請の妥当性の評価が行われましたので、これらについては進捗がありました。
 10ページは、小児ワーキンググループです。こちらでは、エストラジオールについて公知申請への妥当性の評価が行われましたので、これについては進捗がありました。以上です。

○堀田座長
 第I回要望については、バンコマイシンだけが残っているという状況で、これはガイドラインができるのを待っているという理解でいいですか。

○医薬食品局審査管理課
 はい。

○堀田座長
 そうなれば公知申請も可能であるということですか。

○医薬食品局審査管理課
 そのとおりです。ガイドラインは学会のほうで、パブリックコメント等いろいろな手続がありますが、ガイドラインを学会から報告次第すぐに取りかかってまいりたいと思っております。見通しとしては、次の会議にできれば挙げたいと考えております。

○堀田座長
 第I回要望については、最後の1つになっていることもありますが、次回に進捗を期待したいと思います。

○岩田構成員
 確認なのですが、先ほど説明のあった資料5-2の6ページの一番上の要望番号II-72の「クリンダマイシンリン酸エステル及びクリンダマイシン塩酸塩」の要請内容の所は間違っているのではないかと思うのですが、確認していただければと思います。本日の適応追加だと、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎ですがトキソプラズマになっています。

○堀田座長
 これは、間違いです。

○医薬食品局審査管理課
 御指摘ありがとうございます。

○堀田座長
 資料の訂正をお願いいたします。

○医薬食品局審査管理課
 了解いたしました。どうもありがとうございます。

○堀田座長
 細かい所を見ていますね。その他にお気付きの点はありませんか。特になければ次に移ります。企業から提出された開発工程表に関係した状況について、事務局から説明をお願いいたします。

○医政局研究開発振興課治験推進室長
 「企業から提出された開発工程表について」御説明いたします。資料6-1です。これまで提出されておりました開発工程表第I回要望に係る186件と、第II回要望に係る88件です。開発要請先の企業より、本年5月29日現在の更新版が提出されております。未提出の企業はありません。詳細は資料6-2、資料6-3によって御説明いたします。「評価基準」について記載しておりますけれども、評価基準については前回から変更はありません。
 資料6-2は、第I回要望に係る開発工程表の概要等です。1ページに分類ごとの数字だけ載っております。5ページからが、各品目の詳細です。5ページからが「a-0.承認済みのもの」ということで、今回は119件です。前回からの主な変更点について御説明いたします。12ページで、要望番号246番は企業名が変わり、佐藤製薬からジェンザイム・ジャパンに承継されております。
 16ページから17ページにかけてですが、ここに新たに承認された品目が載っています。一番上の9番、中ほどの159aと159b、下の5番、17ページで6番、349番が、今回承認済みとして新たに記載されたものです。なお、9番と159aと159bについては、前回承認済みとして記載すべきものでしたが、記載が漏れておりましたので今回追加させていただきました。それから、22ページの305番と376番が新たに承認されました。
 24ページからが、「a-1.承認申請済みのもの」です。今回は15件です。25ページの374番と203番の2件は治験が終了し、新たに承認申請が行われたものです。また、26ページの114番は新たに承認申請されたものです。以上3件が新たに承認申請されたものです。
 27ページからが「a-2.治験計画届提出済みのもの」です。今回は46件です。前回からの変更ですが、27ページの26番のアナグレリドは治験が終了し、承認申請準備中となっております。
 30ページの要望番号213番のノギテカン及び251番のピペラシリンナトリウムですが、特記事項として「症例の組入が遅れたため治験実施期間を延長」となっております。この治験期間の延長については、やむを得ない事情と考えますので、適切に開発を実施しているものと評価したいと思います。
 同じページの228番のバラシクロビルは、事前に送付させていただいた資料では、「承認申請準備中」になっておりましたが、その1つ上と同様に「症例の組入が遅れたため治験実施期間を延長」というのが正しい表記ですので、訂正させていただきます。どうも申し訳ございませんでした。
 31ページの355番の、ファイザーのロラゼパムです。2010年3月から、安定性試験に時間を要していたものですが、この度PMDAとの相談の結果、新たに健康成人による臨床試験の追加実施等を求められたということで、治験計画届が提出されております。これについては、開発要請から1年以上経過しておりますが、事情がありますので、適切に開発をされていると判断したいと考えております。
 以上a-0.からa-2.までは適切に開発を行っていると評価したいと思っております。
 b.、c.、d.については該当がありません。
 35ページの「e.開発要請半年後以降に公知申請を予定するもの」は1件で、こちらは個別評価となっております。先ほど、検討中ということで出てまいりましたバンコマイシンです。
 37ページの「g.その他」の5件については、いずれも個別評価です。先ほど御説明いたしました要望番号355が、その他g.からa-2.治験計画届提出済みに移動しましたが、その他は前回から変更はありません。いずれも個別評価ということですので、評価保留とさせていただきたいと思います。以上が、第I回要望の関係です。
 資料6-3は、第II回要望に係る資料です。1ページに、それぞれの区分ごとの件数が記載されております。個別のものについては5ページからです。「a-0.承認済みのもの」が、今回は14件です。5ページのII-37、6ページのII-37、II-58、II-96、II-98、II-116、II-176、II-177、II-186、7ページのII-273が今回新たに承認されたものです。
 8ページからが「a-1.承認申請済みのもの」で、今回は18件あります。9ページでII-172、II-196の2件、10ページでII-197の2件、II-242、II-253ですが、以上のものが新たに承認申請をされたものです。要望番号II-196とII-197については、それぞれ2社の企業名が書いてあります。武田バイオ開発センターが治験を実施し、武田薬品工業が承認申請をしているということで、共同で開発を実施したものです。
 11ページからが「a-2.治験計画届提出済みのもの」で、今回は17件です。変更点ですが、11ページのII-277については、治験が終了し、承認申請準備中となっております。II-36が2つと、II-55、II-194、II-281についても、ヤクルト本社の方で4成分併用の治験を実施しておりましたが、治験を終了し、承認申請準備中となりました。
 12ページから13ページにかけて、II-20、II-219、II-220、II-266の4品目については、新たに治験計画届が提出されております。なお、要望番号II-220以外については、開発要請から1年以内に治験計画届が提出されております。II-220については、PMDAの事前相談において、治験デザインの再検討を行うなどしたために、治験計画届の提出が少し遅れておりますが、その後、速やかに届出が提出されたことから、適切に開発していると判断したいと考えております。
 以上a-0.からa-2.までは適切に開発を行っていると評価したいと思います。
 14ページからのb.、c.、d.については該当品目はありません。
 17ページからが「e.開発要請半年後以降に公知申請を予定するもの」です。これが全部で21件あり、個別評価をするものとされております。前回の会議においては、「d.開発要請後半年以内に公知申請を予定しているが、WGが検討中であるもの」として報告をされた10件のうち、承認申請された2件を除く8件が、e.の項の区分に移動しております。このうち、先ほど御審議いただきました17ページの要望番号II-44のエストラジオール、18ページの要望番号II-73のクリンダマイシン、II-107のストレプトマイシンについては、公知申請に該当するということでお認めをいただいております。行政の持ち時間等を考慮し、適切に開発を行ったものとして、この3つについては評価いたしたいと思います。その他のものについては、今回は評価保留とさせていただきます。
 22ページからが「g.その他」ということで18件あります。これらについても個別評価するものですが、若干変更があります。24ページのII-274のレチガビンは、開発方針の変更により、日本での治験を中止し、オーストラリアにおいて、日本人の第I相試験を4月に実施予定となっておりましたが、その後、海外での有害事象が発生したため、その評価が終了するまで試験の実施を延期するということです。
 II-183のピリメタミンは、治験の要否についてPMDAと相談中でしたが、治験を実施することになり、その計画について更にPMDAと相談中ということです。「g.その他」については評価保留とさせていただきます。第II回要望分については以上です。
 資料7は、「開発企業の募集を行った医薬品のリスト」です。第I回要望分ですが、前回からの変更があったのが、No.3のベタインです。前回、承認申請準備中だったところが、承認申請中になりました。承認申請が行われております。No.6のメトロニダゾールは、治験が終了して承認申請準備中となっております。第II回要望募集分について、今回は前回からの変更はありません。以上です。

○堀田座長
 資料がいろいろありますので、ちょっと目移りして分かりにくかったかもしれませんが、まずは第I回要望に関係する工程表の進捗について御意見はありますか。随分承認されたものが増えてきたということで、全体で110の承認が下りている状況です。第II回要望については、まだ途中のものが当然多いわけです。記載の問題で指摘していただいたのは、先ほどの何ページでしたか。

○岩田構成員
 資料5-2の6ページの表の一番上の、開発要望番号II-72で、先ほど間違いではないかという指摘をしたのですけれども、ただいま説明のあった資料6-3の18ページの第2回開発要請分の一番下のII-72もトキソプラズマになっています。

○堀田座長
 これも同じ記載内容ですね。

○岩田構成員
 これで間違いはないですか。

○医薬食品局審査管理課
 先ほどのあれは、あれで合っています。すみませんでした。

○岩田構成員
 これで合っているのですね。申し訳ございません。先ほどの指摘は取り下げさせていただきます。

○堀田座長
 なるほど。20ページの一番上のファイザーのロイコボリンもこれでいいのですね。

○医薬食品局審査管理課
 すみません、何ページですか。

○堀田座長
 20ページの一番上です。II-223です。

○医薬食品局審査管理課
 この記載も合っています。

○堀田座長
 これも合っていると。そういうものですか。こうした対象にロイコボリンを使いますかね。これは、専門家に任せます。確認してまたよろしくお願いいたします。その他の御意見を頂けますか。よろしいですか。資料7は、第I回と第II回で、第I回のほうでも、ここは企業がほぼ決まったと。ただ、未公表という部分があるということです。第II回は当然ながら、まだ企業が決まらないところがあります。この中で、例えば、医師主導治験をやろうというような動きは特にないのですか。

○医政局研究開発振興課治験推進室長
 今のところは聞いておりません。ただ「企業なし」と書いてある所でも、幾つかの問合わせはありますので、検討はされているものと思います。また私どもの方から、日本製薬工業協会等、業界の方にもこの要望募集についてはご対応をいただくようにお願いしております。

○堀田座長
 開発要請を掛けても、日本にそもそも法人がなかったりするというのもありますし、あるいは会社が合併してしまってもとの会社がないというのもありますので、そういう意味では新たにどこかに手を挙げていただくか、医師主導治験をやるという話にもなろうかと思います。せっかく評価もして、必要性を認めてきたわけですから進めたいと思います。
 その他に御意見がないようでしたら、この工程表について、進捗は御承認いただけますか。
(承認)

○堀田座長
 ありがとうございます。次は審査管理課から用意されている資料8の新しい取組と今後の取組について説明していただきます。

○医薬食品局審査管理課
 資料8「今後の要望募集の取り扱い(案)について」御説明いたします。「現状の整理」についてです。第I回及び第II回の要望品の進捗状況については、下の表を参照してください。第I回及び第II回を比較した際に、要望に占める適応外薬の割合が現在増加してきております。また、第I回の医療上の必要性の評価に関しては終了していますが、未承認薬に関しては33品目が治験を実施中で、適応外薬は48品目が治験を実施中です。第II回の医療上の必要性の評価に関しては、今回評価をいただきましたので現在21件残っています。既に必要性の評価が済んだ品目についても、第I回に比べて治験の実施が必要な品目の割合が多い状況です。
 未承認薬リストについて御説明いたします。資料8の後ろに付いている別添を御覧ください。このリストは2009年4月から2013年3月の間に、FDA及びEMAで承認されており、日本での未承認の医薬品を抜粋したものです。現状の整理は以上です。
 次に「今後の要望の取り扱い(案)」です。基本的な方針について御説明いたします。まず1点目は、引き続き医療上の必要性の高い医薬品のラグ解消に係る要望があることを踏まえつつ、第I回及び第II回の開発に相当のリソースが割かれていることが割かれている状況を考慮し、特に医療上の必要性が高いと考えられ以下のものを優先的に取り扱うこととしたいと考えております。また、患者団体又は個人が要望する場合には第II回と同様に、関連する学会を指定していただくことを考えております。3点目は、要望は継続的に受け付けることといたしますが、まずは今年12月末までで締め切り、医療上の必要性等の評価に着手することを考えております。
 裏側のページで、「優先的に取り扱う対象」について御説明いたします。未承認薬については、今回2009年4月以降に、FDA及びEMAで承認された医薬品のうち、国内で承認のない品目から選択することとし、医療上の必要性のあるものについては開発要請を追加することを考えております。適応外薬については、速やかに医師主導治験や先進医療B、ただしICH-GCPを準拠できたものに限りますが、こういうものなどが実施された医薬品のうち、医療上の必要性のあるものについては、優先的に取り扱うことを考えております。
 具体的にはその下にあるとおり、先進医療Bや医師主導治験が終了し、エビデンスが示された場合に要望を可能とすることを考えております。また、適応外薬の要望を行う場合には「適応外使用に係る医療用医薬品の取扱いについて」という通知の(1)~(3)の条件のいずれかに基づくことを考えております。参考としてその詳細を示しておりますので御覧ください。
 また、「今後のスケジュール」ですが、本日6月19日に、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の後に、当該資料をホームページに掲載させていただきたいと考えております。そして8月1日から正式な募集を開始したいと考えております。そして12月27日に取りまとめのために一旦締め切らせていただこうと考えておりますが、募集に関してはその後も随時継続して行う予定です。以上です。

○堀田座長
 今後まだ要望が出てくる可能性もあるし、現に要望があるわけですが、これをどのように今後対応していくかという提案です。いま説明がありましたように12月を1つの区切りとして締切り、8月に要望受付けですが、その条件が裏に書いてあります。未承認と適応外で、それぞれこのような枠に入ったものを優先的に取り扱うということです。このような提案に対していかがでしょうか。

○吉村構成員
 別添のほうを見ると、企業がシオノギとか武田という日本の企業で、しかもアメリカやヨーロッパでは承認されているけれども、日本では承認されていないというのは、日本には申請しなかったということなのでしょうか。

○医薬食品局審査管理課
 今回のリストについては、国内で開発の状況については書いてありませんので、もしかしたら承認申請を準備中なのかもしれません。これについては各学会から要望がありましたら、そういう情報についても併せて調べていきたいと思います。

○堀田座長
 実は、ここに国内開発状況というのを付けてくれないかということを、事前に事務局に言ったのだけれども、今の段階では企業側が好まないこともあるという状況もあるようです。いろいろな絡みがあって、今回はこういう形で出していただきました。

○吉村構成員
 今回はリジェクトされたというものはないのですね。

○医薬食品局審査管理課
 我々は、出てくる分には非常にウエルカムです。

○堀田座長
 日本で既に治験が始まっているものは、要望としては既にクリアしてしまっているわけですから、そういうものは分かるといいですね。関心を持たれる方は、そういうのを調べてはいるだろうと思います。この検討会の前身の未承認薬使用問題検討会のときには、四半期ごとに新たに欧米で承認されたものは、自動的に俎上に乗せるというやり方を取ってまいりましたが、少しそれに似たような状況になったということだと思います。進め方等について御意見を頂けますか。あるいは、優先的に取り扱う対象はこれでいいかどうかというところはいかがですか。適応外については、ここの記載によると、医師主導治験とか先進医療Bで実施されて、その結論が出ているものに限られるわけですね。

○医薬食品局審査管理課
 先進医療Bでしたら、臨床研究が終わって良い結果が出たと。それで更に医療上の必要性も高いということであれば要望していただいて、本会議で検討した結果、企業に引き継いで開発を要請するということです。

○堀田座長
 公知申請みたいなものは、どう扱われるのですか。

○医薬食品局審査管理課
 当然この参考1にあるように、いわゆる二課長通知の(3)「公的な研究事業の委託研究等により実施されるなどその実施に係る倫理性、科学性及び信頼性を確認し得る臨床試験の各試験成績がある場合」に該当するということで、そのまま公知申請につなげていただく。いわゆる公知申請につなげていけるのだろうと考えております。

○堀田座長
 よろしいでしょうか。実際にこれを進めようと思ったときには、どこに相当するかというのは結構微妙なところもあります。これまでですと公知申請できないとしたら、治験をやってくださいというような話ですけれども、逆の形ですよね。むしろ治験なり、あるいは先進医療Bを先にやってということになると思います。そんな理解でいいですか。

○医薬食品局審査管理課
 基本的には、なかなか企業治験が待ちきれずに、現場の医師サイドがこういった先進医療B又は医師主導治験をやるということは、それだけニーズが高いということですので、そういうものは優先的に取り扱ってはどうかという提案です。

○堀田座長
 現場側の意見は何かありませんか。

○藤原構成員
 適応外の所が、最近は科研費も医師主導治験とか先進医療Bはいつも額が少なくて、応募しても落ちる人のほうが多くて、やりたくてもやれないという実情があるので、そこが来年度予算で増えれば、たくさん研究ができるのでいいかなと思うのです。そうでなければ、例えば適応外の薬で、FDAとかEMAが承認した品目については、募集対象とは別に、この別添のようにここの会議で、こういうものが適応外で承認されていますみたいな一覧表が出てくると、患者さんも、こういうのが承認されているのだなということが分かるという意味ではいいのかなとは感じます。だから募集要綱というよりも、適応外の承認状況の把握というのは、どこか平場で見られるような所はないのかということが1つ気になりました。

○堀田座長
 そういうのは、どこかを検索すると分かるようなシステムになっているといいですね。

○医薬食品局審査管理課
 前の会議でも、未承認薬データベース(仮称)についても一度説明させていただきましたが、できるだけそういう御要望に応えられるように頑張りたいと思っております。まずは未承認薬のリストについて整備をしていこうということです。

○堀田座長
 これも、日本ではどうなっているかというのを、アナログ的に全部潰して逐一調べなければいけないらしいので、そう簡単ではないと思います。またデータが間違っていると現場は非常に混乱しますし、そういうこともあります。
 よろしいでしょうか。この形で今後の取り扱い、第3回になるのかどうか分かりませんが、継続的にという話を聞きます。毎年12月にやっていただけるのかどうか今のところは分かりませんが、取りあえずこの形でスタートさせていただきたいと思います。本日予定した議題は以上です。

○医薬食品局審査管理課
 先ほど棚上げにしたサラゾスルファピリジンとリツキシマブの件なのですが、山本先生から御意見を頂けますか。

○山本構成員
 急いでどうなるものでもないということはよく分かりますので、学会等で検討して、どのように皆さんと進めていくかを検討するしかないかなと思います。

○堀田座長
 本日はもの分かりがいいですね。失言しました、すみません。予定したのはここまでですが、御発言がありましたらどうぞ。

○中村参考人
 参考人なので、本来意見は言えないので質問させてください。今の優先的に取り扱う対象の所の適応外薬というのは、1つは先進医療Bや医師主導治験が終了しているものは優先すると。ただ、大抵小児科領域は成人から下りてくるので、国内に物はある、でも小児科領域では使えないものがいっぱいある。その中で、海外でというか、104号通知の(1)(2)に該当するものは結構あると思うのですが、それは引き続き上げて構わないということですか。

○医薬食品局審査管理課
 構いません。

○中村参考人
 ありがとうございました。そこの確認だけさせていただきました。

○堀田座長
 先ほど、私もその辺のことを確認したかったのです。

○中村参考人
 この記載ぶりだと、全部が先進医療Bや医師主導治験が終了したものでないといけないようにも読めるので、そこはアナウンスする際に少し。

○医薬食品局審査管理課
 飽くまでも優先的に取り扱う対象ということですので、要望の範囲については特に変わりないということです。

○中村参考人
 ありがとうございます。

○堀田座長
 要望していただいてもいいけれども、優先的には取り扱わないこともあり得るということかもしれません。その辺は誤解のないような形で周知していただきたいと思います。最後に事務局から今後の予定と連絡事項をお願いいたします。

○医薬食品局審査管理課
 次回の検討会議については、日程調整をさせていただきたいと思います。御多用のところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

○堀田座長
 それでは、これにて散会といたします。ありがとうございました。


<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬食品局審査管理課

03-5253-1111(内線 4165、4221)

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