概要情報
事件名 |
マイスターエンジニアリング |
事件番号 |
中労委平成18年(不再)第1号 |
再審査申立人 |
株式会社マイスターエンジニアリング |
再審査申立人 |
全日本港湾労働組合関西地方建設支部 |
命令年月日 |
平成18年12月6日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
1 本件は、会社が、営業課長A(「A課長」)をして、B組合員に対し、組合から脱退しないと仕事がしにくくなる等の発言をさせ、組合からの脱退を強要したことが不当労働行為であるとして、大阪府労委に救済申立てがあった事件である。 2 初審大阪府労委はA課長の上記発言を不当労働行為であると判断し、会社に対し、このような行為を繰り返さない旨を記した文書を組合に手交すること(文書手交)を命じ、その余の申立てを棄却したところ、会社はこれを不服として、再審査を申し立てたものである。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
(1) A課長のB組合員に対する言動(「本件言動」)は、組合をやめないと仕事がしにくくなるし、嫌がらせをしてしまうかもしれない等述べるもので、仕事上・賃金上の報復ないしは利益誘導を示唆して組合からの脱退を勧奨したものである。 (2) (a)本件言動は、就業時間中に課長としての職務上の地位を利用して行われたものということができ、(b)分会結成後、会社は分会の影響力の拡大・浸透を阻止することを意図して、組合活動を規制しようとしたものと推認でき、 (c)会社管理職による脱退勧奨に関する組合の調査申入れに対して会社は適切に対応すべきところ、会社が何らの対応もしなかったことは、組合を軽視する会社の姿勢の現れであるということができる。 これらの点を総合的に勘案すると、本件言動は、会社が組合活動に対する規制を強めている状況の下で、会社の意を体して行われたものというを妨げない。よって、本件言動について、会社は不当労働行為責任を免れない。 (3) 以上のとおり、本件言動は、B組合員に対し組合脱退を勧奨したものであり、会社の意を体して行われたものであるから、会社の組合に対する支配介入であると判断される。 したがって、本件言動を労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であるとした初審判断は相当である。 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集136集《18年9月~12月》1357頁 |