概要情報
事件名 |
北海道旅客鉄道 |
事件番号 |
北海道労委平成17年(不)第2号
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申立人 |
X1、X2、X3 |
申立人 |
JR北海道労働組合 |
被申立人 |
北海道旅客鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成18年 5月29日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、札幌車掌所車掌であるX1らに対し、釧路運輸車両所勤務を命じたことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。 北海道労委は、会社に対し、(1)転勤を命じるに際しての差別的取り扱いの禁止、(2)(1)に関する文書掲示を命じ、その余の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、転勤を命じる際に申立人組合員であることを理由として、ことさら差別的 な取扱いをしてはならない。 2 被申立人は、次の内容の文書を縦1.4メートル、横1メートルの白紙にかい書で明瞭に記載 し、被申立人本社の正面玄関及び社員通用口並びに札幌車両所、釧路運輸車両所玄関の見や すい場所に、本命令書写し交付の日から1週間以内に掲示し10日間掲示を継続しなければならない。 記
当社が行った次の行為は、北海道労働委員会において、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。 今後、このような行為を繰り返さないようにします。 記 当社が、転勤を命じる際に、貴組合に所属する組合員であることを理由として、ことさら差別的な取扱いをしたこと、また、これを手段として貴組合の運営に支配介入したこと
平成 年 月 日(掲示する初日を記載すること)
JR北海道労働委員会 中央執行委員長 X4 様
北海道旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 Y1
3 申立人らのその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
札幌車掌所車掌であるX1らに対する転勤命令について、転勤の対象者が大卒総合職の者を除くと申立組合員だけであること、札幌車掌所から他の支社への車掌の一方的な配転命令の例がほぼ皆無であったこと、転勤命令の発出の過程において具体的な人選基準を明らかにしなかったこと、会社は申立組合に対し強い不信感を有していたこと等から、本件転勤命令は、申立組合所属組合員であることを理由とした不利益取扱いであり、同時に組合の弱体化を企図した支配介入であって、労組法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であるとされた例。
4603 その他
申立組合は、本件転勤命令の撤回及びX1らの原色復帰を求めているが、簡易苦情処理手続において、申立組合はX2以外の部分についてはそれほど強く反対せず、X2はその後退職していること、また、本件転勤の業務上の必要性及び人選の相当性がそれなりに認められることから、救済措置としては、会社は、転勤を命じる際に申立組合員であることを理由とする差別的取扱禁止を命ずるのが相当であるとされた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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