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広報誌「厚生労働」

特集
いつまでも安心・安全な水を飲むために
急がれる水道管の老朽化・地震対策

 すべての生き物にとって、水は欠かせません。
 日本の現在の水道普及率はほぼ100%で、蛇口をひねるだけで安心・安全な水がいつでも手に入ります。これは、先人たちがたゆまぬ努力と工夫を重ねて築き上げてきた、世界に誇る日本の水道のおかげなのです。
 しかし、日本の水道事業は今、管路の老朽化や地震対策、人口減による収入減などさまざまな課題を抱え、大きな岐路に立たされています。次世代においしい水を引き継いでいくためにはどうしたらよいのか、私たちの生活や経済活動を支える「水道」について改めて学び、考えてみましょう。

Introduction
毎日使う水はどこから来ているの?

安全・便利・安価

 「蛇口をひねると、きれいな水が出てきて、そのまま飲むことができる」──。
 日本では当たり前の光景ですが、これは世界のどの国・地域でも同じというわけではありません。国・地域によっては、川や池にくみに行かなければならないところもあります。水道が整備されていても、蛇口から出る水が必ずしも飲用に適していない場合も少なくありません。ユニセフ・WHOの『衛生施設と飲料水の前進:2015ミレニアム開発目標達成度評価』によると、安全な水にアクセスできる人は増えつつあるものの、まだ一部の地域ではそれがかなえられていません(図表1)。 現在の日本の水道普及率は97・8%(2014年現在)。つまり、ほぼ全国どこに行っても、安心して飲むことができる水が、蛇口をひねるだけで容易に手に入るのです。しかも、日本の水道料金は、OECD(経済協力開発機構)加盟国のなかでも比較的安価ですから、日本の水道事情が世界的に見て、いかに恵まれているかということがわかるでしょう。
 この世界に誇れる日本の水道は、「水道法」という法律によって定められています。まず、水道法では水道について「導管及びその他の工作物により、水を人の飲用に適する水として供給する施設の総体」と定義し、同法の目的について「水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成することによって、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与すること」と述べています。この2つの条文は、「安心・安全な水がいつでも手に入る」我が国の水道事業の基本理念を表しており、これに基づいて水質基準、水道事業の認可や経営主体、水道料金の妥当性などさまざまな事項が厳しく規定されているのです。

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