医療機関の禁煙や分煙の実施状況は、「診察室・検査室」では「完全禁煙」を行っている割合が約9割となっているが、「待合室」や「病棟・病室」、「食堂」では、「完全禁煙」の割合が約5割に止まっている。
病床規模別にみると、「待合室」を完全禁煙とした割合は診療所で高くなっている。
図1-1 医療機関の禁煙・分煙実施状況
図1-2 診療室・検査室の禁煙・分煙実施状況 | 図1-3 待合室の禁煙・分煙状況 | |
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図1-4 病棟・病室の禁煙・分煙実施状況 | 図1-5 食堂の禁煙・分煙状況 | |
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2.禁煙・分煙の遵守状況
何らかの禁煙・分煙を行っている医療機関に、「守られているか」を聞いたところ(有効回答658)、「完全に守られている」と「ほぼ守られている」と回答した割合は全体の9割程度となっている。
また、診療所では、「完全に守られている」とした割合は約6割と高くなっている。
図2 禁煙・分煙の遵守状況
3.喫煙場所等の明示状況
「禁煙場所」や「喫煙場所」の明示を行っているかについては(有効回答682)、「明示している」が72.0%、「明示していない」が28.0%となっている。
また、病院の規模が大きくなるほど明示している割合が高くなっている。
図3 喫煙場所等の明示状況
4.禁煙・分煙の実施理由
禁煙・分煙を行っている理由(有効回答606)については、「他の患者への迷惑」、「医療機関として当然のこと」がそれぞれ約8割で、次いで「火災の予防」が約5割となっている。
図4 禁煙・分煙実施の理由(複数回答)
5.禁煙・分煙推進のメリット・デメリット
禁煙・分煙推進のメリット・デメリット(有効回答589)については、メリットでは、「患者から喜ばれた」が約5割で最も高く、次いで「職員の意識が向上した」と「施設のイメージの向上につながった」が約3割となっている。デメリットでは、「患者から苦情があった」が約2割となっている。
図5 禁煙・分煙推進のメリット・デメリット(複数回答)
6.禁煙・分煙対策未実施の理由
禁煙・分煙を実施していない医療機関にその理由を聞いたところ(有効回答76)、「特になし」が28.9%で最も多く、次いで「患者からの要請がない」、「建物の構造上無理がある」、「職員の間で意見の相違がある」が25%、「職員からの要請がない」が23.7%となっている。
図6 禁煙・分煙対策未実施の理由(複数回答)
7.今後の方針
禁煙・分煙を実施していない医療機関に今後の方針を聞いたところ(有効回答297)、「特に予定はない」が32.0%で最も多く、次いで「分煙を実施する予定」が26.6%となっている。
図7 今後の方針(複数回答)
8.対策推進に必要な事項
禁煙・分煙対策を進める上で必要と考えるものは何かを聞いたところ、「患者の協力」、「職員の協力」が約8割で最も多く、次いで「院長の理解」、「ルールの表示・通知の徹底」等となっている。
図8 対策推進に必要な事項(複数回答)
9.喫煙問題に関する取組の重視度等
「貴施設は喫煙問題に関する取組を重視しているか(取組の重視)」、「喫煙問題に関する取組は社会的責任であるか(社会的責任)」、「公共の場所が原則禁煙が望ましいか(原則禁煙)」、「医療機関には喫煙問題に関する情報発信拠点としての役割が望まれるか(情報発信)」の4つの認識を質問した。
公共の場所の原則禁煙については、8割弱が「そう思う」としている一方で、取組の重視、社会的責任、情報発信の3点については、その割合が4〜5割程度にとどまっている。
また、実際の禁煙・分煙状況(図1-1)との比較では、公共の場所では原則禁煙と思う医療機関が8割弱あるのに、実際の「待合場所」等の「禁煙」の実施率は約5割にとどまっている。
図9-1 喫煙問題に関する取組を重視しているか | 図9-2 喫煙問題に関する取組は社会的責任であるか | |
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図9-3 公共の場所では原則禁煙が望ましいか | 図9-4 喫煙問題に関する情報発信拠点としての役割が望まれる | |
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10.たばこ販売の状況
たばこ販売の状況については、診療所ではほとんど売っておらず、病院では規模が大きくなるほど売っている割合が高い。300床未満では半数以下であるのに対し、「300床以上」の施設では約8割で売っている。
販売方法別では、「売店」と「自動販売機」の割合が高い。
図10-1 施設内のたばこ販売の状況 | 図10-2 売店での販売状況 | |
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図10-3 食堂での販売状況 | 図10-4 自動販売機での販売状況 | |
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図10-5 販売状況(その他) | ||
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