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広報誌「厚生労働」

人や暮らしを守る厚生労働人

厚生労働省には、どのような仕事があるのでしょうか。専門的な職種に就いている人たちを紹介します。

「栄養系技官」

厚生労働省健康局健康課 栄養指導室長補佐 塩澤信良 さん

厚生労働省健康局健康課 栄養指導室長補佐 塩澤信良 さん
(併任)老健局老人保健課

ライフステージごとの栄養課題に科学的知見から立ち向かう

生活習慣病やフレイル対策が栄養行政の課題

 栄養系技官は、管理栄養士の資格を持つ厚生労働省の技術系職員です。1930年代から栄養行政を担っています。
 日本の栄養行政は戦前から始まっています。当時は、栄養失調対策という大きな課題がありました。これは戦後もしばらく続いていました。このときに栄養状態の改善を担当していたのが、現在の栄養系技官です。
 だんだんと戦争の影響がなくなり、栄養改善が図られていくと、次いで成人病の問題が出てきました。現在では生活習慣病と呼ばれ、その改善が栄養行政の課題の一つとなっています。
 また、超高齢社会の進展に伴い、低栄養からのフレイル発生 注)など、高齢者の栄養課題も生じています。このように、さまざまな世代がそれぞれ栄養の課題を抱えているのです。
 栄養系技官は、現在23人おり、これらの課題を解決するため、科学的知見に基づく研究・調査・検証を行い、栄養施策を企画・立案しています。厚生労働省のほか他省庁、研究機関でも活躍しています。
 厚生労働省では「国民健康・栄養調査」などの調査・研究を実施したり、「日本人の食事摂取基準」を改定したりしています。管理栄養士や栄養士、調理師などを養成する仕組みの維持・見直しも担当しています。
 栄養系技官になるには、厚生労働省で試験を受けなければなりませんが、管理栄養士の資格を持っていることが必須条件になります。試験では、論理的な思考ができるかなどの資質も問われます。求められる管理栄養士としての業務の経験年数は、役職ごとに異なります。

注)フレイル:加齢とともに、心身の活力(筋力や認知機能など)が低下し、生活機能障害、要介護、そして死亡などの危険性が高くなった状態のこと

複雑多岐にわたる仕事に欠かせない逆境力

 健康局健康課栄養指導室で室長補佐として勤務している塩澤信良さんは、2011年に入省し消費者庁への出向を経て2015年から再び厚生労働省で活躍しています。消費者庁では栄養成分表示の義務化や表示基準の策定、機能性表示食品制度の創設に携わり、厚生労働省では診療報酬や介護報酬の栄養案件の改定にも関わりました。そのうえで、栄養系技官の姿勢について、こう話します。
「私たちは、関係者の意見を広く聞いたり、国内外の調査結果を調べたりして、栄養施策を企画・立案しています。研究や調査、専門職や消費者との調整など、複雑多岐にわたる仕事に取り組むには、科学的知見やバランス感覚に加えて、難局に直面しても柔軟な思考でそれを突破していく逆境力が必要です」
 栄養行政は日々、さまざまな変化を遂げています。栄養系技官は子どもから高齢者まで、それぞれのライフステージで想定される栄養・健康課題に、研究や調査、検証を重ねながら、懸命に取り組んでいます。

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