事件名 |
南労会 |
事件番号 |
中労委平成 5年(不再)第25号
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再審査申立人 |
医療法人南労会 |
再審査被申立人 |
全国金属機械労働組合港合同 |
再審査被申立人 |
全国金属機械労働組合港合同南労会支部 |
命令年月日 |
平成17年 7月20日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
法人は、組合から申入れのあった分会事務所破壊事件に関する団体交
渉及び賞罰委員会の開設並びに支部書記長X1への事情聴取の通知等を議題とする団体交渉を拒否したことが不当労働行為である
として、争われた事件で、大阪府労委は、法人に対し、分会事務所破壊事件に関する誠実団交応諾及び賞罰委員会の開設並びに支
部書記長X1への事情聴取の通知等を議題とする団体交渉についての文書手交を命じた。
法人は、これを不服として再審査を申し立てたが、中労委は、分会事務所破壊事件に関する誠実団交応諾を文書手交に変更し、
賞罰委員会の開設及びX1に対する事情聴取の通知等に関する文書手交を取消し、その余の再審査申立てを棄却し
た。 |
命令主文 |
Ⅰ 初審命令主文を次のとおり変更する。
1 再審査申立人医療法人南労会は、再審査被申立人全国金属機械労働組合港合同に対し、
下記の文書を速やかに手交しなければならない。
記
年 月 日
全国金属機械労働組合港合同
委員長 X2 殿
医療法人南労会
理事長 Y1
当医療法人の行った下記の行為は、中央労働委員会において、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為と認定されまし
た。
今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
記
貴組合から平成4年4月2日付けで申入れのあった組合事務所破壊事件に関する団体交渉に応じなかったこと。
2 その余の本件救済申立てを棄却する。
Ⅱ その余の本件再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2240 説明・説得の程度
分会事務所破壊事件について、警察に被害届を提出したことにより犯人の追及等真相の解明を警察の手に委ねたことになるが、今
後の組合事務所の維持管理に関する問題の解決の必要がなくなったわけではないから、被害届の提出により、以後の団交に応じる
義務がなくなるものではないこと、法人が故意に調査を遅延させたとまではいえないが、調査結果の中間報告に関する組合らへの
対応は不誠実で消極的な姿勢をとっていたといわざるをえないこと、また、分会事務所破壊事件の警察への被害届の提出理由説明
の如何にかかわらず、組合事務所の維持管理に関する問題はなお存在していたのであるから、既に交渉が尽くされ、団交が行き詰
まりになっていたとはいえないこと等から、法人が、同事件に関する団交に応じなかったことは、労組法第7条第2号に該当する
とした初審判断は相当であるとされた例。
2301 人事事項
組合が平成4年4月13日付けの賞罰委員会の開設及び組合書記長に対する事情聴取の通知等を議題とする団体交渉申入れに法人
が応じなかったことは、初審判断にて労組法第7条第2号に該当する不当労働行為と判断され文書手交を命じられており、法人
は、この点を不服として再審査申立てを行ったが、本件再審査申立て後、本件について紛議を拡大しないため初審命令を履行する
として、初審命令が命じるとおりの文書を組合に送付したことによって、再審査申立てにおける法人のこの点に関する主張は、こ
れを維持する意味がなくなったものであり、これについて、改めて判断する必要はないとされたれ例。
4505 その他
分会事務所破壊事件発生から既に長期間を経過し、現在の時点において交渉によらなければ解決できない問題がなお存在している
とは認められず、本件の事案の性格などから、現時点において団交の実施を命じる必要性は乏しいが、今後における団交拒否事件
等の再発防止を期待するという観点から、文書手交を命じるものとするとされた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
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