中学で突然いじめが始まって
私って、小学校の頃からストレスがかかると、頭がギューって締め付けられて痛くなる体質なんです。お母さんもそうだから、似たのかもしれない。
今は高校でバスケ部に入って、楽しくやってるから、頭が痛くなることも少なくなったんですけど、中学の頃はもっとひどかったです。1年生の夏くらいから、急にいじめが始まって、1年くらいそれが続きました。
クラスで目立ってた女の子が私を無視するようになったのが始まりです。机に落書きされたり、椅子にゴミを置かれたり、靴を隠されたり…。挙げるとキリがない。
理由がわからなくて、考えれば考えるほど、頭が痛くなってきて、そのうち、めまいや吐き気もしてきてゴハンが食べられず、1日中ぼーっとしてました。
保健室で初めてホッとできた
あるとき、朝礼で貧血を起こして倒れちゃったんです。それで初めて保健室に行ったら、養護の先生がすぐにベッドに寝かせてくれて、ずっと付き添ってくれたんです。
若い女の先生だったんですけど、何も聞かずに、ただそばにいてくれるっていうのがすごくうれしくて、思わず泣き出してしまいました。中学で初めてホッとする時間がもてたから。
それ以来、調子が悪くなくても保健室に行くようになって、先生といろいろ話してました。授業中に、「具合が悪いので…」って、ウソついて抜け出して行っても、お説教したりしないで、ニコニコして待ってくれて。そういう場所があったから、不登校にならずにちゃんと卒業できたんです。
受験勉強で忙しくなると、いつの間にかいじめもなくなって、保健室の存在を忘れる日が多くなって、養護の先生にお礼も言わないまま、卒業しちゃいました。
でも、ときどき、思い出すんです、先生のこと。今もだれか、私みたいに困ってる生徒を助けてあげてるのかなって考えると、こころがあったかくなります。きっと私だけじゃなくて、悩んでる子ってもっとたくさんいるんじゃないかって思います。私の場合はたまたま保健室が逃げ場(笑)だったんですけど、そういうところって意外と身近にあるのかなって。親友とか、好きな先生とか、家族とか。結局、だれかに話してみようって思えるかどうかだと思うんです。
※これらのエピソードは取材をもとに再構成したものです。特定の個人を示すものではありません。
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