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3 直接雇用の外国人労働者の産業分類別、事業所規模別特徴

(1) 産業分類別特徴(表8)

 産業分類別にみると、「製造業」では、「生産工程作業員」が70,896人で88.4%を占め、出身地域別では47,865人(構成比 59.7%)が「中南米」出身者であり、在留資格別では「就労の制限なし」が56,186人(構成比 70.0%)で最も割合が大きかった。
 「サービス業」では、「専門・技術・管理職」が14,601人で53.0%を占めており、他産業に比べても高かった。出身地域別では、「東アジア」(9,607人、構成比 34.9%)、「北米」(5,162人、構成比 18.7%)、「ヨーロッパ」(3,066人、構成比 11.1%)の割合が産業計(それぞれの構成比、東アジア 30.5%、北米 5.3%、ヨーロッパ 3.7%)に比べ高いのに対し、「中南米」(5,589人、構成比 20.3%)の割合が産業計(構成比 44.9%)に比べ低かった。在留資格別では、「特定の範囲」(13,832人、50.2%)の割合が、産業計(構成比 22.4%)に比べ高く、「就労の制限なし」( 9,882人、構成比 35.8%)の割合が、産業計(構成比 57.8%)に比べ低かった。
 「卸売・小売業、飲食店」では、「販売・調理・給仕・接客員」(7,277人、構成比 59.8%)の割合が、産業計(構成比 7.7%)に比べ高かった。出身地域別では、「東アジア」(8,270人、構成比 68.0%)の割合が、産業計(構成比 30.5%)に比べ高かったのに対し、「中南米」(601人、構成比 4.9%)の割合が、産業計(構成比 44.9%)に比べ低かった。在留資格別では「留学・就学」(5,000人、構成比 41.1%)の割合が産業計(構成比 8.2%)に比べ高く、「就労の制限なし」(3,414人、構成比 28.1%)が産業計(構成比 57.8%)に比べ低かった(図7、図8)。

表8 職種別、出身地域別及び在留資格別・産業分類別外国人労働者数(直接雇用)

単位:人、%
  産業計 製造業 サービス業 卸・小売、飲食店 その他
人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比
合計 130,440 100.0 80,227 [61.5] 27,565 [21.1] 12,165 [9.3] 10,483 [8.0]
  78,451 60.1 46,145 57.5 17,182 62.3 7,188 59.1 7,936 75.7
51,989 39.9 34,082 42.5 10,383 37.7 4,977 40.9 2,547 24.3
職種別 a 専門・技術・管理職 24,044 18.4 5,417 6.8 14,601 53.0 1,813 14.9 2,213 21.1
b 営業・事務職 5,629 4.3 2,138 2.7 1,216 4.4 1,305 10.7 970 9.3
c 販売・調理・給仕・接客員 10,060 7.7 594 0.7 2,018 7.3 7,277 59.8 171 1.6
d 生産工程作業員 80,166 61.5 70,896 88.4 4,645 16.9 1,030 8.5 3,595 34.3
e 建設土木作業員 2,010 1.5 468 0.6 19 0.1 13 0.1 1,510 14.4
f 運搬労務作業員 1,988 1.5 244 0.3 407 1.5 199 1.6 1,138 10.9
g その他 6,543 5.0 470 0.6 4,659 16.9 528 4.3 886 8.5
出身地域別 a 東アジア 39,756 30.5 19,286 24.0 9,607 34.9 8,270 68.0 2,593 24.7
b 東南アジア 15,416 11.8 10,385 12.9 1,928 7.0 1,609 13.2 1,494 14.3
c その他アジア・中近東 2,464 1.9 960 1.2 684 2.5 541 4.4 279 2.7
d 北米 6,859 5.3 599 0.7 5,162 18.7 483 4.0 615 5.9
e 中南米 58,624 44.9 47,865 59.7 5,589 20.3 601 4.9 4,569 43.6
 (うち日系人) (51,300) (87.5) (42,280) (88.3) (4,618) (82.6) (436) (72.5) (3,966) (86.8)
f ヨーロッパ 4,844 3.7 593 0.7 3,066 11.1 494 4.1 691 6.6
g その他 2,477 1.9 539 0.7 1,529 5.5 167 1.4 242 2.3
在留資格別 a 特定の範囲で就労可能 29,254 22.4 9,343 11.6 13,832 50.2 3,246 26.7 2,833 27.0
b 就労の制限なし 75,394 57.8 56,186 70.0 9,882 35.8 3,414 28.1 5,912 56.4
c 留学・就学 10,698 8.2 2,213 2.8 3,059 11.1 5,000 41.1 426 4.1
d 特定活動(技能実習) 13,372 10.3 11,708 14.6 216 0.8 218 1.8 1,230 11.7
e 特定活動(ワーキングホリデー) 392 0.3 79 0.1 215 0.8 83 0.7 15 0.1
f その他 1,330 1.0 698 0.9 361 1.3 204 1.7 67 0.6

(注) [ ] 内は雇用される外国人労働者の産業分類別の構成比である。


図7 産業分類別・職種別外国人労働者数の割合(直接雇用)


図8 産業分類別・出身地域別外国人労働者数の割合(直接雇用)

(2) 事業所規模別特徴(表9)

 本報告は、原則として50人以上規模の全事業所に公共職業安定所が報告を求めるとともに、49人以下の事業所については、地域の実情や行政上の必要性に応じ、報告を求めているところである。このため、事業所規模別の特徴を精査して捉えるため、ここでは、50人以上規模事業所に限定して、記述することとする。
 「50人〜99人」規模は50人以上規模計の外国人労働者数の約2割を占めていた。これを職種別にみると、「生産工程作業員」(構成比 67.3%)が50人以上規模計(構成比 60.0%)に比べ特に高かった。出身地域別にみると、「東アジア」(構成比 32.5%)、「東南アジア」(構成比 15.7%)が50人以上規模計〔「東アジア」(構成比 28.9%)、「東南アジア」(構成比10.7%)〕に比べ割合が高かった。在留資格別にみると、「特定活動(技能実習生)」(構成比 14.0%)が50人以上規模計(構成比 6.9%)に比べて高かった。
 「100人〜299人」規模は50人以上規模計の約4割と最も外国人労働者数が多かった。職種別では「生産工程作業員」(構成比 66.9%)、出身地域別では「中南米」(構成比 52.0%)、在留資格別では「就労の制限なし」(構成比 64.8%)の割合が50人以上規模計〔「生産工程作業員」(構成比 60.0%)、「中南米」(構成比 46.8%、「就労制限なし」(構成比 59.5%)〕に比べて高かった。
 一方、「1,000人以上」規模をみると、職種別では「専門・技術・管理職」(構成比 34.5%)の割合が50人以上規模計(構成比 19.7%)に比べて高く、「生産工程作業員」(構成比 26.9%)の割合が50人以上規模計(構成比 60.0%)に比べ低かった。出身地域別では「東アジア」(構成比 39.0%)等の割合が50人以上規模計(構成比 28.9%)に比べ高く、「中南米」出身者(構成比 24.6%)の割合が50人以上規模計に比べ低かった。在留資格別にみると、「特定の範囲」(構成比 45.1%)が50人以上規模計(構成比 23.6%)と比べて高かった。
 事業所規模が大きくなるほど、「生産工程作業員」及び「特定活動(技能実習生)」の在留資格を有する者の割合が低下し、「専門・技術・管理職」、「北米」及び「ヨーロッパ」出身者の割合が増加する傾向がみられた(図9、図10)。

表9 50人以上規模事業所の職種別、出身地域別及び在留資格別・事業所規模別外国人労働者数(直接雇用)

単位:人、%
  50人以上規模計 50人〜99人 100人〜299人 300人〜499人 500人〜999人 1000人以上
人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比
合計 111,171 100.0 23,691 [21.3] 43,205 [38.9] 17,780 [16.0] 13,146 [11.8] 13,349 [12.0]
  67,559 60.8 14,101 59.5 25,520 59.1 10,410 58.5 8,372 63.7 9,156 68.6
43,612 39.2 9,590 40.5 17,685 40.9 7,370 41.5 4,774 36.3 4,193 31.4
職種別 a 専門・技術・管理職 21,851 19.7 3,524 14.9 7,286 16.9 3,054 17.2 3,378 25.7 4,609 34.5
b 営業・事務職 4,849 4.4 1,062 4.5 1,471 3.4 642 3.6 632 4.8 1,042 7.8
c 販売・調理・給仕・接客員 9,242 8.3 1,327 5.6 2,744 6.4 1,291 7.3 1,500 11.4 2,380 17.8
d 生産工程作業員 66,679 60.0 15,950 67.3 28,916 66.9 11,333 63.7 6,895 52.4 3,585 26.9
e 建設土木作業員 1,080 1.0 389 1.6 307 0.7 357 2.0 27 0.2 0 0.0
f 運搬労務作業員 1,610 1.4 438 1.8 632 1.5 363 2.0 111 0.8 66 0.5
g その他 5,860 5.3 1,001 4.2 1,849 4.3 740 4.2 603 4.6 1,667 12.5
出身地域別 a 東アジア 32,156 28.9 7,689 32.5 11,098 25.7 4,043 22.7 4,116 31.3 5,210 39.0
b 東南アジア 11,874 10.7 3,711 15.7 4,560 10.6 1,411 7.9 819 6.2 1,373 10.3
c その他アジア・中近東 2,017 1.8 477 2.0 663 1.5 220 1.2 212 1.6 445 3.3
d 北米 6,422 5.8 806 3.4 2,178 5.0 1,003 5.6 1,093 8.3 1,342 10.1
e 中南米 51,990 46.8 10,073 42.5 22,480 52.0 10,221 57.5 5,935 45.1 3,281 24.6
 (うち日系人) (45,567) (87.6) (8,603) (85.4) (19,924) (88.6) (8,819) (86.3) (5,156) (86.9) (3,065) (93.4)
f ヨーロッパ 4,532 4.1 560 2.4 1,527 3.5 594 3.3 724 5.5 1,127 8.4
g その他 2,180 2.0 375 1.6 699 1.6 288 1.6 247 1.9 571 4.3
在留資格別 a 特定の範囲で就労可能 26,227 23.6 4,643 19.6 8,725 20.2 3,173 17.8 3,659 27.8 6,027 45.1
b 就労の制限なし 66,104 59.5 13,862 58.5 27,979 64.8 12,229 68.8 7,433 56.5 4,601 34.5
c 留学・就学 9,831 8.8 1,509 6.4 3,114 7.2 1,534 8.6 1,494 11.4 2,180 16.3
d 特定活動(技能実習生) 7,655 6.9 3,311 14.0 2,959 6.8 651 3.7 383 2.9 351 2.6
e 特定活動(ワーキングホリデー) 348 0.3 59 0.2 87 0.2 17 0.1 103 0.8 82 0.6
f その他 1,006 0.9 307 1.3 341 0.8 176 1.0 74 0.6 108 0.8

(注) [ ]内は外国人労働者の50人以上規模事業所に占める事業所規模別の構成比である。


図9 事業所規模別・職種別外国人労働者数の割合(直接雇用)


図10 事業所規模別・出身地域別外国人労働者数の割合(直接雇用)



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