戻る  前へ  次へ

参考資料1
社会保障審議会医療保険部会
(第1〜第4回)の審議状況等


社会保障審議会医療保険部会の開催状況等

開催日 主な議題 政管健保に関連する主な意見
第1回
(15.7.16)
  • 医療制度改革をめぐる経緯
  • 保険者の再編・統合について
  • 高齢者医療制度について
  • 国保再編・統合推進委員会設置要領
  •  政管健保を都道府県単位に再編した場合に、都道府県間で財政の格差が生じてくる。標準報酬額にも差があって、医療費にも差があるわけだが、地域間で財政調整をやるのかどうか。
第2回
(15.10.6)
  • 保険者の再編・統合
  • 高齢者医療制度
  •  政管健保の保険料、収納率や医療費等のデータを出して欲しい。
第3回
(15.11.10)
  • 高齢者医療の在り方
 
第4回
(15.12.3)
  • 保険者の再編・統合と地域との関係
  • 市町村国保再編・統合の考え方
  • 政府管掌健康保険の都道府県単位での財政運営の考え方
  • 健保組合の再編・統合について
  •  都道府県単位に政管健保を再編成するとどのような保険になるのか、具体的な姿を見せて欲しい。
  •  (都道府県ごとの)保険料収納率を保険料率に反映させるのはおかしいのではないか。
  •  都道府県単位で被保険者及び事業主の意見を反映させる場をつくる延長線の中で、中央(国レベル)でも同様の仕組みを作るべき。





社会保障審議会医療保険部会提出資料
(政府管掌健康保険関連部分抜粋)

第1回社会保障審議会医療保険部会(平成15年 7月16日) 提出資料
第2回社会保障審議会医療保険部会(平成15年10月 6日)

保険者の再編・統合の基本的考え方

被用者保険、国保それぞれについて、都道府県単位を軸とした再編・統合を推進
保険者の財政基盤の安定
保険者としての機能を発揮
地域の関係者が連携して質の高い効率的な医療を提供できるような取組を推進

都道府県単位を軸とした保険運営の概略図





第4回社会保障審議会医療保険部会(平成15年12月 3日)提出資料

保険者の再編・統合と地域との関係

(1)基本認識
 医療保険は、現物給付を中心とする傷病の治療のための医療サービスを提供するとともに、予防のための保健活動等を行う仕組みであり、現下の各保険者の状況にかんがみると、その機能を十全に発揮していくためには、財政基盤の安全性を確保していくことが何よりも重要。
 
そのためには、次のような取組を推進していくことが必要ではないか。
  丸1保険者規模の拡大(小規模すぎるためにその機能の発揮に問題を抱える保険者の場合)
  丸2保険者の財政安定化のための制度的対応
  丸3医療費適正化に向けた様々な関係者の取組

(2)保険運営の安定性
 医療保険は、医療費の発生リスクを被保険者間で分かち合う仕組み。偶発的な高額医療費の発生などの医療費の変動に安定的に対応するためには、被保険者数の規模を大きくすることが有効な手段ではないか。
 
  ※ 現在、高額医療費が発生した保険者(市町村国保・健保組合)に対して、その財政への影響を緩和するための事業を、拠出金等を財源として、各都道府県の国民健康保険団体連合会及び健康保険組合連合会においてそれぞれ実施。
 
 小規模な保険者においては、十分な職員数を配置できない、事務費が相対的に高いといった問題がある。規模を拡大すると事務処理体制の整備や事務費の効率化ができるのではないか。


(3)地域における取組の必要性

丸1医療の現状からみた地域における取組の重要性

 現状においては、総じて、生活習慣病を中心として、壮年期層から加齢とともに外来受療率が高まり、生理的能力の低下等を背景に、後期高齢期層から入院受療率が高まる。
 
 このため、伴に壮年期からの生活習慣病対策を中心とする健康づくりや、後期高齢期における介護との連携による高齢者にふさわしいサービスの提供など、地域における効果的な取組が課題。


丸2医療の地域特性

 一方において、医療は地域の様々な事情に影響を受ける性格のものであり、結果として医療費の地域差も大きい。
 
 医療費の適正化のためにはそれぞれの地域の特性に応じて、きめ細かい取組が必要である。
 
 地域における取組の考え方
  •  医療の地域特性(疾病構造、患者の受診行動、医療提供のあり方等)は、都道府県単位で格差が大きく、結果として都道府県ごとの医療費(医療サービス)の格差も大きい。
  •  患者の受診行動は、都道府県の圏域で概ね完結している。
  •  地域の医療・健康施策が都道府県を中心に行われている。

丸3地域における各保険者の医療費適正化の取組の必要性

 今後、高齢化などにより医療費の伸びが経済の伸びを上回る状態が続くことが想定され、これに伴い、各保険者の保険料負担の増大な不可避な状況。
 
 したがって、高齢期における制度間の公平な費用負担のルールを確立するなど制度的な対応を行うとともに、医療費の適正化のための保険者の取組の強化が必要。


丸4都道府県による取組の現状

 都道府県は、市町村の行政の広域的な調整を行うとともに、医療計画・介護保険事業支援計画・健康増進計画の策定等、地域の医療・保健にかかわる施策を行っているが、そうした施策と医療保険制度との連携をさらに強化する必要がある。

これらの地域における取組の必要性から今後の方向性を示す
丸5地域における取組の方向性

 保険者は、地域における共同・連携などを通じ、
 
丸1  生活習慣病対策を中心とする健康づくりを推進するとともに、保健指導などにより被保険者に適切な受診を促す
丸2  介護サービスや介護予防事業等との連携により、QOLを重視した高齢者にふさわしいサービスが提供されるようにする
丸3  保険者、医療機関、都道府県等が連携して医療の地域特性を踏まえた取得を推進する

ことにより、その役割を一層発揮することができるのではないか。
 
 都道府県は、医療の地域特性(疾病構造、患者の受診行動など)を踏まえつつ、保険者や医療関係者と連携しながら、例えば以下のような取組を推進すべきではないか。
 
 医療の地域特性の分析・評価とそれを踏まえた方策の検討
 医療計画・介護保険事業支援計画・健康増進計画と医療保険制度の連携
 国民健康保険事業における役割の一層の発揮
 
 以上のような方向性を踏まえ、都道府県単位で、保険者・医療機関・地方公共団体が協議する場を設け、「地域の住民に対して質の高い効率的な医療を提供できるような取組」、「医療の地域特性の調査・分析・評価」、「医療費の適正化に向けた取組」を推進するとともに、保険者自身も、医療機関や地方公共団体と連携しながら、保険者同士の連携・協力により、次のような取組を推進することとしてはどうか。
 
 被保険者教育、指導等
 先進的な保健事業についての情報交換
 物的・人的資源の共同利用
 その他保険者の連携・協力による取組




政府管掌健康保険の都道府県単位での財政運営の考え方

1.現状の問題点
 保険料率が全国一本で設定され、地域ごとの医療費の状況が保険料率に反映されていないため、受益に応じた保険料負担となっておらず、また、保険者による、地域の特性に応じた医療費の適正化に向けた取り組みや保健事業の展開が不十分ではないか。

2.今後の検討の方向性
(1)受益に応じた適切な保険料負担や保険者努力の促進

 保険料率を都道府県単位で設定することにより、都道府県ごとの医療費の状況や保険料収納率といった保険者努力が保険料率に反映される仕組みとする。
 都道府県単位の保険料が都道府県ごとの医療費の状況を反映したものとなるよう、年齢構成及び所得水準の格差については、政府管掌健康保険の中で全国的に調整する。

(2)被保険者等の意見を反映した自主性・自律性のある保険運営

 保険料率、保健事業の内容等について、一定のルールに従い、都道府県単位で被保険者等の意見を反映しつつ決定する仕組みとする。

(3)効率的な事業運営

 事業運営の効率性を考慮し、保険適用や保険料徴収について、厚生年金保険との一体的な処理を維持する。





(参考)
保険者の再編・統合と地域における取組

保険者の再編・統合と地域における取組の図






患者の受診行動

○患者の受診行動は、都道府県の圏域で概ね完結している。
住所地でみると、同一都道府県内でほぼ完全に収まる。
加入する保険者の所在地でみても、同一都道府県内でほぼ収まる。

患者の住所地における受診行動 加入する保険者の所在する
都道府県での受診行動
  入院 外来
患者の住所地と同一都道府県内の医療機関の受診 93.4% 96.7%
患者の住所地と同一二次医療圏内の医療機関の受診 75.2%

(大臣官房統計情報部「平成11年度 患者調査」より)
国保 政管健保 組合健保
96.5% 86.0%
41.0%
(東京、大阪を除いた場合 64.9%)

*国保は自県の被保険者の受診状況
(国民健康保険団体連合会 平成12年度審査分データより)
*政管、健保組合は自県の保険者の加入者の受診状況
(社会保険診療報酬支払基金 平成13年6月審査分データより)





都道府県が策定する各種計画の概要


  医療計画 介護保険事業支援計画 健康増進計画
根拠規定 医療法第30条の3第1項 介護保険法第118条第1項 健康増進法第8条第1項
趣旨等  都道府県における医療を提供する体制の確保に関する計画  市町村の行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施の支援に関する計画  地域の実情を踏まえた住民の健康増進に関する重要課題、目標の設定
主な内容
基準病床数
地域医療支援病院、その他機能を考慮した医療提供施設の整備目標
医療機器の共同利用等医療機関の機能分担及び業務連携
緊急医療の確保
へき地医療の確保
医療従事者の確保
圏域ごとの介護保険施設の必要入所定員総数など介護給付等対象サービスの量の見込み
介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備に関する事項
介護給付等対象サービスに従事する者の確保等
都道府県介護保険事業支援計画の策定に際し、介護給付等対象サービスの量を見込むに当たっては、
丸1  圏域を単位とする広域的調整
丸2  市町村介護保険事業計画との整合性の確保
を図ることとしている。
以下のような分野における目標の設定
栄養・食生活
身体活動・運動
休養・こころの健康づくり
たばこ
アルコール
歯の健康
糖尿病
循環器病
がん
都道府県に設置される協議組織の構成 関係行政機関、医療関係団体等

(H10.6.1健康政策局長通知「医療計画について」)
学識経験者、保健医療関係者、福祉関係者、被保健者代表者、費用負担関係者等
(H11.5.11告示「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」)
住民、市町村、医療保険者、学校保健関係者、産業保健関係者等
(H15.4.30告示「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」)
計画期間 少なくとも5年ごとに見直し 1期5年(今期計画は平成15〜19年度) 一定期間ごとに評価・改定
現行計画の見直し時期 都道府県ごとに適宣見直し(国においては平成17年度前半までに医療計画制度の見直しを行う予定) 平成17年度末までに見直し 都道府県ごとに適宣見直し
(「健康日本21」の運動期間は平成22年度まで平成17年度に中間評価)





健康保険法等の一部を改正する法律附則
第2条第2項の規定に基づく基本方針
平成15年3月28日
閣議決定

政府は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成14年法律第102号)附則第2条第2項の規定に基づき、基本方針を別紙のとおり定める。

(別紙)
健康保険法等の一部を改正する法律附則
第2条第2項の規定に基づく基本方針
(医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針について)
〜抄〜

2 保険者の再編・統合
(1)(略)
(2)具体的な方向
丸1保険者ごとの再編・統合の方向
ア (略)
イ 政管健保
  政管健保については、事業運営の効率正当を考慮しつつ、財政運営は、基本的には、都道府県を単位としてものとする。

 都道府県別の年齢構成や所得については調整を行った上で、保険料率の設定を行う仕組みとし、国庫補助の配分方法の見直しや、被保険者等の意見を反映した自主性・自立性のある保険運営が行われるような仕組みについて検討する。

 こうした取組を通じ、各都道府県単位で政管健保の健全な財政運営が確保され、被保険者の適切な負担の下で、地域の実情に応じた医療サービスが保障される姿を目指す。

ウ (略)

丸2地域における取組
ア 地域の実情を踏まえた取組
 保険者、医療機関、地方公共団体等の関係者が、都道府県単位で連携して地域の住民に対し質の高い効率的な医療を提供できるような取組を推進する。

 保険者・医療機関・地方公共団体が協議する場を設け、医療の地域特性の調査・分析・評価を行うとともに、医療計画、介護保健事業支援計画及び健康増進計画との整合性を図りつつ、医療費の適正化に向けて取り組むための計画を策定する。

 医療の地域特性に起因して生ずる医療費の地域差部分については、地域における適正化努力を促すような仕組みを導入する。

イ 保険者による取組
 再編された保険者は、レセプト点検等の取組を更に強化するとともに、被保険者相談、地域の医療サービス等に関する情報提供、きめ細やかな保健事業について都道府県単位で共同実施を推進する。



トップへ
戻る  前へ  次へ