概要情報
事件名 |
日本ERM |
事件番号 |
北海道労委平成18年(不)第11号 |
申立人 |
日本ERM労働組合 |
被申立人 |
日本ERM株式会社 |
命令年月日 |
平成19年10月12日 |
命令区分 |
全部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
従業員が労働基準監督署に賃金不払いの申立てをするとともに、組合を結成して、会社に対し、組合結成通知と未払賃金の早期支払要求書及び団交申入書を送付したところ、会社が、①組合員全員に解雇通知書を送付したこと、②団交申入れを拒否したこと、③初審調査において労委の立会いの下に締結した未払賃金等に関する和解協定を履行しないことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 北海道労委は、会社に対し、①組合結成を契機としての組合員解雇の禁止、②解雇の撤回及び未払賃金のバックペイ(年6分加算)、③誠実団交応諾、④団交拒否により組合の弱体化を図る等の支配介入の禁止、⑤文書交付を命じた。 |
命令主文 |
1.被申立人は、申立人が未払賃金の早期支払いを求めるため労働組合を結成したことを契機として、組合員全員を解雇することによって組合員を不利益に取扱うとともに、申立人の運営に支配介入してはならない。 2.被申立人は、申立人執行委員長X1に対してなした平成18年11月17日付け解雇及び同副執行委員長X2、同書記長X3、同書記次長X4、同執行委員X5に対してなした同年11月20日付け解雇を撤回するとともに、同人らが受領したであろう賃金相当額に年6分の割合を乗じて得た利息相当分の金額を付加して、申立人に支払わなければならない。 3.被申立人は、申立人が平成18年11月17日付けで申し入れた未払賃金の早期支払いに関する団体交渉に対し、組合など相手にしておれないなどと正当な理由なくこれを拒否せず、誠実に対応しなければならない。 4.被申立人は、上記3の団体交渉を正当な理由なく拒否することによって、申立人の弱体化を図り、その運営に支配介入してはならない。 5.被申立人は、申立人との間で締結した未払賃金等の支払いに関する平成19年3月2日付け和解協定の成立を否定する発言をしたり、その後履行の約束をしながらこれを反古にするなどの不誠実な対応によって申立人の存在を無視し、その運営に支配介入してはならない。 6.被申立人は、次の内容の文をA4判縦長白紙にかい書で明瞭に記載して、申立人に対し配達証明郵便で送付しなければならない。 記 当社が行った次の行為は、北海道労働委員会において、労働組合法第7条第1号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないようにします。 記 (1)当社が、貴殿らが未払賃金の早期支払いを求めるために労働組合を結成したことを契機として組合員全員を解雇することによって、貴組合員を不利益に取り扱うとともに、貴組合の運営に支配介入したこと。 (2)当社が、貴組合から平成18年11月17日付けで申し入れられた未払賃金の早期支払いに関する団体交渉に対し、組合など相手にしておれないなどと正当な理由なくこれを拒否し、誠実に対応しなかったこと及びこれによって貴組合の弱体化を図り、その運営に支配介入したこと。 (3)当社が、貴組合と締結した未払賃金等の支払いに関する平成19年3月2日付け和解協定の成立を否定する発言をしたり、その後履行の約束をしておきながらこれを反古にするなどの不誠実な対応によって貴組合の存在を無視し、その運営に支配介入したこと。
平成 年 月 日 (送付する日を記載すること) 日本ERM労働組合 執行委員長 X1 様 日本ERM株式会社 代表取締役 Y
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掲載文献 |
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