厚生労働省

  • 文字サイズの変更
  • 小
  • 中
  • 大

厚生労働省
厚生労働省発表
平成20年10月10日

照会先:厚生労働省雇用均等・児童家庭局
母子保健課小林、山本
話:03-5253-1111(内線7938)
夜間直通03-3595-2544


平成20年度乳幼児突然死症候群(SIDS)
対策強化月間(11月)の実施について

SIDSとは

乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)は、それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気です。

発症は年々減少傾向にはありますが、平成19年においては全国で158人の赤ちゃんがこの病気で亡くなっており、1歳未満の乳児の死亡原因の第3位となっています。

発症原因はまだわかっていませんが、以下の2に示すいくつかのことに留意することにより、この病気の発症率が低下することが研究により明らかになっています。

乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間を開始した平成11年度以降、この病気で亡くなる赤ちゃんの人数は着実に減少しています。

乳幼児突然死症候群死亡者数の推移(人口動態統計)

乳幼児突然死症候群(SIDS)発症の危険性を低くするための留意点

(A)赤ちゃんを寝かせるときは、あおむけ寝にしましょう。

うつぶせに寝かせたときの方が、あおむけ寝の場合に比べて乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率が高いということがわかっています。うつぶせ寝が乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こすものではありませんが、医学上の理由でうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせるようにしましょう。

(B)できるだけ母乳で育てましょう。

母乳による育児が赤ちゃんにとって最適であることは良く知られています。人工乳が乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こすものではありませんが、できるだけ母乳で育てるようにしましょう。

(C)妊娠中や赤ちゃんの周囲で、たばこを吸わないようにしましょう。

たばこは、乳幼児突然死症候群(SIDS)発症の大きな危険因子です。妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙もよくありません。妊娠したらたばこはやめましょう。

乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間の趣旨

平成11年度より、11月を乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間と定め、乳幼児突然死症候群(SIDS)に対する社会的関心の喚起を図るとともに、重点的な普及啓発活動を実施しています。

平成20年度においても同様に、11月の対策強化月間を中心に、関係行政機関、関係団体等において各種の普及啓発活動を行うなど、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防に関する取組の推進を図ります。

<主な取組>

(1)あおむけ寝、(2)母乳哺育、(3)保護者等の禁煙の3つの望ましい育児習慣等について、ポスターおよびリーフレットの活用による全国的な啓発活動。

「健やか親子21」国民運動における全国的な啓発活動の展開。

「乳幼児突然死症候群(SIDS)に関するガイドライン」(平成17年4月公表)の内容の周知・普及。

関係行政機関、関係団体等を通じて、医療機関等に対し、「乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断の手引き」の内容を参考とし、検案を行う際は、乳幼児突然死症候群(SIDS)と虐待又は窒息事故とを鑑別するためにも、的確な対応を行うこと、必要に応じ、保護者に対し乳幼児の解剖を受けることを勧めることを依頼。

平成20年11月1日(土)から11月30日(日)まで。

ただし、地域の実情に応じ、期間延長等の変更は差し支えないものとしています。

厚生労働省

乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断の手引きについて

平成18年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)「乳幼児突然死症候群(SIDS)における科学的根拠に基づいた病態解明および予防法の開発に関する研究」(主任研究者:戸苅創名古屋市立大学大学院教授)において、乳幼児突然死症候群(SIDS)診断のための「乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断の手引き」を作成しました。

乳幼児突然死症候群(SIDS)診断の手引き

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken06/index.html

参考「乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断の手引き」概要

定   義:

それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群。

疾患概念:

主として睡眠中に発症し、日本での発症頻度はおおよそ出生4,000人に1人と推定され、生後2ヵ月から6ヵ月に多く、稀には1歳以上で発症することがある。

診   断:

乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断は剖検および死亡状況調査に基づいて行う。 やむをえず解剖がなされない場合および死亡状況調査が実施されない場合は、診断が不可能である。従って、死亡診断書(死体検案書)の死因分類は「12.不詳」とする。

解   剖:

異状死と判断されたら検視ののち法医解剖(主として行政解剖)あるいは病理解剖を行う(フローチャート図)。

鑑別診断:

乳幼児突然死症候群(SIDS)は除外診断ではなく一つの疾患単位であり、その診断のためには、乳幼児突然死症候群(SIDS)以外に突然の死をもたらす疾患および窒息や虐待などの外因死との鑑別が必要である。診断分類は日本SIDS学会の分類を参照する。

問診チェックリスト:

乳幼児突然死症候群(SIDS)の診断に際しては「問診・チェックリスト」を死亡状況調査に活用する。

【参考資料】

乳幼児突然死症候群(SIDS)対策強化月間実施要綱

普及啓発用ポスター(PDF:891KB)

普及啓発用リーフレット(1ページ(PDF:355KB)、 2ページ(PDF:494KB)、 全体版(PDF:849KB))

普及啓発用ポスター

PDFファイルを見るためには、Adobe Readerというソフトが必要です。
Adobe Readerは無料で配布されています。(次のアイコンをクリックしてください。) Get Adobe Reader


トップへ