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広報誌「厚生労働」

人や暮らしを守る厚生労働人

厚生労働省には、どのような仕事があるのでしょうか。専門的な職種に就いている人たちを紹介します。

「人間科学系職員」

厚生労働省職業安定局 首席職業指導官 小野寺徳子さん

小野寺徳子さん 厚生労働省職業安定局 首席職業指導官

全国500カ所以上のハローワークを統括し「働く」を支援

ハローワークでの経験が現場主義の根幹をつくる

 社会人生活において多くの時間を占めている「働く」ということ。人間科学系職員は国民の「働く」を支援しています。具体的には、労働分野で心理学や教育学、社会学などの専門性を生かし、労働者と事業主、マクロとミクロの両面から課題の抽出や、施策や制度の企画・立案を行っています。職業相談・指導、職業訓練、全国500カ所以上あるハローワークの業務運営・指導も役割の一つです。
 国家公務員総合職試験の「人間科学」区分に合格することで人間科学系職員になることができ、学部や卒業年、年齢、職務歴の有無等は採用には関係ありません。
 人間科学系職員の配属先は職業安定局や人材開発統括官をはじめとする本省各部局で、各都道府県の労働局やハローワーク、関係団体に配属される場合もあります。
「人間科学系職員は採用されると、ハローワークや各都道府県の労働局で職業相談業務等を経験します。第一線の現場で利用者に向き合った経験は、その後の人間科学系職員の業務の根幹をつくることになります。現場(ハローワークなど)のことを忘れずに施策や制度を考える人が多いのは、この研修があるからだと思います」と、職業安定局の小野寺徳子さんは説明します。

雇用対策などで労働者や事業主をサポート

 現在、ハローワークでは女性や高齢者、障害者や若年者、外国人など求職者それぞれに合わせた相談や支援、事業主を対象とした求人充足に向けた支援などを行っています。
 小野寺さんは、ハローワークのあり方が変化してきていると話します。「窓口に行くのはハードルが高いと感じる人も多く、インターネットを活用した就職活動をする人も多くなってきました。そのため、ハローワーク側も窓口だけでなく、インターネットを活用した新サービスを創設していく予定です」
 新サービスの創設により、現場での業務にも変化が出てくると言葉を重ねます。「新サービスの利用者が増えていくに伴い、窓口に足を運んでいただいた利用者にはこれまで以上にその期待に応え、事業主には事業所訪問による充足支援の強化を図るなど、ハローワークの支援の充実につなげていくことが大切です」
 現場経験を根幹に、労働者も事業主も支援する人間科学系職員の役割について、小野寺さんは次のように語ります。「働くということは、その人にとっての役割意識や生きがいにつながるものだと思います。これは、人として尊厳を持ちながら生きていくことの根源ではないでしょうか。私たちは、そうした部分にかかわる仕事を担っているのです」

《28年目の小野寺さんに聞く》

Q1.Q1.人間科学系職員をめざしたきっかけは?
A1.大学卒業後は、障害のある子どもたちの療育機関で指導員をしていました。一人ひとりの子どもや保護者に対応しているなかで、目の前の人は支援できても、同じような状況に置かれている多くの人を助けることができないと思いました。一人でも多くの障害者の特に職業自立を支援したいと考えていたところ、人間科学系職員のことを知りめざしたのです。

Q2.どのようなときにやりがいを感じますか?
A2.基本的に現場主義なので、時間を見つけては現場視察に行っています。現場に足を運ぶことで、自分たちが企画・立案した施策や制度に対する労働者、事業主等の反応や新たなニーズが見えてくるからです。施策や制度が機能していたり、少しでも役立っていると感じられるとやりがいにつながります。

Q3.今後の目標を教えてください。
A3.現在、ハローワークのシステム改修の準備を進めています。これまでの業務のあり方が変わるので、現場の声を聞きつつ、利用者に的確な支援を届けられるよう準備していきたいと思っています。「仕事探し」「人材確保」の際、真っ先に「ハローワーク」を思い浮かべていただけるようハローワークの機能強化とサービスの充実を図っていきたいですね。

どんな仕事してるの? 山アさんの一日

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