厚生労働省


厚生労働省発表
平成20年7月8日
衛生週間リーフレット(2008年)(PDF:916KB)



厚生労働省労働基準局安全衛生部

労働衛生課長  金井 雅利

調査官     濱本 和孝

電話 (5253)1111 内線5497

直通 (3502)6755


平成20年度全国労働衛生週間実施要綱決定

全国労働衛生週間は、国民の労働衛生に関する意識を高揚し、さらに、事業場における自主的労働衛生管理活動を通じた労働者の健康の確保と快適な職場環境の形成を図ることを目的として、昭和25年から実施されており、本年で第59回を迎える。毎年、10月1日から10月7日までを本週間、9月1日から9月30日までを準備期間としている。

今般、平成20年度全国労働衛生週間実施要綱を別添のとおり決定した。実施要綱においては、

あなたが主役 明るい職場と健康づくり

をスローガンとし、事業場における労働衛生意識の高揚と自主的な労働衛生管理活動の推進を求めている。

(参考)

1 本スローガンの趣旨

本スローガンは、近年、過重労働による健康障害や、メンタルヘルス不調などの健康問題が重要な課題となっていることを踏まえて、労使が一丸となって健康に働ける職場の実現を目指すことを表している。本年5月に行われた一般公募及び内部公募の作品の中から選考を行い、決定された。

2 平成20年度全国労働衛生週間スケジュール

9月1日〜30日 準備期間
10月1日〜7日 本週間

平成20年度全国労働衛生週間実施要綱

1 趣旨

全国労働衛生週間は、昭和25年に第1回が実施されて以来、本年で第59回を迎える。この間、本週間は、国民の労働衛生に関する意識を高揚させ、事業場における自主的労働衛生管理活動を通じた労働者の健康の保持増進と快適な職場環境の形成に大きな役割を果たしてきたところである。

我が国における昨年の業務上疾病による被災者は8,684人であり、長期的には減少しているが、腰痛については近年増加傾向にある。

また、一般定期健康診断の結果、何らかの所見を有する労働者の割合は増加を続けており、平成19年は49.9%に上っている。さらに、仕事や職場生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合は6割を超えており、業務によるストレスなどにより精神障害を発症する事案が増加している。

このような状況の下、平成20年度から第11次の労働災害防止計画がスタートしたところであり、労働者の健康確保対策を推進し、定期健康診断における有所見率の増加傾向に歯止めをかけ、減少に転じさせること等を目標に、危険性又は有害性等の調査等の促進、健康診断の結果に基づく措置の実施の促進、メンタルヘルス対策の推進、粉じん障害の防止、化学物質による健康障害の防止等を重点対策とし、関係者が積極的に取り組むこととしている。

これらの対策が事業場において着実に実施され、労働者の健康の確保、増進が図られるためには、経営トップや事業場のトップが自らの責務について認識し、産業医、衛生管理者、衛生推進者等の産業保健スタッフが中核となって、衛生委員会等の場を活用するなど労働者の意見を反映させながら対策を展開していくことが重要である。また、労働者自身も健康管理の活動に参加し、積極的に健康づくりに取り組んでいくことが重要である。

このような観点から、本年度は、

「あなたが主役 明るい職場と健康づくり」

をスローガンとして全国労働衛生週間を展開し、事業場における労働衛生意識の高揚を図るとともに、自主的な労働衛生管理活動の一層の促進を図ることとする。

2 スロ−ガン

「あなたが主役 明るい職場と健康づくり」

3 期 間

10月1日から10月7日までとする。
なお、本週間の実効を上げるため、9月1日から9月30日までを準備期間とする。

4 主唱者

厚生労働省、中央労働災害防止協会

5 協賛者

建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会、林業・木材製造業労働災害防止協会及び鉱業労働災害防止協会

6 協力者

関係行政機関、地方公共団体、安全衛生関係団体、労働団体及び事業者団体

7 実施者

各事業場

8 主唱者、協賛者の実施事項

(1) ポスター、パンフレット等の配布、新聞等の報道媒体、政府関係広報誌及びインターネットを通じての広報活動

(2) 全国労働衛生週間地方大会等の開催

(3) 事業場の実施事項についての指導援助

(4) その他「全国労働衛生週間」にふさわしい行事等の実施

9 協力者への依頼

主唱者は、上記8の事項を実施するため、協力者に対し、支援、協力を依頼すること。

10 実施者の実施事項

(1) 本週間中に実施する事項

下記の事項を実施することにより、労働衛生意識の高揚を図るとともに、自主的な労働衛生管理活動の促進を図る。

ア 労働衛生旗の掲揚及びポスター、スローガン等の掲示

イ 事業者又は総括安全衛生管理者による職場巡視

ウ 労働衛生に関する展示会、講習会、研究会、討論会、見学会等の開催

エ 有害物の漏えい事故、酸素欠乏症等による事故等緊急時の災害を想定した実地訓練等の実施

オ 労働衛生に関する優良職場、功績者等の表彰

カ 労働衛生に関する図画、作文、写真、標語等の掲示

キ その他労働衛生の意識高揚のための行事等の実施

(2) 準備期間中に実施する事項

下記の事項について、日常の労働衛生活動の総点検を行い、労働衛生水準の向上を図る。

ア 労働衛生管理体制の確立と労働安全衛生マネジメントシステムの確立をはじめとした労働衛生管理活動の促進

(ア) 事業者による労働衛生管理に関する計画の作成及びその実施、評価、改善

(イ) 労働者の健康管理等に関する知識について必要な要件を備えた産業医、衛生管理者、衛生推進者等の労働衛生管理体制の整備・充実とその職務の明確化及び連携の強化

(ウ) 衛生委員会の開催とその活動の活性化

(エ) 作業主任者の選任と職務の励行

(オ) 現場管理者の職務権限の確立

(カ) 労働衛生管理に関する規定の点検、整備・充実

(キ) 労働衛生管理に関する情報伝達ルートの確立

(ク) 労働衛生関係情報の収集・整理及び周知

イ 作業環境管理の推進

(ア) 有害なガス、蒸気、粉じん、騒音等の有害要因に労働者がさらされる屋内外の作業場及び酸素欠乏危険場所における作業環境測定の実施及びその結果に基づく作業環境の改善

(イ) 管理濃度等に対応した作業環境管理の推進

(ウ) 局所排気装置、除じん装置、排ガス処理装置、排液処理装置、遮へい設備等の適正な設置及び稼働並びに検査及び点検の実施の徹底

(エ) 粉じん作業場所等健康障害のおそれのある場所の清掃及び清潔の保持の徹底

(オ) 換気、採光、照明等の状態の点検及び改善

ウ 作業管理の推進

(ア) 自動化、省力化等による作業負担の軽減の推進

(イ) 作業の動作、姿勢、速度、継続時間等の作業方法の調査、分析及びその結果に基づく作業方法の改善

(ウ) 作業管理のための各種作業指針の周知徹底

(エ) 適切、有効な保護具等の選択、使用及び保守管理の徹底

(オ) 休憩、休養設備の点検、整備・充実

エ 健康管理の推進

(ア) 健康診断の実施と健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針による就業上の措置の徹底

(イ) 一般健康診断結果に基づく必要な労働者に対する医師又は保健師による保健指導の実施

(ウ) 高齢者の医療の確保に関する法律に基づく医療保険者が行う措置との連携

(エ) 小規模事業場における地域産業保健センターの活用

オ 労働衛生教育の推進

(ア) 雇入時教育、危険有害業務従事者に対する特別教育等の徹底

(イ) 衛生管理者、作業主任者等労働衛生管理体制の中核となる者に対する能力向上教育の実施

カ 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく必要な措置の推進

キ 過重労働による健康障害防止のための総合対策の推進

(ア) 時間外・休日労働の削減及び年次有給休暇の取得促進及び労働時間等の設定の改善による仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進

(イ) 健康管理体制の整備、健康診断の実施等

(ウ) 小規模事業場を含めた長時間にわたる時間外・休日労働を行った労働者に対する面接指導等の実施

ク 労働者の心の健康の保持増進のための指針等に基づくメンタルヘルス対策の推進

(ア) 衛生委員会等による調査審議等を踏まえた心の健康づくり計画の策定とこれに基づく実践

(イ) メンタルヘルスケアを推進するための教育研修・情報提供

(ウ) 職場環境等の把握と改善

(エ) メンタルヘルス不調への気づきと対応

(オ) 職場復帰における支援

(カ) 自殺総合対策大綱に基づく職場における自殺対策の推進

ケ 粉じん障害防止対策の徹底

第7次粉じん障害防止総合対策に基づく粉じん障害防止総合対策推進強化月間としての次の事項を重点とした取組の推進

(ア) 対策が充実されたずい道等建設工事における粉じん障害防止対策

(イ) アーク溶接作業、金属等の研ま作業等に係る粉じん障害防止対策

(ウ) 離職後の健康管理

コ 職場における腰痛予防対策指針による腰痛の予防対策の推進

(ア) 作業標準の策定

(イ) 作業場所、通路、階段、機械類等の形状が明確に分かる適切な照度の確保

(ウ) 介護作業等については、適切な介護設備、機器の導入の検討

サ 電離放射線障害防止対策の徹底

シ 騒音障害防止のためのガイドラインに基づく騒音障害防止対策の徹底

ス 振動障害総合対策要綱に基づく振動障害防止対策の徹底

セ VDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインによるVDT作業における労働衛生管理対策の推進

ソ 化学物質の管理の推進

(ア) 化学物質等による危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づく措置の実施等を始めとする自律的管理の推進

(イ) 化学物質のばく露防止、作業主任者の選任、人体に及ぼす影響・取扱い上の注意事項等の掲示、漏えい・発散防止等適切な管理の推進

(ウ) 化学物質等安全データシート(MSDS)による化学物質等の危険有害性等に関する情報の提供及び活用

(エ) 建設業、製造業における有機溶剤中毒の防止

(オ) 建設業、製造業等における一酸化炭素中毒の防止

(カ) ダイオキシン類による健康障害防止のための対策要綱に基づくダイオキシン類ばく露防止措置の実施

(キ) 職域における屋内空気中のホルムアルデヒド濃度低減のためのガイドラインに基づく措置の実施

(ク) 化学物質による眼・皮膚障害防止のための保護具の着用等の徹底

(ケ) 化学設備等の改造、修理等の作業における中毒等の防止のための工事発注者と請負業者との連携等の実施

タ 石綿障害予防対策の徹底

(ア) 建築物等の解体等の作業における石綿ばく露防止対策の徹底

(イ) 吹き付け石綿の損傷等による石綿ばく露防止対策の徹底

(ウ) 石綿製品の全面禁止

(エ) 例外的に禁止が猶予された石綿製品の非石綿製品への代替化の推進

(オ) 離職後の健康管理の推進

チ 心とからだの健康づくり(THP)の継続的かつ計画的な実施のための体制の整備・充実

ツ 快適職場指針に基づく快適な職場環境の形成の推進

テ 職場における喫煙対策のためのガイドラインに沿った有効な喫煙室の設置等の対策の推進

ト 職場における新型インフルエンザ等の発生に備えた危機管理体制の構築

ナ 職場における肝炎ウイルス感染に関する留意事項に基づく適切な対応の推進

ニ 職場におけるエイズ問題に関するガイドラインに基づくエイズ問題の自主的な取組

ヌ その他

(ア) 清潔保持のための洗身、手洗い等の設備の整備・充実

(イ) 労働衛生標識等の整備

(ウ) 工場の緑化美化運動の推進

(エ) 家庭における健康に関する知識の普及

(オ) 新健康フロンティア戦略の普及


トップへ