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こうした背景を踏まえ、平成10年10月21日に、厚生科学審議会先端医療技術評価部会の下に、「生殖補助医療技術に関する専門委員会」(以下「専門委員会」という。)が設置され、この問題を幅広く専門的立場から集中的に検討することとされた。
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生殖補助医療のあり方については、医療の問題のみならず、倫理面、法制面での問題も多く含んでいることから、専門委員会においては、医学、看護学、生命倫理学、法学といった幅広い分野の専門家を委員として検討が行われた。
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また、この問題は国民生活にも大きな影響を与えるものであり、広く国民一般の意見を聞くことも求められることから、専門員会においては、宗教関係者、患者、法律関係者、医療関係者等の有識者から5回にわたるヒアリングを行い、また、一般国民等を対象として平成11年2月に行われた「生殖医療技術についての意識調査」の結果も踏まえ、この問題に関する慎重な検討が行われた。
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さらに、生殖補助医療をめぐる諸外国の状況を把握するために、平成11年3月には、イギリス、ドイツ等ヨーロッパにおける生殖補助医療に係る有識者からの事情聴取、平成12年9月には、イギリスにおいて生殖補助医療に係る認可、情報管理等を管轄するHFEA(ヒトの受精及び胚研究に関する認可庁)の責任者との意見交換が行われた。
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なお、生殖補助医療には、夫婦の精子・卵子・胚のみを用いるものと提供された精子・卵子・胚を用いるものがあり、また、人工授精、体外受精、胚の移植、代理懐胎等様々な方法が存在しているところである。AID、提供された精子による体外受精、提供された卵子による体外受精、提供された胚の移植、代理懐胎(代理母、借り腹)といった精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方については、その実施に当たって、夫婦以外の第三者の精子・卵子・胚を用いることとなることや夫婦の妻以外の第三者が子を出産することから、親子関係の確定や商業主義等の観点から問題が生じやすいため、専門委員会において、これらを適正に実施するために必要な規制等の制度の整備等を行う観点から検討が行われた。
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専門委員会は、2年2か月、計29回にも及ぶ長期にわたる慎重な検討を行い、平成12年12月に専門委員会としての精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての見解を「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書」(以下「専門委員会報告」という。)としてとりまとめた。
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専門委員会報告は、インフォームド・コンセント、カウンセリング体制の整備、親子関係の確定のための法整備等の必要な制度整備が行われることを条件に、代理懐胎を除く提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施を認めるという内容であったが、同時に、その内容は精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方の基本的な枠組みについて検討結果を示すにとどまるものであって、その細部については検討しきれていない部分も存在したことから、こうした点について、別途更なる詳細な検討が行われることを希望するものであった。 |