概要情報
事件番号・通称事件名 |
大阪府労委平成29年(不)第38号
不当労働行為審査事件 |
申立人 |
X組合(「組合」) |
被申立人 |
Y市(「市」) |
命令年月日 |
平成31年1月28日 |
命令区分 |
全部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合が市に対し、組合事務所の供与等を求めて団体交渉を申し入れたところ、市が、管理運営事項に当たる等として、これに応じなかったことが不当労働行為であるとして救済申立てがあった事件で、大阪府労働委員会は、市に対し、団交応諾及び文書手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人が平成29年3月3日付けで申し入れた団体交渉に応じなければならない。
2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
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記
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年 月 日
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組合
執行委員長 A1様
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市
市長 B1
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当市が、貴組合から平成29年3月3日付けで申入れのあった団体交渉に応じなかったことは、大阪府労働委員会において、労働組合法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。 |
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判断の要旨 |
1 争点1(組合は、申立人適格を有するか。)について
混合組合は、その構成員に対し適用される法律の区別に従い、地公法の職員団体及び労組法上の労働組合としての複合的な法的性格を有すると解するのが自然かつ合理的であって、労組法適用者に関する問題については、構成員の量的割合にかかわらず、労働組合として、労組法上の権利を行使できると判断され、労組法第7条各号の別を問わず、救済命令の申立人適格を有するものと解するのが相当である。
本件団交申入れは、組合事務所の供与に係るものであり、これは、一つの集団としての活動として行われているところ、これを地公法適用職員に限った活動とみるべき特段の事情は見当たらず、労組法適用者についてのものでもあると解される。
組合は労組法適用者の問題に関して不当労働行為救済申立てを行ったものであり、申立人適格を有すると判断される。
2 争点2(本件団交申入れに対する市の対応は、正当な理由のない団交拒否に当たるとともに、組合に対する支配介入に当たるか。)について
組合は、組合事務所とそれに関わる事項について団交を申し入れており、これが団体的労使関係の運営に関する事項に当たることは明らかである。。
また、当該申入れには管理運営事項そのものではない事項が含まれているから、管理運営事項に当たるため交渉事項とはならず、交渉を拒否しても不当労働行為とはならない旨の市の主張は採用できない。
29.3.3面談及び29.3.24面談を経てもなお、交渉議題について疑義があるのであれば、市側から交渉議題について確認すべきところ、市がこれを行っておらず、市は団交に応じる意思を欠いたものといわざるを得ない。
したがって、本件団交申入れに対する市の対応は、正当な理由のない団交拒否であり、労働組合法第7条第2号に該当する。
また、市の対応は、組合の存在を無視したものであり、組合に対する支配介入に当たり、労働組合法第7条第3号に該当する。 |
掲載文献 |
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