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ポリオとポリオワクチンの基礎知識

ポリオワクチン

ポリオの予防には、ポリオワクチンの接種が必要です。単独の不活化ポリオワクチンは、2012(平成24)年9月1日に導入されました。4種混合ワクチンは、2012(平成24)年9月1日に導入されました。

ポリオとポリオワクチンの基礎知識

ポリオワクチンに関するQ&A(平成30年1月29日更新)

ポリオとポリオワクチンについて

問1.ポリオってどんな病気ですか?

  • ポリオは、人から人へ感染します。
     ポリオは、ポリオウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染します。増えたポリオウイルスは、再び便の中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。成人が感染することもありますが、乳幼児がかかることが多い病気です。
  • ポリオウイルスに感染すると手や足に麻痺があらわれることがあります。
     ポリオウイルスに感染しても、多くの場合、病気としての明らかな症状はあらわれずに、知らない間に免疫ができます。
     しかし、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺があらわれ、その麻痺が一生残ってしまうことがあります。
     麻痺の進行を止めたり、麻痺を回復させるための治療が試みられてきましたが、現在、残念ながら特効薬などの確実な治療法はありません。麻痺に対しては、残された機能を最大限に活用するためのリハビリテーションが行われます。

問2.日本ではもうポリオは発生していないのに、ポリオワクチンの接種が必要なのですか?

  • 予防接種によってポリオの大流行を防ぐことができました。
     日本では、1960(昭和35)年に、ポリオ患者の数が5千人を超え、かつてない大流行となりましたが、生ポリオワクチンの導入により、流行はおさまりました。1980(昭和55)年の1例を最後に、現在まで、野生の(ワクチンによらない)ポリオウイルスによる新たな患者は出ていません。
  • 今でも、海外から、ポリオウイルスが国内に入ってくる可能性があります。
     海外では、依然としてポリオが流行している地域があります。パキスタンやアフガニスタンなどの南西アジアやナイジェリアなどのアフリカ諸国です。
     ポリオウイルスに感染しても、麻痺などの症状が出ない場合が多いので、海外で感染したことに気が付かないまま帰国(あるいは入国)してしまう可能性があります。症状がなくても、感染した人の便にはポリオウイルスが排泄され、感染のもととなる可能性があります。
  • ポリオに対する免疫をもつ人の割合が減ると、流行する危険があります。
     仮に、ポリオウイルスが日本国内に持ち込まれても、現在では、ほとんどの人が免疫を持っているので、大きな流行になることはないと考えられます。シンガポール、オーストラリアなど、予防接種の接種率が高い国々では、ポリオの流行地からポリオ患者が入国しても、国内でウイルスが広がらなかったことが報告されています。しかし、予防接種を受けない人が増え、免疫を持たない人が増えると、持ち込まれたポリオウイルスは免疫を持たない人から持たない人へと感染し、ポリオの流行が起こる可能性が高まります。

問3.生ポリオワクチンと不活化ポリオワクチンはどう違うのですか?

  • 生ポリオワクチンには、病原性を弱めたウイルスが入っています。
     「生ワクチン」は、ポリオウイルスの病原性を弱めてつくったものです。ポリオに感染したときとほぼ同様の仕組みで強い免疫が出来ます。免疫をつける力が優れている一方で、まれにポリオにかかったときと同じ症状が出ることがあります。その他、麻しん(はしか)や風しん(三日ばしか)のワクチン、結核のBCGが生ワクチンです。
  • 不活化ポリオワクチンは、不活化した(殺した)ウイルスからつくられています。
     「不活化ワクチン」は、ポリオウイルスを不活化し(=殺し)、免疫をつくるのに必要な成分を取り出して病原性を無くしてつくったものです。ウイルスとしての働きはないので、ポリオと同様の症状が出るという副反応はありません(ただし、発熱など、不活化ワクチンでも副反応が生じることがあります。)。その他、百日せきや日本脳炎のワクチンが不活化ワクチンです。
  • 2012(平成24)年9月1日から生ポリオワクチンの定期予防接種は中止され、不活化ポリオワクチンの定期接種が導入されました。

ポリオワクチンの接種方法について

問4.不活化ポリオワクチンの接種回数・年齢・方法はどのようになりますか?

不活化ポリオワクチンは、初回接種3回、追加接種1回、合計4回の接種が必要です。
不活化ポリオワクチンの接種年齢・回数・間隔は、次のとおりです。

  • 初回接種(3回):標準的には生後2か月から12か月に3回 (20日以上、標準的には20日からから56日までの間隔をおく)
  • 追加接種(1回):初回接種から12か月から18か月後(最低6か月後)に1回

 なお、この期間を過ぎた場合でも、生後90か月(7歳半)に至るまでの間であれば、接種ができます。過去に生ポリオワクチンを受けそびれた方も、対象年齢内であれば、不活化ポリオワクチンの定期接種を受けていただくことが可能ですので、接種されることをおすすめします。

問5.生ポリオワクチンを受けたことがある場合、不活化ポリオワクチンを受けられますか?受ける必要がありますか?

  • 不活化ポリオワクチン導入前に1回目の生ポリオワクチンを接種した方は、2回目以降は不活化ポリオワクチンを受けることになりました。
     生ポリオワクチンを1回接種した方は、不活化ポリオワクチンを3回接種することになりました。
  • すでに不活化ポリオワクチン1〜2回と生ポリオワクチン1回を受けている場合でも(順番問わず)、不活化ポリオワクチンの定期接種を受けられます。
     生ポリオワクチン1回と不活化ポリオワクチンを合計して4回となるよう、残りの不活化ポリオワクチン1〜2回を定期接種として受けることが可能です。
  • 生ポリオワクチンをすでに2回接種された方は、不活化ポリオワクチンの追加接種は不要です。

問6.不活化ポリオワクチンを、他のワクチンと同時接種できますか?他のワクチンとの接種間隔は?

  • 医師が特に必要と認めた場合は同時接種可能です。
  • 6日以上あければ他のワクチン接種が可能です。
     不活化ポリオワクチンを接種した日から、別の種類の予防接種を行うまでの間隔は、6日以上おく必要があります。
     また、不活化ポリオワクチンが接種できるのは、他の不活化ワクチン(三種混合ワクチン(DPT)、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンなど)を接種してから6日以上、他の生ワクチン(BCGワクチンなど)を接種してから27日以上の間隔をおいてからです。

使用する不活化ポリオワクチンについて

問7.単独の不活化ポリオワクチンと4種混合ワクチン、どちらを接種するのですか?

  • これからDPTワクチン、不活化ポリオワクチンの接種を始める方は、4種混合ワクチンを使用してください。

問8.三種混合ワクチン(DPT)の接種を完了していますが、ポリオワクチンの接種が完了していません。どのワクチン製剤で接種を完了させれば良いですか?

  • 原則として単独の不活化ポリオワクチンを使用してください。
     最初に使用したワクチンを使用するのが原則ですので、単独の不活化ポリオワクチンを使用してください。

問9.経口生ワクチンを2回接種済みですが、三種混合ワクチン(DPT)の接種が完了していません。どのワクチン製剤で接種を完了させれば良いですか?

  • 四種混合ワクチン(DPT−IPV)又は三種混合ワクチン(DPT)※を使用してください。
      ※平成30年1月29日から三種混合ワクチン(DPT)の販売が再開されました。

問10.不活化ポリオワクチンを必要回数(4回)接種済みですが、三種混合ワクチン(DPT)の接種が完了していません。どのワクチン製剤で接種を完了させれば良いですか?

  • 四種混合ワクチン(DPT−IPV)又は三種混合ワクチン(DPT)※を使用してください。
      ※平成30年1月29日から三種混合ワクチン(DPT)の販売が再開されました。

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