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広報誌「厚生労働」

特集2
年金受給額が簡単にわかる!ねんきんネット活用術

これまではたばこを吸わない人が、望んでいないのに受動喫煙にさらされてしまうという問題がありました。この問題を解決するため、7月18日に、受動喫煙対策の強化を盛り込んだ「健康増進法の一部を改正する法律(改正健康増進法)」が可決・成立。各施設によって利用者や、受動喫煙が与える影響の度合いが異なることから、施設の類型・場所ごとに対策を実施することとなりました。たばこを吸わない人・吸う人それぞれが尊重し合う社会の実現に向けて、対策を進め、一人ひとりがルールを守って「望まない受動喫煙」を防ぎましょう。平均寿命が延びるにつれ、老後も長くなっています。そのため、「老後資金はいくら必要?」「何歳まで働けばいいのだろう?」といった疑問や不安を持つ人も多いことでしょう。
老後資金を計画的に準備するにはまず、公的年金をいつから、いくらもらえるのかを確認し、足りない場合には、私的年金や貯金などで賄うことが大切で、その確認は60代よりも50代、40代と早いほうがよいですね。
公的年金の受給見込額は日本年金機構の「ねんきんネット」を使えば簡単にわかるうえ、受給開始年齢の繰上げ・繰下げ、給与金額の増減による受給見込額の変動なども確認できます。
そのほかにも、未納期間の確認や各種通知書の閲覧など便利な機能がたくさん搭載されている「ねんきんネット」の使い方をお伝えします。

Part1 「ねんきんネット」で自分の年金にアクセスしてみよう!

自分のこれからの働き方や老後の生活を考えるうえで役立つ「ねんきんネット」。生涯にわたって活用できる方法を紹介します。


「ねんきんネット」の登録件数は500万件超
 ご自身の公的年金に関するさまざまな情報を知ることができる「ねんきんネット」の登録件数は、すでに500万件を突破し、もうすぐ600万件となります。こんなにも多くの人が登録しているのは、便利な機能がたくさんあるからです。主な機能としては、@これまでの年金記録の確認、A年金見込額の試算、B電子版「ねんきん定期便」の確認、C年金の支払いに関する通知書の閲覧、D届書の作成支援などがあります。
 今までは、自分の年金記録に関する情報を入手したり、不明な点を確認するには、年金事務所を訪問したり、コールセンターに電話する必要がありました。それが今では、パソコンやスマートフォンなどで「ねんきんネット」を利用すれば、時間や場所を選ばず、自分の年金に関するさまざまな情報を確認できます。このように自分の年金を「見える化」できる利便性が、魅力の一つです。



「ねんきんネット」の登録手順はカンタン!!
 初めて登録する場合の手順は、図表1のとおりです。なお、今年6月から、20歳など初めて年金制度に加入するタイミングで、「ねんきんネット」に簡単に登録できる「アクセスキー」や活用方法等を記載した通知書の送付が始まりました。もともと、被保険者の方には、毎年誕生月にアクセスキーを記載した「ねんきん定期便」をお送りしていますが、初めて年金制度に加入した年には送付されません。そのため、20歳の誕生日を迎えた3カ月後にアクセスキーをお届けすることで、年金制度の加入と同時に「ねんきんネット」も使ってもらう取り組みを始めました。
 アクセスキーの有効期限は、通知書が到着してから3カ月なので、登録はお早めに。20歳になったらすぐに登録して、若いうちから自分の年金を自分で管理してみてはいかがでしょうか。




「ねんきんネット」への登録手順


年金額を増やすためにはまず年金記録の確認を

 まず、必ずチェックしたいのが「年金記録照会」の機能です。これは、ご自身の年金の加入状況や保険料の納付実績、免除期間などを確認できるというもの。未納期間がある場合には納付する必要があり、保険料の免除期間がある場合には追納することが可能です。
ねんきんネット」の自分のページを開いて「年金記録の一覧表示」をクリックし、ページ内の「年金記録照会」のボタンをクリックすれば、各月の年金記録や加入期間が表示されます。年金記録をしっかりと確認し、確実に保険料を納めることは、将来の年金額を増やすことにつながります。必ず定期的に確認しましょう。
 また、現在、国のコンピュータでは加入者の年金記録を正確に管理していますが、過去には持ち主がわからなくなってしまった記録もあります。「ねんきんネット」では、こうした記録を探すことができる機能もあります。「ねんきんネット」のメニュータブ「持ち主不明記録検索」をクリックし、名前や生年月日、性別などを入力すれば、一致する記録があるかどうか確認できます。ご自身の「記憶」と実際の「記録」が異なる場合など、心当たりがある人は、一度検索してみましょう。
 もし、検索条件と一致する年金記録があれば、お近くの年金事務所で調査をしますので、連絡してください。




年金見込額試算など役立つ機能があります

 老後の資産形成を考えるうえで、年金の受給見込額もチェックしてみましょう。具体的な方法は、Part2の「Case2・40代の高橋さんの場合」で紹介しますが、現在と同じ条件で60歳まで年金制度に加入した場合だけでなく、今後、給与や働く期間等を変更した場合などに、年金をいくらもらえるか簡単に試算できる機能です。
 受給見込額を見て、「もう少し老後の資金がほしい……」と感じる人もいるかもしれませんので、ご自身が描く老後に備えるためにも、まずは老後の基礎的部分をカバーする公的年金の受給見込額から確認してみましょう。
 次に、電子版「ねんきん定期便」も確認しましょう。これは、年金制度の被保険者の方に毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便」と同じ内容を画面(PDF)で見ることができる機能です。
 電子版「ねんきん定期便」は、定期便が郵送されるよりも1〜2カ月程度早く確認できるメリットがあり、紙を管理することなく自宅のパソコンにダウンロードして保存できるため、保管にも便利です。なお、「ねんきんネット」に新規登録する際、「ねんきん定期便」の郵送を停止するかの意向を登録する画面が表示されますので、便利な電子版のご利用をお願いします。
 年金を受給されている方は、年金振込通知書や公的年金等の源泉徴収票などの電子版「年金の支払いに関する通知書」で確認することが可能です。

20歳等へのアクセスキー通知


新機能の追加でさらに便利に

 今年3月26日から、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」や「公的年金等の源泉徴収票」など一部の通知書の再交付を申請できる機能が追加されました。「ねんきんネット」には、通知書の電子版を確認できる機能もありますが、再交付の機能は、通知書名や基礎年金番号、氏名などを入力することで、後日、登録された住所に原本が郵送されるというものです。これにより、通知書の原本が必要な場合でも、年金事務所に行くことやコールセンターに電話する手間が省けるようになったのです。
 また、共済組合(国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団)加入期間中の記録についても、加入月数、保険料納付額、標準報酬月額、標準賞与額、年金の受給見込額などが、「ねんきんネット」で確認できるようになりました。国民年金や厚生年金だけでなく、共済組合にも加入していたことのある人は、年金記録を確認してみてください。

「ねんきんネット」のメニュー画面


<Check1>「年金の日」を知っていますか?

 国民一人ひとりに「ねんきんネット」などを活用して、自らの年金記録や年金の受給見込額を確認してもらい、将来の生活設計に思いを巡らせ、「いいみらい(1130)」につなげてもらいたいという思いから、2014年に、毎年11月30日を「年金の日」と定めました。この日に合わせて、各地で年金相談会などのイベントを開催しています。年金についてご質問などがございましたら、年金相談会にご参加ください。




<Column>年金制度が将来にわたって維持されるように検証

 今の年金制度は保険料収入など、年金の財源を固定し、その範囲内で年金を支給することにしています(図表2)。そして、このまま少子高齢化が進んでも財源の範囲内で給付費を賄えるように、年金額の伸びを自動調整する仕組み「マクロ経済スライド」を導入しています。
 年金額はもともと、賃金や物価の上昇に合わせて増えていました。しかし、マクロ経済スライドでは、賃金や物価の上昇率が大きいときは、人口減少や平均余命の伸びを考慮して、年金額の伸びを抑制します。ただし、賃金や物価がそれほど伸びないときは、年金額の名目額を下回らない範囲で調整し、賃金や物価が下がる場合は調整を行いません。つまり、現在年金を受け取っている世代に少しだけがまんをしてもらい、将来受給する世代が受け取れる年金に充てる、という仕組みなのです。
 さらに、少なくとも5年に1度、財政検証を行い、年金財政をチェックします。財政検証とは、年金財政のいわば定期健康診断のようなもの。人口や経済の将来見通しに一定の前提を置いて、おおむね100年先までの収入と支出の新しい見通しを立て、必要に応じて年金制度の見直しを行っています。

図表2 マクロ経済スライドのイメージ


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    (発行元の(株)日本医療企画のページへリンクします)

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