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広報誌「厚生労働」

特集
就労支援に向けた国・企業の取り組み
高齢者の「働きたい!」を叶えよう

 少子高齢化の進行により、生産年齢人口は減少しています。
 一方、健康寿命の延伸で元気な高齢者が増え、そのなかには「働きたい」という意欲を持つ人も多くいます。
 そうした高齢者が働ける環境を整えることは、「ニッポン一億総活躍プラン」でうたわれている「生涯現役社会」の実現に必要不可欠といえるでしょう。
 また企業にとっては、スキルがあり経験豊富な働き手の確保にもつながります。
 そこで本特集では、国が行っているさまざまな高齢者の就労支援策や、企業における高齢者雇用の取り組みを紹介します。

Introduction:高齢者の就労を取り巻く現状

労働力人口に占める高齢者の割合が大幅に増加

 日本では、少子高齢化により労働力人口が減少しています。企業のなかには、「人材募集をしても、なかなか応募がない」と頭を抱えているところもあるでしょう。そうしたなか、労働力として注目されているのが高齢者です。
 健康寿命の延伸により元気な高齢者が増え、65歳以上の雇用者数は2014年時点で約320万人に上ります。労働力人口に占める60歳以上の構成比は、1970年の8・8%から、2015年には19・7%と大幅に増加(図表)。高齢者が企業などにおいて大きな役割を果たしていることがうかがえます。
 さらに、内閣府の調査(「平成25年度 高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」)によると、高齢者の7割弱が「65歳を超えても働きたい」と答えています。元気で働く意欲を持つ高齢者は、日本の労働力不足解決の一助として期待されているのです。
 こうした状況を鑑み、国は今年6月2日に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」では、こううたっています。「生涯現役社会を実現するため、雇用継続の延長や定年引上げに向けた環境を整えるとともに、働きたいと願う高齢者の希望を叶えるための就職支援を充実する必要がある。人口が減少する中で我が国の成長力を確保していくためにも、高齢者の就業率を高めていくことが重要である」
 働くことは高齢者にとって収入を得る手段となるだけではなく、生きがいにもつながります。働く意欲がある高齢者が活躍できる場を設けることは、企業にとっても高齢者自身にとっても大切で、そのために国はさまざまな支援策を用意しています。
 働きたいと考えている高齢者の皆さんや、高齢者に活躍してほしいと考えている企業などの人事担当者は、ぜひ本特集を参考にしてください。

高齢者雇用創出に取り組む企業に聞く
適材適所を基本に、うまく高齢者を活用してほしい

 当社は人材派遣などによる高齢者雇用創出事業を手がけており、今年3月までに6,232名の雇用を創出してきました。高齢者の多くは高い給与を求めているわけではなく、自分の経験を社会に還元したいと考えています。彼らをうまく活用することで、企業にもさまざまなメリットがもたらされます。
 たとえば、短時間・短日の仕事はその分給与が低く、養わなければならない家族がいる若い人は敬遠しがちです。そうした仕事は高齢者にお願いするのも一つの方法でしょう。
 ただ、定年退職後に再就職する場合は、新しい会社でスムーズに働くために高齢者は意識を変える必要があります。経験に基づく思い込みで仕事をするのではなく、協調性を持ちながら若い人の相談相手になることを目指すべきでしょう。それにより、自然と実力を発揮でき、周りから評価されるようになります。
 これから労働力は減少していきます。企業には適材適所を心がけながら、高齢者を適切に活用してほしいと思います。

三宮幸一
株式会社マイスター60取締役社長

図表 労働力人口の推移

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    (発行元の(株)日本医療企画のページへリンクします)

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