2018年8月8日 平成30年度第2回運営委員会議事録

医薬・生活衛生局血液対策課

○日時  平成30年8月8日(水)

      17:00~19:00

○場所  厚生労働省 専用第21会議室

      (千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)

○出席者

出席委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長

大平 勝美

岡田 義昭

◎田野崎 隆二

花井 十伍

室井 一男

山口 照英

     日本赤十字社:

千葉 広一

前野 節夫

瀧川 正弘

 

      欧州製薬団体連合会
             バイオロジクス委員会:

宮川 真琴                                楞野 隆志   

      KMバイオロジクス株式会社:

永里 敏秋

     事務局:

石川 直子(血液対策課長)

山本 隆太(血液対策課長補佐)

田井 貴(血液対策課長補佐)

山本 匠(血液対策課長補佐)

三浦 勲(血液対策課需給専門官)

富樫 直之(血液対策課長補佐)

   

○議題

        1.第2採血組織の事業モデル案について(EFPIA JAPANへのヒアリング)
        2.「平成25年血液法改正の施行後5年を目途とした見直し(平成25年薬事法等の一部を改正する法律の附則の検討規定を踏まえて)」について
        3.「血液法に定める「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」の5年ごとの再検討」について
        4.一般財団法人化学及血清療法研究所からの事業承継について(KMバイオロジクス株式会社から)
        5.その他

○議事

        〇山本(匠)血液対策課課長補佐 それでは、定刻より少々早いのですけれども、委員の方がそろわれておりますので、これより       
        「平成30年度第2回血液事業部会運営委員会」を開催したいと思います。
         なお、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれまし           
        ては、御理解と御協力をお願いいたします。
         本日の出席状況ですが、運営委員会委員6名全員に御出席いただいていることを御報告いたします。
         また、参考人として、KMバイオロジクス株式会社より、永里敏秋代表取締役社長。
         欧州製薬団体連合会より、宮川真琴バイオロジクス委員会副委員長、楞野隆志バイオロジクス委員会血液製剤部会部会長、以      
        上、3名にお越しいただいております。
         また、日本赤十字社血液事業本部より、千葉広一血液事業本部副本部長、前野節夫経営企画部次長、瀧川正弘経営企画部次   
        長、以上3名に御参加いただいております。
         続きまして、全ての委員の皆様より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていた
        だきます。
        また、事務局の異動がありましたので、御報告いたします。
        血液対策課長、石川直子、また課長補佐の田井貴の異動がございましたので、紹介します。
        〇石川血液対策課長 7月31日に着任いたしました石川でございます。着任早々の会議、本日は台風の影響により議事を変更させ   
        ていただいておりますこと、おわび申し上げます。
        今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
        〇田井血液対策課課長補佐 8月1日より着任いたしました田井と申します。よろしくお願いいたします。
        〇山本(匠)血液対策課課長補佐 カメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきます。
        (報道関係者退室)

        〇山本(匠)血液対策課課長補佐 それでは、以降の進行を田野崎委員長にお願いいたします。
        〇田野崎委員長 それでは、議題について事務局からお願いいたします。
        〇山本(匠)血液対策課課長補佐 本日の議題に関してですが、先ほど課長より紹介がありましたとおり、台風による影響を考えま
        して、議題4、5、6、9とさせていただければと思います。残りの議題については、後日、血液事業部会や運営委員会等において取
        り上げさせていただきたいと思っております。
         また、本日の議題の順番に関しては、議題9「一般財団法人化学及血清療法研究所からの事業継承について」、議題4「第2採血
        組織の事業モデル案について」、議題5「血液法について」、議題6「基本方針について」としたいと思いますが、よろしいでしょうか。
        〇田野崎委員長 台風の影響ということで、審議事項を絞ってということで御了承いただければと思いますが、よろしいですか。
         それでは、事務局より資料の確認をお願いいたします。
        〇山本(匠)血液対策課課長補佐 それでは、事務局から資料の確認をさせていただきます。
         まず、1枚目が議事次第となっております。おめくりいただきまして、座席表、委員名簿、運営委員会規程があります。
         議題の順番に即して、資料9が次に来ております。続きまして資料4、資料5、参考資料5、続いて資料6の順となっております。
         不足がありましたら、事務局までお知らせください。
         以上です。
        〇田野崎委員長 それでは、議題9「一般財団法人化学及血清療法研究所からの事業継承について」、KMバイオロジクス株式会  
        社から資料9について御説明をお願いいたします。
        〇KMバイオロジクス株式会社永里代表取締役社長 どうも初めまして、KMバイオロジクス株式会社代表取締役社長に就任いた 
        しました永里敏秋と申します。今後ともよろしくお願い申し上げます。
         このたび、KMバイオロジクスは化血研の血漿分画製剤を含めた主要事業を承継いたしましたので、一言御挨拶、御説明をさせて
        いただきたいと思います。
         まず、1ページ目を見ていただきますように、7月2日に明治ホールディングスの連結子会社として事業を開始いたしました。会社 
        概要にありますように、株主は熊本県企業グループ、そこにございます7社と、明治グループ、明治グループは明治ホールディング
        スとMeiji Seikaファルマ株式会社ということで、あと残り熊本県が2%という株主構成になっております。
         資本金は250億500万円ということで、従業員は、いわゆる化血研から転籍された方が中心に1,905名です。ただ、取締役は7名出  
        ていまして、これは全て外部からということになります。裏のページにございますように、私を含めて明治グループから4名、熊本県 
        企業連合から3名。それと監査役も明治ホールディングスから1名、あと熊本の企業から1名ということで、このように外部からの取
        締役、監査役を就任させることで、いわゆる牽制機能や監視機能を強化いたしまして、強固なガバナンス体制のもと、事業を運営し
        ていくことになります。
         また、厳格な品質管理及び生産管理体制の徹底を行うことで、絶対に皆様に信頼していただける会社となるべく最大限の努力を   
        いたす所存でございます。
         また、医薬品を取り扱っていくということで、安全かつ有効な、国民の皆様に安定的に供給を果たしていく、そして国民の生命・健 
        康を守る重大な責務があるということを深く認識いたしまして、この責務を果たしてまいりたいと思っております。
         なお、新しい企業としてKMバイオロジクスとなったわけですけれども、従業員全員が過去に化血研が起こしました薬害や薬機法   
        違反の問題に対する反省を決して忘れることなく、高いコンプライアンス意識を持ち、医薬品の製造販売を進めてまいります。
         そして、国民の皆様からお預かりした貴重な献血を原料として取り扱う企業でございますので、その責任の重さを改めて認識する 
        とともに、先月ですが、日本血液製剤協会に会員会社として加入させていただきました。
         最後になりますけれども、今後も日本の血漿分画製剤事業の維持・発展に向けて、今日も出席されていますが、日本赤十字社様   
        を初めとします関連企業の皆様とも今後しっかりと連携を図っていきたいと考えております。
         今後も御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
        〇田野崎委員長 どうもありがとうございました。
         ただいまのKMバイオロジクスの永里様からの御意見に対し、何か委員の先生方から御意見などあればと思いますが。よろいで
        しょうか。
         大平委員どうぞ。
        〇大平委員 御挨拶ありがとうございました。
         新しい会社として再出発するという形ですけれども、もともとは化血研については献血血液の国内自給に努めるという血液事業の 
        中でも大きな役割を果たしておられたと思います。ですから、今度継承されるKMバイオロジクス株式会社でも、今日の資料では献  
        血については余り触れられていないので、そこはもう少しきちんと位置づけていただいて、献血を有効利用して、日本の血液事業に
        貢献していただけるようなアピールもしていただけたらありがたいなと思いますので、その点は皆さんと検討していただいて、資料と 
        して補完していただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
        〇KMバイオロジクス株式会社永里代表取締役社長 大平委員、ありがとうございます。献血に基づく血液事業もしっかりと引き継
        いでやっていくつもりですので、その辺もアピールをできるだけ今後もしていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
        〇田野崎委員長 大きな期待がかかっていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
         それでは、議題4に進ませていただきたいと思います。「第2採血組織の事業モデル案について(EFPIA Japanへのヒアリング)」に
        移りたいと思います。資料4につきましては、EFPIA Japanより御説明をお願いいたします。
        〇欧州製薬団体連合会楞野バイオロジクス委員 EFPIAから説明させていただきます。
         第2採血組織については、1月の運営委員会においても少し触れさせていただいておりました。今回は、その内容について、少し  
        モデル案を提示させていただきたいと思っております。
         これまでの議論を整理させていただくとともに提案をさせていただきます。3ページになります。
         国内の分画製剤企業様には、余剰の中間原料が所有されていることがわかっております。また、国内に海外の分画製剤メーカー 
        さんがいらっしゃいますけれども、そのメーカーさんの中では、余剰の中間原料を有効利用できるという可能性が示されています。
        献血者の立場から考えると、先ほど大平委員からもお話がありましたように、有効利用も考えて善意の献血から出た余剰の中間原
        料の有効利用を進めるため、さらに理解を深めていただく必要があると考えております。これらのことを踏まえ、第2採血組織が事
        業を開始した場合、余剰の中間原料血漿を有効活用できるよう仕組みを整えることが必要ではないかと考えております。
         4ページにも書いておりますが、基本方針の改定案が示されておりますが、2023年には138万リットルの原料血漿の需要が見込ま   
        れることも示されていますが、現状の確保量では105万リットルと報告されております。私どもは国内自給達成に向けて緊急時や予   
        備的な原料も含めて、ほぼ150万リットルは必要であろうと見ております。そのために先ほど申しました第2採血組織が必要ではな
        いかと考えております。
         5ページ、その位置づけですが、新たな採血組織は、現在確保できる100万リットルを超える部分について確保し、現在の日本赤  
        十字社が供給している100万リットルと供給価格は今後も維持され、安定的に供給されるという位置づけです。つまり、100万リットル
        を含めて代替供給する体制を念頭に置いた、全てを供給する事業モデルではないことを御理解いただきたいと思います。
         6ページに示しておりますのは、その図になります。上部の流れにある現状の日本赤十字社様の血液事業には変更を加えず、下
        部に新たな第2採血組織を位置づけています。この第2採血組織は、配分ルールに基づいて分画事業者の原料血漿を供給いたし
        ますが、しかしながら、先ほど提案しましたように、余剰の中間原料血漿は第2採血組織に戻していただき、国際貢献等も含めて有
        効利用ができるのではないかという考えを持っております。
         7ページには、そのような第2採血組織または新たな採血事業を考えたときの形態をそれぞれ書いておりますが、私どもが先ほど
        述べた新たな採血組織を考えたときに、EFPIAでは多業種の事業者で連合体を組織することを提案しています。詳細は、この後に  
        説明させいただきたいと思います。ここで申し上げておきたいのは、決してEFPIA、私ども欧州製薬団体連合会が採血事業をするの
        ではないということは御理解いただきたいと思っております。
         8ページについては、現事業者、日本赤十字社様が今後どのような形で150万リットルを賄うかを考えた場合、増産するため、また   
        は分画用と輸血用を分けるという考え方、その2つをこなした場合の課題を挙げさせていただいています。ここは詳しくは述べず飛
        ばさせていただきます。
         今まで述べましたように、私どもの提案する新たな採血組織の事業モデルをここから説明させていただきたいと思っております。
         10ページになります。先ほど申し上げましたように、EFPIAの提案する新たな採血組織は連合体をお示ししていますが、このような   
        図になっております。既存の国内外の分画事業者や採血のための機器のメーカーさん、または関連企業さん、それから保管・流通
        企業、その他多くの企業のコンソーシアム形態を考えております。この形態をとることによって多くのメリットが生まれると思います。
         例えば、分画事業者の需要動向に対して献血を柔軟に調整することが可能になる。また、余剰の中間原料の有効活用に関与で    
        きる。オールジャパンとしてシステムをアジア新興国に展開することもしやすくなる。このようなこともメリットにあるのではないかと考  
        えております。
         その組織の中のモデルでは、11ページにミッション、ビジョンを示させていただいております。また、12ページにはバリューを示させ
        ていただいております。ここで新たな採血組織という長い文章を省略させていただいて、PDCと呼ばせていただきたいと思っておりま
        す。以降、PDCでお話しさせていただきます。
         13ページに、PDCの事業体制を示させていただいています。まず、非営利組織として年間50万リットルの原料血漿を確保できる組   
        織を目指しております。そのためには、10カ所以上の採漿センターが必要になると考えております。
        最大の課題であります原料血漿価格の現状維持と原料血漿の国際標準化を図り、持続可能な事業体制を構築いたします。
        その他、安全確保や献血者の健康管理というところに努力させていただくような体制を整えたいと思っております。
         安全性確保については、グローバルのシステムですけれども、輸血用の採血システムではなく、グローバルの血漿蛋白製剤協会 
        (PPTA)が定めている採漿システムを導入することによって安全性の確保、コストの低減が図れると考えております。このPPTAの基
        準、IQPPやQSEALについては御存じかと思いますが、参考資料の一番後ろに簡単な説明をつけていますので、ごらんいただけれ
        ばと思っております。
         15ページには、PDCの新たな献血者の確保に対するアプローチを示させていただいています。PDCでは登録システムを導入し、   
        安全な血漿確保ができるリピーターの献血者を確保します。
         献血者のモチベーション向上のための方策としては、献血者の健康管理サービス、例えば抗体検査により献血者の希望により、   
        ワクチン接種サービスを考えております。このワクチネーションについては、その先にはリピーターとして献血者登録がされ、献血さ
        れたものが特殊免疫グロブリンの原料血漿の確保にもつながるというメリットが生まれています。
         また、モチベーションの向上には献血者の意向により、例えば福祉団体への寄附代行、献血のみならず、さらに社会貢献ができる  
        というモチベーションも、向上が図れる一つと考えております。
         16ページになりますが、さきに述べたような内容を組織の概要としてまとめておりますので、このあたりは飛ばさせていただこうと
        思います。
         17ページもその続きになります。17ページについては、項目8に書いたように、従業員に血漿分画製剤を使用されている患者様や
        御家族様を雇用に加え、血液事業に貢献していただくというアイデアもあるのではないかと考えております。
         18ページですが、PDCは献血バスでは血漿は採血できない状況にあることから、人口の多い都市で採漿センターを開設ということ
        になります。日本赤十字社様の資料でも、大都市に成分献血者が多いということがわかります。しかし、PDCの開設場所は日本赤
        十字社と異なるため、競合しないようにしたいと考えております。
         次は課題です。19ページ、事業運営のコストについてお示しさせていただいております。PDCのコストは海外民間採血組織のコス
        ト構造を参考にさせていただいて試算しております。PDCではドナーフィーを支払わないことで少し変わってきます。ただし、海外の
        ように機器や医療材料を安価に調達することが非常に困難ではないかと我々は見ております。その分が大きなコストに乗ってくると  
        見ています。
         その他の項目では、先ほど言いましたように、海外と同様の構成比で積算させていただいています。
         次は、そのコストをベンチマークとして試算しておりますが、この試算はフル稼働、最大量の採漿を行ったことを前提として、1セン 
        ター当たりのコストの試算を示しております。真ん中に青い四角で囲んでおりますが、ベッド数と採漿量の見込みが大きく影響すると 
        考えています。20ベッド規模では、現行では上限の採漿量である600mLの採漿では、1リットル当たりの費用が1万円を超えてしま 
        いますが、海外を参考にして最大650mLまで上げるとすれば、承認が得られれば今後はベッド数を増やすことでコスト削減が見込
        まれます。
         これはフル稼働、最大量という数値で示しました。非現実的かもしれませんが、21ページに稼働率を少し絞った場合、60%として
        見込みを立てた場合を示させていただいています。当然ながら、さらにコストを削減することが必要ですが、ここでは人件費や機器・
        材料等において、可能な限り削減できるのではないかと考えています。
         これらは、あくまでも考え方ということをもとに概算を示したものであり、詳細なコスト構造を詰めたものではないことは御理解いた
        だきたいと思います。
         次に、原料血漿配分に基づくものですが、採漿した原料血漿の配分は、基本方針の改定案に示されたように配分ルールに従うこ   
        とになります。複数年の需要予測に基づく複数年契約、凝固因子を含む原料の価格、未利用の中間原料血漿の返却とその有効利
        用が可能になるのではないかと考えております。
         次に、23ページ、24ページについては、PDCが稼働した場合の将来性ということで、可能性を示しておりますが、時間の都合で省
        かせていただきます。
         25ページの「最後に3つの提案」に書いてありますように、本日示しました新たな採血組織モデルは、EFPIAが開設するものではな
        いのですが、分画製剤事業者だけで組織するものでもありません。関係する技術を持った事業者が集まり、専門性を生かした組織
        として設立すべきではないかという提案です。そのためにも、ここに示しましたように、国の指導のもとでタスクフォースを立ち上げ、
        集中して取り組むことを提案します。
         また、確保された原料を最大限活用するために調査研究の実施も行うことを提案します。
         そして、これらの成功の鍵を握る国民・献血者の皆様に、新たな献血体制の情報提供の強化を図ることを提案します。
         最後になりますが、新たな採血組織の立ち上げから稼働まで相当な時間が必要になります。海外でも、経験ある民間採血組織で 
        も新規に立ち上げを考えた場合、最低でも2年はかかると言われております。我々は、近い将来の自給状況を考えるとゆっくりした 
        時間はないのではないかということで、ゆっくりした議論をする余裕はありません。関係者が共通認識を持ち、確実に前に進めてい  
        ただくことを願っております。
         以上、説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
        〇田野崎委員長 御説明どうもありがとうございました。
         それでは、委員の先生方から御質問・コメントなどよろしくお願いします。
         山口委員。
        〇山口委員 時間はないとおっしゃったのですけれども、まだまだこれから検討しないといけないことがいっぱいあるかと思うのです
        けれども、こういうところがという話よりも、どう考えておられるのかだけを教えてほしいのですが、例えば、未利用の中間原料に関し
        ては、PDCが所有権を持つという話になっているのですけれども、実現可能性をどう追求されるのか。要するに、製造工程が各製造
        メーカーによって異なりますよね。手法も多分異なるので、原料そのものをどう次に使うかという情報もあって初めて未利用のもの
        が使えるという話になると思うのですけれども、その情報自体はPDCが持ち得ないような気がしていて、それをどう対応されるのか
        という話。今、各社が持っている未利用も、そういう形にはなっていないわけですよね。それが、第2採血組織の方だけがそういう形
        態をとらないといけないという、その辺の考え方について教えていただければと思います。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 非常に重要なポイントだと思います。
         まず、余剰中間原料は現在、国内3社の保有物として所有されています。その中身については、一般的にどの中間原料が幾らあ
        るかというのをみんなで共有して使い道を議論しているわけではない。これは一方で、各民間の所有物なので、国がああしろ、こうし
        ろと言うことは非常に難しいところがあります。各企業がそれをどう使うかは100%民間の自由裁量でできることではなくて、一応配
        分ルールを国が示していますので、それにのっとってやることになる。これは我々企業サイドから見ると、非常に使いづらい中間原
        料ということになります。これが毎年毎年たまっていって、その都度議論しなければならないというのは、スムーズにそれを有効利用
        するには非常にハードルが高いだろうという前提が一つあって、ではどうすればいいのかということですが、第2採血組織がそれを
        配分する際には、A社、B社、C社の製品構成と年間出荷額を見ていれば、どの中間原料が幾ら余るというのは大体想像がつきま   
        す。その原料血漿を配分する際に、A社には大体幾らの中間原料が余りますよねという合意のもとに配分するという事になります。
        第2採血組織がそれを一括して管理することによって、ミックスできるかもわからない。ミックスし3社分を足すと、一部の製品の供給
        量が膨らむかもわからない。例えば、アルブミンなどはそうかもしれない。第Ⅷ因子等の余剰凝固因子原料は一括しても国内で需
        要がないわけですから、これについては中間原料血漿採血組織が、例えば、海外に委託して100本中50本は寄附にしてください、そ
        の代わり50本は自由に売ってくださいと、いろいろなビジネスモデルを提示しながら有効利用の提案が多分できるだろうと考えてい
        ます。そういうことが1か所でコントロールできれば、余剰中間原料のことを毎回毎回議論して、使い道を思案する必要はないだろう
        と思います。これはシステム的に回して有効利用していこうという考え方です。
        〇山口委員 今、寄附という話もおっしゃられたのですけれども、逆に言えば、本来例えば余剰になってしまったものは、PDCがもし
        買い取っていただけるならば収益構造としても、価格のこともこの間からちょっと問題になっていましたから、そういうところで貢献で  
        きるかもしれないのですけれども、一番気になるのは、今、国内3社で中間原料を有効利用しようと協議されているところがあります
        よね。そことリンクできるのか、それとも、そことは関係なくやるのか。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 それも非常に重要なポイントで、第2採血組織の考え方としては、余剰となる中
        間原料は返してくださいということなので、例えばA社、B社が自分のところでは余剰なのだけれども、新たに海外で有効利用するの
        だ、自分のところが国際貢献するのだというアイデアがあるなら、それは余剰ではないと。どうぞ返さずに使ってくださいということに
        なります。例えば3社あれば、外資が入れば4社か5社かわからないですけれども、有効利用しない企業はどんどん返してください。
        有効利用する企業はどんどん使ってください。ある意味で、それが有効利用のインセンティブになるのかなと考えています。
        〇田野崎委員長 大平委員どうぞ。
        〇大平委員 少し質問させていただきたいと思います。これまで献血というのは日本の血液事業の中心になっていて、献血の問題
        を大きく変化させるような御提案になると思うんです。ですから、日赤を核とする献血思想や献血推進運動というものが根づいてき 
        たわけですけれども、それに対して変革を求めるというところでは、これは日本の血液事業について刺激を与えるというか、そういう
        ことで一石を投じることについては賛同するような思いはあるのですが、ただ、これを本気になって真剣に進められているという思い
        でこちらは受け止めていいのかどうか。それは、これまで30年の国内自給に向けての献血推進運動や献血を母体とした血液事業 
        が進行してきたわけですが、それを本当に大きく変える問題なので、国民的コンセンサスやいろいろな献血者、これまで協力してい
        ただいた方たちの動揺も大きな問題になると思います。これは今回の第2採血組織の事業モデルを提示していただいた皆さんと、 
        国のほうも大きな問題点を抱えることになると思うのですけれども、その動きの真剣さを改めてお聞きしたいということ。
         また、中を見させていただいて、血漿の価格を決めていく中でも、安い値段である程度提供しないと採算が合わないところもありま
        すので、それについてフルパワーでやっていくところでは、献血者の日赤に賛同していただている方たちとの奪い合いも起きるのか
        どうか。また、献血者の安全と安心感をきちんと確保できるような仕組みになっていくのか。そこはビジネスモデルみたいな形にとら
        えられると、献血者の安全性が損なわれるのではないかと感じてしまうところがあるので、そこの誤解を払拭するような案を提示して
        いただきたいというのが一つあります。
         あと、ちょっと長いのですけれども、先日、日赤の「血液事業のあゆみ」の第2巻が発刊されたのですけれども、1巻から2巻という   
        大変分厚い本なのですけれども、それをずっと読んでいきますと、日本の血液事業の流れをかいま見ることができて、その中では、
        ビジネスモデルが導入されることによって、ある面売血というものについての問題点が出て、事件が起きているという流れがずっと
        続いてきているわけなんですね。私などがちょっと懸念するところは、安心・安全の血液事業を法律で位置づけていただいた中で
        は、今後の日本の新たな血液事業の変革点に立つわけですけれども、それがよい方向に向かうような形で確保されないと、禍根を
        残すのではないかと思いますので、その点について決意をお聞かせいただければと思います。
        〇田野崎委員長 少し長かったのですが、最初、献血に対することを御配慮いただいた上で、本気度について御意見を何かお願い
        できますでしょうか。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 この第2採血組織については、EFPIAが実際に設立して運営するということでは
        ありません。ここは前提として押さえておく必要があるのですけれども、一方で、我々EFPIAが、なぜこの提案をせざるを得なかった
        のかというところについても御理解いただきたいと思います。本来であれば、国内事業社が自分たちのこととしてそういうモデルを具
        体的に示されることを我々は期待するのですけれども、我々の事業モデルが1つの参考として、そういう流れになってくれることを期
        待して、今回お示しさせてもらったところです。
         冒頭のほうで確認ということで御説明させていただいたのですけれども、現状の認識は、本気でやらなければ間に合わない。ここ
        は血液事業関係者、国内事業者も全て含めて、これは共通認識として恐らく持っておいていただいたほうがいいだろうと。我々が存
        じております患者会様については、免疫グロブリンがなければ生命の維持ができない疾患もございます。ここの患者様とお話しして
        おりましたら、仮にグロブリンの供給量不足が将来発生すれば致命傷になると心配されておられ、現在の血液事業部会の議論を注
        目されているとお聞きしております。だから、患者様も真剣なんです。事業者も今後4~5年で形をつけないと、急にやっても間に合
        わないということがありますので、国内事業者、外資という観点ではなく、みんなが集まって真剣に取組むべきで、時間をかけて議
        論していたら間に合わないので、本気でやるべきだろうということを、今日ぜひ提案させていただきたいと思います。
         それと、大平委員からいただいたご質問で、100%の稼働率の試算についてはベンチマークを置くために出しています。例えば、
        国内の製造能力は120万リットルあります。120万リットルあれば国内自給できるではないかというと、それは成り立たちません。実
        際は余力を含めて140万リットルぐらいの製造能力がないとだめだという考え方と一緒で、まず、100%の稼働でどうなるか。実質的
        にはそんな稼働率で回ることはほとんど考えられないので、例えば60%の稼働率と仮定して試算してみました。これは非常に現実  
        的かなと思うのですが、50%かもしれませんが、60%の稼働率で回したときにどうなるかという現実的な線で積算したところが非常 
        に重要かなと思います。100%で稼働するというのは、ベンチマークのためにつくったということで御理解をいただければと思いま
        す。
         それと、今回、EFPIAがこういう案を出していますけれども、我々も過去1980年代からの議論、それと日本の国民感情、患者さん
        の思いを踏まえて、今回の案には幾つもそれを反映したつもりで、外資だからという内容での提案にはなっていないと考えています
        ので、その点もくんでいただけたらと思います。
        〇田野崎委員長 どうもありがとうございました。
         花井委員どうぞ。
        〇花井委員 細かくはたくさんあるのですけれども時間の関係もありますので、非常に興味深いと思ったのは、中間原料を返すとい   
        うスキームなのですけれども、お金は1万1,000円で買ってはいただくのですよね。返してもらったからといって、そこにお金を返すわ
        けではなくて、1万1,000円で使いたいものは使うのだけれども、余らすのだったら返せという前提条件を制度にするということですよ
        ね。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 おっしゃるとおりです。
        〇花井委員 ほかで売れるなら勝手にお売りくださいと、それは民間だからいいのだけれども、使わないのだったら返すというス
        キームと理解してよろしいですか。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 おっしゃるとおりです。
        〇花井委員 直感的にはわからないのですけれども、今まで需給計画の弱点というのはここにあったわけですよね。つまり、中間原
        料がよくわからなかった。今、原料血漿の在庫を出しているみたいな話が出てきて、それぞれがどの辺の持ち分かわからずに、単
        年度で採血量と配分希望量で前年度実績でただ渡していたので、そういう意味でいえば、これが公的な役割を果たすのであれば、
        より精緻な需給計画が可能ともとれるので、そこのところが興味深かったのですけれども、ちょっと気になるのは、有効活用できれ
        ば勝手におやりくださいということなのですが、逆に、グローバル市場にそれなりのプレゼンスを持っている企業であれば、何も返さ
        なくても会社の中でやりくりは十分可能なように思うのですが、それはそういう理解でいいですか。むしろ、そうではないグローバル
        な展開をして、それを有効活用、グローバルに展開できないような企業に関しては、無駄にするぐらいならお返しくださいというイメー
        ジですか。ざっくりですけれども。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 そこに非常に重要なポイントがあるのですけれども、まず、リカバードプラズマと
        ソースプラズマという2つの種類の原料血漿があると。現在、海外ではこれをミックスして使わないということがあります。したがっ
        て、リカバードプラズマから出た余剰中間原料をグローバル企業が購入した場合、ソースプラズマとミックスしてつくらないので、そ
        の場合は一定量の原料の規模が必要だということになります。
         一方で、第2採血組織が供給した原料血漿でどうしても使えない余剰が出た場合は、それはグローバルの余剰血漿とミックスして
        使えるということがあるので、ちょっとテクニカルなところはあるのですけれども、グローバルのソースプラズマの余剰の方が有効利
        用しやすいということはあると思います。
        〇花井委員 ちょっと今いい話が出たので関連で1つだけ聞きたいのですけれども、日赤の100万リットルは確保したまま、それは
        前提ですよとおっしゃっているのですが、例えば、日本赤十字社がリカバードプラズマの専業になるという絵でも対応できるようなイ
        メージですか。それとも、一定程度はPPPを日赤で賄ってもらわないと、PPPは全部こっちでというほどでもないというイメージなので 
        すか。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 それは、PDCの採血量に影響されると思います。
        〇花井委員 ありがとうございました。
        〇田野崎委員長 室井委員。
        〇室井委員 今回の事業モデルの成功の鍵は多分、採血量にあると思います。今回は連合体で対応するということで、10ページに
        お示しされていますけれども、これに採血事業という業者が入っていないのですが、鍵となる採血事業者というのは、EFPIAはしな
        いとおっしゃっていましたけれども、どういう組織でそれを対応しようと思っているのでしょうか。10施設建てて、20ベッドをつくって稼
        働するというお話がありましたが、それを責任持って扱う業者はどういうものを考えているのでしょうか。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 分画メーカーは当然として、成分採血をする機器、これは海外にもブランドが幾 
        つもあるのですけれども、そういう企業。それも第2採血組織は、血小板はとらない、血漿だけでいいので、すごくシンプルな機器
        で、つまりローコストということなのですけれども、そういう機器の企業。それと、採取した血漿を保管するには、普通の冷蔵庫でだれ
        でもいいから保管するという体制にはならないので、そういうものを専門に保管する経験や技術を持っている保管・運送事業者。こ
        れは例えば、民間事業者で臍帯血の保管・運送をしていた国内事業者と我々は情報交換したのですが、そういう事業者。それと非
        常に重要なのは、安全性を担保するためにNAT試験とか、血清学的試験をどこにするか。グローバル的には自分のところのラボで
        やっていますけれども、我々としては、連合体の一つの事業者としては外部の臨床検査企業と提携することを考えますが、ドナー情
        報の共有という観点から、日本赤十字社様がそういったところで協力するということであれば、非常にいいシステムとしてローコスト
        で回るのかなと考えます。日本赤十字社様の状況を忖度せずに勝手に我々のほうで言っていますけれども、そういう事業者連携を
        イメージしています。
        〇室井委員 郊外に10施設をつくると言われましたよね。そこでは例えば機械を設置して、針を刺して採血する組織というのは連合
        体が当たるというイメージなのでしょうか。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 この第2採血組織の運営体を1つつくるということなので、みんなで寄ってやると
        いうことではありません。例えば、企業で言えばボードメンバーがいて従業員と運営するということになります。そして、それをサポー
        トする関係事業者メンバーがいるという、コンソーシアムとしての回し方というところです。
        〇室井委員 多分、10ページの真ん中に採血事業者が来るのだと思います。その真ん中が見えていないので、実現可能なかと
        思ってしまったので質問したのですが。
        〇欧州製薬団体連合会楞野バイオロジクス委員 済みません、この真ん中が採血業者になるということです。
        〇室井委員 それがどういうものなのかというイメージが湧かないものですから、質問させてもらいました。EFPIAはそれには入らな
        いのですよね。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 はい、入りません。
        〇田野崎委員長 時間がだんだん押してきましたので、今度は岡田委員どうぞ。
        〇岡田委員 17ページで、目標とする登録献血者数が25万人ということですけれども、例えば、今の日赤で献血を行っている人に
        加えて25万人の新しい献血者を開拓していただけるのであれば、非常にいい事業だと思います。一方、確保できなくて日赤25万人
        の献血者をとるというか、そういう事態になってしまうと、結局パイは同じなので、何の効果もないのではないかということで、いか
        に献血者をリクルートするか。要するに、海外だとお金で供血者を集めることができるけれども、日本ではそれができないんですね。   
        そういう状態で、無償でもそういう供血者をいかに集めるか、これが実は一番重要なんです。これが具体的な方策が練れていない  
        と、採血そのものができないことになるので、これは十分に検討したほうがいいと思います。
         あと、原料血漿というと皆さんすぐグロブリンを言うのですけれども、今のグロブリンの回収率は決して限界ではないと思います。     
        例えば、1割回収率をアップするとか、15%ぐらいアップすることができれば、今の日赤の採血量でも十分に国内自給も可能かと思
        うので、そういう面では各血漿分画メーカーの方には、コーンのフラクションというのはもう70年前の技術なんです。これを今の技術
        を使って、せめて1割ぐらいの回収率アップができないか、そういうことを真剣に検討していただきたいと思います。
         以上です。
        〇田野崎委員長 どうもありがとうございました。
         実は私も幾つかあるのですが、時間もなくなってまいりました。例えば、免疫グロブリンがこんなに必要なのかどうか。これは、日
        赤の読みと医者である私たちが現場で感じていることとかなり差があったりもいたします。あと、献血について国民の皆さんから見
        たとき、何で違うところがあって、同じスタンダードでやらないのだろうということもありますし、順調にいかなかった場合の費用、設備   
        投資も相当あると思いますけれども、それはどうやって回収するのか。逆に、いっぱいとれ過ぎたときに、元としては献血のものです
        ので、とるのを制限していく必要があるのではないかということになると、事業が成り立たなくなっていく可能性もあるのかなとか、ま  
        だ幾つか問題点があるなと思います。
         ただ、最初に御指摘いただきました、今やっています日本赤十字社、国内の3社の事業に対して、もう少し本気度でいろいろ進め
        ていかなければいけないという御意見があるということは、皆で再認識していかないといけないのかなと思いますので、その辺に関
        しては日本赤十字社の方々にも同じような感覚でと思いますが、御意見があれば、よろしくお願いします。
        〇日本赤十字社千葉血液事業本部副本部長 日本赤十字社の千葉でございます。
         今お話をいただいた内容で、これまで日本赤十字社が意見をお話しさせていただいたところの認識を合わせさせていただきたいと
        思っていますので、少しだけお話しさせていただきます。
         まず、日本赤十字社は、国民が必要とする血液を国・都道府県と協力して確保することを使命としてございますので、メーカーの   
        配分希望量ももちろんですけれども、実際の製剤の販売実績なども含め、現実的な需要を国民に見きわめていただいて、その上
        で、その必要量を全て全力で日赤が確保していくという方針は前回も申し上げておりますので、ここは御認識いただければと思って
        います。
         それから、今年1月の運営委員会でも、日赤が120万リットルの原料血漿を確保することは可能だというお話を申し上げましたが、
        申し上げた内容については、現状の設備、機械、人員等を使って最大限確保できる量が120万リットルということで申し上げていま
        すので、日本国内で真に国民が必要とする血液量が必要であれば、増量する必要があれば日赤としても体制整備をさらにいたしま
        して、確保していくということは当然ですので、そういう覚悟であるということでございます。
         それから、日赤では、皆さんの関心事項である原料血漿の原価を下げるために、必要最小限の費用で最大の血漿量を確保して
        いくということを最優先にして今取り組んでいるところでございまして、不用意に施設設備増強や献血者を増やせば原価の上昇につ
        ながるということは思ってございます。ですので、日赤がこれまで意見を申し上げた内容はこういうことであるということを再度申し上
        げさせていただいた上で、今回EFPIAさんが提案された事業モデルに対する概括の意見を少し述べさせていただきます。
         提示されました資料でございますけれども、新たな第2採血組織でございますが、国内の必要量を一応150万リットルや、2025年
        に135万という仮定をされておりまして、確保体制から余剰となる中間原料の扱いや海外への貢献策まで広く述べられているところ
        でございますけれども、現在の配分基準価格に見合うコストを前提として提案していただいているように思われます。したがいまし
        て、これらのコスト計算の概算というお話でございましたけれども、この基礎につきましては、先ほど19ページにございましたとおり、
        採血キット等機器・材料費が27%でございまして、詳細がわかりませんので恐らくですが、金額にすると人数で割り返していくと、1
        人当たり1,700円くらいということなのですけれども、これはグローバルのキットを使ってもなかなかそこまでは下がらないのではない
        かと。キット以外の必要な材料費がかかりますので、そういう意味ではかなり厳しいのではないかということが見てとれまして、原料
        血漿を確保する上では主要な費用が、今現状では概算と言われていますので仮定であるということでございますけれども、現実的
        な費用の積算と考えますと、この価格では事業運営はなかなか厳しいのではないかと思っております。
         それから、血液事業は国民の生命に直結する事業ですので、事業の開始はもとより、事業の休廃止についても国の許可を受けて
        行っているところでございますので、採血事業者は安定的かつ持続的な事業運営が求められると思ってございまして、日赤もこれま
        でそういうふうに努めてきたところでございます。この資料でいきますと、継続的に必要となる労働力等については、資料にある雇用
        形態によって賄うようなコスト計算をされているということでございますけれども、血液事業に対する運営姿勢というものは持続でき
        ないといけないということがありますので、必要な職員を雇用して事業を継続していかないといけないと思います。
         それから、採血事業者でございますけれども、国民の信頼の上に献血を受け入れているところでございますので、当初の概算の
        試算で、例えば実質行ったときに不採算になってしまうような場合、安易に撤退するということになりますと、国の需給計画にも影響
        が大きく、先ほど委員の皆様からお話がありましたように、献血者にとっても受血者の方々にとっても非常に大きな影響を与えてし
        まうということがございますので、参入するにしても覚悟を持って参入し事業を展開していただかないといけないと思ってございま
        す。
         それから、主な費用でございますが、採血量が600mLか650mLの前提条件となって計算していただいてございますけれども、日赤
        の現状の採血量につきましては、原料血漿、PPP採血ですが、500mLを少し欠けるくらいの平均採血量でございます。日本赤十字
        社の平成29年度における46万人ほどの原料血漿成分献血者のうち、男性が52%の24万人、女性が48%の22万人いらっしゃるので
        すが、女性の平均体重は原料血漿採血をさせていただいた方々の平均では51kgであります。また、平均採血量が440mL程度です
        ので、そうすると、600mL、650mLの採血をコンスタントにしていくのは非常に厳しいのではないかと。さらに、血管が細く採血が不安 
        定な場合や、気分不良で当初予定した採血を下回るケースもございますので、途中で採血を終了するということもございますので、
        実際、有償採血ですと600mLも可能かもしれませんが、献血を希望される女性の意思も尊重しないといけないと思ってございます
        ので、そうしますと、なかなか650mLは難しいと思ってございます。
         それから、稼働率60%ということで、ベンチマークのために100%稼働率でもお出しいただいたということですけれども、年間340日  
        稼働で、平日も土曜日、休日も含めて、平均して60%の稼働というのはなかなか難しい状況ではないかと思ってございますので、こ
        ういったことも踏まえて考えますと、御提案いただいた内容のコストも含めて、稼働も含めて、このような構想をとり進めるのでした
        ら、資料の内容についてしっかり検討・検証していただいた上で進めていただけたらと思ってございます。
        〇田野崎委員長 どうもありがとうございました。
         一言だけ。
        〇欧州製薬団体連合会宮川バイオロジクス委員 こういう事業計画は、難しい課題を指摘されない事業計画はないのですけれど
        も、今御指摘いただいたことについて、それをどうすればできるのかを日赤さんにぜひ次回提示していただけたらと思います。
         それから、我々が提示している資料は、グローバルの現実のコストも参照しているというところを御理解いただきたいと思います。
        〇日本赤十字社千葉血液事業本部副本部長 日赤が提示するというのではなくて、この資料の概算を計算していただいているとい   
        うことでございますので、内容をもう少し検証していただいたものを、また表示していただければと思います。
        〇田野崎委員長 まだたくさんの課題があり、いろいろな意見があるということが今回皆共有できたのではないかと思いますので、   
        引き続き議論を深めていきたいと考えます。
         本日は時間の関係上、議題5に進ませていただきます。「平成25年血液法改正の施行後5年を目途とした見直しについて」に移り   
        たいと思います。資料5について事務局より説明をお願いいたします。
        〇山本(隆)血液対策課課長補佐 資料5を説明させていただきます。
         血液法の改正につきましては、これまでも既にこの運営委員会、また血液事業部会で御議論いただいてきたところでございます。   
        これまでは3つのテーマに分けまして、1つは科学技術の発展を踏まえた採血等の制限の見直し。2つ目、複数の採血事業者を想
        定した採血のあり方。3つ目、採血制度に係る各種手続の合理化について御議論いただきまして、方向性につきましては、ほぼお
        認めいただいているところかと思います。
         今回は、追加検討事項を提案させていただきます。血液法が施行5年の見直しを行っているのと同じように、医薬品医療機器等
        法につきましても、5年の見直しの検討が、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会で行われているところでございます。6月に
        開催された第3回制度部会では、医薬品・医療機器等の適切な製造・流通・販売を確保する仕組みの充実といたしまして、医薬品
        等の製造販売業者等のガバナンスを強化するための行政措置の見直しに関する議論が行われたところでございます。このときの
        制度改正部会の資料を、参考資料5として配付させていただいております。7ページ以降がガバナンスを強化するための行政措置
        の見直しに関する項目でございます。
         どういう議論が行われているかということでございますが、許可業者が適切なガバナンス機能を果たすため、役員が果たすべき責
        務や、そのような責務を果たすことを促すための措置はどういったものがあるかということが言われているところでございます。 この
        背景は、資料では(1)(2)に記載しておりますが、参考資料5では9ページでございます。この6年間の薬機法違反事例をガバナンス
        の観点から類型すると、1つ目といたしまして、違法状態であることを役員として認識しながら、その改善を怠り、漫然と違法行為を
        継続しているもの。2つ目といたしまして、適切な業務運営体制や管理・監視体制が構築されていないということに類型されます。
         参考資料5の10ページ、製造販売業者等に法令違反があった場合は、業務改善命令や業務停止命令、または管理者・責任者の    
        変更命令があるほかに、例えば承認の取り消し、業許可の取り消しといった処分があるところですが、役員に対して直接その責任
        を問うことができるような規定にはなっていません。そこで、許可業者が薬機法を遵守して業務運営をするために、役員が果たすべ
        き責任や、そのような責務を果たすことを促すための措置について、どう考えるのかという議論が行われているところでございます。
         資料5の2ページ、もう一つの項目といたしまして、経済的利得の確保が目的と考えられる違法行為を抑止するための措置への    
        対応が議論されているところでございます。参考資料5では19ページでございます。
         この背景といたしましては、資料5では2ページの(1)と(2)に、参考資料5では16ページでございますが、薬機法の違反事例の中
        では、経済的利得を主たる目的と考えられるものがあり、これらの違反に対しては、これらの違反行為によって得られた経済的利得
        を徴収するべきという指摘が国会でもされているということがございます。
         2つ目でございますが、こちらは参考資料の17ページになります。欧米においては、違法行為によって得られた経済的利得を徴収
        することができるという罰則や行政処分が存在しているということでございます。こういった規定がそれぞれの薬事関連法規の違反
        に対しても適用されているということでございます。こういうことについて、制度部会で検討が行われているところでございます。
         制度部会で行われているこれらの薬機法改正に関する状況を踏まえ、資料5のⅢになりますが、血液法に基づく採血事業者につ  
        きましても、医薬品等の製造販売業者等と同様に医薬品の安定供給に重要な役割を担っている、医薬品のサプライチェーンを担う
        仲間ということを踏まえれば、製造販売業者と同様に、ガバナンスを強化するための行政措置について血液法の改正により措置す  
        ることを検討すべきではないかと考えているところでございます。
         これにつきましては、6月の制度部会で御議論が始まったところでございますので、制度部会の議論も踏まえて、引き続き当運営  
        委員会、また血液事業部会においても御議論を行っていただきたいと思っているところでございます。
         また、今後のことでございますが、血液法の改正に対しましては、血液事業部会における検討状況を今後、厚生科学審議会の医
        薬品医療機器制度部会に御報告させていただく予定しでございます。
         説明につきましては以上でございます。
        〇田野崎委員長 どうもありがとうございます。
         本案を提示して、また引き続き血液事業部会で議論を進めていくという方向性ということで、もし今何か御意見があれば。
         山口委員どうぞ。
        〇山口委員 ちょっと教えてほしいのですけれども、例えば、この中でも説明されていますが、FDAなどがすごく高額の罰金を科す
        というか、場合によっては何百億円というペナルティーを科すことがある、それが抑制的にはなっていると思うのですけれども、そう    
        いう意味で今度は事業者や医薬品も含めて懲罰の対象にするのがどうかということが検討されていて、運営委員会あるいは血液
        事業部会では、そういうことに対してどう考えるべきかを今後検討してほしいということでよろしいのでしょうか。
        〇山本(隆)血液対策課課長補佐 今回の追加事項は、薬機法で検討している製造販売業者等へのガバナンスを強化するための
        行政措置の見直し策が導入されることとなった場合に、採血事業者も医薬品供給に関するサプライチェーンの仲間ということから考
        えれば、採血事業者に対しても同じようなことを求めていってもいいのではないかということでございます。
        〇田野崎委員長 よろしいでしょうか。
         花井委員どうぞ。
        〇花井委員 採血事業者においても製販業横並びで似たようなことなのですけれども、第2採血組織の議論が出てきて、採血事業
        者としては日赤だったわけで、安全技術調査会が日赤と話をして、この検査はこうです、検査の精度はこうですという話は、半ば一   
        緒になってやってきているので、日赤に対してある行政権限をもってやらせたとか、改善を命じたとか、例の冷蔵庫の話もここで議   
        論していますけれども、それは「今後ちゃんとやってくださいね」「はい」みたいな話で済んでいて、何ら行政的なペナルティーとか法
        に基づいたような感じでもなかったのですが、それは現状では、たまたま発動していないだけで一定程度、採血事業者に対して似た
        ような規制がかかっているのですか。それか、採血事業者にはそういう整理で、薬機は横並びのようないわゆるレギュレーションが
        それほど書き込まれていないという現状なのですか。法律をよく見ていないのですが。
        〇山本(隆)血液対策課課長補佐 血液法の採血業の許可の取り消しという規定はございます。
        〇花井委員 それぐらいしかないですよね。改善命令とかそういうものはあるのですか。
        〇石川血液対策課長 今回は役員の責任をどうするかということが論点ですので。
        〇花井委員 薬機法で議論されたのはそのとおりなのですが、今まで製販業横並びのような規定がそんなに採血事業者に対して
        は多分書かれていなかったと思うんです。だから、製販業者並みの横並びで新しくいろいろ書き込むという趣旨なのかどうなのかを
        聞いています。
        〇山本(隆)血液対策課課長補佐 行政処分といたしましては、血液法の第22条の中で許可の取り消しや期間を定めた業務停止を
        求めることができるとなっているところでございます。役員が果たすべき責務が医薬品医療機器制度部会においてどういう議論に
        なってくるかわかりませんけれども、採血事業者に対してもそういうところがあるのではないだろうかということと、もう一つは、課徴
        金というか制裁金というのでしょうか、これも制度部会で御議論されていくことになると思いますので、そういうところも含めて採血事
        業者に求めていくという形に、同じサプライチェーンを考えるのであれば、そういうことになってくるのではないかと思っているところで
        ございます。
        〇石川血液対策課長 改善命令は第20条に規定があります。
        〇山口委員 そこの話で、昔一度だけ大臣命令を出したことがあったと思うのですけれども。だから、そこのところは今の話で、た
        だ、それは組織に対して出すだけだから、今度は役員に相当する人をどうするかという理解でよろしいですか。
        〇田野崎委員長 そうしましたら、少し整理をして、また血液事業部会で議論ということでお願いできればと思います。
         それでは、本日最後の議題6「血液法に定める『血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針』の5
        年ごとの再検討について」に移りたいと思います。資料6について、事務局より御説明をお願いします。
        〇山本(隆)血液対策課課長補佐 いわゆる血液法に定める基本方針の改定の関係でございます。これまでも基本方針の改定に
        関しましては、当運営委員会、また血液事業部会で内容について御審議をいただいてきたところでございます。6月の血液事業部
        会には案を提示させていただきまして、委員の先生方から幾つかの修正意見をいただいたところでございます。いただいた意見に
        関しましては、文言の修正については部会長の一任ということで御了承いただいておりましたので、修正したものを部会長の御了解
        をいただいて、最終的に委員の皆様にもフィードバックさせていただいているところでございます。
         今回は、部会の意見を踏まえた修正版をもちまして、6月下旬から7月末にかけまして、パブリックコメントを行わせていただきまし
        た。資料6の17ページをごらんください。パブリックコメントに対しまして、20件の御意見をいただいところでございます。本日は、この
        御意見に対して、最終的に回答を国のほうでしていく形になりますので、その考え方について内容を御確認いただきたいということ
        と、パブリックコメントに対する意見を踏まえて修正した部分、また、パブリックコメントだけではなくて、関係各省にも協議をかけさせ
        ていただいていた部分がございます。そこでいただきました意見を踏まえた最終的な修正版が今日提示させていただいている案と    
        いうことで、33ページ以降に新旧対照表をつけてございますが、33ページ以降は裏とじになってございますので、資料全体を裏返し
        にしていただきますと、ここが頭になっているところで、タイトルの横に少しハイライトをつけて書いてございますが、そのパブコメを踏
        まえた変更、さらには各省の意見を踏まえた変更をハイライトで示させていただいているところがございます。このような形で最終的
        に基本方針の改定案を提示させていただいて、進めていきたいという2点を御確認いただきたいというところでございます。
         まず、パブリックコメントで18ページにお戻りいただければと思います。1番から続いておりますが、1番から24ページの11番まで
        と、27ページの16番は、いずれも同じ方からいただいた意見でございます。内容といたしましては、医療の現場では、クリオプレシピ
        テートが供給されることを求めているということがあるものですから、国や採血事業者、またメーカーに対して、医療需要を調査し
        て、需要に応じて製剤の開発、製造、供給を求めるという基本方針を修正すべきという御意見でございます。こういう内容を基本方
        針案の各項目に入れ込んでいただいておりまして、全部で12個の御意見が出てきているところでございます。
         新規製剤を求める声に対しましては、この間の血液事業部会でも御報告をさせていただきましたとおり、「未承認薬・適応外薬検
        討会議」という既存のスキームがあるところでございまして、その内容については基本方針案の第八で今回書かせていただいてご
        ざいます。その既存スキームを活用してやっていただくことになりますので、今般いただいた御意見に対しては修正する必要はない
        と考えているものでございます。
         次に、25ページですが、12番の意見です。国内自給の確保の項目への御意見でございまして、いわゆる国内自給モデル、原料血
        漿の配分ルールに関する御意見でございます。これまでの血液事業部会での御議論を踏まえまして、分画製剤の原料を外国血漿
        由来から国内献血に置きかえて供給するなどのアイデアを有するメーカーに原料血漿を配分し、国内自給を高めていくという御議
        論がありました。これを記載した部分に対して、現行の案が非常にわかりにくいのではないかということで、もっとわかりやすく書くべ
        きだという意見でございます。それにつきましては、資料に記載したとおり、文章を修正することにしたいと思っております。
         13番は基本方針案の第五で、安定供給に関する項目中の、供給危機が発生した場合の対応でございます。ここにつきましては、
        災害等があった場合の対応ということで、現行の基本方針案ですと、輸血用血液製剤の場合はこう、血漿分画製剤の場合はこうと 
        書いていたのですが、いただいた御意見は、都道府県の役割の記載がないということでございます。その御意見を踏まえまして、基
        本方針案を修正させていただいております。輸血用血液製剤、血漿分画製剤という区分で書きわけていたものを、国が何をやるの
        か、都道府県が何をやるのか、製造販売業者等が何をやるのかという実施主体別の構成に改めさせていただきました。そうしたこ
        とで、都道府県の役割としては、厚生労働省の防災業務計画に即して記載しているところでございますが、血液製剤の供給体制を
        メーカー等と協議の上、防災計画に盛り込むなど、平時から災害に備えた対応をとる必要があるという文言を追記させていただいた
        ところでございます。
         26ページの14番、同じ供給危機が発生した場合の対応の御意見でございますが、ここは災害等があった場合の対応ということで
        はなくて、シングルサプライの解消を記載しているところに対する御意見でございます。原案では、国は複数のメーカーによる供給
        体制の確保に努めるという記載をしているところに対しまして、14番の項目では承認手続の簡素化、次の15番に関しましては、国家
        検定の簡素化を求めるという意見でございます。新たなメーカーに供給体制を求めるということで、恐らく手続の合理化・簡素化とい
        うことで早く製剤を出せるようにしていただきたいという御意見だとは思いますけれども、趣旨が明確ではないために、今回は原案
        どおりとさせていただきますという形の整理をしております。なお、業界が持っている問題意識に関しましては、今後情報交換等によ
        り現状把握に努めてまいりますということをあわせて記載いたします。
         28ページ、17番でございます。ここは第八ということで、最後の項目になります。その中の血液製剤代替医薬品に関する事項につ
        いていただいた御意見でございます。代替医薬品に関しては、患者への説明あるいは記録の保存等についても、必要に応じて特定
        生物由来製品と同様に扱うことを規定しているところでございます。この文言を削除することはできないのかという御意見をいただ
        いているところでございます。理由といたしましては、代替製品の研究が進んでいる、新たな製剤も出てくる中で、生物由来製品を
        特定生物由来製品と同様に扱い続けることの必要性に疑問があるということでございます。
         これにつきましては、今後検討していく必要があると思っておりますので、現段階では原案どおりとさせていただきたいという回答 
        にしてございます。なお、情報収集を行い、現状把握に努めていくという形の回答案にさせていただいているところでございます。
         次に、18番につきましては「血液製剤等の薬価等」という項目の分画製剤に関する御意見をいただいております。本年2月に当委
        員会でも御議論いただいたところでございますが、その際の委員長からの御指摘を踏まえまして、分画製剤の取引の適正化という
        通知を発出させていただきました。現行の薬価制度下においては個々の医薬品の価値に基づく単品単価契約を進めることが重要
        だという内容の通知でございます。御意見は、こういうものと並行して血液法関連製剤のあり方についても、2020年までに一定の方
        向性を示すべきだという御意見をいただいているところでございます。
         これにつきましては、血液法関連製剤のあり方が具体的にどういうことについて議論を行うのか不明確だということで、原案どおり
        とさせていただきたいとしているところでございます。業界が持っている問題意識については、情報交換等によって現状把握に努め
        ていくという形で整理しております。
         29ページ、同じく第八のコンプライアンスの強化についていただいた御意見でございます。ここにつきましては、日本赤十字社に対
        する御意見ということでいただいておりますけれども、献血を行う際の献血者に対して、現行では研究利用について同意をいただく
        という形になっているところでございますが、拒否を求めることもできるのだけれども、日赤においてはそういうことがされていないと
        いうことでございます。我々といたしましては、そういうことはないと思っておりますので、御意見の趣旨が不明確だということで原案
        どおりとさせていただくという案にしているところでございます。
         最後、31ページでございます。20番の項目、複数の採血事業者を想定した血液事業のあり方についての御意見でございます。御
        意見の内容としましは、採血事業者の拡大については、適切に個人情報の保護がされるのであれば、それなりに望ましいということ
        ですが、不適正な形で情報拡散が起きないようにしていただきたいということでございますので、個人情報の取り扱いについては、
        慎重に検討してまいりますとしております。
         こういった御意見を踏まえまして、今、御説明させていただきましたとおり、項目の12番と13番につきましては、基本方針案を修正
        するという形で新旧対照表にハイライトを入れる形で修正を加えているところでございます。
         それ以外、ハイライトを入れているところがございますが、基本的には各省協議、また省内の関係局との協議をさせていただい
        て、若干文言を整理させていただいているところでございますが、1点だけ御説明させていただき点がございます。45ページでござ
        います。「二 原料血漿の配分」でハイライトを入れさせていただいております。前のページで第五、安定供給の項から引き続いてい
        るところでございますが、公正取引委員会からいただいた御意見がございまして、もともとの案では「国を中心に、採血事業者、メー
        カーとの分画製剤の需給に係る情報交換を密にする」という記載があったところでございます。仮にメーカー間で需給情報が共有さ
        れた場合にはカルテルが誘発されるおそれがあるという御指摘をいただいたところでございます。国がメーカーから個別に情報を収
        集することをより明確に打ち出すような形で修正させていただいたところでございます。
         基本方針案の内容を御確認いただきまして、パブコメに対する御意見はこういう形で出させていただく。また、次に血液事業部会
        で最終的に基本方針案を提示させていただきますが、今の新旧対照表を踏まえた形で御提示させていただいてはどうかと考えてい
        るところでございます。
         説明につきましては以上でございます。
        〇田野崎委員長 どうもありがとうございました。
         パブコメに対する事務局側の御意見を交えてというとですが、何か1つだけでも御意見があれば。よろしいでしょうか。
         そうしましたら、本日の意見を踏まえまして、次回の血液事業部会に最終案を提示していただければと思います。
         予定していました議題は以上ですが、大幅に時間を超過しまして大変申しわけございませんでした。
         それでは、事務局に議事進行を戻したいと思います。よろしくお願いします。
        〇山本(匠)血液対策課課長補佐 田野崎委員長、ありがとうございました。
         本日は皆様、天候が悪い中お集まりいただき、ありがとうございました。本日の運営委員会はこれにて終了させていただきます
        が、お帰りの際には十分お気をつけください。
         以上となります。ありがとうございました。

(了)

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