概要情報
事件名 |
西日本旅客鉄道(西労金沢) |
事件番号 |
中労委平成9年(不再)第44号
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再審査申立人 |
ジェイアール西日本労働組合 |
再審査申立人 |
ジェイアール西日本労働組合金沢地方本部 |
再審査被申立人 |
西日本旅客鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成18年 5月24日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
(1)会社の科長が組合員14名に対し、職制を利用し組合からの脱退を慫慂したこと、(2)組合掲示板に貼付された掲示物の撤去を所長等が要請したことが不当労働行為であるとして、争われた事件で、石川県労委は、組合の申立てを棄却した。 組合はこれを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、初審命令の一部を変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文
1 初審命令主文を次のとおり変更する。 2 西日本旅客鉄道株式会社は、ジェイアール西日本労働組合金沢地方本部に所属する組合員 に対し、会社の職制を利用して同組合からの脱退を慫慂して、同組合の運営に支配介入して はならない。 3 西日本旅客鉄道株式会社は、ジェイアール西日本労働組合及びジェイアール西日本労働組 合及び同金沢地方本部に対し、本命令受領後、速やかに下記の文書を手交しなければならな い。 記 平成 年 月 日 ジェイアール西日本労働組合 中央執行委員長 X1 殿 ジェイアール西日本労働組合金沢地方本部 執行委員長 X2 殿
西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 印
当社が金沢支社において、ジェイアール西日本労働組合金沢地方本部に所属する組合員X3及びX4に対し、貴組合からの脱退を慫慂したことは、中央労働委員会において、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を切り返さないようにいたします。 4 その余の本件救済申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2625 非組合員化の言動
X3に対する脱退慫慂は、当時の労使事情、会社の代表者の発言、脱退慫慂を行ったY2・Y3両科長の地位・権限、本件行為に対する会社の対応、本件行為の時期等を総合的に勘案すると、金沢運転所において運転士の多数が申立組合員であるため、ストライキ実行の可能性が現実的にあることに危機感を抱いていたY2・Y3が、そのような申立組合を好ましからぬ組織と考える会社の意を体し、科長の立場で行ったと認めるのが相当であり、会社に帰責されて然るべきものであるから、労組法第7条第3号に該当するとされた例。
2625 非組合員化の言動
2610 職制上の地位にある者の言動
X4に対する脱退慫慂は、Y3が組合を好ましからぬ組織と考える会社の意を体して行ったと認めるのが相当であり、会社に帰責されて然るべきであるので、本件X4に対する脱退慫慂は、労組法第7条第3号の支配介入に該当するとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
3020 組合活動への制約
会社が撤去を求めた掲示物の内容には一部表現が不適切であると思われるものや推測によると思われるもの等が含まれており、職場規律保持の観点から、会社が撤去を求めたことに一応の理由があると認められること、会社は組合掲示物の撤去要請をしたにとどまり、組合がこれに応じない場合にも自ら撤去するようなことは行っていないこと、撤去したものにあたっては、会社の要請があったものと認められるが、要請が不当な方法で行われたとは認められず、撤去も組合の意思により行っていることからすると、本件撤去要請のみをもって労組法第7条第3号に該当する支配介入とまではいえないとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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