児童福祉施設における福祉サービスの第三者評価基準等に関する報告書

I　趣旨

• 　厚生労働省では、社会福祉基礎構造改革の一環として、福祉サービスの質の向上と利用者の選択に資するため、福祉分野においても、第三者評価事業を導入することとした。

• 　このため、「福祉サービスの質に関する検討会」が平成１０年１１月に設置され、１１年３月には「福祉サービスの質の向上に関する基本方針」、１２年６月には「福祉サービスの第三者評価に関する中間まとめ」をとりまとめ、第三者評価事業の導入に向けて検討が進められてきた。

• 　この間、「社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律」が平成１２年５月に成立し、同年６月に公布、一部施行され、社会福祉基礎構造改革が本格的にスタートすることとなった。

• 　このような状況の中で、本検討委員会は、平成１２年９月に設置され、「福祉サービスの質に関する検討会」の検討状況を踏まえながら、児童福祉施設における福祉サービスの第三者評価事業について検討を進めてきた。

• 　検討の対象は、児童福祉法第７条に規定されている児童福祉施設のうち、保育所、児童養護施設、母子生活支援施設及び乳児院における福祉サービスとし、平成１２年１１月〜１３年１月にかけて、第三者評価基準の試案をもとに、１５都道府県で試行事業を行った。

• 　平成１３年３月、「福祉サービスの質に関する検討会」が「福祉サービスにおける第三者評価事業に関する報告書」をとりまとめ、平成１３年５月には、この報告を受け、「福祉サービスの第三者評価事業の実施要領について（指針）」が示された。
  　この「福祉サービスにおける第三者評価事業に関する報告書」において、福祉サービスにおける第三者評価事業を導入するためには、先ず、基本となるべき評価基準が必要となることから、福祉サービス全般（全ての入所・通所施設及び在宅サービス）を対象とした基準を策定し、また、個別のサービス分野ごとの基準については、厚生労働省の各部局において、本基準並びに各サービスの特性を踏まえて策定することとされた。

• 　平成１２年度の試行事業において示された問題点や関係団体等からの意見を踏まえて基準の修正を行い、平成１３年８月２０日に、「児童福祉施設における福祉サービスの第三者評価基準（試案）」を取りまとめた。

• 　この試案をもとに、平成１３年９月から１１月にかけて、全都道府県において、第２回目の試行事業を行った。

• 　この試行事業の結果をもとに、さらに検討を深めるとともに、「福祉サービスにおける第三者評価事業に関する報告書」及び「福祉サービスの第三者評価事業の実施要領について（指針）」を踏まえながら、平成１４年度からの第三者評価事業の実施に向けて、最終的な取りまとめを行った。

• 　なお、児童福祉施設における福祉サービスの第三者評価事業の円滑な導入に当たり、多くの事業者が受審しやすい仕組みとする必要があることから、第三者評価基準のみならず、評価の方法や評価結果の公表等についても検討を行った。