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平成25年度 厚生労働行政モニター会議 議事要旨
第1回目:仙台ビジネスホテル第2会議室(宮城県仙台市)
1. | 日時 | 平成25年9月29日 | |
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2. | 出席者 | (厚生労働行政モニター) | 13名 |
(厚生労働省) | 竹林雇用均等・児童家庭局総務課少子化対策企画室長 高橋老健局総務課企画法令係長 |
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3. | 議題 | (1)随時報告提出状況 (2)子育て支援〜子ども・子育て関連3法に基づく新制度について〜 (3)介護について |
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4. | 議事要旨 | 別添1のとおり |
第2回目:A.R.Kビル 会議室C(福岡県福岡市)
1. | 日時 | 平成25年10月23日 | |
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2. | 出席者 | (厚生労働行政モニター) | 8名 |
(厚生労働省) | 牧野職業安定局派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 源河雇用均等・児童家庭局総務課調査官 |
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3. | 議題 | (1)随時報告提出状況 (2)非正規雇用について (3)子育て支援〜子ども・子育て関連3法に基づく新制度について〜 |
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4. | 議事要旨 | 別添2のとおり |
第3回目:岡山国際交流センター多目的ホール(岡山県岡山市)
1. | 日時 | 平成25年11月29日 | |
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2. | 出席者 | (厚生労働行政モニター) | 8名 |
(厚生労働省) | 今井事務官、上野事務官(ともに老健局総務課) 有木事務官(年金局年金課) |
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3. | 議題 | (1)随時報告提出状況 (2)介護について (3)年金について |
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4. | 議事要旨 | 別添3のとおり |
第4回目:たかつガーデン コスモスB(大阪府大阪市)
1. | 日時 | 平成25年12月14日 | |
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2. | 出席者 | (厚生労働行政モニター) | 8名 |
(厚生労働省) | 成松年金局年金課企画官 前田事務官(老健局総務課) |
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3. | 議題 | (1)随時報告提出状況 (2)年金について〜 (3)介護について |
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4. | 議事要旨 | 別添4のとおり |
第5回目:厚生労働省専用第13会議室(東京都千代田区)
1. | 日時 | 平成26年1月31日 | |
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2. | 出席者 | (厚生労働行政モニター) | 7名 |
(厚生労働省) | 竹林雇用均等・児童家庭局総務課少子化対策企画室長 上野事務官(老健局総務課) |
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3. | 議題 | (1)随時報告提出状況 (2)子育てについて〜 (3)介護について |
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4. | 議事要旨 | 別添5のとおり |
第6回目:ナディアパークデザインセンタービル セミナールーム2(愛知県名古屋市)
1. | 日時 | 平成26年2月19日 | |
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2. | 出席者 | (厚生労働行政モニター) | 6名 |
(厚生労働省) | 源河雇用均等・児童家庭局総務課調査官 牧野職業安定局派遣・有期労働対策部企画課雇用支援企画官 |
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3. | 議題 | (1)随時報告提出状況 (2)仕事と家庭の両立支援策について (3)非正規雇用について |
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4. | 議事要旨 | 別添6のとおり |
意見交換の内容(別添1)
【子育て支援〜子ども・子育て関連3法に基づく新制度について〜】
モニター
○ 本当にこういう保育園制度でいい子育てができるのかを一番危惧します。
愛情のかけ方が将来の日本を救う大きな問題だと思います。私はこども園認定制度とかではなくて、家庭でどのように子供を育てるべきか。この辺を本気になって議論すべき時期に来ていると思います。
厚生労働省
○ 本当に、各家庭いろいろあって難しいところもありますが、やはり働き方の見直しもある程度は必要で、きょうは時間の都合もあって保育所をふやすとか、そういう話ばかりしましたが、あわせてそういう働き方の見直し、よくワーク・ライフ・バランスと言いますけれども、子育ても含めた家庭生活と仕事をバランスよくしていく社会。それも子供の時期によってメリハリのある社会。そういったものを作っていくため、普及啓発しながらやっていきたいと思います。
モニター
○ 私は現在、認定こども園で今どき本当にはやりな非正規雇用公務員の保育士として仕事をしています。
私が一番変えてほしいのが、働く保育士の処遇面です。
ハコモノの図式化とか形態化が叫ばれる中、どうして人事の確保、拡充、手当を厚くするといった形の話し合いがなされることが全然ないのか不思議です。
厚生労働省
○ 保育所にしても幼稚園にしてもそうですが、どんなに技術が進んでも機械には置きかわれない、人がやるしかないのが教育とか福祉で、そういう意味では保育士の質を確保していくことは必要です。
当然、保育士さんの質を確保するためには、一定の処遇がないと難しい話です。
そこは一朝一夕に解決する問題ではないかもしれません。これから保育所の数をふやしていこうとするときにも、保育士の処遇が上がらないと保育士の確保も難しくなるという話も言われています。
おっしゃっているような問題意識はかなり認識されていまして、国会でも最大の焦点の1つですので、そこは必ず何らかの形で盛り込んでいくことになるはずです。
モニター
○ 先ほどの説明に関連して、地域の子育て支援拠点や放課後児童クラブといったところに、人生の先輩方のマンパワーをぜひ活用していただきたい。
2点目は、例えば保育士をふやす、認定こども園もふえる。ハコができても、それを充足するだけの先生方とか保育士を確保できるのか。
もしハコがふえても処遇が変わらなければ充足率は上がらないと思います。
厚生労働省
○ 一時預かりとか、地域の子育て支援拠点というのは、要するに子育て家庭を含む地域の人が集まる場所です。
保育所等のマンパワーの話もおっしゃるとおりで、既に大都市ではなかなかなり手が見つからないという部分もあらわれ始めています。
私たちはしっかりそのような処遇改善を中心に、これからの人材確保に努めたいと思います。
モニター
○ 2点あります。
まず、消費税の引き上げについて理解はしていますが、日本の将来を見据えたうえでインパクトのある説明で、子育てをしていない方々にも理解してもらえるような説明が必要なのではないか。
もう一点、政府の推進体制として内閣府に子ども・子育て本部、準備室があるとのことですが、将来は子ども省になるぐらい、医療との連携も非常に重要だというふうに感じております。
いろんな面で国の省庁をあげて子育て支援に取り組んでいただきたい。
厚生労働省
○ これから消費税を説明する際の参考にさせていただきたいと思っています。
これからも政府の役目をしっかり叱咤激励していただければと思います。
【介護について】
モニター
○ 社会保障政策の対象は、あくまで利用者とか子供たちで、人ですので、財政的な数字合わせだけで政策立案に終始しないようにしてほしい。
また、介護従事者についても、ブロイラーなどの鶏を育てるように簡単に養成することはできず、そういった点もよく踏まえて政策立案してほしい。
厚生労働省
○ 数字合わせだけの政策立案に終始してはならないと、これは国の担当者としては非常に重い言葉です。人に向けたサービスであることを念頭に置きつつ周知をしたいですし、ご指摘のような点も踏まえて、しっかり政策を練っていきたいと思います。
モニター
○ 介護保険など一般的な保険料についてですが、国で一元化して保険料を調整するほうがいいと思います。
あと、介護保険については40歳からですが、これから高齢化が進んでいくので、年齢の下限を広げて幅広く保険料を負担する人をふやせば、高齢の人も少し安く済ませることができると思います。
一定の収入がある人には応分の負担を…ということですが、稼いでいる人にはもう少し多くの保険料を負担していただいて、それ相応の料金設定をすれば少し改善されると思います。
厚生労働省
○ 保険料を国で調整してはどうかということについては、既に制度化されています。具体的には、財源構成のうち調整交付金は5%で、先ほど国の負担は25%で4分の1を負担していると申し上げたのですが、実は全部の市町村に対して25%を負担しているわけではなくて、この5%分は、高齢化率などに応じて、例えば、7%とか、多めに配分されている市町村もあれば、逆に例えば、3%といったように、少なめに配分されている自治体もあります。
2点目の40歳以下に下げたらどうか。こちらも毎年こういう御意見をいろんなところからいただく議論です。
今の議論ではどちらかというと、まだ下げずに頑張っていこうという議論が大勢を占めている状況です。
応分の負担についても、既に制度の中で組み込まれていまして、詳細は自治体によって異なりますが、応分負担の仕組みとなっています。。
モニター
○ やはり、物質文明はお金が大切だということで、どうしても子ども・子育てにしろ介護にしろ、究極的にはお金が必要になってしまうということだと思います。そういったことも踏まえると、賃金が低く、肉体的に過酷な労働に従事している介護職員の方々については、待遇の改善を検討いただきたい。 介護職員になってよかったと、夢や希望を持てるような制度にしてほしい。
厚生労働省
○ まずは、国としては処遇改善を進めてきておりまして、一定の効果を挙げています。
もう少し補足して回答しますと、やはり夢のある仕事、社会的に評価される仕事でないとだめなのかなというのは本当におっしゃるとおりだと思います。
世界的にもこれだけ質の高い介護をやっている介護職は日本が最高水準ではないかと思っています。そういう意味では相対的にはもっといいお給料をもらってもいいのではないかというご意見もあると思います。
加えて、社会的評価も得られるような、大変な介護をされている方々をバックアップしている仕事であることをきちんと、PRしていくべきだと思っています。
厚労省はもちろん、県や市町村も積極的にそういうPRをしてほしいと思っています。
モニター
○ 十分なケアを申請することなく老老介護が行われ、そういう老老介護の人たちが熱中症でほとんど白骨化して見つかるケースが多かったではないですか。先ほどの子育て支援も同じで、妊婦健診の1万が払えなくて妊婦健診にも行かないから、子供の実態がわからないわけです。そうすると一時預かりなどは来るわけがないのです。
それは行政が届かないところにあるのです。
やはり、そこを見るためには厚生労働省が地方の市町村にもっと働きかけてフットワークを使ってほしいです。介護にしても、保育にしても、その現実を見てほしいです。
先ほどからウェブで見てください、ネットで見てくださいと言いますが、お年寄りの中にネットを使える人が何人いるか。
どうしてもそこがまだまだ上から目線というのにつながってしまう。
厚生労働省
○ ウェブでごらんください、ネットでごらんください、は耳の痛いご発言です。
しっかり行政や地域の目を届かせていくというのは重要な課題ですが、地域支援事業の中で、サロンや交流の場の強化を検討しています。
モニター
○ 私から5つ提案させていただきます。
1つは保険料の負担のあり方で、2号被保険者は医療保険と保険料との一括徴収ですが、この徴収率を上げるべきだと思います。
2つ目は保険料の全国平均で7,972円とありますが、私が調べたところでは8,000円から3,500円ぐらいまであるので、これは全国同じだよということにしないと、保険料が上がらなくなると思っています。
それから、3つ目は、高齢者はやはりある年になったら介護というのはしようがないということではなく、健康をどう維持するんだということを徹底的にきちんとして、寝たきりにならないということも考えてみなければならないと思います。
次が医療費です。70歳で1割になっていますが3割を維持して、この差の2割を介護に使えるようなにしたらいいと思います。
もう一つは、私のうちの近くにも在宅で介護をしている方がいるますが、60歳の人が見ています。こういう人たちに何か報酬を出すことはできないか。
厚生労働省
○ いただいた5点につきまして回答させていただきます。
まず1点目の徴収率、介護に関してはかなり高い徴収率を誇っており、1号の方については99%前後ぐらいと高い徴収率です。
2番目の保険料が非常に高いところで、もう少し国の負担率を上げて5%をもう少し自由に動かせるようにできないかという御議論もありますので、そこは引き続いて調整交付金のあり方と一緒に検討していくのかなと思っています。
3点目で健康をどう維持していくか。これはおっしゃるとおりです。
医療の3割の一部を介護に使うアイデアについては、制度もまたがり、財源も異なることから、私から軽々にご回答しかねますが、1つのアイデアとして受けとめさせていただきます。
最後、老老介護の場合の報酬支払いについては、長期的に議論がされている論点ですが、基本はサービスを利用してもらうということがまずは原則で、現状ではなかなか実現は難しいのかなと考えています。
意見交換の内容(別添2)
【非正規雇用について】
モニター
○ 引きこもり者への支援の仕方は、マン・ツー・マンで完全に自立するまでですか。
引きこもりの方は、社会と一度でも隔離された状態になると一歩踏み出していくこともなかなか大変だと思うのですけれども、サポート期間の限定とかはありますか。
また、家族が相談に来られたときに話を聞いてあげるということもしていますか。
厚生労働省
○ 若者サポートステーション事業についてですが、サポートステーションに来られる人は来てもらい、来られない人は自宅まで行って、まずは話せるようになるところから始めます。
話せるようになっても、いきなり勤めるのは難しいという方に就業体験というメニューの中で就業の擬似体験を、あるいは朝起きられないなどの生活習慣ができていない方には合宿などの訓練も行っています。
サポートについては、本人が希望すれば、ずっとサポートを受けることはできます。
また、御家族からの相談というケースもたくさんあります。
モニター
○ フリーター多いです。割合的に言ったらものすごく多いから、私は思います。
例えば、38.2%が非正規雇用であるという数字が出ています。資料は36.5%と記載されているけど現在では38.2%です。その38.2%を超えて40%以上が非正規雇用になっている会社は名前を挙げて公表して、そして行政指導に入る。それをやらないと絶対に改善しないと思います。
厚生労働省
○ 厳しい御指摘をありがとうございます。
確かに、全体で見ると、やはり低い処遇が広がっているということなのかもしれないですが、実は業界によってかなり違い、例えば製造業は割と正社員も多いです。
モニター
○ ITとかは、どうなのですか。ITは、それこそ建物も要らないし、楽天とかアマゾンとか相当もうかっていると思います。人間も要らないでしょう。それでお金をもうけてるわけだから、例えば資産ではなく、年商でこれ以上になった企業は何人雇うと。
厚生労働省
○ 専門的な技術を持っている人は、非正規でも、異業界でもやっていけます。
しかし、本当に正社員になりたい、しっかり生活を安定させたい、そういう形で仕事したいという人たちに雇用の機会をしっかりとつくっていくのが、国として重要な宿題だと思っていて、一律に何%を超えているから、これ以上は正社員にしなさいというのは、なかなか難しい側面もあると思います。
厚生労働省
○ 旅館とかホテル業は、統計的には非正規が7割ぐらいです。
それぞれの業界によって事情がありますので、一律に何パーセント以上というのは言いにくいところがあります。
モニター
○ だからこそ、業種別に、サービス業では緩やかにして、製造業は何パーセントと業界別にレベルをつくってやったらどうですか。
厚生労働省
○ 一律な考えというのがいいかどうかわからないですが、我々も、問題意識は持っています。
繁閑があるにしても、もう少し労働者にとって安定した雇用を実現できないかという問題意識です。
しかしながら、ただ規制するだけではなく、納得して各企業に取り入れてもらうという方向が一番大切だと思っております。
モニター
○ ハローワークのいろいろな若年層に対する支援は、実際いい支援だとは思うのですけれども、こういったものはちゃんと広報されていらっしゃるのでしょうか。
モニター
○ 本当にこんなにいい支援策があるのであれば、もっと広めていくべきではないか。
こういった支援をされているのであれば、きちんと徹底的に広報されて、末端、隅々まで皆さんに知っていただく取り組みも提案したいなと思っています。
厚生労働省
○ 詳しくはわからないのですけれども、安定所も一生懸命やっていると思いますが、どうして必要な人たちに行き届かないのか。どうすればこういうことをやっていることが浸透するのかアイデアがあれば、そういうものをどんどんつなげていきたいです。
モニター
○ 知らないことが一番怖いです。
我々も、モニターになったことによって、こういうところに選ばれて、初めてこういった場を見せていただき、勉強させていただくことによって、また子供や家内に話して…というふうに広がっていく。
もう少し末端活動を大事にしてほしいと思います。
厚生労働省
○ あまりにも若年者の就業状況が悪くなってきたので、ハローワークも学校を回る取り組みはしています。
できるだけ知ってもらえるように努力をしてはいますが、まだまだ足りないとのこと、持ち帰って反省材料にさせていただきます。
モニター
○ 非正規がふえた原因が何かという解析をしていないから対策がなかなか打てないという批判を受け、中間層を作って解雇を自由にできるように法制化しようとしている。
そうではなく、感覚的に、派遣社員が嫌になって契約社員に戻った人、アルバイトに戻った人というような解析をしてほしい。
部分的なところだけ見て原因を解析して、その対策を入れて労働行政の中へ反映してほしい。
厚生労働省
○ 確かに、今日は原因について説明をしなかったと反省しています。
非正規がふえた原因はかなり難しい問題なのです。
ただ一つ言えるのは、企業アンケートでは、大きな本音として、要は、労働コストを下げたいというのが事実です。
ただ、一方で労働者も賃金を下げられるばかりだと、やる気をなくします。
今は、多様な実態を整理するために、正規と非正規という分け方をしていますが、もう少し新しい分け方のアイデアがあれば、ぜひ御提案いただきたいと思います。
モニター
○ キャリアアップ助成金とか若者チャレンジ奨励金を利用した会社で、実際に雇用につながった雇用率とかいうか、継続率というか、そこはどのように把握していますか。
厚生労働省
○ 助成金に関する細かい資料を持参していないため即答はできませんが、継続的な雇用は、半年先ぐらいまで継続的に雇用されているかどうかを見る必要があります。
一方で、助成金制度は要件をある程度明確に定めないといけないところもあって、止むにやまれぬ事情により、もらった途端に辞めてしまった、実際に雇用がなかったというケースもあると聞いています。
ただ、本当に真剣に取り組んだ事業主さん達は、例えばお金をもらって自分たちで若い人たちの訓練プログラムをつくって取り組んだ結果、会社としてもどうやって教育したらいいかわかったということで、会社自身が成長しているケースもあります。
そういう成功事例をきちんとつくっていくことが大事だと思います。もらい逃げを防ぐ仕組みづくりというのを、日々、研究していかなければいけないと思います。
モニター
○ 企業の選定とか、そこら辺を明確にしたほうがいいと思います。ハローワークさんの成績に関係してくるから、結構いろいろなところに声かけをして勧められるみたいですが、やはり、企業でどういう雇用をされているか、あるいは、企業の選定といった辺りをハローワークにやっていただきたいというのは、実際問題としてあります。
厚生労働省
○ 例えばトライアル雇用奨励金といって、3カ月ぐらいトライアル雇用をしたときの賃金を若干助成するという仕組みがありますが、トライアル雇用して何人も採らないケースが続く事業主さんもいらっしゃいます。それは一定の人数、採用しないケースが続くと奨励金の支給が停止になる仕組みを持っている制度もたくさんあります。
そのように、ここの事業主は怪しいなという証拠がないと、支給しないという仕組みがなかなかつくれないので難しいとは思いますが、防ぐ取り組みはしています。
【子育て支援〜子ども・子育て関連3法に基づく新制度について】
モニター
○ 統計的に見たら、正社員の家庭は子供がいるが、非正規社員の家庭はいないという説明を聞いて、つながりがあるのなら、ここを押さえないとだめだと思いました。
この統計で原因がはっきりしたのだから、とにかく正社員をふやす手を早く打つ。
統計がはっきり出ましたから、これをやってくださいと持って行ったらどうですか。
厚生労働省
○ 非正規雇用の問題と子ども・子育て支援問題とでは、重なるようで若干重ならないところがありますが、おっしゃるように非正規社員の家庭は子供を産んでいないとか、結婚をしていないということなので、非正規の対策をちゃんとやらなければいけないのは、少子化対策として重要です。
ただ、生まれきた子供にちゃんと保育を提供するという意味では保育所の確保や、あるいは地域で子育てできる環境の整備も必要なため、保育所はやはりふやしていかなければいけないと考えています。
事前にいただいた御質問で、今後、認可保育所はどれぐらいふえていくのでしょうかというものがあったのですが、待機児童解消加速化プランという計画があります。
これは市町村が実施していくものですが、募集したところ300を超える市町村が取り組みますということで、多くの自治体が取り組まれるので、認可保育所もそれに従ってふえていくものと思っています。
モニター
○ 子育て関係の仕事の人の待遇が相当悪いと言われていますが、少し上がっていくのですか。
厚生労働省
○ 加速化プランには保育士の方の待遇改善も盛り込んでおり、300を超える市町村のうち、それでも取り組みたいですといった市町村は240強ありました。
モニター
○ 認定こども園法の改正ということで、幼保連携型という説明がありましたが、それはどのように構築していくのか。
あと、幼稚園は学校教育法、保育所は児童福祉法に基づいた認可ということで、ちょっと内容が違うと思いますが、それをどのように連携させていきますか。
厚生労働省
○ 今でも、同じ建物の中で時間を区切って、保育所は子供を早めに預かるが、幼稚園の子供が来たら幼稚園の子供と一緒に教育をして、幼稚園の子供は早く帰って、保育所の子供は親が来るまで預かるという仕組みは持っています。
ただ、今までは認可を2つ取らなければいけなかくて複雑ということで認可を一本化するとともに、監督指導についても幼稚園サイド、保育所サイドを分けることなく一本化して、お金も今までは複雑だったものを施設型給付一本として単一なものにすることで運用するとともに、それぞれの意志を尊重することにしています。
モニター
○ 放課後児童クラブを利用している方にお聞きしたのですが、小学校1年の時点では大体皆さん入れる。ただ、2年生になったときに所得に応じて入れない人がいるということをお聞きしたのですが、それはどうなのでしょうか。
厚生労働省
○ 基本的には、市町村によってやり方がいろいろで、今後あり方を検討する予定ですので、どうするかはわかりません。ただ、よく言われているのは、だいたい1年生から3年生までで4年生になった瞬間に行き場がなくなるとか、1年生であっても自分の学校の区域内にはないとか、いろいろな制限を設けているとは言われています。
市町村によりけりですが、今後、これまでいただいたいろいろな御指摘も踏まえて検討していく予定です。
モニター
○ 小学校までは、せめてもう少し力を入れていただかないと、小学校の6年間が一番親も大変な時期なので、地方団体にもう少し援助してほしいと思います。
厚生労働省
○ 触れなかったのですが、「小1の壁」とよく言われます。
保育所は今いろいろやってくれますが、学童に入った途端6時になって働きにくいとか、入学した途端、平日の行事がふえて働きにくいという話はよく聞きますので、確かに就学前ではなくて、就学後の支援も非常に重要だと思います。
モニター
○ 国の政策として、子育ての保育所や幼稚園やこども園をつくるときの認可制度と書いてありますが、認定とは、自治体自体でつくられている、いわゆる老人ホームのように民間にほとんど委託するという方針ですか。
厚生労働省
○ そうではないです。
ただ、民間の参入は妨げていませんので、株式会社で保育園を経営されている方も当然ございますし、私立の保育所も否定しておりません。
モニター
○ しかし、介護保険のときは、結局そうなったわけです。
市町村の自治体の老人ホームというのは、方向としてどんどんなくなりました。
もう一点、消費税を上げて、その財源をこれに入れるという論理ですが、企業の法人税負担はどんどん下げるのに、消費税に財源を切りかえるという行政のスタンスはおかしいような気がします。改善を求めます。
厚生労働省
○ お話が大きいので、お答えできるかわからないのですけれども、消費税は今まで年金とか介護とか医療に向けられていました。
日本は、高齢者にはお金が払われているのに、子供にはお金が払われていないというのがあり、私どもは、子供・子育てに消費税が振り分けられるようになったことは画期的なこと、日本の将来のためにいいことではないかと思っています。
モニター
○ 児童手当拠出金と同じような仕組みをとればいいではないですか。
厚生労働省
○ 企業から取るということですか。
企業の方の納得が得られれば当然、取ってもいいと思います。
モニター
○ 法律で決めて、あなたたちが政策として出すのだから、納得するわけがないです。
消費税を上げることを納得したかと言って、納得しなくても上げるではないですか。
厚生労働省
○ 制度をつくる過程で皆さんの意見が反映されないこともありますが、そこのところは御了承いただければと思います。
厚生労働省
○ 難しい問題ですね。
それぞれがどれぐらいの負担感がいいのかというのは、時代によっても変わって来るところですが、今、大きな政治の流れの中で消費税を上げると決められて、その中でこれから配分の詳細が決まってくるのかなといった状況なので、その状況を踏まえて、しっかりと還元できるように施策を打っていきたいと考えています。
モニター
○ 消費税を国民が負担するけれども、企業が負担していないことが問題と言っているわけです。企業は内部留保を270兆円ぐらいめちゃくちゃためておるわけですよ。それで、法人税を下げるわけでしょう。国民から9兆円か10兆円取るわけで、つまり、企業の減税は消費税でカバーしているというふうにしか見えないと言っているのです。
厚生労働省
○ 見方によっては、そのような見方をされてしまっても致し方がない部分があるのかもしれないけれども、ただ、それぞれの理屈の中で動いているという世界ですから、その辺の配分も時代とともに微妙に変わってくると思っています。
ほかに何かございますか。よろしいですか。
時間もあと5分ぐらいありますけれども、子育て以外でも何かありますか。
モニター
○ 最終的に目指すものは、同一労働同一賃金。
内閣府の中に子ども会議をつくろうとしたら、それも経費がかかるんでしょう。
税金をあほなことに使うなと笑ってしまいます。
モニター
○ 厚労省は、最近では同一労働同一賃金というのはほとんど言わない。
厚生労働省
○ 今、政府で一生懸命、賃金を上げようという働きかけをしています。
これがうまく成熟してくれればいいかなと期待しています。
意見交換の内容(別添3)
【介護について】
モニター
○ ケアマネジャーとか介護調査者ですが、あの人らの給料は、我々の保険料から
なのか、ボランティアなのか。
会計上、大きな負担にはなっていないのかを知りたいです。
厚生労働省
○ ケアマネジャーは、基本的には事業所にいる方で、ケアプランをつくるときに報酬が出ているため、介護保険からでているということはないです。
モニター
○ この前、岡山地裁で65歳を超えた重度の脳性麻痺の方が訴訟を起こしました。
今までは障害者自立支援法による支援を受けていましたが、65歳を超えると今度は介護保険法の第1号のほうを受けないといけない。そのことにより自己負担が1万5,000円生じたということで裁判を起こしています。
今度の法律改正で、重度の脳性麻痺とか、どうしても介護を受けないといけない人については、特例としてそのまま無償で支援が受けられるという改正にしてほしいと要望です。
厚生労働省
○ 障害者についての課題という側面もあり一概にはお答えできませんが、貴重な御意見として今後に活用させていただきます。
モニター
○ 先ほどの説明の通り、今後ますます高齢化が進む日本の社会において、この介護保険制度というのはきわめて重要な制度であって、これを今後とも維持していくのが、我々国民の非常に重要な課題だと思っています。
それを維持継続していく中で保険料があり、保険料の半分を納めていますが、これは、みんながきちんと納めているシステムになっていますか。
年金では記録漏れみたいな問題がありましたけれども、この介護保険制度は、記録漏れみたいなことが起こらないシステムになっているのでしょうか。
厚生労働省
○ 介護保険における第2号被保険者の方、いわゆる40歳〜64歳までの方は、国民健康保険にしろ社会保険にしろ、一括して納めています。
65歳以上の方は、基本的には特別徴収といって、年金から天引きさせていただいているため保険としてはすごく収入率が高いです。その中で管理をしているため、払っているのに記録がないということは基本的にはありません。
モニター
○ 改正の中で、さまざまな生活スタイルの中に、どうしても介護保険を利用しながらサービスを受けていかないといけない人はすごく増えていると思いますし、これは地域の問題になってくると思いますが、制度を利用するまでの様々な段取りについて、具体的に聞かせて頂けないでしょうか。もっと地方で考えていくような施策であったりですね。
厚生労働省
○ 今、改正を検討している制度では、介護予防、地域支援事業を市町村が自分たちのニーズに合わせて実施できるようにする方向で、今あるサービスがなくなるわけではなく、地域の中でできるような仕組みを提案しています。
モニター
○ ということは、イメージとしては、そういう予防という取り組みの中で、要介護状態にならないための活動費として、予算を何らかの形で分配されるということですね。
プラス、そこに重点を置かれて広げていく。予防という取り組みにいこうと。
内容はいろいろと考えていくにしても。
厚生労働省
○ 元々地域支援事業については介護保険の一部から財源がでており、今回の移行で財源構成が変わるということではありません。
もう一つ、年金とか生活費の話なのですけれども、確かにおっしゃるとおりだなということもあるのですが、この場では回答できないため、持ち帰って検討材料として今後に活用させていただきます。
モニター
○ 今後の改正で介護料を値上げするような説明をしていたと思いますが、これ以上値上げをされて、ましてもらう年金がないと、生活をするお金が少ししか残らないですから、値上げはしないと言ってほしいです。
それから、介護保険制度は、強制的に、自動的に、引かれていますが、やりたい人がやればいいのでは、幾ら介護制度を値上げしても、私たちのときになるといい介護を受けられるか分からないので、自分で貯金をしたほうがいいのでは、と思います。
また、介護を受けたくても条件が厳しくてなかなか受けられないことが多いので、もっと条件緩和をしてほしいです。
強制的に天引きで年金から介護保険料とか、老人でなくても、農家をやっている人たちも、自然と引かれるものは引かれる。そうすると、その年は極端ですけれども何も食べていけず、地方に出稼ぎに行く人もいるだろうし、出稼ぎに行かない人はそれなりの生活をしなければいけない。
そういう隠れた苦しい人たちのことも考えて、有意義に使ってほしいと思います。
厚生労働省
○ 値上がりとおっしゃったのは、介護保険料のことでしょうか。
それとも、利用料負担のお話と理解してよろしいでしょうか。
モニター
○ 年金も値上がりになるし、介護保険料は早く値上がりしてほしいとおっしゃっていたけれど、一部だけを見てすごく安いとは判断しないようにしてほしい。
また、条件が厳し過ぎて選べないということが往々にしてあるみたいなので、もっと広い人たちが介護保険制度に入っててよかった、お金を納めててよかった、あってよかったと思えるような、払った人が納得できる仕組みにしてほしいと思います。
厚生労働省
○ 保険料が値上がりしてほしいということではなく、現状では、このままいくと介護にかかる費用が増大してしまって、それに伴って保険料も上がることになるということです。今回の制度改正では、こういった中でも公平な負担となるよう、低所得者の方の保険料軽減を更に強化することを検討しています。
モニター
○ 値上がりするのは、国の借金を考えたら当然だと思います。
うちは母が90代で、私がもうすぐ70歳になりますが、取るなら、今の80代、90代のがばっと貯金をしている人たちからいただいたらと思うのです。
お年よりはたくさん貯金を持っているのに、老後に使わないで、手厚くしてもらって、年金ももらっているので、あの人たちにおねだりをしたら…という思いでいます。
80代、90代の人たちにおねだりするように考えたらいいと思います。
【年金について】
モニター
○ 年金といって、やはりぱっと思うのが、数年前にあった消えた年金問題です。
正直、言葉は悪いですが、掛け捨てになってしまう。私たちが60代になったころはひょっとしたらもらえない、諦めたほうがいい、当てにしないほうがいいと思ったりもしているのですけれども、本当のところをお願いします。
厚生労働省
○ まず、年金の記録問題に関してですが、昔は紙かつ手書きで皆さんの保険料の記録を管理していましたが、およそ5,000万件程度、どなたの記録かわからないものがあるというような状態が数年前に発覚して、記録の回復に取り組んでいるところです。
そのうち、ことしの6月時点でおよそ3,000万件程度については、どなたの記録かというのは特定できて、その方々の給付に充てるという形ができていますし、残りのものについても今年度中をめどに記録の突き合わせ作業を進めているところです。
今後の再発防止という意味では、定期便というような形で皆さんに御自身の記録に誤りがないかというのを確認していただいて、あと、コンピュータできっちり管理しているところです。
あと、支給開始年齢の引き上げの話ですが、今、支給開始年齢を段階的に65歳に引き上げている、まさにその途中です。この引き上げが、女性の場合2030年、男性の場合2025年までかけて段階的に引き上げを行っています。
いずれにしましても、年金というものは社会保険で、払っていただいたらそれに応じてきちんと給付をする仕組みですから、例えば将来的に年金が出なくなるようなことはありません。
モニター
○ 1点確認ですが、障害者年金と老齢年金は併用してもらえるのでしょうか。
厚生労働省
○ 老齢基礎年金と障害基礎年金という意味ではできないのです。
ただ、厚生年金に加入されている期間があれば、障害基礎年金と老齢厚生年金、両方受け取るということは可能です。
モニター
○ 例えば最近、企業で障害者の雇用が2%であるというニュースがありました。
そうしたら、例えば障害者の方はダブルで両方もらうと、14万円とか15万円とか、そんなお金を多分もらえると思うのです。そういう人からは、例えば企業に就職したら年金を半分にするというふうなことを想定しないといけないと思います。
それから、障害年金の認定度ですが、精神とか身体とかは認定が非常に厳しいですが、知的は非常に簡単にもらえます。知能指数と医者の所見でもらえますが、例えば知的でも、本当に低い人がおられるので、そういう人だけに年金を与えるという方向にやっていけないかなと思います。
また、年金は、夫婦で厚生年金をかけていた場合、例えば片方が亡くなった場合はもう一人は相手方のものはもらえないです。ところが、国民年金と厚生年金、夫婦で違う保険をかけていた場合は6割か7割もらえます。国民年金も同じです。そういうものを、亡くなったら相手方がもらえないというふうな法律にはならないのでしょうか。
厚生労働省
○ まず、障害年金を受給されている方で企業などにお勤めされていて賃金がある方について併給調整をしないのかということですけれども、年金というものは、所得や資産にかかわらず一定の支給事由が発生したときには一定の給付を行うというのが原則ですので、例えば、老齢のほうでも年をとっても働かれている方は、働きながら年金を受け取っている方もいますが、一定額以上の賃金がある方については、厚生年金部分に一定の併給調整をかけるという形で、賃金が伸びた分に応じて厚生年金の給付を少し停止させていただく制度があります。
一方、障害の方の雇用というのは、もちろん、進んでいるところもあるとは思いますがまだなかなか働けないという方もいらっしゃると思いますので、そういった全体で見たときにそういった併給調整の仕組みを設けていくのが妥当かどうか、直ちに国全体として障害年金においても併給調整の仕組みを設ける議論は行われていません。
次に、知的障害の認定というところなのですけれども、障害の認定については精神障害・身体障害にかかわらず全てのものについては、専門家の意見を聞きながら見直しは行っているところですが、今後、障害状態が多岐にわたるようであれば、その区分をふやしていく可能性もなくはないと個人的には思います。
あと、遺族年金のお話について、まず1点補足させていただきます。
夫婦で働かれて、夫婦ともに厚生年金で加入されていて、厚生年金と基礎年金を両方受け取っていらっしゃる場合でも、例えばそれで旦那様が亡くなったという場合、全額ではないですが、遺族年金と老齢厚生年金の併給が一定程度認められる場合がございます。
具体的には、遺族厚生年金は老齢厚生年金の4分の3の額となっています。
例えば奥様が働かれて、厚生年金の期間があった場合には、まず、その奥さんの老齢厚生年金では全額支給した上で、旦那さんの厚生年金の4分の3の額と、奥様の厚生年金との差額について遺族厚生年金として支給しています。
社会が変化して共働き世帯がふえていて、おっしゃるように家族のあり方も多様化している中で、年金制度をどういう仕組みにしていくかが課題だと思います。
モニター
○ 厚生労働省も先ほど担当者の方が、高校生にもそういう情報発信、教育をという説明をしていましたので、年金もやはりもらう人、払っている人だけの問題ではなく、子供たちにも、今、日本はこういう現状です、これだけ人口が減っていますということを少しでも学校などで触れることができないでしょうか。
厚生労働省
○ まず、人口の変化について、先ほど説明し切れていなかったので補足します。
20歳未満の子供というのは既に産まれているわけで、おおよそ2030年までの推移はわかりますが、2030年以降の推移については、正直わかりません。
もう1つの教育についてですが、実は現状においても公民科・社会科のほうで年金について触れてはいますが、引き続き、社会保障は中学生・高校生にとって大事だと主張しながら、文部科学省にも働きかけを進めていきたいと思っています。
モニター
○ まず1点、国民年金は国民皆年金ということで国民の義務ですから、加入を強制的に受けていると考えていいのではないかと思います。
先ほど介護保険は96%以上と説明がありましたが、同じ厚生労働省の管轄でしょうから、ひとつ頑張って96%以上にしていただきたいと思います。
2点目は免除保険料です。追納の期間が10年ありますが、例えば大学に通うと親は厳しいので免除期間を利用して後で納めようとなるわけで、大学を22歳で卒業するとすると、10年で32歳までに納めなさいとなります。ですが、今の経済状況から見ると32歳ですとまだちょっと余裕がないと。
今、定年を65歳まで延ばしているわけですから、10年ではなく20年ぐらい、この追納の期間が延びると子供自身も納められるのではないかと思うので提案します。
厚生労働省
○ まず1点目の徴収率ですが、よく国民年金保険料の納付率60%と言われて、人口の4割も保険料を納めていないというふうに言われますが、年金は国民年金だけではなく厚生年金もございまして、そういった年金制度全体で見ますと、96%程度は保険料を納めていただいています。
ただ、おっしゃるとおり、保険料の徴収は、ある意味で国民の義務なので、強化していかなければいけないのは御指摘のとおりで、今、まさに厚生労働省で年金保険料の徴収体制強化等に関する専門委員会を設けて議論しているところです。
2点目の免除の追納なのですが、おっしゃるように、もっと長くすべきという御意見もありますけれども、一方で社会保険ですので、あらかじめ保険料を納めていただいて、事故が起こったときに給付をするという性質です。
例えば、60歳とかになったときに、自分はそろそろ年金をもらえそうだなというので、一括で40年間納めるみたいな、ある意味でモラルハザードが起こってしまうおそれもあります。
そういった観点から10年を設けてはいますが、大学を卒業してもなかなか就職が厳しい状況ではありますから、そういう社会状況を見ながら、より納めやすい環境をつくっていくという検討が必要であるというふうに思っております。
モニター
○ 諸外国と比べて、日本は平均月20万円もらっているとのことですが、以前、月20万円も年金をもらっている国はない、日本のお年寄りほど幸せなお年寄りはいない、という文章を見ましたが、どうでしょうか。
もう一つ、老齢年金とありますが、我々65歳ですと年をとったと思っていません。高齢になったとは思っていますが、私も含めて、みんな元気な人ばかりで、老齢という名称は変えたほうがいいと思っています。
厚生労働省
○ 2点目のほうから答えさせていただきます。
おっしゃるように、用語というものは社会の変化に応じて変わっていくものですから、老齢年金についても、ひょっとしたら名称が変わることもあり得ると思っています。
最初のほうの諸外国との比較というところなのですけれども、これは比較がなかなか難しいところで、月並みですが、それぞれの社会に社会保障制度のあり方というものが違うわけで、単純に比較はできないと思います。
モニター
○ 経済状況等々もあるかもしれませんが、二十歳になった義務者のうち免除の申請をする率とか、今後、新しい若い方々が今後の支払っていく中での対策というか、見通しというか、大体どれぐらい、本来であれば例えば来年度、二十歳の成人した義務がある人数があるのかということと、例えば一昨年とか、その辺の数字は。
厚生労働省
○ 大体二十歳ぐらいの人といいますと、私の記憶ですと、一世代当たり120万人程度いらっしゃるはずなので、基本的に原則20歳から全員加入されます。
そのうち大学に進学されている方というのが、私の記憶ですと、今、大体50%程度いらっしゃったと思うのですが、大学に進学されている方はやはり、今、学生納付特例というもので、保険料支払いを後でいいよという制度がございますので、それを利用されている方が多いと記憶しています。そういう意味で、実際に来年、例えば国民年金の第1号被保険者で納め出す人が何人いるかというのは、わからないというのが正直なところです。
意見交換の内容(別添4)
【年金について】
モニター
○ 大切な社会保障の中に、介護や年金、医療というのが入っていて、よくリンクしているなと思いながら説明を聞きました。
現実問題として、年金も介護も医療も、長生きしていると、どうしてもたくさん必要になってきます。問題はそういった費用を誰が払うかということが常にあちこちの国で問題になっていると思っています。
余り自分のことに気を向けてしまうと、自助だけではなくて公助、共助という問題があるわけで、年金というのはみんなで守っていくという制度がスタートだったはずです。
その意味では公平性を保って、みんなが払ってみんながそれを受けられるようなものにするべきなのではないか、私はそう考えました。
モニター
○ 公的年金の関係で1号の人が例えば年金保険料を払わないという場合に、月額1万5,040円、それを強制的に徴収するとか、そういうことを考えておられるのかということと、もう一つは、私的年金をどの程度把握しているのか教えてほしい。
厚生労働省
○ 少ないとは思いますが、中には払えるのに払わないという方々もいらっしゃいます。
そういった方々に対する強制徴収は、まだまだ徹底ができていませんのでしっかりとやってこうと検討していて、次の国会でも、そういったところを強化していく予定です。
もう一つ、払いたくても払えない、経済的に難しいという方々には免除制度を利用していただく。なかなかPR不足で動かない部分もありますけれども、それをしっかりと頑張っていこうと思っております。
また、私的年金は企業年金が該当すると思われますが、それも厚生労働省で制度を持っていますので、担当課で把握していると思います。
ただ、全く企業年金とかに関係しないような個人年金について、全てを把握しているわけではありません。
モニター
○ 今は非正規の労働者が多くて、そういうものを何とかしないと結婚もできないし、子供も生めないということになるから、みんなが安心して仕事が得られるように環境をつくってもらいたいです。
そして、どうしても仕事が国にあるように持っていってもらいたい。今、仕事が外国のほうが賃金は安いからといって、向こうに工場をつくったりしていますが、何とか日本の中で工場をつくって、働ける場所をつくっていくようにしていただきたいです。
厚生労働省
○ 私の担当である年金制度の立場からお答えさせていただくと、おっしゃるとおりで、できるだけ皆さんに働いていただいて保険料を出していただいて、それが将来の年金につながるという形ができればありがたいです。
また、政府全体として、どういう産業を育成して、国民の皆さんにどういう働き方なり働き口なりをつくっていくかというのは、政府の大きな課題だと思っています。
モニター
○ 国民年金について、私は二十歳から数年、学生をやっていたときに払えていない期間があり、よく言われている満額はいただけないわけですが、満額にならないからいいやという方も出てきて、残念な選択をする方も多くいると思います。
何年か満たないと満額支給を受けられないというケースに、何か今後、フォローとかそういうものは考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
厚生労働省
○ 10年以上前のものを納付できるようにしてほしいという議論ですが、例えばお金のあるときにまとめて払おうという選択をされてしまう方がいらっしゃって、そういう方が仮に障害を負ってしまったり、遺族になってしまうと、お金がたまるまでは滞納期間になってしまいますので、それはそれでいろいろな問題が生じるだろうということで、今のところは10年を1つの区切りとしています。
いろいろな制度がありますので、年金事務所に行って御相談いただければ、非常にありがたいです。
モニター
○ 私は、いま年金免除させてもらっています。
若者からすると、100%の確約ではないものに強制的に加入の義務がある制度はどうなのかと感じました。滞納者に対する差し押さえの方針が出ていると思いますが、結局、滞納して財産などを差し押さえられても、最終手段として生活保護でもいいよというのができるわけではないですか。そういうことになると、今、生活保護もパンクしていて、年金も払えなくてということになると、本当に将来、どうなるのかなと思います。
その辺りのお考えを聞かせてください。
厚生労働省
○ なかなか厳しい御意見ですが、このような意見というのは非常に多いです。
まず、弁解ぎみで申しわけないのですが、100%保障できないというのは、2060年の日本がどういう状態になっているのか想像できない中で、そのときの経済状態をああだこうだとは言えないという含みを込めて申し上げました。
社会とか皆さんの行動によって、いろいろと変わってきますので、働き口をしっかりとつくるべきだという話は、政府として取り組んでいかなくてはならないと思っています。
また、我々も納得できる年金制度をつくっていきたいと考えています。
モニター
○ たまたま12月に批准しなかったTPPの問題、あれを本当に日本が批准したら、医療とか福祉も大幅に変わってくると思います。それこそ雇用をひっくるめて大激震が起きます。何が言いたいかというと、47年後など全く想像できないし、47年前に今の生活など全く想像ができなかったのと同じで、何が起こるかわからないわけですが、TPPに対する厚生労働省の考え、大臣とか副大臣の意見、ガイドラインみたいなものはあるのでしょうか。
厚生労働省
○ TPPで社会が大きく変わるのではないかという御懸念だと思います。
恐らくおっしゃるように想像できないような変化、いろいろな出来事とか技術革新もそうですし、TPPもそうですし、いろいろなことが起こってくると思っています。
全体的にTPPに対してどうしていくかというのは政権全体の方向性みたいなものがあって、それで経済をしっかりとうまくやっていこうという思いが多分あります。
モニター
○ TPPの問題で一番大きかったのは、特許権の延長のような話。新薬などの特許期間を長くされると健康保険の薬価基準が守れなくなる、いずれ壊れてしまうという可能性が十分にあるから懸念しているのですけれども、そういう意味では厚労省だけでは決められないでしょう。政府として、いずれ入っていかねばならないから、そのときに耐え得るような準備しておくべきではないかと思います。
厚生労働省
○ 担当局にもお伝えしますが、私も1人の行政担当者です。
御意見を参考にさせていただきたいと思います。
モニター
○ 今のTPPの関係で、今度、安い労働力が外国から入ってきます。
そのときにその人たちが失業したときの生活の救済策を、厚労省としてこれから考えておかないと、年金財政の部分がみんな吹っ飛んでしまうと懸念しています。
直接は関係ないと思いますけれども、よろしくお願いします。
【介護について】
モニター
○ まず、認定について、質問を出したのですが、コンピュータによるハンドリングは一律だと思うのですが、市町村によってはハンドリングが異なることがあり得るのかなと思うのですが、そのプロセスについては、いかがでしょうか。
次に、1人のケアマネさんが同時にたくさんの人を見ていて、毎日のケアプランというのはほとんどそのままが多いです。
だから、本当に見ているのかということがあって、そういう管理、監督、指導は具体的にはどこが行っているのか、そこがいま一つよくわかりません。
厚生労働省
○ まず、認定のほうですが、一次認定がコンピュータで、二次認定が介護認定審査会という流れですが、認定が市町村ごとで差が出てしまうのではないかという御意見は常に言われているところで、認定の部分に関していかに全国一律な基準で行うかというのは課題として認識しており、認定の公正性については、重要な検討課題です。
次に、ケアマネのプランですが、基準上では1カ月に1回、モニタリングを行って、利用者さんの状態が変化した場合、その変化の度合いに応じてケアプランを変更するということがもちろん必要になってきますが、医療と違いまして、介護はすぐには容体が変化しないことが多く、実際にはケアプランが1カ月ごとに変わるかというと、そうではないことが多いというのが現実としてあります。
あとは、国として何ができるかというところなのですけれども、そういったモニタリングを行うことが原則になっていますが、そこをしっかり行わなかった場合、介護も医療と一緒で1つのサービスに対して値段がしっかりと決まっているので、本来もらえる値段よりも下がるシステム、減算システムをとって、国としては、ちゃんとモニタリングを行う制度づくりを担保していると認識はしております。
モニター
○ 今後、介護が国から市町村、いわゆる自治体に移ってくると、お金のある自治体とそうではない自治体とのギャップ、自治体の格差というのを懸念します。
厚生労働省
○ 予防給付が市町村の生活支援事業に移行されるにあたって、市町村格差が出てくるのではないかというご意見は確かにございます。ただし、自治体の独自財源ということではなく、移行後も介護保険内の制度として、財源構成は変わりません。
モニター
○ 我が家にも高齢の祖母86歳がいて、要介護2でデイサービスに通っていますが、廻りには、この6年間で認定が厳しくなり、介護度が下がったために介護保険制度を使えなくなった方が結構います。ある一定の年齢になったら保険料を引かれるのに、使いたいときに、自分の意思だけでは使えないのはどうかと思います。
あと、認知症にかかわる施策がどうとかではなく、本来の基盤を整えないといけないと思います。つくったけれども、やってみたら費用が膨らんだ、施設が足りない、介護職につく人もいない、だから料金の値上げをして、ホームに入る人を要介護3以上に引き上げるという政策では介護保険の意味がないと思います。
いろいろなサービスがありますといっても、介護職につく人だとか、ホームの数とかが足りていないのが現状なので、もっと最初の基盤のところから整えたほうがいいのではないかと思います。
厚生労働省
○ 介護を必要とされる方は増加しており、認定のあり方は、一つの課題です。
次に、施設ですが、施設だけを整備するのではなく、在宅サービスも含め、多様なサービスをきめ細やかに整備し、地域で、必要なときに必要なサービスを受けられることが大切であると考えています。
介護職の人材不足も重要な課題で、介護の現場で働く方に、処遇改善加算といいますが、一定の待遇改善をしたところには報酬が加算されるインセンティブをつけて、職員の方の働く環境も整備しています。
また、介護職のキャリアアップについても検討し、魅力的な仕事にしていくことも重要です。
モニター
○ 介護保険でずっと保険料を払っていますが、70歳になって利用しない人もいます。
そういう人たちへの一時金として、たとえば10万円でも還付することを考えてほしいと思います。
モニター
○ 同じ意見の方が近所にいらっしゃいます。ものすごく元気で、ずっと払っているのに何も御褒美がもらえないのはつまらないと。それから、家族が高齢者のお世話をしていても、介護保険を使わなかった場合にも御褒美を出してあげたら、家族で見ようという人も出てくると思います。
これからは施設を余りふやさないと新聞で読みましたが、私もこれからどんどん年をとっていって、子供たちはそれぞれに独立していますから、子供に頼ることはできないので、施設を減らすということはやめてほしいと、それはお願いしておきたいのです。
厚生労働省
○ 施設がなくなるのではないかという不安を事前にいただいていたと思います。
基本的に施設に関しては、市町村で3年に一度、計画をつくるときにどれぐらいのニーズがあるかということも踏まえて施設の計画を立てているので、今後も施設がなくなるということはまずないので、御安心いただきたいと思います。
ただ、その上で、できれば住みなれた自宅で暮らしていきたいという方もいらっしゃるので、在宅でも安心して暮らせるようなサービスの形態を考えていくというのも、今後、厚労省としての課題と感じております。
モニター
○ 実は私、ケアマネジャーもしていましたし、その前はヘルパーもしていましたが、そのときに夜間に行くということは女性としては特に不安です。だから、家で介護するということはとても難しいことだと思います。そういう場合、一緒に家族が住んでくれている人に何かしら報酬が出るといいのではないかと思います。
でも、男性のヘルパーさんならよかったです。高層の公団住宅の場合、おぶって5階から下りたり登ったりして病院に連れて行く、それも男性だったのです。そういうことをしてもその人に払う加算が何もなく、ちょっと気の毒に思いました。
厚生労働省
○ 確かに一律で時間で見てしまうので、例えば5階までおぶってあげたとか、そういう別の事情がうまく報酬に反映されないということはあると思います。報酬の見直しは3年に一度行っていて、若い介護のヘルパーの方が家に夜行くのは不安だというのはおっしゃるとおりだと思うので、そういったところにどのように考えるかという観点も今後必要だと思います。
モニター
○ 2点お願いと私自身の考えていることを申し上げたいと思います。
まず第1点目は、言ってみれば予防面、健康で生活されている方への奨励です。
健康で生活されている方が報われるといいますか、健康でおられるという方への手立てといいますか、そういう面が大事なことだと思います。
2点目は、医師なり看護師なりの地位がキープされているのと同様に、ヘルパーも介護士も大切という、そういう方向への国家としての位置づけをお願いします。
モニター
○ 茨木市は予防介護を一生懸命しているからこんなことになると思いますが、毎年、高齢者の健康診断を受けてくださいと来ますから、受けます。
受けたら、どうでもいいようなことを書いてくるのです。
もうちょっと内容のあることを書いてくれたらいいのにと思います。もっと大切なことに保健関係の職員の方が働く。もしも仕事がないのだったら、その方は要らない人数になるのではないかと毎年、感じています。
厚生労働省
○ 中には1年に1回の機会で体操が必要なのかなとか、これから老いるにあたり介護予防という観点から、まだ認定まではいかない方にも注意喚起、予防という視点から市町村はそのように出しているのではないかと思います。
確かにもう既に御自身で健康に気をつけていらっしゃる方からしてみると、必要ないと感じる部分はあるのかもしれないです。
モニター
○ 今の時代を見ていると、高齢者同士の方々の横へのつながりも大事なことで、孤立しないということで、同年代、同世代でということでの基盤で交流を重ねるということと、あわせて世代間を超えての交流といいますか、やはり自分の出番があるということは、高齢な者にとってありがたいことだと思います。
それから、高齢者の方に生きがいといいますか、高齢者なりの知恵が生かされるように、国家として、社会として、考える仕組みを考えてほしいです。
最後に家族のあり方です。アメリカ型でもなければ、古い道徳の形ではなくて、日本独自のこれまでの伝統を踏まえての家族のあり方、人間のあり方、社会のあり方が問われている。
日本人なり日本のあり方というものをきちんと原点を見つめ直してていくことが家族のあり方の新しいものになります。
厚生労働省
○ 高齢者の生きがいについて市町村独自で取り組んでいるところもあります。
例えば元気な高齢者で、子育ての経験が豊富な方は働きに出て、預かってほしいという一時的な保育に活躍していただくほか、元気な高齢者の方が体操とかを教える側に回って、高齢者間の横のつながりをつくっていくということもやっており、高齢者の方の生きがいという視点は非常に重要なものと認識しております。
モニター
○ 介護保険の保険料のところで、現役世代で、基準所得金額190万円以上稼がれている方からがつんと取って使わなかったら返すみたいな、一次的に国にプールするという考え方はないのでしょうか。
厚生労働省
○ 介護保険の特殊性は、40歳以上の方が介護保険の被保険者として加入しつつ、実際に介護サービスを受ける方には65歳以上の1号の方が多いことです。
自分の親が介護サービスを受けることによって間接的に享受するということもあり、40歳以上の方に加入していただいていますが、このあり方については様々な議論があり、今後も検討課題です。
意見交換の内容(別添5)
【子育てについて】
モニター
○ 私には子供が3人いて、娘2人は結婚してまだ働いていたのですが、今年産まれる予定で2人とも休暇に入っています。竹林室長のお話の中で全体の費用負担の話があったのですが、0.7兆円はGDPの中の何%になるのですか。
厚生労働省
○ 今の日本のGDPは大体500兆円ぐらいですので、1兆円だと0.2%ぐらいです。
正直、諸外国、フランス、イギリス、スウェーデンといった国に比べればまだまだ全然足りないと思っております。
モニター
○ 私も子供を3人育てて、自分たちは年金をいただいているわけですが、その次世代にやらないと結局我々の負担を誰がするのだ、子や孫のいない社会を強靭化してもしようがないのではないか、と説明を聞いて思いました。
もう一つ、児童の話で、新聞などを見ていて幼稚園と保育所が今後統一化されるということですが、前はたしか文部省と厚生労働省、その役割分担の中で結局認可が進まないとか、それが今度は一緒になるのですか。認可の部分で。
厚生労働省
○ 時間の都合で説明を省略しましたが、従来の保育所、幼稚園の認可は都道府県の裁量が大きくて、基準を満たした質のいい教育をやります、保育をやりますという計画でも認可しないことが法律上許されていました。
今回の制度改正後は、この計画の中で、この地域には何人分の保育を必要としている人がいる、保育サービスを必要としている人がいる。それに対して、現状で何人分の定員しかないという状態であれば、基準を満たしていて、かつその地域にそれを必要とするニーズがある以上は、都道府県は必ず認可しなければいけない仕組みに変えました。
ですから、大都市で待機児童があるような地域だけど、幼稚園は定員が余っているというときなどは、その定員を保育の定員に振りかえて認定こども園になるということが、法律改正後は自動的にできるようになるということです。
モニター
○ 所轄は一緒なのですか。
厚生労働省
○ 実際の施設の許認可は都道府県がやっていて、幼稚園は教育の部署、保育所は福祉の部署がやっていましたが、認定こども園については窓口を一本化するようにお願いしています。
国の所管については、保育所が厚労省、幼稚園が文科省ですが、財政支援の仕組みは内閣府に権限を移しまして、内閣府に一本化します。
今は準備段階で籍などはばらばらですが、27年度以降は内閣府に人も寄せて、一緒に仕事ができるようになるはずです。
モニター
○ 待機児童の問題を解決するには、ある程度国が関与することが必要だと思いますが、私が良い対策だと思うのは、保育園がまだ不足しているところには建設とか用地買収に補助金を出す。横浜市みたいに解決したところは保育士の人員確保のために予算を使う。保育費用の費用を下げるために補助金を出すとかという方法がいいと私は考えていますが、厚生労働省側としてはどのようにお考え方でしょうか。
厚生労働省
○ 待機児童の問題を解決するには、直接利用者、市民と向き合っている市区町村と我われ国と、もちろん間にある県が、それぞれの役割を果たしてやっていかなければいけないと思っております。
国ができる最初の仕事としては、制度をつくってしっかり財源を確保することです。
ただ、国の支援もきめ細かくやりたいと思っていますが、地域によってどういうことを必要としているかというニーズには差があり、例えば保育士の確保などは、実は新しく保育所をつくるときの話でもあります。そういう意味では、結局土地があっても建物があっても人が見つからないと保育所の開園ができませんので、保育士の確保は全国的に必要なもので、満ちている地域も満ちていない地区も必要になるものです。
私どもとしては、ハローワークと連携して、何らかの理由でやめたけれど復帰を希望している保育士を必死に集めるとともに、仕事を探している方と保育士を探している保育園側との条件調整を行うなど、保育士の確保について頑張っているところです。
モニター
○ まず根本の問題として、少子化が一番の問題なので、何とか出会いの機会をふやすように自治体などにお願いできないのかということを検討していただきたいと思います。
もう1点、保育園と幼稚園の統合ということですけれども、同様に幼稚園と小学校が協力するという形ができないものでしょうか。例えば小学校に入る前の年の5歳児を基本的に小学校のあき教室で預かる形をとれば、保育園で預かっている上の5歳児の分のあきでそのまま下の年齢のお子さんを預かることができます。
小学校教諭には、幼稚園教諭の免許を持っている方も多いと聞いていますので、人材的にもコストは抑えることができるのではないかと思います。
プレ小学校というか、幼稚校のような形で預かるシステムというものがつくれれば、待機児童の問題も随分解決するのではないかと思います。
厚生労働省
○ 1点目の出会いの機会をふやすような施策を自治体で行ってほしいというお話は、私の承知している限り、特に人口が少ないような地域の自治体を中心に既にそういう出会いの場などを村や町がセットしている例があったと思います。
幼稚園と小学校の関係で、私も直前まで幼稚園の担当をやっていた経験から申し上げますと、おっしゃっている話には2つの切り口があります。
1つは、小学校のあいている建物、余裕教室みたいなものをうまく使って保育所の待機児童みたいなものに活用できないのか。その部分については、私どももそうした取り組みを検討のうえ、教育委員会なり文科省なりともいろいろ相談をして、従来、補助金を出してつくった建物を別の用途で使うときには補助金を返す仕組みになっていたところを、保育所に使う場合には補助金を返さなくていい仕組みにしました。
もう一つ、小学校の入学年齢を1年下げるみたいな感じでプレスクール的にやったらどうか。これはまた次元の違う話で、教育の中身の話にもかかわってきます。専門家が言うには、幼稚園の教育と小学校以降の教育は根本的に違っていて、幼稚園では外に関心を持たせることが重要で、知識は教えなくても、いろんなことに関心を持ってかかわりを深める気持ちを育てる時期なのだということです。
学校の余裕教室を保育所で使うという部分は教育の中身と関係なく、単なる建物の有効利用などで、それはどんどんやっていきたいと思っていますが、教育の中身は専門家が大議論を行っている最中で、すぐに結論は出ないかなと思っています。
モニター
○ 先ほど5歳児と言ったのは、事故が起きたとき、小さい子、小学校入学前の子であれば、それほど大きな事故は起きないのではないかという意味で申し上げたので、例えば小学校の中で区切って校庭のここまでは小学校以前の子、ここからは小学校という形で物理的に区切るような形でもいいのです。
厚生労働省
○ 小学校の余裕教室を使用する場合、そういうふうに子供の動線が交わらないように配慮していて、運動場とかも使う時間を分けたり入り口を分けたりしている例が大半です。先ほど小学校の先生は幼稚園の免許も持っている方が多いみたいなことをおっしゃったので、もしかしたら小学校の先生が直接5歳の子供を教えるという前提でおっしゃっているものと感じたため話をさせていただきました。
モニター
○ それも少し頭にあります。
小学校に上がるときにうまくなじめない子がいるという話も聞きますので、少し小学生的な内容も入れていけばいいのかもということは確かに念頭にありました。
モニター
○ 毎年保育園の定員を4万人ふやしているのに2万人の待機児童が出るので、省庁の壁を取って、法律も、幼稚園と保育所も、資格も、全て一体化するのが国の予算の適切なやり方だと思っています。
私から1つお願いというか、力を入れてほしいと思っているのは、私も定年になった人たちを集めてNPOをやって、何かできることはないかといろいろやっているのですけれども、子育てのところに高齢者が参加できるやり方をもっとつくっていただければといいと思います。
厚生労働省
○ 認定こども園に一本化すべきではないかということは、私も個人的にはおっしゃるとおりだと思います。
また、御指摘いただいたような幼稚園の先生の免許、保育士の資格は、歴史的な経緯もあって別々の資格になっていますが、認定こども園をふやすと、福祉的な知識もなくてはいけないし、教育の知識もなければいけないので、両方の資格を持っていることが望まれます。
定年された方の子育て支援への参加ということで、確かに保育所は保育士の資格を持った方がゼロ歳児3人について1人いなくてはいけないという基準がありますが、プラスアルファで資格を持たない方がお手伝いすることは今でも認められています。
それ以外に、御指摘のあった地域子育て支援拠点などは、昔でいう地域社会を部分的に復活させようということで、今は拠点自体が少ないですが、将来的には中学校区には1カ所、全国で1万カ所整備したいと思っています。
モニター
○ 待機児童を解決するということにはお金が必要ということが一番先に立っていますが、私は、各自治体において子育て事業に重きを置くところの自治体の格差をすごく心配しております。
もう1点、保育士は資格を取ってやっているわけですが、子供は一番心理的に大切な時期で、保育士の資格を取ったからそれまでではなくて、研修やら勉強会やらで保育士の質を高めるようなことということはされていらっしゃるのでしょうか。
厚生労働省
○ 自治体間の格差のお話ですが、完全に全部の自治体が同じことをするように国が指導してやっていくということは難しい面がありますが、新制度では各自治体に計画をつくっていただくことになっています。
住民へのアンケート調査などをベースに、この地域にはどれだけの保育サービスのニーズがあるのかということを潜在ニーズも含めて数字で出す仕組みになっていて、これからは1万人分必要だという数字が出てきましたねということが市民にも議会にも全部見えるような状況になりますので、そういう意味では、結果として自治体間の格差も少なくなるのではないかと期待しています。
保育の質はまさにおっしゃるとおりです。
【介護について】
モニター
○ 国民健康保険の保険者は市町村ですが、財政が厳しいところが多々見られます。
そうなると、介護保険も市町村のまま推移すると、財政の厳しいところはサービスが悪化するということも考えられるのではないかと思うのですが、どうでしょう。
もう一つ、介護保険の保険料と高額介護サービス費の段階、所得区分が一般の方は非常にわかりにくいと思います。例えば所得税とか住民税であれば所得ですが、ここは年収とかが勘案されていますので、所得で切るほうがわかりやすいと思います。
年収だと裁量が大きい感じがするので、そこら辺を確認したいと思います。
厚生労働省
○ まず、財政の悪化の話ですが、確かに今後サービス費用がふえていく中で、財政的な悪化や、保険料の上昇が想定され、サービスの質は確保しつつも、どのように費用を抑制するかは重要な課題です。
区分については、確かにわかりづらいところもありますので、持ち帰って、担当官にこういった御意見をいただいたことを伝え、共有しようと思います。
市町村の裁量と申されるのは、具体的にどういったことでしょうか。
モニター
○ 私は健康保険でよく聞いているのですけれども、健康保険で年収130万円以下の方は被扶養配偶者になるとき年収要件で判断されています。130万の年収がかなり運用でやられているという実態があるということを聞き及んでいて、介護保険の保険料とか介護サービスについての年収も同じように運用でやられているのではないかという懸念を持っているということです。
厚生労働省
○ 健康保険の話ですけれども、自治体によって差異が出ないような形で画一の基準でやっていただくように話をさせていただいていると思いますが、そういったお話もあったと担当官に話をする形にさせていただければと思います。
モニター
○ 例えば要介護1とか2とか決めるときに家に伺っていろいろ調べると思いますが、私が聞くところによると、それほど悪くない方が、介護保険も払っているし、介護保険を受けたほうが得ということでそのときだけぼけたふりをして認定を受けるとかということが聞こえてきています。
使わずに済むのは損だと思わせるようなことではなくて、逆に健康でいたらよかった、逆に返してもらえたから頑張ろうとか、私は認知症などに絶対にならないという気持ちも大事なので、そういう方向も考えていただきたい。
厚生労働省
○ 確かにそのとおりでして、基本的に介護保険というものは介護の必要があったときに使い、使わない方はそのまま使わないということが多いです。
また、社会保険制度は支え合い、共助の理念を基本としていますが、一方で御意見をいただいたように健康だった際のインセンティブというお話は一つのご意見という形で受けとめさせていただきたいと思います。
モニター
○ 私も、いま言われたので賛成だと思っていますが、上野さんは介護の絡みで淡々と言われたと思います。
皆さんも同じような感じだと思うのですけれども、ぜひ役人の方も数字合わせだけでなく、こんなことがあったらもっといいのではないかという部分を提案していただかないと、本当に税金だけとられてもむなしいです
老人が元気になるような施策を持たないと、本当にみんながこもってしまって、結局どこかの施設の人がもうかる。
厚生労働省
○ 貴重な御意見ありがとうございます。確かにおっしゃるとおりだと思います。
今後どうやって介護保険を維持していくかという観点も含め、しっかり制度を検討しています。
モニター
○ これから大都市圏で介護保険を使う75歳以上が2倍にふえるとか、地方ではもう高齢者はふえないとのことですが、住所地特例についてお聞きしたいです。
もう一つ、デイサービスは男性が嫌がるのだそうです。男性が行きたがらない。
私も介護保険を使うようになってもデイサービスには行きたくないと思っています。
男性が行きたくなるような介護サービスというものはないのか。
その辺のことがわかれば教えていただきたいと思っています。
厚生労働省
○ まず、住所地特例がどういった制度なのかですが、もともとA市に住んでいて、介護が必要になってB市にある施設に移動になった場合を想定して、基本的には市町村ごとに介護サービス量を見込んで計画を立てますので、A市からB市に移って、A市にいた方の分をB市が担うというのはイレギュラーな財政的増になるわけです。住所地特例は、そういったことを防止する制度で、B市に移動したとしても、もともとはA市に住んで介護保険料を払っていたので、請求自体はA市に行くという制度です。
基本的にはそういった制度で、利用者が負担する割合はそれ自体では変わらないものです。
また、デイサービスのお話で、男性が行きたがらないとくだりは非常に難しいところがありますが、逆に、ボランティアとして男性の方に立っていただくということも1つの活用手段ではないかと思います。
モニター
○ 友人、知人がケアマネージャーをしている観点から、研修費のことについて1点お伺いしたいと思います。
介護業務に携わるスキルアップとして、支援事業のケアマネや介護に携わる方の無料の研修会もあるそうですが、だいたいの研修は受講料が高いようです。
介護の知識も日々変わっていく中で、無料化もしくは安価な研修会を行ってほしいという声がたくさん聞かれます。この職種につきましては、高賃金ではないので、自腹で研修会で勉強するということはとても難しいことです。
厚生労働省
○ 1点目の介護する方の研修のお金の話ですが、確かに受講料が高いという声もございまして、介護の質をどう高めていくかという観点から、今後どうしていくかということは、検討課題であると認識しています。
2番目の御質問のほうなのですが、現状、介護者の方を支援する仕組みというものは自治体によって違いますが、まずは、介護の負担を軽くしてあげようということで介護保険があり、当然それでカバーし切れない部分もありますが、なるべく自治体なりいろんな相談窓口を活用して、その方を孤立させないような形でかかわっていくことを基本的なスタンスとして、その人の負担を少しでも減らしていく方向で検討しているところです。
意見交換の内容(別添6)
【仕事と家庭の両立支援策について】
モニター
○ 説明の中で気になった点が2点ありまして、育児休業の取得率の推移という表の母数はどれぐらいとられているのかということが1点です。
もう一つは次世代育成支援対策法に基づく企業の雇用計画の届出状況がほぼ100%とのことですが、普通の統計だとあり得ないような数字だと思いますが、どういう経路でこの計画の届け出を推進したのかということです。
厚生労働省
○ 調査の母数は4万ぐらいで、それほどかけ離れた数字ではないと認識しています。
特に育児休業の期間を問うてはいないので、1週間の方もいらっしゃれば、1年の方もいらっしゃるので、この数字自体はかけ離れた数字ではないと思っています。
次世代法の90何%というのは、罰則もないのに確かに高い数字なのですが、県別に見ても、どの県も9割以上でして、非常に高い状況にあります。
ただ、行動計画自体は中身がすごく立派である必要はなく、策定していれば良いという形なので、それこそ1枚紙のところもあれば、丁寧につくってくださっているところもありまして、丁寧につくってくださった中で中身がすぐれているところをサポート企業として認定している形です。
厚生労働省
○ ちなみに、どれぐらいの割合だという感触でしたか。
モニター
○ 普通こういう統計資料を取ると、6割とか7割で上々ですね。
先ほど言われたように、それこそ名前とちょこちょこと書けばそれも1カウントという統計であれば納得できますが、内容的に大丈夫なのかという感じはします。
厚生労働省
○ 取り組む意思が重要で、そもそも何もやらないよりはこういうものに取り組んで何かやっていただくことが重要という発想です。いろんな御意見があるとは思いますが、今の段階では取り組んでいただくことが重要と思っています。
ただ、雇用計画の届出は1回で終わるわけではなく、何回か提出していただく中で、最初はペラ1だったけれども、ほかを見ながら少しずつ内容が充実してくるということがあるのと、中小企業が実は取り組んでみたら人が採用できたということがあって、そういうことが波及効果としては大きいと思います。
モニター
○ 私は、ここ数年いわれている仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスということに違和感があります。
人は仕事をしなくても生きてはいけるというのが基本にあると思うので、生活と仕事の調和のほうがなじみやすいです。
また、ディーセント・ワークにも違和感を感じています。TPPとセットで欧米諸国のように移民を受け入れるための地ならしではないか、と勘ぐってしまいます。
厚生労働省
○ 仕事と生活の調和についてですが、ワーク・ライフ・バランスという英語をそのまま訳しただけで深い意味はないと思いますが、確かに日本語に訳す際、生活と仕事の調和でもあり得たのかと思いました。
ディーセント・ワークの御指摘は全然考えていませんでしたが、そういう意図はないと思います。
モニター
○ 例えば両立支援等の助成金ですが、事業所内の保育施設設置の助成金などは、大企業からの申請が集中して、申請開始後4月、5月、6月ぐらいには打ちどめ、もう予算オーバーですというふうになってしまいます。
若干言い方に語弊があるかもしれませんが、そろそろ厚生労働省が助成金で事業主の方向性を決めるようなことはやめたほうがいいと思いますが、いかがでしょうか。
厚生労働省
○ 助成金でも、厚生労働省としていろんな助成金出していますが、その中に一つ一つ目的というものがあって、その目的を達成するためにだしています。
たしかに、そのための手段がどうのこうのという話はあるのかもしれませんが、そこは一定程度それなりに評価しながら制度を見直しているのが事実です。
今の御指摘については関係部局も問題意識は持っていると思いますが、改めて、そういう御意見がありましたということを伝えたいと思います。
モニター
○ 育児休業・介護休業制度ですが、皆さん取得したいという気持ちは持っているようですが、必ず「でも、生活が」という言葉を聞きます。要するに保障の部分です。雇用保険という保障があるのは漠然とはわかっていますが、そのあたりの後ろ盾というものについて教えていただきたいと思います。
厚生労働省
○ 雇用保険では、だいたい賃金の5割を支給しています。
いま国会に法案を出そうとしているところですが、男性の育児休業を促進するために、男性については6カ月までだったと思うのですが、67%にしようと思っています。
ただ、経済的な面では大分解消されるのではないかと思うのですが、実際にネックになるのはそれよりは職場の雰囲気なのではないかと思います。
モニター
○ 周りからは、本当は育児休業なのだけれども、有給で…、という話をよく聞くので、67%と数字を上げているのはわかるのですが、実際にはハテナだと思います。
あとは、先ほどの夫婦が取得するために育児休業では何日でもいいですと、例えば1日でも3日でも1週間でも何日でもいいですというあたり、それはどうなんだろうと、いつも引っかかります。
厚生労働省
○ 何日取った育児休業なのかとか、実際は年休に変えているのだとか、育児休業でなくもっと別の休暇が企業にあるのだとか、本当にいろんな議論があって、厳密に割れるわけではないのです。
育休自体は、何日以上が育休ですとは言っていないので、1日でも2日であっても育児休業としては育児休業と考えています。
67%支払われるようになると、社会保険料とかもその期間は免除になるので、実際は計算すると収入の8、9割は賄えるようですので、経済的にはそんなに遜色はないと言われていますが、それでもみんな昇進に響くのではないかとか、いろいろと考えてしまうので、67%に上げたからといってどの程度男性の育休がふえるかということはちょっとわからないところがあります。
モニター
○ 先ほどシングルマザーの月10万円の助成という説明を聞いたのですが、月10万で2年とか3年であるとかの生活はどうするのかというところで断念している人が、とても多いのを目の当たりにして、この10万円の助成のために頑張れる人はいいけれども、実際のところ、どれだけ挫折して、その理由が何なのかということを酌み取ってほしいと思います。
厚生労働省
○ 母子家庭に対する支援は、お金の面だけではなく、相談にも応じています。
最近需要が多いのは、子供の学習移転をする、お子さんの学習をボランティアで見るとか、いろんなものがあり、総合的な相談窓口の整備を考えています。
ただ、おっしゃるように本当に働かせることだけがいいのかとか、いろんな問題があるので、総論的にその人その人の事情を判断していかなければいけないと思います。
モニター
○ 昔、愛知県に勤めていましたが、愛知県は3歳まで育児休業が取れることになっていて、私の同僚なども3年取りました。ただ、その間、負担を受けるのは隣席に座っている私とか、職場の人達なのです。
こうやって育児休業法という形で深夜の時間外労働の制限とかをどんどんふやしていくと、逆に職場の雰囲気を悪くなる…という意見はないのでしょうか。
厚生労働省
○ 育児の人だけを優遇するのはずるい、という意見は確かにあります。
恐らく育児の人だけでなくて介護の人とか病気がちの人とか留学したい人とか、いろいろと事情のある人がいて、それぞれが自分の時間をうまく使えるような状況にしなければいけないと思います。
ですから、育児の人も自分が権利として当然に取るのではなくて、ほかに介護の人がいるときで自分が働けるときは働くとか、貸し借りというのかお互いさまというのか、育児だけでなく、時間制約はみんないろんな事情であるので、介護とかになったときに対応できるような状況にしておくということが重要ではないかと思います。
【非正規雇用について】
モニター
○ 非正規雇用の地位を上げるために正規雇用に近づけるという施策は逆に首を絞めていると思います。例えば労働契約法の改正で5年間を超えて反復した場合は期間の定めが必要ないという制度が導入され、私みたいに非常勤講師の人間は5年を回避するために間を1年あけられるのではないかとおびえています。
また、労働者派遣法にしても非合理なことがあります。例えば選挙の投票や開票の作業は1日だけなので日雇い派遣の禁止に該当します。そのため、選挙の投開票に応募しようとすると年収500万以上でないとだめだということです。せっかくいい社会勉強にもなりますので、参加しようと思ったらあなたはだめと…。
また、この4月から定年が延長されるとのことで、今まで正規雇用だった人が定年を延長をされて再任用みたいな形で居座るので、その分だけ非常勤の働くスペースが減っていくことになります。正規・非正規というのは今までの古い考え方で、これからは雇用の流動化といいますか、日本だとシステムですか、社会の変化に従って労働力の流動化をできるだけ図っていくのが本来のあるべき施策だと思うのです。
厚生労働省
○ 今おっしゃられた、雇用が流動しやすい社会をつくっていくということは非常に重要だと考えております。
そういうことで、今、多様な正社員という入り口のハードルが低いものをつくり、採用するときにはきちんと能力や適性で評価する、新卒だからと採用基準を決めるのではなく、誰もが動く機会があって、誰にも採用のチャンスがあって、誰もがもっと良い働き方に移動していける社会ができるとすごくいいということで、評価の仕組みも含めて検討を進めているところです。
つぎに、労働契約法の改正です。5年を超えたときの無期転換ルール、これは賛否両論あるところですが、労働契約法の改正によって、本当にこの人が必要なのかということを企業がきちんと考えるきっかけになったとも言われています。5年たたないとこの体制の是非は出ませんが、いろんな効果があるのではないかと思っております。
また確かに、派遣法の改正、日雇い派遣の禁止というものが入り、しかも年収500万円以上だと日雇い派遣ができるという、一般の方から見るとやや不思議な規制があり、労働政策審議会のうち使用者側からも意見がありまして、少なくとも議論するという方向で議論が進められています
定年の延長問題ですが、確かに高齢者の再任用がふえるとそれより若い人の雇用が減るではないかという御指摘は当然生じる問題ですが、そうは言っても年金制度、社会保障の関係から年金が65歳以降にならないと支給されないということで、高齢者の雇用を進めていくということも非常に重要という観点から進めているものと認識をしていますが、皆さんがバランスのとれた雇用機会に巡り合えるようにと、我々も支援していければと思っております。
モニター
○ 労働基準法自体は使用者に対する強行法規ですが、それをつくった段階で契約自由の原則に流れていって、今の労働審判制度とか、なるべく司法に委ねようという流れになっているのか、そもそものイニシアチブは司法がとるしかないのか。または、ファンダメンタルな法律だけをつくっておいて、あとはよろしくという形にしたいのか。
そこのところの方向性を教えていただきたいです。
厚生労働省
○ 伝統的に契約自由の原則が大前提だということはいえると思います。
戦争直後は労働環境を規制する法律は労働基準法しかなかったわけですが、その時から契約自由の原則は絶対であって、そこを尊重する考え方は変わっていません。
そうはいっても、労働基準法という最低法規だけを定めてあとは勝手にやりなさいということになると泣き寝入りをする方とかいろんな方がいらっしゃるので、契約自由の原則を守りながらも少しずつルールを見えるようにしていこうとしてつくったものが労働契約法であり、そのほかのいろんな法律であると思います。
厚生労働省
○ 労働契約法自体は新しい法律です。解雇事由を言わない、いわゆる不当解雇が民事的に問題になっている。これが判例法理的に積み重なってきたのですが、理解しづらい。要するに使用者あるいは労働者といったような問題があって、基本的には、どういうふうな考え方であるかということを広く国民に示すことが重要と考えています。
モニター
○ 解雇の合理性に関する最高裁の判例は労基法なのに、なぜ労契法なのか。
労基法で公序良俗だったのが、労契法に入りましたね。
厚生労働省
○ 強行法規たる労働基準法と、契約自由の原則といった形で今までの判例法理の中で民事的に守るべき契約法という位置づけで平成15年に切り分けました。その中で基準法に入っていた部分も一部契約法のほうに移す形で分かりやすく体系的に分けて整理をすると同時に基準法を改正して、さらに契約法を制定しました。
モニター
○ 労働契約法ができて、ますますわかりにくくなっている。
厚生労働省
○ 契約法ができた当時は、明確に、わかりやすくするという趣旨でやっていましたが、確かに時代が変わってきたということもあり、現実の社会にマッチしていないことは、今後、改正されていくものと考えています。
モニター
○ 批判的ではなくて、今の段階ではすごくいい改正だと認識しています。
無期といいつついろいろ考えて、苦肉の策で妥協案をつくったものと理解していますが、そこのところ、労働者側が労契法とか派遣法の改正についてきてはいないと、そこのところは厚生労働省が啓蒙不足なのではないかと思っています。
法律自体は間違っていなくていい方向だと思うのですが、それが労働者側に落ちているかというと、情報という武器は使用者側にだけ流れているので、うまく労働者にも流れるような仕組みを作らないと対等な武器にはならないと思っています。
モニター
○ いろいろな助成金をちょっと削って、啓蒙活動に力を入れていただくほうが良いと思っています。
啓蒙活動に予算10億ぐらいつけたらどうですか。
モニター
○ 政府が変わりジョブカードも復活するとか。
そういうのはどうかと思いますが、ジョブカード制度もすごくいい制度だと思います。
厚生労働省
○ これから、もっと積み重ねることによって、若い人たちがしっかりとしたキャリアという部分に進んでいけるように制度自体もよくなっていくことを期待しています。
モニター
○ 私は非常勤の講師ですけれども、正規の先生で労働契約法が頭に入っていない先生がほとんどですし、会社法の改正も知らない人がいるし、その辺は啓蒙とか、PRとかをよろしくお願いしたいと思います。
厚生労働省
○ 省内でも教育に力を入れていかなければ…といった危惧があることは事実です。
モニター
○ 今の話を聞いていると、本当に学生のときにそういった雇用の話を聞く機会がある人もいるかもしれませんが、少なくとも私自身は聞いたことがないです。
高校のときに、どういう仕事があるのか人を招いて話を聞くことはあっても、雇用のことについて聞く機会はなかったです。
今、就職活動とかになって、そういうことを知らずに就職で正規雇用で就職したいという気持ちとかでやっているという人が多いと思うので、こういうことを知っているのと知らないのとではやはり違う。この先働き始めてからも違うと思うので、伝えていくことが大事なのではないかと、今の話を聞いていて思いました。
モニター
○ 新聞を見ていると介護の仕事をしている人と普通の仕事をしている人で比較した場合に、30代でも給料の差が随分あるということです。
介護の仕事というものは国家資格であり、資格をしっかり持って勉強してそこそこの知識を持って人の命にかかわることをやっているにも関わらず、それに見合った給料が得られていないということです。
私自身も平成15年に特養に就職したときと現在の給料は全然変わりません。
やりがいのあるようにいろんなことを改善していただきたいと切実に思います。
モニター
○ 無駄をなくせば何とかなるというのが間違っているということが、民主党のおかげでわかったということですね。
厚生労働省
○ 規模が違うのです。
無駄の規模と必要な規模が全然違うのです。
ただ、確かに無駄は減らしていかなくてはだめです。
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