概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(千葉動労組合掲示板等) |
事件番号 |
千葉地労委 平成 2年(不)第2号
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申立人 |
国鉄千葉動力車労働組合 |
被申立人 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
命令年月日 |
平成 9年 2月12日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が併存する他組合には組合掲示板を貸与し、勤務時間中の団体交渉に出席した交渉委員の賃金を支払いながら、申立人組合とは、包括的な労働協約を締結していないことを理由にこれら便宜供与を認めず、他組合との間に取扱いに差異を設けていることが争われた事件で、組合掲示板の貸与、会社施設の使用及び勤務時間中の団体交渉委員の賃金支払いを命じ、その余の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人各支部に対して、他の併存する労働組合と差別することなく、組合掲示板を貸与しなければならない。 なお、利用上の条件については、他の組合との状況を勘案し、当事者間において別途合理的な取り決めをしなければならない。 2 被申立人は、申立人の集会等のため、会社業務に明白な支障のない限り会社施設を使用させなければならない。 3 被申立人は、申立人との団体交渉に申立人交渉委員として出席する組合員に対して、団体交渉のため職場を離れた時間の賃金を支払わなければならない。 4 その余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社は、便宜供与の前提として包括的労働協約の締結を主張するが、その締結に固執する理由に合理性は認め難く、会社が併存する他組合には組合掲示板を貸与し、団体交渉員の勤務解放を認めているにもかかわらず、当該組合にはこれらを認めていないことは、当該組合の日常の活動に大きな支障を来たしている。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社は、会社施設の一時使用については、労働協約の有無にかかわらず、現場の長が業務上の支障の有無等を考慮して諾否を決定するとしているが、実際には業務の支障の有無ではなく、組合活動に対して会社施設の使用妨害を行っているにすぎない。
5200 除斥期間
労働協約未締結を理由に便宜供与を拒否し続ける行為は、救済申立時に存する便宜供与差別の是正を求める趣旨と解されるから、申立期間徒過の問題は生じない。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集107集151頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1997年10月 928号 15頁 
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