概要情報
事件名 |
郵政省博多南郵便局 |
事件番号 |
公労委 昭和56年(不)第1号
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申立人 |
博多南郵便局労働組合 |
被申立人 |
博多南郵便局長 |
被申立人 |
郵政大臣 |
命令年月日 |
昭和58年12月22日 |
命令区分 |
棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下) |
重要度 |
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事件概要 |
(1)郵政大臣が、特別昇給制度に関する団交申入れ及び、交渉委員
名簿の提出要求を拒否したこと、(2)郵便局長が、服務表の変更等に関する団交申入れ及び交渉委員名簿の提出要求を拒否した
こと、(3)同局長が組合事務室及び組合用掲示板の設置と使用許可を拒否したこと、(4)同局長が電話の設置と使用許可を拒
否したことが争われた事件で、組合の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文
本件申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2123 その他交渉出席者
2242 回答なし
2300 賃金・労働時間
特別昇給に関する事項は、職員の労働条件に関する事項として団交対象事項であるが、郵政大臣には、特別昇給制度に関する団
交申入れを受けた後相当期間内に「話合い」の提案をして申立人からの返答を待つていた事情もあるから、この「話合い」がいわ
ゆる団体交渉を意味しないとしても、この段階で申立てを行うのは性急に過ぎ、同大臣には、未だ団交を拒否する行為があつたと
は認め難い。交渉委員名簿の提出要求以後の経過も上記とほぼ同様であり、郵政大臣の対応が団交を拒否する行為であつたとは認
められない。
2120 交渉委任
2242 回答なし
郵便局における服務表の変更は、労働条件に関する事項として団交対象事項であるが、郵便局長は、郵政大臣から、申立人との
関係において団交を行う権限の委任を受けていないから、服務表の変更に関する団交に応じなくても不当労働行為とはいえない。
なお、郵便局長は、交渉権限の委任を受けていないから、交渉委員名簿を提出しなくても不当労働行為にはあたらない。また、
「組合活動」の内容である組合事務室等の使用許可問題は、公労法8条にいう労働条件に関する事項とは認められないから、郵便
局長が団交を行わなくても不当労働行為とはいえない。なお、郵政省から申立人側に対して話し合いたい旨の回答がなされている
等の事情からして、被申立人側の対応に不当労働行為として非難される点はない。
2110 少数組合
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
庁舎の一部を組合事務室として使用許可するか否かは、郵便局長の庁舎管理権に基づく裁量行為であり、当該許可をするに当た
つて組合員数を基準とすることには合理的理由があり、同局長が申立人程度の組合(組合員5名)に許可しなくても不当労働行為
とはいえない。庁舎内で組合用掲示板の使用許可をするか否かも、庁舎管理権に基づく裁量行為であり、郵便局長は、当該使用許
可の要求を受けた後申立人側に状況説明をするなど相応の対応をしていること等からすれば、このような段階で同局長が未だ使用
許可していなくても、組合間の差別をしたものとはいえない。電話の設置許可要求については、その前堤となる事務室の使用不許
可が不当労働行為にあたらない以上、当該設置不許可も不当労働行為とはいえない。
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業種・規模 |
分類不能の産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集 |
評釈等情報 |
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