労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  郵政省博多南郵便局控訴 
事件番号  東京高裁昭和63年(行コ)第70号 
控訴人  博多南郵便局労働組合 
被控訴人  国営企業労働委員会 
被控訴人参加人  国 
判決年月日  平成 2年 4月25日 
判決区分  控訴の棄却 
重要度   
事件概要  (1)郵政大臣が、特別昇給制度に関する団交申入れ及び交渉委員名簿の提出要求を拒否したこと、(2)郵便局長が、服務表の変更等に関する団交申入れ及び交渉委員名簿の提出要求を拒否したこと、(3)同局長が組合事務室及び組合用掲示板の設置と使用許可を拒否したこと、(4)同局長が電話の設置と使用許可を拒否したことが争われた事件で、組合の申立てを棄却した。組合はこれを不服として、東京地裁に行政訴訟を提起していたが、同地裁は、組合の請求を棄却した。組合はこれを不服として、東京高裁に控訴していたが、同高裁は、組合の控訴を棄却した。 
判決主文  本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。 
判決の要旨  2213 交渉人数
組合は結成後間がなく、郵政大臣は組合の組織実態について正確な認識を有しておらず、加えて、労使間において団体交渉の手続きについて全く協議がなされておらず、団体交渉を開催する場所について一致を見ない可能性が高かったことにも鑑みるならば、いわば事前折衝ないし予備折衝としての性格を有する話し合いの提案をしたことは使用者側の対応として誠意を欠くものとはいえず、公共企業体等労働関係法の趣旨に反するものではない。

2210 組合員名簿・組合規約不提出
組合が特段の支障がないのに組合規約等を明らかにせず、かつ、郵政大臣の1の話し合いの提案に応答することもなく、組合結成後一か月を経ないで団体交渉の拒否があったとして本件救済申立てに及んだのは性急な対応といわざるをえず、いまだ郵政大臣に団体交渉拒否による不当労働行為があったということはできない。

2120 交渉委任
郵便等の事業において使用者として団体交渉に応ずべき義務を負う者は、企業経営の主体として法律上独立した権利義務の帰属主体となる国(郵政大臣)であって、郵便局長は交渉委員の指名を受け、交渉権限を委任されることなしには団体交渉を行うことはできないから、交渉委員の指名を受けていない郵便局長に団体交渉拒否による不当労働行為があったということはできない。

業種・規模  分類不能の産業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集25集691頁 
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
公労委昭和56年(不)第1号 棄却(命令主文が棄却のみ又は棄却と却下)  昭和58年12月22日 決定 
東京地裁昭和59年(行ウ)第33号 請求の棄却  昭和63年10月27日 判決 
 
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