概要情報
事件名 |
日本国有鉄道大分鉄道管理局 |
事件番号 |
公労委 昭和39年(不)第10号
公労委 昭和40年(不)第1号
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申立人 |
国鉄労働組合 |
被申立人 |
日本国有鉄道 |
命令年月日 |
昭和40年11月 1日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
駅長が、(1)国労からの大量脱退問題が起きている時期に、点呼において、幹部は不当労働行為をしないようにとの訓示をしたこと、(2)国労役員の就業時間中の駅構内でのオルグ活動を認めなかったこと、(3)助役が国労組合員に対して国労からの脱退を勧奨する言動をしたことが争われた事件で、助役の言動については不当労働行為の成立を認め、その他の申立ては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、本命令交付の日から30日以内に、その職員Y1(昭和39年10月10日当時別府駅首席助役)をして下記1の文書を、Y2(昭和39年10月12日当時大分運転所助役)をして下記2の文書を、Y3(昭和40年2月当時中津保線区首席助役)をして下記3の文書を申立人に交付させるとともに、同人らに今後それぞれ下記文書に記載するような行為を繰り返さないよう注意を与えなければならない。 記 1 昭和39年10月10日、貴組合の組合員X1に対して、貴組合から脱退するようしょうようしたことについて、ここに遺憾の意を表します。 昭和 年 月 日 国鉄労働組合 中央執行委員長 X2 殿 Y1 記 2 昭和39年10月12日、貴組合の組合員X3に対して、貴組合から脱退するようしょうようしたことについて、ここに遺憾の意を表します。 昭和 年 月 日 国鉄労働組合 中央執行委員長 X2 殿 Y2 記 3 昭和40年2月11日、貴組合の組合員X4に対して、貴組合から脱退するようしょうようしたこと及び同月22日、貴組合の組合員X5に対してその組合活動に干渉したことについて、ここに遺憾の意を表します。 昭和 年 月 日 国鉄労働組合 中央執行委員長 X2 殿 Y3 2 申立人のその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
駅長の行なった点呼のさいの発言については、当時申立組合員の大量脱退問題の起きているという極めて微妙な時期であったことから、この訓示を聞いた職員のなかに、駅長が主任、業務助役の者に対して脱退をしょうようしていると感じた者がいたとしても、同駅長の訓示は当時の駅長の職責上当然の内容のものであって、これをもって組合の運営に介入したものということはできない。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
駅長が勤務時間中における申立組合のオルグ活動を認めなかったことは当然であり、新組合に対しても同様の態度をとっていたのであるから、同駅長の行為をもって不当労働行為であるとすることはできない。
2621 個別的示唆・説得・非難等
3410 職制上の地位にある者の言動
助役は被申立人の利益を代表するいわゆる管理者であるから、被申立人が、再三にわたって助役らに対し、厳正中立の立場を維持し不当労働行為を行なわないよう指示を与えていたからといって、被申立人は、助役らが行なった申立組合の運営に対する介入行為につき、自ら不当労働行為の責を免れるわけにはいかない。
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業種・規模 |
分類不能の産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集 |
評釈等情報 |
 
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