労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名 大阪兵庫生コン経営者会
事件番号 中労委平成19年(不再)第40号
再審査申立人 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
再審査被申立人 大阪兵庫生コン経営者会
命令年月日 平成20年12月24日
命令区分 棄却
重要度 重要命令
事件概要 1  破産手続開始決定を受けた砂川生コン社の従業員の中に組合員を擁していた組合は、同社が加盟していた経営者会に対し、組合員の雇用問題等を要求事項とする団交を申し入れた。本件は、同会が話合いを一方的に打ち切るなど不誠実に対応したことが不当労働行為(労組法7条2号)に該当するとして、大阪府労働委員会に救済申立てがあった事件である。
2 大阪府労働委員会は、経営者会には団交応諾義務がないとして救済申立てを棄却したところ、組合はこれを不服として再審査を申し立てたものである。
命令主文 本件再審査申立てを棄却する。
判断の要旨 (1)  団交応諾義務
ア  11.3.26協定書について
 経営者会が砂川生コン社の破産に伴う組合員の雇用問題等に係る団交応諾義務を負うか否かについて、同協定書は工場の集約化事業の実施や、工場の集約化に伴い余剰人員が出た場合の雇用保障の規定であるところ、経営者会が同社について集約化事業を実施したとは認められないのであるから、組合員の雇用問題等について、同協定書は経営者会の団交応諾義務の根拠とはならない。
イ  団交応諾義務に関する当審における付加主張について
(ア)  組合があげる本件慣行の事例をみると、組合の主張どおり、大阪広域協組加入企業が閉鎖されるなどして、共同販売体制のシェアに変動が生じる場合において、加入企業が閉鎖される企業の従業員の雇用問題を承継し処理するという点で共通した取扱いが行われており、同種取扱い事例が積み重ねられていること自体は否定できない。
(イ)  このような中で、経営者会と組合、同協組加入企業に組合員を擁する4労組(組合と併せて5労組)は団交ルールに関する協定書(10.2.18協定書)を締結したが、同協定書では、交渉事項として構造改善事業の問題等が明記され、同事業に伴って雇用問題等の労働問題が生じた場合には、経営者会と5労組あるいは個別の労組が交渉し、妥結することとされている。
 このように、同協定書は、組合が指摘する事例にあるとおり、同協組や経営者会加入企業全体に関連ないし影響が及ぶような問題について、同協組や会員を共通にする経営者会全体で取り組み、かつ関係労組と交渉してきたという取扱い、実績に即して締結されたものと推認される。
(ウ)  そうすると、会員企業各社との個別労働問題ではなく、会員企業全体に関連ないし影響する雇用・労働条件問題に関して団交の申入れを受けたときには、会員企業各社からの経営者会に対する委任により、10.2.18協定書に基づき、当該事項は経営者会にとって義務的団交事項になるといえ、この場合同会は団交応諾義務を負う。構造改革事業に関する事項に限り義務的団交事項に当たると狭く解することは相当とはいえない。
(エ)  これを砂川生コン社の破産及び同社従業員である組合員の雇用問題についてあてはめてみると、同社の破産の結果、組合員である他社のシェアに変動が生じており、したがって、同社の破産及びこれに伴う組合員の雇用問題は、会員企業各社との個別問題とはいえず、会員企業全体に関連ないし影響する雇用・労働条件問題といえるから、同社からの経営者会に対する委任により、団交応諾義務を負うと解する余地があるといえる。
(オ)  しかしながら、同社は破産手続開始決定により会員資格自体を喪失し委任も終了するから、以後経営者会は、同社の破産及びこれに伴う組合員の雇用問題に関し、10.2.18協定書に基づき団交応諾義務を負うことはない。
(2)  結論
前記(1)で判断したとおり、経営者会は、組合員の雇用問題等に係る団交申入れについて団交応諾義務を負わないから、経営者会の使用者性について判断するまでもなく、労組法7条2号の不当労働行為は成立しない。
掲載文献  

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪府労委平成18年(不)第17号 棄却 平成19年6月20日
東京地裁平成21年(行ウ)312号 棄却 平成22年1月27日
東京高裁平成22年(行コ)第64号 棄却 平成22年7月14日
 
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