労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名 福原学園
事件番号 福岡県労委平成19年(不)第4号
申立人 福岡県私立学校教職員組合連合、自由が丘高等学校教職員組合
被申立人 学校法人福原学園
命令年月日 平成20年11月28日
命令区分 一部救済
重要度  
事件概要  高校が、①校務分掌に関し、組合員であるX1教諭を担当クラスを割り当てない副担任としたこと、②夏季一時金において組合員X1及びX2の査定を低く行って支給したこと、③X1が勤務時間内に職員室のFAXを利用して業務と無関係の文書を送信したとして戒告処分をしたこと、④学園の理事長等が職員朝礼等において組合活動に関する言動を行ったことが不当労働行為であるとして争われた事件である。
 福岡県労委は、会社に対し、1 夏季一時金について組合員2名に支給されるべきであった金額と支給額との差額の支給、2 X1に対する戒告処分の撤回、3 組合員X1を非難する発言をしたこと等による支配介入の禁止、4 文書掲示を命じ、その余の申立てを棄却した。
命令主文 1 被申立人は、申立人組合員X2及び元同組合員X3の平成19年度夏季一時金について、同人らに支給されるべきであった金額と支給済みの金額との差額としてX2に49,519円、X3に47,636円を支払わなければならない。
2 被申立人は、申立人組合員X2に対する平成19年9月18日付け戒告処分を撤回しなければならない。
3 被申立人は、次のような言動をするなどして、申立人組合の運営に支配介入してはならない。
 (1) 平成19年3月23日の職員朝礼前、自由ヶ丘高等学校の管理職が申立人組合員X2を非難する発言をしたこと。
 (2) 同日の職員朝礼において自由ヶ丘高等学校の管理職が他組合員及び非組合員の申立人組合批判を制止せず助長する発言をしたこと。
 (3) 同月27日の職員朝礼において自由ヶ丘高等学校の管理職が非組合員の申立人組合に対する抗議署名への協力を呼びかける発言をしたこと。
 (4) 同月29日の職員朝礼において自由ヶ丘高等学校の管理職が他組合員及び非組合員の申立人組合批判を制止せず助長する発言をしたこと。
 (5) 同年4月24日の職員朝礼において自由ヶ丘高等学校の管理職が労働組合の情宣紙について所属組合員の机上に配布した残りを職員室の校長の机上に置くよう指示したこと。
 (6) 同年8月31日の元申立人組合員X4及び同年9月1日の元申立人組合員X3に対する事情聴取並びに同月3日の職員朝礼において、自由ヶ丘高等学校の管理職が情宣紙の郵送に関して威嚇的言動をしたこと。
4 被申立人は、本命令書写しの交付の日から7日以内に、次の文書を申立人自由ヶ丘高等学校教職員組合に手交するとともに、A2判の大きさの白紙(縦約60センチメートル、横約42センチメートル)に明瞭に記載し、自由ヶ丘高等学校の職員室の見やすい場所に14日間掲示しなければならない。


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平成 年 月 日
福岡県私立学校教職員組合連合
執行委員長 X1 殿

自由ヶ丘高等学校教職員組合
執行委員長 X2 殿

学校法人 福原学園
理事長 Y1
 学校法人福原学園が行った下記の行為は、福岡県労働委員会によって労働組合法第7条に該当する不当労働行為と認定されました。
 今後、このような行為を行わないよう留意します。
                    記
 (1) 平成19年度、自由ヶ丘高等学校教職員組合の組合員X2氏に対し、副担任としての担当クラスを割り当てなかったこと。
 (2) 平成19年度夏季一時金について同組合員X2氏及び元同組合員X3氏に対し低位に査定し支給したこと。
 (3) 同年9月18日付け同組合員X2氏を戒告処分にしたこと。
 (4) 同年3月23日の職員朝礼前、自由ヶ丘高等学校の管理職が同組合員X2氏を非難する発言をしたこと。
 (5) 同日の職員朝礼において自由ヶ丘高等学校の管理職が他組合員及び非組合員の自由ヶ丘高等学校教職員組合批判を制止せず助長する発言をしたこと。
 (6) 同月27日の職員朝礼において自由ヶ丘高等学校の管理職が非組合員の自由ヶ丘高等学校教職員組合に対する抗議署名への協力を呼びかける発言をしたこと。


 (7) 同月29日の職員朝礼において自由ヶ丘高等学校の管理職が他組合員及び非組合員の自由ヶ丘高等学校教職員組合批判を制止せず助長する発言をしたこと。
 (8) 同年4月24日の職員朝礼において自由ヶ丘高等学校の管理職が労働組合の情宣紙について所属組合員の机上に配布した残りを職員室の校長の机上に置くよう指示したこと。
 (9) 同年8月31日の元申立人組合員X4氏及び同年9月1日の元申立人組合員X3氏に対する事情聴取並びに同月3日の職員朝礼において、自由ヶ丘高等学校の管理職が情宣紙の郵送に関して威嚇的言動をしたこと。
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5 その余の申立てを棄却する。

掲載文献  

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
福岡地裁平成20年(行ウ)第66号 一部取消、棄却 平成22年4月21日
福岡高裁平成22年(行コ)第16号 棄却、却下 平成22年12月2日
 
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