概要情報
事件名 |
黒川乳業 |
事件番号 |
大阪府労委平成15年(不)第54号・平成16年(不)第40号
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申立人 |
関西単一労働組合 |
被申立人 |
黒川乳業株式会社 |
命令年月日 |
平成18年 4月 7日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)会社の取引先に取引中止を求める申入れ行動に参加した組合員に対し懲戒処分を行ったこと、(2)就業規則の全面改訂に関する団体交渉を拒否したこと、(3)就業規則を全面改訂して組合員に適用したことが不当労働行為であるとして、争われた事件である。 大阪府労委は、会社に対し、上記(2)に関する文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 関西単一労働組合 執行委員長 X1 様 黒川乳業株式会社 代表取締役 Y1 当社が貴組合との就業規則の全面改訂に関する団体交渉を拒否したことは、大阪府労働委員会において、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。 今後このような行為を繰り返さないよういたします。 2 申立人のその他の申立ては、いずれも棄却する。 |
判定の要旨 |
0205 第三者・取引先等への働きかけ
1400 制裁処分
組合は、分会長X2の申入れ行動における行為に対し、会社の行った同人への出勤停止処分が正当な組合活動に対する報復攻撃である旨主張するが、会社の営業妨害につながるおそれがあるなど同申入れ行動が正当な組合活動と認められない以上、これに参加したX2に対して就業規則に基づく懲戒権を行使してもやむを得ないものであって、この点に関する組合の主張は採用できないとされた例。
2304 経営事項
2305 労働協約との関係
4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
就業規則の全面改訂案について、組合が組合員の労働条件に関する問題点を指摘し、団交協議等を申し入れている以上、会社はこれに応じる義務があるというべきであるにもかかわらず、会社は、就業規則は組合と協議・決定する協約とは異なる旨、団交交渉はしない旨等を述べていることは団交拒否であり、また組合が就業規則の改訂に絶対反対の立場を表明していることは団交拒否の正当な理由とはなりえず、本件に関する会社の対応は労組法第7条第2号に該当する不当労働行為であるが、当該就業規則は既に全面改訂の上、全従業員に適用されているので、組合と改めて交渉する実質的な利益はなく文書手交をもって足りるとされた例。
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
会社が組合との団交拒否をしたまま、別組合との団交協議を重ね、就業規則を全面改訂して組合分会員に強行適用したことは組合間差別である旨の組合の主張について、会社は組合に対して当該就業規則の全面改訂案に関する説明を行っておらず、またその意見を得ていないものの、労基法第90条の規定に基づき全従業員にこれを適用していることから、手続上問題はないというべきであり、この点に関する組合の主張は採用できないとされた例。
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業種・規模 |
飲料・たばこ・飼料製造業 |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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