求人事業主の方へ

「経験能力評価基準」をご活用ください

若年者の有する能力を正当に評価するための
募集及び採用の方法は整備されていますか。

「経験能力評価基準」は、アルバイト等の職業経験により培われた職業能力(経験能力)を適切に位置づけ、評価することができるよう作成したものです。求人事業主の方は、若年者の雇用機会の確保等を図る上で積極的に活用してください。

○ 「経験能力評価基準」が作成された背景は・・・

(1) 若年者(特にフリーター)の雇用・就業を取り巻く状況には、

(1)若年者の完全失業率は徐々に低下し、フリーターの数も2003年の217万人をピークに2006年において187万人(総務省統計局「労働力調査(詳細調査)」)と減少してきているものの、25〜34歳のいわゆる年長フリーターの数は依然90万人を上回ったまま推移(2006年で92万人)していること、
(2)若年者のうち就業経験としてのパート・アルバイトを経験した者の割合は、相当数に上っており、その中で正社員になろうとしながらも希望どおりとなっていない者についても相当の割合となること、
などがあると指摘されています。

(2) また、フリーター等の雇用・就業の問題については、

種々の社会経済全体に影響を及ぼす問題であり、単にフリーター等の職業意識等の問題に帰することなく、社会全体の問題としてとらえることが必要で、とりわけ、若年者にとって職業生活の初期の段階において、第一歩をどう踏み出すかが、その後の職業キャリア形成において重要な意味を持つことに留意すべき、とも指摘されています。

(3) このような中で、

10月1日から、改正雇用対策法が施行され、事業主は、「青少年の募集及び採用に当たり、就業等を通じて培われた能力や経験について、過去の就業形態や離職状況等にとらわれることなく、人物本位による正当な評価を行う」(改正雇用対策法第9条に基づく「青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針」)ことが求められています。

(4) そこで、

(3)の取組を実効あるものとし、年長フリーター等の雇用機会の確保を図るためには、「若年者」、「求人事業主」、「アルバイト等雇用事業主」の方々それぞれが、「アルバイト等の職業経験により培われた職業能力」を適切に位置付けることが必要となります。このために共通に活用していただけるように作成したのが「経験能力評価基準」です。
「若年者」、「求人事業主」、「アルバイト等雇用事業主」の方々がそれぞれの場面で、「人物本位による正当な評価を行う」ための拠り所として、これを活用・協力いただきたいと考えています。

○ 「経験能力評価基準」の活用は・・・

◇ 「経験能力評価基準」は、

(1)アルバイト等の職業における職務行動から判定項目を抽出していること、

(2)職務行動からの抽出に当たっては「一般職務における成果につながる行動特性(コンピテンシー)」の観点を踏まえていること、

(3)「一般職務における成果につながる行動特性(コンピテンシー)」の観点にあわせて、事業主の方が「採用に当たって重視する能力」を踏まえて、抽出した職務行動による判定項目を9の能力にまとめていること、

(4)9の能力は、職業経験の積み重ねに応じた4つの段階に沿って、また、各能力における判定項目も段階的に整序していることが特長です。

  そこで、「経験能力評価基準」は、若年者の方についてのアルバイト等の職業経験により培われた職業能力(経験能力)を、「採用に当たって重視する能力」の観点から、客観的に評価する指標として活用いただけるものです。

◇ 「経験能力評価基準」は、

本文の他、若年者の方が記載する「経験能力(自己診断シート)」、「経験能力記述シート」、アルバイト等雇用事業主の方が記載する「経験能力(上司アドバイスシート)」、いずれの方にも参考にしていただける「経験能力評価基準 判定目安表」からなっています。若年者の方は、自ら「経験能力(自己診断シート)」を記載しながら、経験能力を診断・位置づけを行いながら、アルバイト等雇用事業主の方からの「経験能力(上司アドバイスシート)」を受け、これらを踏まえて「経験能力記述シート」の記載を行うこととなります。そして、履歴書などとあわせてこの「経験能力記述シート」を求人事業主の方に提出することとなります。

  そこで、「経験能力記述シート」により、具体的な職務行動を評価項目としていますので、若年者の方と共通の指標に基づいて、経験能力を評価することとなります。

  「経験能力記述シート」は、各能力欄には、具体的な職務行動を踏まえた記載がなされるものであるとともに、「経験職務」、「保有資格(検定等)」、「スキル」などの記載欄もあり、具体的にどのような職務ができるのかについても判断できる仕組みとなっています。

※ 「経験能力評価基準 判定目安表」とは・・・

(1) 判定目安表の構成

「経験能力評価基準」は、I〜IXまでの9つの能力で構成され、各能力はそれぞれ5つの評価項目となっています。この評価項目ひとつひとつについて、自らのアルバイト等における行動(職務行動)と照らし合わせることにより記載を行います。「経験能力評価基準判定目安表」は、I〜IXの能力ごとに1枚の表として作成され、それぞれの目安表は評価項目(1)〜(5)ごとに記載していますので参考にしてください。

(2) 「経験能力評価基準」の判定項目と判定目安表との関係

「経験能力評価基準」の判定項目は、アルバイト等の職務行動から抽出したものですが、一般職務の成果につながる行動特性(コンピテンシー)の観点を踏まえたもので、各能力についての判定を行うための代表的な職務行動を選んだものとなっています。これに対して「経験能力評価基準 判定目安表」は、各判定項目ごとに、これと同じような場面でとられる職務行動であって、より具体的なものを集めています。そして、“質の高い”職務行動の例、“押さえておきたい”職務行動の例、“改善したい”職務行動の例に分けています。


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