概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(千葉動労幕張電車区配転) |
事件番号 |
中労委平成16年(不再)第3号
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再審査申立人 |
国鉄千葉動力車労働組合 |
命令年月日 |
平成17年10月 5日 |
命令区分 |
再審査棄却(初審命令をそのまま維持) |
重要度 |
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事件概要 |
会社は、組合員2名を、幕張電車区から京葉電車区又は習志野電車
区に配置転換したことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、千葉県労委は、組合の救済申立てを棄却した。
組合は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
会社においては、平成7年度以降、新卒の高卒採用社員(平成採用社員)を、基本技能取得のため、まず取扱車種の少ない京葉、
習志野電車区に配属し、その後毎年、両電車区から取扱車種の多い幕張電車区等へ異動させていること、13年度に京葉電車区又
は習志野電車区から幕張電車区に異動となった5名のうち4名は20歳代の平成採用社員であったこと、千葉支社は、平成13年
12月1日のダイヤ改正に合わせて検修関係区の要員の標準数を変更し、その結果、習志野電車区、幕張電車区、木更津支区の余
力が生じ、京葉電車区では逆に要員が必要とされる状況になったことが認められること等を総合すれば、本件配転を含む人事異動
においては、幕張電車区へ平成採用社員を転入させる必要があったこと、それに伴い、要員の需要調整のために幕張電車区から平
成採用社員以外の者を他の検修関係区へ転出させる必要があったことが認められるとされた例。
1300 転勤・配転
幕張電車区から京葉電車区、習志野電車区に配置転換した本件配転に関し、会社が人選基準として主張する、(1)「40歳代の
中堅社員であること」との基準は、習志野電車区には40歳代が少ないため、50歳代の技術の承継や世代交代を考えて40歳代
の社員を習志野電車区に転入させることには合理性が認められ、京葉電車区においても同様のことがいえること、(2)「余力の
ある箇所に従事している社員であること」との基準は、幕張電車区においては仕業検査業務には余裕が生じていたとみられ、仕業
検査を担当する箇所はこれに当たるものと認められること、(3)「仕業A長業務を本務とする社員は除く」との基準は、仕業A
長は仕業班のリーダーとなる者であり、同時に転入してくる者の中に当該職務を担当できる者がいない限り、業務に支障が生ずる
おそれがあるので、当該基準には合理性が認められること、(4)「構内運転に従事していない社員」との基準は、構内運転に従
事する社員には特段余力があったものとは認められないので、当該基準には合理性が認められること、(5)「幕張電車区に勤務
して間もない社員を除く」との基準は、異動に関してしばしば用いられる基準であり、本件においてそれが特に不合理であるとの
証拠はないこと等から、X1及びX2は、合理的な基準に基づき人選されたものと判断することができ、当該基準が不当労働行為
意思に基づいて設定されたものとは認められないとされた例。
1300 転勤・配転
本件配転については、X1及びX2は業務上の必要性のもとに合理的な人選基準によって配転の対象となったものであること等か
ら、本件配転により、幕張電車区での同人ら及び支部の組合活動に影響があったことは窺えないわけではないが、そのことをもっ
て会社の不当労働行為意思により不利益取扱いがなされたと判断することはできず、また、本件配転が組合への支配介入に当たる
ということもできないとされた例
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
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