概要情報
事件名 |
柳井商店 |
事件番号 |
兵庫地労委平成 2年(不)第5号
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申立人 |
全日本運輸一般労働組合関西地区生コン支部 |
被申立人 |
株式会社 柳井商店 |
命令年月日 |
平成 3年 4月26日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、組合員に対して脱退を勧奨したこと及び組合員15名を全員解雇したことが争われた事件で、(1)組合員X1に対する解雇の取消し、原職復帰及びバック・ペイ、(2)組合員X1に対する解雇の取消し及び退職の前日までのバック・ペイ、(3)組合員に対する脱退勧奨などによる支配介入の禁止、(4)文書掲示を命じ、組合員X1に対する退職日以後のバック・ペイについては申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人会社は、申立人組合の組合員X2他12名に対する解雇を取り消し、原職に復帰さ せるとともに、平成2年6月1日以降、原職に復帰するまでの間に支払われるはずであった 賃金相当額を各人に支払わねばならない。 2 被申立人会社は、申立人組合の組合員X1に対する解雇を取り消し、平成2年6月1日か ら同年8月30日までの間に支払われるはずであった賃金相当額を同人に支払わねばならな い。 3 被申立人会社は、Y1に対し、申立人組合の組合員X3に対する解雇を取り消し、原職に 復帰させるよう命ずるとともに、X3に対し、平成2年6月1日以降、原職に復帰するまで の間に支払われるはずであった賃金相当額をY1と連帯して支払わねばならない。 4 被申立人会社は、申立人組合の組合員に組合脱退を勧奨するなどして、申立人組合の自主 的運営に支配介入してはならない。 5 被申立人会社は、命令書受領の日から7日以内に縦1m×横1.5m以上の木板に下記のとお り楷書で墨書して、本社及び西宮浜工場正門の見やすい場所に10日間掲示しなければならな い。 記 平成 年 月 日 全日本運輸一般労働組合 関西地区生コン支部 執行委員長 X4 殿 株式会社柳井商店 代表者代表取締役 Y2 当社が行った下記の行為は、いずれも労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当 労働行為であったことを認め、今後、このような行為を繰り返さないことを誓約します。 (1)貴組合員X2他13名を解雇したこと。 (2)貴組合員X3氏をY1をして解雇させたこと。 (3)貴組合員に対し貴組合からの脱退を勧奨したこと。 6 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
0500 勤務成績不良
勤務状況等を理由として、臨時従業員である組合員5名を解雇したことが不当労働行為であるとされた例。
0700 職場規律違反
1401 労務の受領拒否
正当な理由なく就労しないこと及び会社の営業を妨害したとして組合員9名に対して解雇を通告したことが不当労働行為であるとされた例。
1104 第三者(取引先等)からの苦情
組合員X3を、ミキサー車をとめて待機中に女性に嫌がらせをしたとして解雇したことが他労組の組合員は解雇されなかったことから不当労働行為であるとされた例。
2621 個別的示唆・説得・非難等
分会結成後、会社が分会員に支部からの脱退を勧奨したり、分会への加入を非難する言動を行ったことが支配介入にあたるとされた例。
4407 バックペイの支払い方法
被解雇者X1は会社を退職しているので、同人に対するバック・ペイは、退職の日の前日までに留めるのが相当であるとされた例。
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
組合員X3の解雇問題の救済として、会社は、X3の雇用契約上の当事者であるY1に対しX3に対する解雇を取り消し、原職に復帰させるよう命ずるとともに、会社及びY1は連帯して賃金相当額を支払うように命じた例。
4905 経営補助者
組合員X3は形式上Y1と雇用契約を交わしているが、Y1は会社の実質的な管理下にあって、会社の支配力あるいは影響力を受けており、会社はX3に対してY1とともに使用者たる地位にあるとされた例。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集92集452頁 |
評釈等情報 |
 
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