広報誌「厚生労働」

この季節、旅行や出張で海外に行く計画を立てている人も多いのではないでしょうか。海外に出かける際にぜひ気をつけてほしいのが、感染症です。たとえば、海外でデング熱にかかり国内でデング熱と診断された旅行者は、ここ数年、200人以上に上ります（図表）。渡航中に感染症にかかったり、帰国後に周囲の人にうつしたりしないためには、渡航前・渡航中・帰国後のそれぞれの段階で注意をすることが大切です。安全な旅行・出張のために気をつけたいポイントを紹介します。

海外に行く前に入念な準備をしておくことで、皆さん自身や周囲の人から、感染の危険を遠ざけることができます。

　旅行を計画し始めたら、まず、旅行先の感染症情報を収集しましょう。
　感染症情報を調べるにあたり、厚生労働省のホームページや、外務省の「海外安全ホームページ」、厚生労働省の検疫所のホームページ「FORTH（For Travelers, Health）」があるのをご存じですか。厚生労働省のホームページでは、最新の感染症情報を確認することができますし、感染症・予防接種相談窓口の連絡先なども載っています。「海外安全ホームページ」や「FORTH」では、世界地図から国・地域別に感染症情報を調べることができるので、旅行先の情報を簡単に見つけることができます。

　感染症を予防する方法としては、旅行前の予防接種があります。旅行の計画と同時に、予防接種についても検討しましょう。
　予防接種の内容は、旅行先や滞在期間、滞在先での過ごし方によって異なります。また、黄熱予防接種のように、国や地域によっては受けないと入国できないものもあります。どの予防接種を受ければよいのかわからないときは、最寄りの検疫所に連絡し、ご相談ください。また、医療機関の旅行外来や渡航外来、トラベルクリニックにもお問い合わせください。予防接種は、抗体ができるのに時間がかかるものや、間隔をあけて何度か接種しないといけないものもあることから、余裕を持って受け始めましょう。
　予防接種実施機関を検索したい人は、「FORTH」の「予防接種実施機関検索」を使ってみましょう。ここでは、都道府県名や施設名、ワクチン名などから探すことができます。

　海外へ行く前に、外務省の海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録しましょう。旅行日程や滞在先、連絡先を入力すると、旅行前・旅行中に無料で渡航先の最新の感染症情報・安全情報などがメールで届きます。

　いざというときに、海外の医療関係者に自身の血液型や現在かかっている病気、常用薬、食物・薬剤アレルギー、予防接種歴などを伝えることができる「海外にいくときの健康情報」シール [447KB]もあります。これをパスポートカバーなどに貼って備えておきましょう。

　旅行先に合わせて、医師と相談のうえ、マラリア予防薬や虫よけ剤、生水を消毒する薬などを用意しましょう。携行する際は、航空会社等に確認してください。