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広報誌「厚生労働」
輝け!医療の星
ヘリという限られた空間で病院までの一分一秒に全力を注ぐ
<太田黒 崇伸>
日本医科大学千葉北総病院 救命救急センター、医師
おおたぐろ・たかのぶ●1983年生まれ。長崎大学医学部卒業後、飯塚病院救急部に勤務、2016年に日本医科大学千葉北総病院に入職。
<重山 香織>
日本医科大学千葉北総病院 救急外来、看護師
しげやま・かおり●1982年生まれ。愛知県立総合看護専門学校卒業後、JA岐阜厚生連久美愛厚生病院に勤務、2009年に日本医科大学千葉北総病院に入職。
出動要請はフルスピードで対応
千葉県印西市にある日本医科大学千葉北総病院でフライトドクターとフライトナースとして活躍している太田黒崇伸さんと重山香織さん。ドクターヘリの出動要請があると、すぐに状況を確認し出動します。
いつでも出動できるように、フライトドクターは、抜けても大丈夫なシフトで救急業務を行っています。「食事中だったり、遠くの病棟にいても、出動要請があれば全力疾走でヘリに向かうので、体力がいりますね」と、太田黒さんは激務の日々を振り返ります。一方、フライトナースは、主に外来業務を担当しています。「ヘリで運んでくる患者さんは、現場からヘリで搬入して初療までの関わりになるので、その方に覚えてもらえることは少ないです。しかし以前に『あの日、ヘリに乗っていた看護師はどの人ですか』と訪ねてきて、お礼を言われたことがあり、そうした積み重ねもやりがいにつながっています」と、重山さんは話します。
大変だからこそ感じるやりがい
事故や災害時に出動するドクターヘリに乗る医療職には、高い対応力や知識が求められます。太田黒さんは、その大変さにもやりがいを感じると話します。「ヘリの中は狭く、限られた時間と道具でしか処置を行えません。しかも、病院までの移動中、秒単位での判断で患者さんのその後が決まるのでとても難しい仕事です」
二人には後輩たちへの期待もあるようです。「当院の場合、ヘリに乗れるフライトナースは一人です。そのため、一人で乗れるように技量を高めるまでには時間がかかります。しかし、諦めずに努力をするだけの価値がある、非常に魅力的な仕事です」と、重山さんはエールを送ります。太田黒さんも「フライトドクターはドラマ『コード・ブルー』などのメディア効果もあり、注目度は上がっているものの、希望者がまだまだ少ないのが現状です。今後、この仕事の魅力が多くの方に伝わっていくことを願っています」と、期待を寄せます。
※写真のヘリコプターは、ドラマで使用しているものではなく、実際に使用しているものです