概要情報
事件名 |
東海旅客鉄道(掲示物撤去) |
事件番号 |
大阪地労委 平成 7年(不)第78号
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申立人 |
ジェイアール東海労働組合 |
申立人 |
ジェイアール東海労働組合新幹線関西地方本部大阪第一車両所分会 |
被申立人 |
東海旅客鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成10年 9月29日 |
命令区分 |
全部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、平成7年7月3日から同8年5月30日までの間に、組合新幹線関西地方本部大阪第一車両所分会の組合掲示板に提出した掲示物の内容が掲示物としてふさわしくないとして18回にわたり撤去したことが、不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、大阪地労委は文書手交を命じた。 |
命令主文 |
主 文 被申立人は、申立人らに対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない 。 記 年 月 日 ジェイアール東海労働組合 中央執行委員長 X1殿 ジェイアール東海労働組合新幹線関西地方本部 大阪第一車両所分会 執行委員長 X2殿 東海旅客鉄道株式会社 代表取締役 Y1 当社の新幹線鉄道事業本部関西支社第一車両所が、平成7年7月3日から同8 年5月30日までの間に、貴組合新幹線関西地方本部大阪第一車両所分会の組合 掲示板から掲出中の掲示物を延べ18回にわたり撤去したことは、大阪府地方労 働委員会おいて、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為と認められま した。今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 |
判定の要旨 |
3020 組合活動への制約
分会掲示板の掲示物は、(1)同掲示板が組合の団結維持のために重要な位置を占めていたこと、(2)同掲示板の場所が会社関係者以外の一般公衆の目に触れる機会が少なかったこと、(3)関係者の間では、組合結成以来の組合、会社間の厳しい対立状況が周知されていたこと、(3)同掲示物は、前記対立状況の下で、会社批判のため作成された一連のものであるので、その激しい言葉遣いもやむを得ない面があったこと、(4)同掲示物の表現は、計18回、延べ23点にわたり同掲示物の撤去を繰り返す中で、過激なものとなっていった面があることからすれば組合の活動、運営に必要な掲示物としての許容範囲から逸脱したものとは認められず、分会掲示板から掲示物を撤去したことは不当労働行為であるとされた例。
4614 文書手交のみを命じた例
会社による掲示物撤去の是非は、その掲示物の内容によるのであって、将来にわたって掲示物の撤去を一律に禁止すべきではないとして、文書手交を命じた例。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集112集80頁 |
評釈等情報 |
 
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