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建設雇用改善計画(第九次)の概要

-若者が展望をもって安心して活き活きと働ける魅力ある職場づくり の推進-

I 計画の基本的考え方

1  計画の背景と課題

(1) 計画の背景

  • その他 景気回復、大震災からの復興需要、国土強靱化の推進、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等により、建設投資が近年増加傾向
  • その他 雇用情勢が着実に改善する中、建設関連職種の有効求人倍率が上昇、企業の雇用不足感の高まりなど、人材不足の状況
  • その他 これまでの長期にわたる建設投資の減少の下、建設労働者の高齢化が進展する中で、新規学卒入職者が減少する等、将来を担う技能労働者の不足が懸念。また、重層下請構造やダンピング受注等の影響により、雇用環境の改善が停滞。 
  • その他 人口減少や急激な少子高齢化による労働力の大幅な減少等が建設産業の持続的な発展への悪影響となるおそれ

(2) 課題

建設産業が、今後についても、社会資本や産業基盤を造成維持し、国民の安全安心な生活と財産を守り、我が国の産業の活性化に貢献していくためには、建設産業の持続的な発展が不可欠である。このためには、他産業に比べて著しく高齢化が進展している状況や、雇用改善が立ち後れている状況に鑑みて、若者が展望をもって活き活きと働ける魅力ある職場づくりを推し進めることを課題とし、若年技能労働者等の確保育成、魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備、職業能力開発の促進、技能継承を最重点事項として、施策を推進していくこととする。

  • (テーマ)
  • ”若者が展望をもって安心して活き活きと働ける魅力ある職場づくりの推進”
  • (施策の最重点事項)
  • (1) 若年者等の建設業への入職、定着促進による技能労働者の確保、育成
  • (2) 魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備
  • (3) 職業能力開発の促進、技能継承

2  計画の期間

 平成28年度~平成32年度。ただし、今後の建設業や建設業に係る施策の動向等を踏まえ、必要な場合は計画を改正。

II 建設雇用等の動向

1  建設経済の動向

 建設投資は平成2年をピークとして減少傾向が続いており、平成22年度投資額(実質)は平成2年度から約半減となった。その後は回復傾向にあり、東京オリンピック・パラリンピックの開催等、建設産業を取り巻く環境は明るい兆しがみられる。

2  建設労働者の動向

  • その他 建設業の就業者数は、平成9年の685万人をピークに平成22年には498万人となり、その後は同水準で推移している。平成27年には500万人となり、平成9年と比較して約27%の減少。雇用者数も同様の傾向である。
  • その他 建設業における若年層(15~29歳)の割合は、平成27年には10.8%(全産業の16.2%に比べ低い)。他方、高年齢層(55歳以上)の割合は平成27年には33.8%(全産業の29.2%に比べ高い)。また、平成27年における建設労働者の平均年齢は44.0歳(全産業の42.3歳に比べやや高齢化)。

3  建設技能労働者の需給動向

  • その他 建設技能労働者の過不足状況については、平成23年後半以降は不足とする企業が多数。有効求人倍率を見ても、平成27年では、建設躯体工事の職業の7.00倍をはじめ、建築土木測量技術者が3.75倍、建設躯体工事以外の建設の職業が2.88倍となるなど、全体の1.20倍と比較すると、人材不足の状況となっている。
  • その他 建設技能労働者については、高齢化が進む一方、若年労働者が減少していることから、今後、不足することが懸念。

4  労働条件等の動向

  • その他 建設業における1人当たりの年間総実労働時間(規模5人以上の事業所)は、平成27年には2,058時間となり、全産業の1,734時間と比べかなり長い。
  • その他 建設業において完全週休2日制を導入している企業の割合(規模30人以上の企業)は、平成27年では40.0%と、平成21年の28.9%と比較すると普及は進んでいるものの、全産業の50.7%と比べると普及が遅れている。
  • その他 建設業における賃金水準については、生産労働者(男性)の年間の給与額(企業規模10人以上の事業所)を試算すると、平成27年で433万円であり、平成16年の401万円からほぼ横ばいとなっていたが、平成25年以降は上昇傾向にある。
  • その他 建設業における労働災害の状況については、死亡災害は平成27年には377人。全産業に占める割合は、死傷者数で14.4%、死亡者数で34.7%。

5  職業能力開発の動向

  • その他 OFF-JTを実施した企業は、平成25年度には78.2%(全産業の72.4%、製造業の73.4%より高い)。
  • その他 計画的なOJTを実施した企業は、平成25年度には63.1%(全産業の62.2%より高いが、製造業の65.9%より低い)。
  • その他 人材育成の問題点については、「指導する人材が不足している」が最も多く52.5%、「人材育成を行う時間がない」が42.0%、「人材を育成しても辞めてしまう」が41.8%(複数回答)。

III 雇用の改善等を図るために講じようとする施策に関する基本的事項

 建設労働者の職業生活の安定にも十分に配慮した上で、建設雇用等の動向を踏まえ、建設労働者の雇用状態の改善、職業能力の開発及び向上、福祉の増進等雇用の改善を一層促進することにより、建設業の魅力ある産業としての発展に資するため、次の施策を積極的に推進する。

1  若年者等の建設業への入職・定着促進による技能労働者の確保・育成

(1)  若年労働者の確保・育成

  • その他 建設業の魅力の発信、その関心の喚起のための取組。
  • その他 ハローワークによるマッチング支援。
  • その他 若年労働者を育成する職場風土の醸成のための支援。

(2)  女性労働者の活躍の促進

  • その他 仕事と家庭の両立や女性のキャリアアップ促進のための就労環境の整備。
  • その他 男女別トイレの設置等職場環境の整備のための支援。

(3)  高年齢労働者の活躍の促進

2  魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備

(1)  建設雇用改善の基礎的事項の達成

  • その他 雇用関係の明確化に向けた取組。
  • その他 長時間労働の改善のための労使の自主的な取組への重点的な指導。
  • その他 完全週休2日制の普及に向けた段階的な取組としての4週8休制の導入等の促進。
  • その他 労働保険及び社会保険の一層の適用促進。

(2)  労働災害防止対策の推進

  • その他 労働災害防止計画等を踏まえ、建設業における総合的な労働災害防止対策の推進。

3 職業能力開発の促進、技能継承

(1) 事業主等の行う職業能力開発の促進

  • その他 認定職業訓練、技能実習の実施の促進。
  • その他 公共職業能力開発施設等おける建設労働者の訓練の実施。
  • その他 資格、教育訓練、処遇を関連づけたキャリアパスの検討への支援。
  • その他 多能工化に資する職業訓練の推進

(2) 労働者の自発的な職業能力開発の促進

(3) 熟練技能の維持・継承及び活用

  • その他 各種大会を通じた技能の魅力・重要性の啓発。
  • その他 熟練技能労働者による技能講習等。
  • その他 技能労働者が不足する職種等についての教育訓練の取組への促進。
  • その他 高齢者の技能指導方法等向上のための訓練の促進。

4  雇用改善推進体制の整備

(1)  建設事業主における雇用管理体制等の整備

(2)  事業主団体における効果的な雇用改善等の推進

(3)  地域の実情を踏まえたきめ細かな雇用改善の推進

(4)  建設労働者確保育成助成金制度の活用等

(5)  関係行政機関相互の連携の確保等

(6)  雇用改善を図るための諸条件の整備

  • その他 労務関係諸経費の確保、適切な工期の設定等
  • その他 公共工事におけるダンピング対策の強化、施工時期の平準化等

5  円滑な労働力需給の調整等による建設労働者の雇用の安定等

○  建設業務有料職業紹介事業及び建設業務労働者就業機会確保事業の適正な運営の確保等

  • その他 制度の趣旨に沿った適切かつ効果的な事業運営の確保。

6  外国人労働者への対応

  • その他 外国人労働者の就労環境の整備。
  • その他 不法就労等の防止。
  • その他 東京オリンピック、パラリンピック等の建設需要に対応するための緊急かつ時限的な外国人材の活用

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