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2018年世界保健デーのテーマは「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」です。

1. 4月7日は世界保健デー。今年のテーマはユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)です

1948年4月7日に世界保健機関(WHO)が設立されたことから、毎年4月7日を世界保健デーとして健康に関わるテーマを設定しています。WHOの設立70周年を迎える今年は、テーマとしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage : UHC)を掲げ、世界でUHCの推進のための活動が展開されています。
 
・テーマ:「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ:誰もがどこでも保健医療を受けられる社会に」(Universal health coverage: everyone, everywhere)
・スローガン:「すべての人に健康を」(Health for All)

2. ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage : UHC)とは?

 

WHOは設立された1948年に健康が基本的人権であることを宣言しました。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage(UHC))とは、「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を指します。

3. UHCは国際社会の中で認められている世界各国における開発目標です。

  
 
2015年9月の国連総会で、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。本アジェンダでは人間、地球、繁栄のための行動計画としての宣言および目標を掲げ、ミレニアム開発目標(MDGs)の後継として17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」が発表されました。
「持続可能な開発目標(SDGs)」のターゲットの1つとしてユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成が位置づけられ、全ての人々が基礎的な保健医療サービスが受けられ、医療費を支払うことで貧困に陥るリスクを未然に防ぐことが重要であることが確認されました。
また、2017年12月には、2019年にUHCをテーマとした国連ハイレベル会合を開催すること、12月12日をUHCデーとすることが国連で採択されました。
 

4. 日本におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)

 

日本のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)への歩みは1927年に一部の被用者に対する公的保険制度を導入することで始まりました。その後、徐々に被保険者の範囲を広げ、1961年4月に国民健康保険法が全面的に改正され、すべての国民が加入する公的医療保険が確立しました。その後、一県一医大構想が1973年に閣議決定され、当時医学部のなかった県に医科大学(医学部)を設置することが示されました。このように国民皆保険制度に加えて、保健医療へのアクセスを改善し、早期にUHCを達成したことが、日本の世界有数の健康寿命につながったといえます。
 

5. 日本の世界におけるUHCに関する取組み

 

2016年、G7伊勢志摩サミット・G7神戸保健大臣会合において、日本は、G7として初めて首脳級の会談でUHCの推進を主要テーマに設定し、国際社会・国際機関と連携して、アフリカ、アジア等でのUHCの確立を支援すること、さらに国際的議論において主導的な役割を果たしていくことを表明しました。
 
参考:国際保健のためのG7伊勢志摩ビジョンhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000160313.pdf
G7神戸保健大臣会合コミュニケ
 
2017年7月に開催した日・ASEAN保健大臣会合では、ASEAN各国の保健大臣を東京に招き、UHCと高齢化について議論を深めました。同会合では、日・ASEAN保健大臣会合共同宣言文を採択し、住民登録・人口動態統計の構築支援や政策人材の育成と知見の共有を柱とする日・ASEAN UHC イニシアティブを発表しました。
 
参考:厚労省ホームページ. 日・ASEAN UHCイニシアチブ (2017).
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10501000-Daijinkanboukokusaika-Kokusaika/0000171525.pdf
 
2017年12月に日本政府がWHOや世界銀行と共催した「UHCフォーラム2017」では、安倍晋三内閣総理大臣の他、グテーレス国連事務総長、テドロスWHO事務局長、キム世界銀行総裁が出席したほか、30か国以上の政府高官や国際機関等の代表や専門家が集まり、各国におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)推進に向けた議論が行われました。加藤厚生労働大臣は「UHC実現に向けた取組の加速」と題したのスピーチの中で、2030年までにUHCを達成すべく、各国レベルでの国際機関等の援助機関の協調を呼びかけ、各国の実践と経験の情報共有を促進することが世界の健康に大きく貢献する旨発言しました。
 
参考:ユニバーサルヘルス・カバレッジ・フォーラム(2017).「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)東京宣言: UHC実現に向けた取組の加速」
http://universalhealthcoverageday.org/forum/
 

6. 今後の展望

UHCは一旦達成した後も維持することも非常に重要です。今後の持続可能な発展のためには、各国政府が国全体の取組をリードし、財政面でも持続可能なシステムの構築が不可欠です。2019年の国連UHCハイレベル会合に向けて厚生労働省は関係機関と連携しながら、各国のUHC推進に向けた取り組みを支援し、国際保健の議論にも貢献していきます。

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