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(2)地域福祉権利擁護事業

 地域福祉権利擁護事業は、痴呆性高齢者、知的障害者、精神障害者等の判断能力が不十分な者が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うことにより、その者の権利擁護に資することを目的とするものである。


【対象者】

 ○  本事業の対象者は、次のいずれにも該当する者とする。

 判断能力が不十分な者(痴呆性高齢者、知的障害者、精神障害者等であって、日常生活を営むのに必要なサービスを利用するための情報の入手、理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うことが困難な者)

 本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる者


【援助内容】

 ○  本事業に基づく援助の内容は、次に掲げるものを基準とする。
 福祉サービスの利用援助
 苦情解決制度の利用援助
 住宅改造、居住家屋の賃借、日常生活上の消費契約及び住民票の届出等の行政手続に関する援助等
 日常的金銭管理(ア、イ又はウに伴う預金の払い戻し・解約・預け入れの手続等)


【実施主体】

 ○  本事業の実施主体は、都道府県社会福祉協議会及び指定都市社会福祉協議会である。
 ただし、窓口業務は、利用者の利便性を考慮し、都道府県社会福祉協議会又は指定都市社会福祉協議会から委託を受けた市区町村社会福祉協議会等(基幹的社協)が実施している。
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(参考)平成15年12月末現在の実施体制
基幹的社協 514か所
専門員 628人
生活支援員 9,376人






【手続きの流れ】

 (1)  利用希望者は、実施主体に対して申請(相談)を行う。
 (2)  実施主体は、利用希望者の生活状況や希望する援助内容を確認するとともに、本事業の契約の内容について判断し得る能力の判定を行う。
 (3)  実施主体は、利用希望者が本事業の対象者の要件に該当すると判断した場合には、利用希望者の意向を確認しつつ、援助内容や実施頻度等の具体的な支援を決める「支援計画」を策定し、契約が締結される。なお、支援計画は、利用者の必要とする援助内容や判断能力の変化等利用者の状況を踏まえ、定期的に見直される。

 契約内容や本人の判断能力等の確認を行う「契約締結審査会」及び適性な運営を確保するための監督を行う第三者的機関である「運営適正化委員会」を設置することにより、契約による事業の信頼性や的確性を高め、利用者が安心して利用できる仕組みとなっている。


【利用料】

 ○  実施主体が定める利用料を利用者が負担する。
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(参考)
実施主体が設定している訪問1回あたり利用料 平均 1,200円
1ヶ月の利用回 平均 2.1回
実際に利用者が支払っている1ヶ月の利用料 平均 1,012円




 ただし、契約締結前の初期相談等に係る経費や生活保護受給世帯の利用料については、無料とする等の配慮がなされている。


【事業開始時期】

 予算事業として平成11年10月から実施。平成12年6月の社会福祉事業法改正の際、法定化。


【事業の充実】

 ・ 平成14年度 事業充実のため、対象範囲及び援助内容を拡大
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 ・対象範囲: 入院患者及び施設入所者に拡大
 ・援助内容: 住宅改造、日常生活上の消費契約及び住民票の届出等の行政手続に関する援助などの福祉サービスの適切な利用のために必要な一連の援助等を追加




 ・ 平成15年度 事業の実施主体を都道府県社協から、指定都市社協に拡大


【予算額】

  平成15年度予算額 3,572,388千円の内数
  平成16年度予算額 3,393,768千円の内数

  ※ 地域福祉推進事業のメニュー事業として実施



地域福祉権利擁護事業の実施方法

地域福祉権利擁護事業の実施方法の図



【事業の実施状況】
  利用に関する相談件数 利用契約件数
平成11年10月
〜平成12年3月
13,007件   327件
平成12年度 42,504件 1,687件
平成13年度 106,676件 3,280件(対前年度比 1.9倍)
平成14年度 159,746件 4,704件(対前年度比 1.4倍)
平成15年
4月〜12月
167,007件 4,834件
合計
(事業開始〜平成15年
12月末までの累計)
488,940件 14,832件
 
平成15年12月末
の実利用者数
10,390人

【平成14年度 対象者別契約の状況】
対象者 痴呆性
高齢者
など
知的
障害者
など
精神
障害者
など
その他  
うち
生活保護
契約件数 3,053 747 641 263 4,704 1,649
構成比(%) 64.9 15.9 13.6 5.6 100 35.1
全国社会福祉協議会調べ


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