労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  中労委平成26年(不再)第39号
暁星学園不当労働行為再審査事件 
再審査申立人  Y(「学園」) 
再審査被申立人  X(「組合」) 
命令年月日  平成28年6月15日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要  1 本件は、平成24年11月27日の団交において、組合側の出席者が8名であったところ、学園は、同団交の冒頭から、組合の出席人数が7名以内でないと申入れにかかる団交議題に入らないとの態度をとり、前回の団交が組合申入れに基づいて行われたこと及び学園の理事長が出席したこと等を確認する組合の質問に回答しないまま途中退席したという学園の一連の対応について、学園が組合の質問に回答しないなどの対応をしたことが不誠実団交に当たり、また、学園の出席者が途中退席したことが正当な理由のない団交拒否に当たることから、労組法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとして、組合から救済申立てがあった事件である。
2 初審東京都労働委員会は、学園の対応は、それぞれ労組法第7条第2号の不当労働行為に当たるとして、学園に対し、組合が団交を申し入れたときは組合の出席者の人数が7名以内でないことを理由にこれを拒否してはならず、誠実に応じなければならないとの命令をしたところ、学園が、これを不服として、再審査を申し立てた。 
命令主文  本件再審査申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 団交の冒頭における学園の態度は合理的なものとはいえない。
 (1) 組合と学園の間に団交の出席人数について合意は存在していない。また、組合は組織的に出席者の制約・調整をしていたとは窺われず、学園の通知に対しても従前から制約はなかった旨の認識を繰り返し表明していることからすると、7名以内と自ら制約を課する規範があるとの意識が組合に形成されていたとはいえず、出席者を7名以内とする労使慣行が成立していたとは認められない。
 (2) 従前の団交の態様や団交の開催場所の状況からは、団交秩序の観点から組合側出席者の人数を7名以内に制約する十分な理由があるとはいえず、団交の内容をみると組合が要求事項を具体化しない態度があったものの、組合側出席者が10名であった24年11月13日の団交で要求事項が整理されて同月27日の団交が設定されたことにも鑑みると、組合側出席者が7名を超える8名で申入れにかかる議題に入ったとしても、客観的に見て、同月27日の団交の冒頭において、学園が人数制約の目的と主張する「効果的に、秩序をもって団交を行う」ことが期待できない状況にあったとはいえない。
 
 なお、組合は団交ルール作成に必ずしも協力的でない態度をとっていたが、従前の団交の態様等からすると、これにより協議の余地がなくなっていたとは認められないし、団交ルールが明文で確立されていなければ「効果的に、秩序をもって団交を行う」ことが期待できない状況にあったとも認められない。
 学園は自身が提示する団交出席者数等の条件が合理的と主張するが、団交ルールを議題とする交渉の場で主張するのはともかく、団交の議題に入らない理由にはならない。また、学園は組合に不当な意図があったと主張するが、組合にそのような意図があったとは認められない。
 (3) 以上からすると、24年11月27日の団交の冒頭、学園が、組合の出席人数が7名以内でないと議題に入らないとの態度をとったことは合理的なものとはいえない。
2 組合の質問に答えないなどの学園の対応は不誠実である。
 (1) 団交における出席者人数については、労使双方の意見が対立し、24年11月13日の団交においても7名以内にすることについて議論がされる一方で、7名を超える人数が出席した団交が開催されており(同日の組合側出席者は10名)、学園が同月27日の団交の冒頭で人数の制約を議題に入れる条件として持ち出し、このことについて組合から質問等がなされた以上、学園には組合の質問等への誠実な対応が求められるべきであるが、学園は、返事することしないことは学園の自由であると述べ、組合の質問に答えておらず、このような学園の対応は、自己の立場を一方的に述べ、組合の理解を求める態度に乏しいものであって、不誠実であるといわざるを得ない。
 (2) 24年11月27日団交は、同月13日の団交の継続として学園が持ち帰った事項について回答をすることが予定されていたことからすると、学園は、資料に基づいた具体的な回答や説明をして交渉するつもりがないと理解されてもやむを得ない対応をしたといえ、このような点からも学園の対応は不誠実といわざるを得ない。
3 学園が途中退席したことは正当な理由のない団交拒否である。
 (1) 学園は途中退席した理由として組合の言動等を指摘するが、それは、学園が、上記1及び2のとおり団交の議題に入るための人数制約の条件に固執する合理的でない態度を冒頭からとり続け、組合からの団交拒否であるとの指摘や24年11月13日の団交との関係等にかかる質問について一切応じる姿勢をみせていない上に、組合側出席者の人数を7名以内にしない限り団交を終わりにするとの態度を変える余地もみせていないという状況下でなされたものである。そうすると、学園が人数を理由に団交を拒否するという態度を改めて、団交の議題に入った場合にも秩序ある団交が期待できない状況になっていたとはいえず、また、途中退席が組合側の交渉態度によってなされたとも言い難い。これらの事情からすると、学園が指摘するような組合の言動等から、団交を拒否する正当な理由があったとはいえない。
 (2) その他、上記1及び2の24年11月27日団交の経過において、団交拒否の正当な理由となるべき事情はなく、学園が途中退席したことは正当な理由のない団交拒否である。 
掲載文献    

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京都労委平成24年不第103号 全部救済 平成26年7月1日
東京地裁平成28年(行ウ)第392号 棄却 平成30年1月29日
 
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